第11話
Side:イッセー
おす!俺は兵藤一誠。高校二年生だ。
ただ俺は普通の高校生じゃない。実は俺は悪魔だったりする。ついこの間人の身から悪魔へと転生した。
転生っていうのは別の悪魔が他種族に『
俺の主はリアス・グレモリー様だ。
彼女は俺が通っている学校の一個上の先輩で、学園のみんなから二大お姉様と呼ばれている女性の片方である。
またリアス先輩は自らの眷属を中心とするオカルト研究部に所属しており、部長をしている。
副部長である姫島朱乃先輩も部長の眷属悪魔だ。駒は一番貴重な『
俺が入る前は唯一の男子だった木場祐斗も「騎士」の駒を与えられた眷属の一人。その他にも銀髪ロリでちょっと毒舌や塔城小猫ちゃんは「戦車」。
そしてここにいる中で一番の若手である人生、いや悪魔生での後輩アーシアだ。
アーシアはこの前あった堕天使事件のあと部長の眷属になって『
自分でいうのもなんだが、こんなエロエロな俺を相当な信頼をもって接してくれているから守ってあげたくなっちゃう。
こんな可愛い子を見捨てるなんて論外だ!見捨てる男がいたなら俺がそいつの顔を百発ぶん殴ってやる!!
まぁ、一通り部活のメンバーは紹介できたな。ここからが問題だ。
昨日寝ようとしていた俺の前に部長が突然転移してきた。訳を聞いてみると「イッセー、至急処女を貰ってくれないかしら?」というもの。
部長ぉぉぉおおおお!!!とか思っていたんだけどまだこんなだけどまだ初めてしたことないからテンパっちゃって。
ようやく落ち着いてきたと思ったらまた誰かが転移してきた。部長とその人物は知った顔みたいだった。
転移魔法陣はグレモリーの紋章だったから関係者なのだろう。部長は「グレイフィア」と呼んでいた。
そして、その人の特徴…………それは日本ではコスプレショップ以外で見なさそうなメイド服だったのだ!!メイド服だぞ!メイド服!男でテンション上げないやつはアーシアのち加えてもう百発殴ってやる。
そこから部長とメイドさんが会話したしてたら、メイドさんがまた後日伝えると言って部長と共に転移した。
そして今、俺を含めた部長の眷属。そしてメイドさんがオカルト研究部室にいる。
「全員揃ったわね。では、部活をする前に話があるのーーーー」
部室の床に突如転移魔法陣が出現した。
魔法陣を見る限りグレモリーの紋章ではない。一体これはなんなんだ!?
「この魔法陣…………フェニックス。」
木場がそう口から漏らした。
ボワッ!
魔法陣から炎が巻き起こり、部室内に急激に熱くなった。熱っ!なんか俺の腕に火の粉ついたんだけど!
炎の中に男性の影が現れ、その男が指を鳴らすと炎が消えた。
「ふぅ、人間界は久しぶりだ。リアス。さっそくだが式の会場を見に行こう。日取りも決まっているんだ。できるだけ早めがいい。」
突如現れた赤いスーツを着たワル系のイケメン。なんかホストっぽいから名前聞くまでホスト悪魔と呼ぼう。
「この方はライザー・フェニックス様。純血の上級悪魔であり、グレモリー家次期当主の婿殿であらせられます。つまりリアスお嬢様とご婚約されておられるのです。」
へ?今なんつった?婚約?婚約か……婚約!?こ、こここ婚約!?
