『では開始して下さい!』
目を開けると闘技場のような場所についた。
闘技場と言っても俺は見たことないからわからないが、反対に位置するところにライザーがいて右を見ると鉄格子に囚われている部長がいた。なんか映画の一人の女性を巡って戦うようなシーンだな。まぁそのまんまだけど。
「行くぜっ!」
『Welsh Dragon over booster!!!』
俺は『禁手』し、ライザーは両手に赤い炎を出して向き合った。
「ふぅん、貴様の技は全て知っている。『倍加』は十秒ごとに倍になり、『譲渡』はする対象がない。さらにあの服を破く技も俺相手には使い物にならない。その『禁手』も脅威だが今はそこまででもない。」
「あぁ、それも知ってる。だけど、俺はお前に勝つ!この一撃で決めてやる!おぉぉぉぉぉおお!!」
『boost!boost!boost!boost!boost!』
溜めていた五回分の倍加を掛ける。今の力は三十二倍。おおよそライザーと同等の力だ。
「いいだろう、その男気は認めてやる。では俺もこの一撃に全てを込めよう!はぁぉぁああああ!!」
両手と翼から業火の塊が出現する。触れれば即死レベルかもしれない。この距離でもどんどん暑くなってくる。俺の額も汗が滝のように流れてる。
『あの鳥の炎はその鎧でも浴びすぎると溶ける可能性がある。くらい続けるのは得策ではないぞ?』
ドライグ、ありがとな!でも俺はあの炎と真っ向から倒さないとならないんだ!
鎧やこの『倍加』がなければ俺とライザーの戦力差は雲泥の差だ。それを埋めてるのは『赤龍帝』の力だ。
「それがなければお前はただの下級悪魔だ!」
「んなことわかってる!だけどな、だけどな!お前よりも部長に対する気持ちは負けねぇんだよ!」
『Double boost!!』
同時に二回できる倍加。これは次の倍加を失う代わりに先に倍加することができる裏技だ。但しこれをするための代償は………
「これは『ダブルブースト』!俺の左手を糧にして得た力!俺の部長に対する気持ちの一部だぁぁ!!!」
左手を中心に赤いオーラのようなものが現れる。七回も倍加をすればこんなのも起こるのかな?
「イッセー、まさかあなた自分の腕を!?」
「自分の腕をドラゴンに売ったか!いいだろう!その意思、俺の力でねじ伏せてやる!」
うぉぉぉぉおおおおおおッッ!!
「「はぁぁぁぁぁぁあああッッ!!」」
「『ドラゴンショット』ォォォォォォッッ!!」
「『
お互いの激しい力がぶつかり合い、その衝撃で光り、俺の視界を覆う。
俺の魔力とライザーの炎がぶつかり合っているが、俺の方が押されている。
「負けてたまるかぁぁああああ!!」
『Transfer!!』
倍加されていた籠手から俺の『ドラゴンショット』に譲渡する。
ドゴォォォォ!!!
魔力の塊が何倍にも膨れ上がり、ライザーの炎を押す。ライザーは急に膨れ上がった魔力た驚いていた。
「ま、待て!わかっているのか!?この婚約は悪魔の未来にどう影響するのかを!?何も知らないお前なんかがどうこうするようなことじゃないんだ!」
「そんなことは知らなねぇ!俺にとってこの行動の全てはぁぁ!!リアス部長の夢を壊そうとしてんだよ!お前は!俺がてめぇを倒す理由はそれだけで十分だぁァァーー!!」
ドゴンッッ!!
ライザーは俺の魔力の塊に飲まれ、倒れた。
目は白目を剥いており、誰がどう見ても戦闘不能だった。
「勝ったぞォォォォォォ!!」
やっと俺は部長に自由を与えられるんだと思うと、嬉しくて嬉しくて仕方なかった。
だがその余韻に浸っている時間はない。
「部長!」
籠手で部長が囚われている鉄格子を壊し、部長を自由にする。そこで俺と部長、気絶しているライザーの三人が転移した。
「まさかライザーくんに勝ってしまうとはね………。」
「ーーーっ!」
周りの悪魔は悔しがるようにしていた。おそらく婚約賛成派の悪魔なのだったのだろうか?まぁ俺が勝ったからそんなのなくなったけどな!
「反対する方はいないようなので改めて言おう!この勝負、赤龍「異議を求める!」ーーほぅ、どなたですか?」
現れたのは黒い長髪で深々と帽子を被った男が現れた。髪で顔はほとんど見えず、服はしっかりとしたタキシードで、髪と帽子がなければそこらへんにいるサラリーマンと同じだ。
「君の名前は……?私は君のような悪魔を知らないのでね?」
「ご存知ないのも無理がないでしょう。何故ならーーーー悪魔ではないのだから!」
男がそう言うと手に持っていた果物を口にした。男は口にした途端、体が震え始め体がどんどん異形のものへと変わっていく。
果物を持っていた右手は鉤爪のような形になり、着ていた服はどんどん破れ亀の甲羅のような姿になる。
これは一体………?
「皆さん!早く逃げてください!」
魔王さまがそう言う。どうやらこの現象について何か知っているようだ。
「サーゼクス!これは一体…………?」
「これは『インベス化』です。自我を失い異形のもの『インベス』に成り果てる死の変化です。」
魔王さまが口を閉ざすとあの悪魔の変化が終わった。
右手に鉤爪で胴には亀の甲羅のようなもの、そして頭部は中華系の龍を思い浮かべさせるような姿をしていた。
「グァァァァァアアアアッッ!!」
悪魔、いや『インベス』が魔王さまの言っていた通り自我を失って暴れ始めた。
食べ物が並んでいた机はひっくり返され、悪魔たちは我先にと出口へと向かう。
サーゼクスさまも向かおうとするが、逆方向に逃げてくる悪魔に流されていってしまってる。
あっ、インベスの近くに子供が!クソッ!やるしかないのか、行くぞドライグ!
『double boost!!』
「届けぇぇぇええええッッ!!」
跳躍してインベスに近づくが間に合わない、俺が気づくのが遅くなったから……………
突如襲おうとしてきたインベスに何かのものが当たり、インベスは後方に転んだ。
インベスは飛んできた方向を見る。俺も子供を助けながらその方向を見ると、刀のようなものを構えた人がいた。
その姿は逆光で見えにくかったが、俺にはわかった。さっき戦う前に廊下で会った謎の人だった。
『オレンジ!』
電子音が聞こえると彼の上に謎の裂け目が出き、中からオレンジが出てきた。
「あれは………ッ!?」
「まさか……………ッ!?」
サーゼクスさまも部長も口を開けたまま驚いている。知っている人物なのか?
「変身!」
『ソイヤッ!オレンジアームズ!花道オンステージ!』
彼は落ちてきたオレンジを被ると鎧武者のような姿になった。その姿はどこか戦国武将の姿に似ている戦うことが伺える。
「ここからは俺のステージだ!」
謎の鎧武者はインベスに刀を向けて叫び、インベスを倒すべくそれに向かっていった。