Side:???
目が覚めたら僕はベッドの上にいた。
「ここどこ?」
僕は一生懸命記憶を辿った。だが、僕に関する記憶はほとんどなかった。
「ちょっといいかな?」
現れたのは赤い髪をした男性と青年、とドアに半身を隠すようにこちらを見ている赤髪の少女がいた。
「どうした?」
彼女から目が離せなくなっていた。
光を当てれば明るく輝きそうな真っ赤な真紅の髪に整った顔と容姿。さらに興味津々に僕を見てくる姿は何とも可愛らしい。
「どうした?少年?リアスに惚れたのか?」
「リアス?誰ですか?」
「リアス、こっちに来なさい。」
ドアにいた少女がこちらに来た。
歩き方がすごく綺麗でお嬢様みたいだ。
「リアス・グレモリー、10歳です。」
落ち着いた口調で話すリアスと名乗る少女。
その姿に胸がどんどん苦しくなっていった。
「ところで少年。お前どこから来た?」
「?僕?僕は……コータ。」
コータ。これが僕の名前だ。
「コータ。お前はあの森で何していたんだ?」
「森?どこの?」
「……覚えてないのか?」
「どうも僕……自分のことは名前以外忘れてて……。」
「「「えぇ!!!」」」
そう、僕は名前以外の記憶を持っていない。
いくら思い出そうとしても記憶にあるのは、一般常識といえる文字や言語、数学くらいと名前しかない。
「じゃあコータ。お前この家に住め。」
「「お、お父様!?」」
「なぁに、リアスも気になるんだろう?だったら保護という形でこの家に住めばいい。最悪養子にすればいい。」
「この場合お父様、リアスの弟という形になりますが……。」
「悪魔ではないのに?」
「中学生くらいになったら人間界の学校にでも通わせればいいさ。」
「あ…くま……?」
悪魔という単語が聞こえた。なんだろう?
その途端、お父様と呼ばれていた男性の背中に四対八翼の禍々しいような翼が現れた。
「俺たちグレモリー家は《悪魔》の一族だ。」
なんとも信じられないような現実だ。
Side:サーゼクス
「君のあの姿は一体……?」
お父様とリアスが部屋を去った後、あの時コータ君の鎧武者姿のことを聞き出した。
「《
《
「他のことはわかるかな?」
「何にも……。」
彼はどうもコータという名前とこの《
「コータ君、もしよかったらこの家で少しの間生活しないか?」
「……いいの?」
「あぁ、同い年のリアスもいるし仲良くできるはずだよ。」
リアスのことを話した途端、コータ君の頬が妙に赤く染まり、僕から顔を背けた。
(もしかしてコータ君はリアスのことを……?)
「どうしようか、コータ君。君が決めなよ?」
「じゃあ……ここにいる。」
僕らの家に人間が住むようになった。
Side:コータ
「今日からお世話になるコータです。お願いします。」
グレモリー家に居候することになった。
サーゼクスさんから勧められたとはいえ、ただ食いの居候は如何なものかと思うが、そういうところはお父様、グレモリー卿が許してくれたみたいだった。
「コータは今のところリアスの許婚として生活してもらうことにする。」
え?なんて言ったの?
「お父様!まだリアスもコータ君も20もいってないのですよ!それなのに……。」
「リアスを許嫁としたいやつらは多い。だからコータは簡単に言えばボディガード的な役目だ。」
「そんな……。コータ君も何か言ってくれ。こんなのは間違っている。」
「グレモリー卿がそういうんだったらそうする。僕も何かお手伝いしなきゃいけないと思ってたし。」
「こ、コータ君……。」
このようなことがあり、僕はグレモリー卿の養子としてコータ・グレモリーとして過ごすことになった。