鋼線使いの武偵 作:鋼線使い
あかり side
「
いきなり現れた詩蓮先輩の言葉に驚いてしまった。
「そうだ、今から始めっぞ」
「え、えー、そんなぁ~」
急過ぎるよ。訓練終わりで疲れているのに今から試験なんて……。
「あぁ?戦兄妹の申請書出したんだろやる気あるんじゃねーのか?」
「出したその日来ると思ってなくて……」
「はぁ~~~……」
うぅ……思いっきり溜め息吐かれた。
だって書類出してまだ三時間くらいしか経ってないのですが……。
「ならここでチャンスを捨てるんだな」
「はっ…!?」
もしかしてさっきの会話聞かれてた!?
いや、もしかしてじゃない。詩蓮先輩の隠形はレベルが違う!校舎出る辺りで付いて来ていたんだ、きっと。
「お前の所に来るまでに四回試験をやったがどいつもこいつも骨のないヤツばっかでよぉ。で?お前はどっちだ?他のヤツらのように骨のないヤツと判断されるか。それとも……俺に骨のあるヤツだと判断させるか。二つに一つだ!もう一度言う……お前はどっちだ?」
そうだ、これはチャンスなんだ。ここで背を向けたら、きっとアリア先輩の時だって失敗する!
判断させるんだ……詩蓮先輩にあたしが骨のあるヤツだと判断させるんだ!
「……やります。貴方に、詩蓮先輩にあたしが骨のあるヤツだと判断させます!」
「ハッ、よく吠えたな。いいだろう取り敢えず挑戦する資格はあるようだな」
「挑戦する資格……?」
あ、あれ?
もしかして、試されてた?
試験、始まってすらないのに?
「あ、あかり……」
「あかりさん……」
ライカと志乃ちゃんの心配する声に冷や汗かきながら顔を向ける。
二人とも顔色が悪いよ。たぶんあたしもだけど。
「それじゃあ、まず試験内容だが普通なら『エンブレム』だが、今回はもっとシンプル。制限時間内で俺に一回でも攻撃を当てる。それだけだ」
「攻撃を当てる……ですか?」
エンブレムって何だっけ?
でも違うし……どんな攻撃でもいいのかな?
「そうだ。攻撃の種類は問わん。銃でもナイフでも徒手でもなんでもいい自分の持つ力全て使えよ。あぁ、そこの友達の参加は認めない参加した瞬間落とさせて貰う。制限時間は一時間、質問はあるか?」
攻撃の種類は問わない。どんな攻撃でもいいのかな?
「あ、先輩からの攻撃はあるんですか?」
あたしが考えてなかった事をライカが代弁してくれた。
「あぁ、そうだった。ハンデとして俺からお前に攻撃はしない。だがお前が徒手の時にだけカウンターだけするってところかな。他ある?」
「……ありません」
「よし、えーっと、金髪の火野だっけ?」
「は、はい!?」
「俺が合図したらタイマーのスイッチを押してくれ」
そう言って先輩は、懐からタイマーを出してライカに投げる。
「そんじゃまぁ、始めっ!!」
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詩蓮 side
さーてとっ、間宮はまず持ち銃のUZIで撃ってくる。けど、
願わくば、俺の推理を超えてくれよ。
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あかり side
まずは、牽制と運好く当たって欲しいと思いながら、UZIで癖──
(嘘でしょ!?なんで撃ってるのに回避行動すらしないなんて……!まるでどこに弾が来るかわかっているみたいだ!?)
「おい、やる気あんのか?俺は自分の持つ力全てを使えと言った筈なんだが?」
目を細め威圧と殺気を籠めて言ってくる。
先輩の殺気に反応して心臓に二発撃ってしまった。
キンッ、キンッ。
……は?先輩、少しも動いてないのになんで、9mm弾が
弾切れしたUZIをしまい、ナイフを逆手に持って先輩に近づく。
攻撃しても全部見切ったみたいに紙一重でかわされる。焦って攻撃が単調になってる、どうすれば……間宮の技を使わないで当てるには。
「ほぉう。別の事を考える余裕があるようだな」
その言葉に驚きつつ十分以上攻撃を休まず行っているのに……尽くかわされる。
そして、フックする様にナイフを当てに行くけど、攻撃に合わせて手に掌底がとんできてそれが手に当たってナイフを離してしまった。
「……ック!」
予備がないからそのまま徒手に移行する。
「ハァッ、ハァ、ハァ」
息が上がってきた。どのくらい時間が経ったか分からない。確実にこのままだと試験に落ちる。
考えろ。何か、先輩に一撃当てる方法を……。
──そうだ。
詩蓮先輩は、強い。
あたしの鳶穿に反応して対処するぐらい強いんだ。
持っている力全て使えって言うってことは、あたしの鳶穿なども使えってことだと思う。
この前の模擬戦で先輩はあたしの鳶穿の事は、理解している筈。
だったら、あたしはそんな詩蓮先輩を信じて攻撃すればいいんだ。
隙がないならあたしが作ればいい!
これが最後だという想いを籠めながらダッシュで先輩に近付いて行く。先輩の口角が上がった気がしたけど、それよりも今から行う攻撃に集中しろ!
そしてあたしは、詩蓮先輩の顔に鳶穿を顔を覆う様に出す。
先輩から見えない様にした左手で腹に向かって殴る。
空手の山突きをあたしなりに応用した一撃。
これで、あたれー!!
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詩蓮 side
残り時間は二十分。
さーて、間宮はどうするのかな?弱いままだと夾竹桃に殺られるだけ。
お前に道を拓く力は、あるのか。
そろそろ最後の攻撃かな。
いやぁ~……判りやすいな。
覚悟を決めた良い顔だと思うが……その…如何にも攻撃しますって顔が……。
顔に出やすいな間宮は、もーちょいポーカーフェイスを身に付けて欲しいな、武偵なら。
本命は右。
模擬戦の時に見せた速い一撃。
──と、見せかけて本当の本命は左の一撃。
両方打ち込んでくるな。空手の山突きを自分なりのアレンジを加えるってところかな?
こーゆーところで、ジーサードとの闘いが活きてくる。
一撃、一撃が必殺になり得るジーサードの拳を避けるには、経験と勘と洞察力と反応出来る体が無いと避けれない。
反応できなかっただけで右の肋が粉々になったからな。ま、お返しに左の義腕を細切れにしてヤクザキックキメてやったけどな。
最初の推理から外れた行動。
そうだそれで良い。
おっと、少し口角が上がっちまったな。
あーミスった。両方とも手首を掴むつもりだったのに左手の方を間違えて
ま、いいや。合格は合格だ。
ちょっとイタズラしてやるか。
「そんな……」
そんなラスボスが全回復したみたい声だすなよ……。
掴んだ手を思いっきり引っ張って真上に投げ飛ばす。
「あ、そぉ~れっ!」
「ふぇ?───キィヤアァァァ……?!」
「「あかり!?」さん!?」
軽いせいか、六メートルくらい飛んだな。
落ちてくるのをお姫様だっこする様にキャッチする。
キャッチする時の衝撃は全て地面に流すよ、モチロン。
「…間宮あかり!」
「ウェ?!は、はい!」
顔がどんどん赤くなっていくが、それよりも……。
「
「……ふぇ?」