「ええええええええええええええええッ!!」
まさかまさかのこのホスト悪魔が部長と婚約していたのだった。
それから色々なことがあった。
まず婚約のことだ。ホスト悪魔は部長と結婚したい。でも部長はまだしたくない。二人の意見は平行線のままだったため、急遽グレイフィアさんが持ってきてくれた案即ち「レーティングゲーム」で決定することにした。
この「レーティングゲーム」とは、悪魔が開発した擬似戦争のようなゲームらしい。『
それでホスト悪魔も部長も承諾して後日ゲームが行われるようになった。
あとその時にあのいけ好かないホスト悪魔が眷属悪魔を転移して部室に集結させた。
総勢十五名のフルメンバーかつ全員美少女オア美女というハーレム状態。
俺はそこで大号泣してしまいあいつの眷属悪魔に笑われた。
そこまではいいんだ、そこまでは。あのホスト悪魔部長やアーシアがいる中で眷属悪魔とディープなキスをしやがった。アーシアの眼の前で!嫉妬心全開で殴りこもうとしたが、その前にあのホスト野郎の眷属に気絶させられてしまった。恥ずかしいが俺の意識はここまでで終わっている。
ここからは部員に聞いた話なんだが、その後は部長たち(俺たち眷属な)は修行でもしなければ即敗北だとか言われて試合は十日後となった。部長もこれには嫌な感情しか覚えなかったがあの野郎の言う通りだと思い何にも言えなかったみたいだった。
そして現在、グレモリー領のとある山林地域にある小屋にいる。俺たちはここらへん一帯で特訓しており、今日は特訓し始めてから3日目だ。
初日はみんなの特訓を見てたけど、俺には木場のような剣術、小猫ちゃんみたいな力、朱乃さんやアーシアみたいな魔力もない。
そのため俺はひたすら基礎練習ばかりしている。俺の『
みんなもそれぞれしっかりとやっているみたいで、順調に行けばそこそこいい試合が出来そう!もしかしたあのホスト野郎にも勝てるかも!!
夜中に小屋のベランダに出てみるといつもと違い寝巻き姿でメガネをかけている部長がいた。手に本があるみたいで何かを覚えているようだった。
「部長、どうしたんですか?」
「あら?イッセー。貴方こそこんな時間になんでここに?」
「いや、まだ眠れなくて……。」
「私はライザーとのゲームに向けて戦術のシュミレーションよ。彼との戦いは一筋縄ではいかないはずだから。」
それはそうだ。あんなホスト野郎でも成人悪魔同士が行うレーティングゲームも何度か体験してるらしい。まだ一度もやったことのない部長がこのまま挑んだところで負けはほぼ確実だ。
「部長!俺にできることがあったら何でも言ってください!あんまり頭良くないですけど戦術だとか特訓しまくって強くなれだとかでも。あっ!話し相手でも全然いいです!」
俺にできることがあればやりたい。部長も色々考えてるんだから俺も部長の力になりたい。
「そうね、話し相手にでもなってもらいましょうか。」
「わかりました。」
「私ね……昔大好きだった人、ううん、婚約者がいたの。」
「ッ!?」
嘘だろ!?部長が大好きだった人!?一体どんなやつだよ!羨ましいすぎるだろ!こんなおっぱいがでかくてこんな美人な人に好かれてるって!
「その人はお兄様が連れてきた人間でね。強いんだけど彼はそれを決して自分のためだけに使わなかった。いつも誰かを守るためにその力を使っていたの。それに加えて優しい。相手がどんな過ちをしてもすぐに許してしまうその心。私は彼のそういうところが好きだった……………。」
「そうだったんですか……。それで?その婚約者さんは一体今どこに?」
俺が質問すると部長は首を振って答えた。
「彼ね、とある時に行方知らずになってしまったの。私たちと一緒に眷属集めをしてた頃、巨大な魔物とばったり会ってしまって戦う羽目に。私たちは負傷した味方を助けようと転移しようとしたが、その人とあともう一人は魔物をひきつけるからって言って転移しなかった。そして味方をグレモリー領の病院に連れて行った後にその場所に戻ってみるとそこにいた巨大な魔物は消滅していた。だが彼の姿はそこにはなかった。魔物と戦って今もう一人の仲間曰く、「彼は魔物の最後の攻撃で遠くに飛ばされた。さがしたけど見つかってない。」だった。その後もグレモリー家を中心として捜索したがなかなか見当たらない。見つかったのは彼の着ていた服のボロボロな端切れだけ。この時私は本当に絶望してたわ……。あの時……なんで…転移しちゃったのか…………。小猫を側に置いて……コータを助ければよかった。それだったら………それだったら………コータと離れることなかったのに………。」
婚約者はコータというらしい。
部長たちを守ってその人は何処かへ行ってしまったのか………。そうだ!
