Side:イッセー
例の婚約式から二日後、全てのことを話すべく、グレモリー家とフェニックス家、そしてライザー眷属リアス眷属ソーナ・シトリー眷属、そして謎の人たちが集められた。
その謎の人たちの中には婚約式の前に話しかけてきた葛葉絋汰という人もいた。
あの人たちは一体…………?
「んで、ここに集められたのは俺ら以外悪魔ってことかぃ?葛葉ぁ?」
「シド、その口調は正式な場ではやめてほしい。」
「貴虎の言う通りだ。正直シドだってこういうのより戦った方が好きだろ?」
「そうに決まってんだろぉ。はははは!」
明らかに柄の悪そうな帽子を深々と被った男と真っ黒のスーツに身を包んだしっかりとした社会人のような男性に、白い研究服のような服を着た男性とその男のボディガードのような女性。
おっ!あの人のおっぱい結構おっきいぞっ!
「…………イッセー先輩はやっぱり変態です。」
「小猫ちゃ〜〜ん。」
小猫ちゃんから冷たい目線でグサリと刺さる言葉をいただいた。婚約式の後で部長を助けてくれてありがとうと言ってくれた時には涙が流れそうになったが、一日経つと前に戻ってしまった。
「さて、全員いるかな?」
現れたのはサーゼクス様と二人の男性。確か右の人が部長のお父さんで左は………たぶんライザーのお父さんだ。
「まずはリアス・グレモリーとライザー・フェニックスの婚約だが無効となった。ライザー君、これは決定事項だ。わかってくれるかい?」
「仕方ありません。私もあの場でああ言ってしまったので。兵藤一誠!」
「は、はいっ!」
急にライザーが呼びかけてきた。なんだよ今度は一体!?まさかまだ部長のこと狙ってんのか!やるならやってやんぞ!今度しっかりその根性も正してやるぜ!
「あの時は本当に悪かった。あぁ、あの時っていうのはお前たちが通っている学校の部室での話だ。ミラを使ってお前を攻撃してしまった。本当に悪かった。」
「は、はぁ………。」
「もしよければだが………また俺と戦ってほしい!お前との勝負は負けて初めて悔しいと思えた。俺はこれほどまでに自分の未熟さを知れた。だから俺がまた強くなったその時に戦ってほしい!頼む!」
ライザーはあの高かったプライドを捨てて腰を曲げて頼んできた。
まさかの行動に状況を知らない葛葉さんたち以外は驚いていた。
「わかった!だがそう簡単に負けるわけにはいかない!それまでに俺はお前との差を開いてみせる!」
俺はライザーに右手を出した。
ライザーも察したように右手を出してくる。俺たちは互いを認めるかのように力いっぱい握手をした。俺はこの時初めてこのライザー・フェニックスという一人の男とわかりあうことができたのだと思った。
「さて、まず一件終わったか。では次だ。」
サーゼクス様が葛葉さんの方を向いた。
彼はサーゼクス様のことを兄さんと呼んでいたので何か親しい関わりがあるはずだ。この二日間で部長にも聞いたが今日言ってくれるからということで聞けなかったのだ。
「改めて言う。俺は葛葉絋汰。またの名前はコータ・グレモリー。リアスちゃんの元婚約者っていう立場だ。このグレモリーの姓はまだ俺が葛葉っていう苗字を忘れてた頃にグレモリー家に養子に入ったからこうなってる。」
歯をキラリと見てながら笑顔でこう言った葛葉さん。隣を見てみると部長や朱乃さんの目が涙でいっぱいになっていた。
「「コータぁぁぁぁぁ」」
部長と朱乃さんは急に葛葉さんに抱きついた。
イケメンめ!葛葉さんいい人だと思っていたのに!やっぱり木場と同じイケメン族だったのか………。
「久しぶり、リアスちゃん、朱乃ちゃん。そっちの二人は俺のこと覚えてないか。二人を助けた時にも俺はいたんだけどな。」
「教会から逃げる時にも…………?」
「姉様と逃げてる時にも…………?」
あれ?もしかして俺とアーシア以外はもう会ってるの?
「そうじゃん!サーゼクス兄さん!黒歌さんはどうしてんの?白音ちゃんがいるってことはどこかにいるはずだよね?」
「白音?葛葉さんそんな人は………?」
「……イッセー先輩私のことです。私の前の名前です。」
ええええええっ!?小猫ちゃんって本名じゃなかったの!?まぁなんかかわいい名前だなぁって思ってたけど!まさかの偽名でしたか。
「黒歌は今日はグレイフィアと一緒に外に出ているよ。あの二人は仲いいからね。」
「そうなんだ。」
「そろそろ私たちも混ぜてもらおうか。」
急に口を挟んだのは先ほどの黒いスーツを着た貴虎と呼ばれた男性。
確かに呼ばれたのに相手にされていない気持ちはわかるけど、このタイミングはよくないんじゃないか?
「あなたたちはコータを助けてくれた……」
「私たちはユグドラシル。株式会社ユグドラシルの社長兼異界研究部の部長を務めている百瀬貴虎だ。」
「えええええええ!?」
「イッセー?知ってるの?」
「知ってるも何もユグドラシルですよ?あのここ最近ものすごいスピードで株を上げてきてる超大手企業ユグドラシル。その組織は会社が出来てからおよそ一年にも関わらず海外にも進出しているという食べ物から家電製品、海外旅行までありとあらゆる部門がトップクラスの今就職活動中の大学生に人気の会社ですよ!」
「あれ?兵藤一誠よく知ってんな。もしかしてウチの会社よく知ってんの?」
「あ、いえ!親に進路決めろって言われててどうするか決めかねてて調べたらユグドラシルのことがあったのでつい。」
「まぁそういうところだ。ここで魔王サーゼクス・ルシファーに聞きたい。」
「あなた!魔王様に向かってなんて口の利き方なの!?」
「まぁまぁリアス。彼らはコータを助けてくれたんだよ?そこはわかってくれたまえ。」
「そこはわかっている。ここで提案だ。葛葉絋汰は現在我らユグドラシルのメンバーである。私たちは彼とともに現在悪魔や天使などの異形のものについて調べていた。彼とともに調べていくうちに彼の記憶が戻り、彼があなたと家族だという事実が発覚した。ここで提案だ。私たちと人間としているようなものではない契約をしてくれないか?」
「………具体的な内容は?」
「そちらは悪魔や天使、堕天使の情報をこちらに提供する。その代わりにこちらはあなた方が人間界で動きやすいように工作をしようというわけです。こういえばひどいことになりますが、私たちはどんな形であれ、あなたの家族を助けました。その恩返しというわけということで契約してはいただけませんかね?」
「…………ほう。」
なんだかよくわからないが、難しい話をしているみたいだ。周りを見ると、理解しているのはソーナ会長だけみたいだ。
「私個人としてはいいことだと思います。ですが、この話は私の独断では決めかねます。ですので、私以外の魔王三名にもこの話をします。それを踏まえた上でまたお話ししてもよろしいですか?」
「わかりました。ならばここに葛葉を置いていきます。」
「え!?ちょっと!?貴虎?」
「お前だって元婚約者と話すべきことだってあるだろう?話を戻すぞ、葛葉は私の個人的な連絡先を持っている。会社経由ではなく、葛葉経由で私に連絡してほしい。」
「わかりました。ではコータ、頼んだよ。」
「わかったよ。使い方がホントに荒い上司と兄貴だことで。」
「「なんか言ったか(い)!?」」
「いえ、なんでもごさいません!」
こんなことがあって重かった話し合いが終わり、それぞれ散っていったのだった。