Side:イッセー
深夜十一時半過ぎーー。
俺と部員たちは部室に集まっていた。あっ、あとグレイフィアさんも。
「皆さん、もうしばらくで開始十分前になります。準備はお済みでしょうか?」
グレイフィアさんが確認すると、皆立ち上がった。
「あの部長さん、少しいいですか?」
「あら?アーシア、どうしたの?」
「私の他にもう一人『
そういえばそうだった。
確か前に「私の『
他の仕事があるから会えないって言ってたけどなんでこの場にいないんだろう?
「ごめんなさいね、その子は参加できないわ。それについてもまた今度話すわ。」
部長たちの様子が少しおかしくなってしまった。なにかよくない話に触れてしまったのだろうか?ただ言えることはもうこの話には触れないほうがいいということだ。
「今回のゲーム、両家の皆様も他の場所から中継でフィールドでの戦闘をご覧になります。さらに魔王ルシファー様も今回のゲームを拝見されておられます。それをお忘れなきように。」
魔王!魔王さまが!?うっわ、それは緊張するよ。俺らのトップが見ているなんてどんだけこの試合注目されているんだ!?
「お兄様が?……そう、お兄様が直接見られるのね。」
「………え?ぶ、部長?今部長のお兄様が魔王様って言いました?」
「えぇ、そうよ。」
「イッセーくんには言ってなかったよね部長のお兄様は魔王様なんだよ。」
まさかルシファー、ベルゼブブ、レヴィアタン、アスモデウスの一人だったなんて。
「先の大戦で先代の魔王様が致命傷になられまして、悪魔たちは魔王の名前を強大な力を持つ者へと受け継がれました。ちなみにリアスお嬢様の兄上はルシファー様です。」
す、すげぇ。部長って実はすごい立場にいる人で、ものすごい力を持ってるんじゃないか!?
「そろそろ時間です。皆様、魔法陣のほうへ。なお、一度あちらへ移動しますと終了するまで魔法陣での転移は不可能となりますのでご了承ください。では。」
グレイフィアさんのことが終わるとともに俺たちを光が包み込み、転移が始まった。
転移する直前、グレイフィアさんが何かを訴えかけているような眼をしていた気がするのは気のせいなのだろうか……?
Side Out
「あぁ、イッセーさん、イッセーさん、イッセーさん! 貴方のその力を、その想いを、どうかこの私にだけぶつけてください!」
ひらりひらりとその場を踊る少女。
煌びやかに輝いている水色のドレスを纏いながら、ガラスが敷いてある部屋で踊っていた。
ガラスの壁には一枚の写真が貼ってあり、そこにはまだ幼い少年と少女2人の姿が写っていた。茶色の髪をした少年に栗色の髪をした活発そうな少女と、日本人らしからぬ金色の短髪の少女。仲良さそうに写真に写っている。
「なんで私のことは覚えていないのかしら? もしかしてあの時の事故の影響なのかしら……。」
事故。
イッセーも、栗色の髪の少女も覚えていない、彼女だけが覚えている不思議な事故。
その事故により、栗色の髪の少女は海外へ、彼女は行方不明となり、3人ともバラバラになってしまった。
「まぁ、いいわ。待っててちょうだいイッセー? 私が貴方の全てを受け入れて、私の全てをあげるから。」
まだ成年にも満たぬその容姿で彼女は艶美な笑顔を写真の少年へと向けた。