Side:コータ
「何故今言った?」
「支取さん、いやソーナ・シトリーとの戦闘中にリアス・グレモリーの写真を目撃してそれで思い出した。」
ただいまユグドラシルメンバーに正座で事情聴取なうです。俺の思い出せている過去は出来るだけ話した。リアスちゃんの婚約したり、眷属集めに行ってインベスと戦ったこともしっかり話した。
「貴虎、少しいいかい?」
博士を右手を挙げて言った。
「どうした?」
「私たちは悪魔・堕天使等の研究、葛葉いや葛葉コータは悪魔の陣営だ。しかも悪魔の魔王との兄弟だ。これを利用し悪魔との提携を提案するというのはどうだい?」
「ちょっと待て、それは葛葉を人質としてということか?」
「いや、保護したからそのお礼として手伝って欲しいということにしよう。こちらには戦極ドライバーを改良したゲネシスドライバーがある。あちらがまだ解析段階だった戦極ドライバーの解析に成功しているんだ。科学力のみなら、多少いい関係になれると思う。」
「そうか……。確かにそれならいいだろう。葛葉、お前は記憶を思い出してこれからどうするつもりだ?」
これから俺のすること。確かに悪魔領に戻ってもいいし、このままユグドラシルにいてもいいということなのだろうか?
だが、それ以前にやるべきことは決まっている。
「とりあえずはリアス・グレモリーの婚約を破棄させる。全てはそこから考える。」
優先することはリアスちゃんの婚約破棄だ。俺が姿を現せばどうなるかわからないが、ライザーという男が黙っていないだろう。とりあえずソーナさんからの連絡を待たなければならない。
「では、今現在はユグドラシル所属ということだな。」
「ところでよぅ、葛葉は魔王の性格を知ってんだよなぁ?取引は出来んのかよぉ?」
シドがいつもの口調だが少し不安そうに聞いてきた。
「そこは大丈夫だ。サーゼクス・グレモリーは魔王だけどプライベートは結構軽いから俺次第で取引は出来る。まぁ俺が裏切らない限り取引には失敗しないさ。最悪魔法使いみたいなので契約取れば全然平気だと思う。」
「ほぅ、魔法使いか……。興味深いじゃないか。葛葉、少し研究室で話を聞こうじゃないか?」
ヤバい!博士が興味を持っちゃった。
貴虎曰く、博士は大学時代興味の持ったことすべてを調べて自分が納得するまでそれを止めない。しかもひどい時はそれを他人まで巻き込んで行い、貴虎も何度もそれに付き合わされたらしい。付き合わされる時間は最低でも三時間以上。
「博士、これからやらなくちゃならないことがあるから今日は無理かな……。」
部屋から退散する。これ以上博士と話してるとどんどんやる空気になってしまう。それだけは避けなければならない。
「行かせませんよ?」
湊さんが立ちふさがった。マジか、女性に止められると強引に行けなくなる。
「湊くん、ありがとう。さぁ葛葉、研究室でじっくりと話を聞かせてもらおうじゃないか?」
湊さんと博士が貼りついたような笑顔で迫ってきてた。
(貴虎!シド!助けて!)
顔を向けてそう話すが、返ってきたのは
(悪いな、それは私でも止められない。)
(助けたら楽しくねぇじゃねぇかよぉ。)
貴虎は俯きながら、シドは必死に笑いを堪えながら返してきた。ふざけるな!俺はしっかり情報を渡したんだぞ!おぉぉい!!
「ふ、ふざけるなぁぁぁあああ!!」
俺は陰でパワーウーマンと呼ばれている湊さんに研究室まで引きずられて、博士に約四時間くらい話し続けた。
博士はこういうところがなければホントにいい人だと思うんだよなぁ、やっぱりこの会社なんかおかしいよ。変人ばっかだし。
「話は変わるが、少しエナジー系のロックシードを渡してくれないか?」
話をしていた俺に博士が唐突に言ってきた。
エナジー系か……。なんかおかしいのか?
「少し調整が必要になってね。僕の予想だとパワーがまだ出る上にもっと効率の良い形に出来そうなんだ。僕や貴虎のでもいいんだけどそれだと自衛が困るんだ。葛葉は他にもオレンジやパインといった元々持っていた
調整かぁ……。てかあれより強くなんのかよ!?あれってスイカアームズのパワーと同じくらいだぞ!?俺の中の最強ロックシードになっちまうじゃねぇかよ!でかけりゃ最強って言ったのどこのどいつだよ!
「まぁそれだったれいいや。それじゃ頼むわ。」
机にチェリーエナジーとピーチエナジーを置く。博士は二つを別の机へと移動させると、何かを手にした。
見る限りロックシードだ。だがエナジー系みたいな感じじゃない。オレンジとかパインとかのノーマル系なのか?
「その間だけこれを貸そう。銘は『フレッシュオレンジ』。オレンジの改良版だ。性能はまだ確認していないが力は確かだ。だが未調整という部分もある。使うなら注意して使ってくれ。」
フレッシュオレンジ。オレンジのパワーアップバージョンってことはあの剣が二本になったってことか?まぁ強くなったらしいから何でもいいんだがな。
「わかった、使ってみるよ。でもどうせ実験台みたいなもんだろ?そういう考えはお見通しなんだよ!」
「流石はユグドラシルで少しの間だがともにした仲間だ。頼りにしてるよ。」
博士はそう言うと、自らの仕事へと戻っていった。俺はフレッシュオレンジの調整もするため部屋に出ると湊さんがいた。
「お疲れ様です。プロフェッサー凌馬はどうでした?」
「まぁいつもどうりでしたね。ていうか最近話してないですよね?また風邪とかですか?」
「まぁそんなとこですね。あと人見知りくらいですかね。」
湊さんはほぼ毎日喉の調子が悪い。伝染するようなものではないがのど飴は常備しているらしいが。
「では葛葉さん、また。」
「ではまた。」
湊さんも変わらず接してくれた。みんな俺の正体を知ってもそのままでいてくれる。グレモリーの屋敷が第一の故郷ならユグドラシルは第二の故郷と言っていいほど居心地がいい。
このままユグドラシルにいていいのか、それともグレモリーに戻るか。それを決めるのは相当後になりそうだった。