「部長!次のあのホスト野郎とのゲームに絶対勝ちましょう!そしてフェニックス家とグレモリー家に納得してもらって、そのコータさんを探しに行きましょう!何年かかってもいい。彼を探してこう言ってやりましょう!「貴方がいない間私は凄く寂しかったんだから!この責任どうしてくれるのよ!」って。すいません、なんか女声で。そうすればこの話は終わり。部長の理想の結婚が出来ます!」
俺は決心した。
俺の一番好きな紅を守ってその紅の好きなことをさせると。その紅が好きな男が俺じゃなくてもいい。紅が望む最高の結婚をさせてやるのが漢ってもんだ!
「んっ!ありがと……イッセー…………。なんか少しだけ気が楽になった気がするわ。」
「それならよかったです。あっ、これ使ってください。部長には今これが一番必要でしょう?では俺はここで!部長、おやすみなさい!」
俺はいそいそとベランダから出て行く。俺の言葉で部長の気持ちを楽にできたのだからいいだろう。なんか少しいい気分だ。
「お疲れ様、イッセーくん。」
「なんだ?盗み聞きか?イケメン。」
イケメンこと木場が廊下から来た。
「いや、イッセーくんが熱心に話しているからね。つい耳を傾けてしまったんだ。ごめんね?」
「おいついうっかりでも聞いてたのかよ。まぁいいや、おい木場?グレモリー男子だけのミーティングでもやらないか?一応コンビネーションとかやりたいし。」
「それいいね!今夜からどう?」
「今夜からか………。よし、やろう。グレモリー男子の力を合わせてホスト野郎ぶっとばすぞ!」
「ホスト野郎じゃなくてライザーさんだけもね。おーー!!」
こう言って木場の部屋へ移動した。
俺たちはこれから男子だけの夜のミーティングタイムだぜ!
いや、♂的な意味はないからね!
これから男子だけの夜(Hなことじゃないよ)のミーティングタイムだぜ!!!
Side:リアス
コータのことをイッセーに話してしまった。話してしまうと彼が思っているであろうリアス・グレモリーが崩れてしまうが、私に悩みがあるといってイッセーは私の話を聞いてくれた。
私がどれほどコータのことが好きでどれほどコータに甘えてきて、どれだけコータに依存してきたかを。
男に自分の惚れている別の男の話をするのはどうかと思うが、話してしまうと言葉と共に涙が次々とこぼれてしまった。
そうしたらイッセーは「ライザーに勝ってコータを探しに行こう、部長とコータの結婚式を絶対に挙げよう。」と言った。
嬉しかった。今まで私の『
「あらあら、リアス?どうしたのかしら?」
「あら朱乃じゃない、どうしたの?」
「イッセーくんにコータくんのこと話したの?」
「ッ!?」
実はリアスと同じように朱乃もコータのことを好いている。コータがいなくなってから朱乃とはコータの話はしていなかったため驚いた。
「イッセーとの話聞いてたの?」
「ついうっかり耳に入ってしまったもので、うふふふ」
「まぁ流石は朱乃ってところね。それで何なのよ?」
「さっきイッセーくんと祐斗くんが二人で部屋に入っていきましたわ。なんとも二人で秘密のミーティングだとか。」
「そう、あの二人がね……。」
「でもコータくんのことは渡さないわよ?私はリアスの眷属である前にコータのお嫁さんですからね」
「ちょ、朱乃!?コータは私の婚約者なんだから!」
「そうやっていつまでも待ってると置いてかれますよ?」
「朱乃だって待ってるじゃない!」
私と朱乃は初めて互いがコータのことが好きであると話した。私たち、少なくとも私はこれでまた少し楽になった気がした。
Side out
この一連の会話を聞いている一匹の子猫、いや小猫がいた。
「男二人が二人っきりで部屋に入って、女二人が好きな人で痴話喧嘩中。なんなんですかこれは……………。」
他の四人も大変だが一番の苦労人は彼女なのかもしれない。