鋼線使いの武偵 作:鋼線使い
ジーサードからの依頼を一週間で片付ける息抜きに、
流石に徒手格闘で鋼線は卑怯過ぎるので、素手で相手をしたが、結果で言えば俺の圧勝で終わった。
俺の専攻は、
ぶっちゃけ、強襲科ならSランク取れるぐらいには強い。徒手の方が強いあのジーサードに徒手と鋼線の併せ技で難とか食らいついた俺だぞ、毛が生えた程度のAランクに後れなぞ取らんよ。
ジーサード・リーグの元
その経験を生かして、強襲科有望株の火野、高千穂等を床に沈めたり、間宮が一瞬殺気を、素を出して喉を抉る一撃──〈鳶穿〉を繰り出そうとしてきた事に動揺したが、間宮も無意識だったらしく自分の行動に驚いて技をキャンセルした瞬間を逃さず伸ばされた腕を掴んで投げ飛ばした。
他は、カナやジーサードの体捌きを真似て自分が使いやすい様にアレンジするための練習台にしてやった。
間宮の無意識行動には、肝を冷やしたがお陰で夾竹桃の獲物であることを思い出せた。
向かってきた奴らを全員倒した後、二、三個小言を言って間宮に、「癖が抜けないなら諜報科に転科しな。そーした方がランクは今より上になる。嫌ならもっと自身と向き合いな。そうしないと大切な人すら守れんぞ」と、暗にこれから何か起こるぞと言ってから強襲科から去って寮に帰ってワイヤー作りに取りかかる。
……あっ。そういえば今月で百合との戦妹切れるんだっけ?次どうしよっか。
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間宮あかり side
強襲科で友達のライカと一緒に組み手等の訓練をしていたら蘭豹先生が片手に酒瓶を持ってもう片方に持った銃を乱射しながら諜報科の先輩に多対一で闘え、ヤラないなら死ね!っと、脅してきた。
みんな蘭豹先生に殺られたくないので、先輩に向かって行く。
諜報科の生徒は、周りから少し敬遠されている。理由は確か情報を手に入れるのに卑怯な手を使ったり、正面から戦わず影でコソコソとするからだったかな?
油断した、は言い訳にしかならない。相手の専攻は諜報科。これだけでも気を引き締めなければならないのは、
模擬戦は、一方的だった。
先ず最初に向かって行った男子が一瞬でやられていた。まるでどこから攻撃が来るか分かっているような体捌きと足運び。
暗殺者の如く。
あたしの頭が無意識にそう判断をして、暗殺者を殺すために、敵の喉を抉る。
鳶穿を放とうと手を伸ばした時、あたしは自分が今何をしようとしていたかを自覚した。
(このままだと殺しちゃう!)
体に染み着いてしまった動きを抑えようとした瞬間、天地が逆転した。
あたしの鳶穿に対して先輩は、焦ることなく慣性を殺さず鳶穿ちの速さをそのまま返す様に投げられ背中から落とされて脱落した。
そうして理解したこの先輩は、あたしの憧れであるアリア先輩と同じSランクレベルの人だということに…。
模擬戦は、先輩の勝ちで終わった。あの連戦だったのに息切れどころか、汗もかいていないことにレベルの違いを叩き込まれた。
そして、二、三小言を言われ終わったと思ったら、先輩に声をかけられあたしにしか聞こえない声量で言ってきた。
『癖が抜けないなら諜報科に転科しな。そーした方がランクは今より上になる。嫌ならもっと自身と向き合いな。そうしないと大切な人すら守れんぞ』と。
その言葉を聞いた瞬間あたしの癖を、たった一回で。そう、あの数秒で、あたしの事を理解された。
あたしの心が揺れ動く。
このままアリア先輩の戦妹になって教わるのと、あの先輩の戦妹になってこの力の向き合い方を、たった数秒であたしの癖すら見抜く洞察力を持つ先輩に師事した方が良いのではないかと……。
……取り敢えず、先輩の名前を調べないと。