第27話
Side:コータ
今のこの状況はどう説明したらいいんだろう?
「コータ!今からデートしない?」
「あらあらコータ?リアスなんかより私とデートしない?」
只今俺の右腕にはリアスちゃん、左腕には朱乃ちゃんがいる。正確にいうと抱きつかれてる状況だ。久しぶりに会えたから「ごめん。」と一言言ったら許してくれたが、そのかわりデートって………。
いくらなんでもそれはどうかと思うよ?俺だってしたいけど、俺たちはそういう関係じゃないでしょ。
「とりあえず兵藤くんや木場くん、塔城さんに説明したほうがいいんじゃない?」
「それもそうね。じゃあコータ?お願いするわね?」
おいおいそこで俺に説明させんのかよ!?まぁいいや。てっとり早くわかってもらおう。
「一応もう一度。俺は葛葉絋汰。又はコータ・グレモリー。現魔王サーゼクス・ルシファーの弟であり、リアスちゃんの元婚約者だ。木場くんと塔城さんに関しては二人を助けたのも俺とリアスちゃん、朱乃ちゃんの三人だよ。」
「「「「「えぇぇぇぇええええ!?」」」」」
「あなたが部長の元婚約者!?」
「あの時神父を助けてくれたのも葛葉さん……?」
「姉様とあのインベスと戦ったのがこの人………。」
兵藤くん、木場くん、塔城さんが驚いている。まぁそうだろ、リアスちゃんのやつ驚いてなさそうだったし。
「あら?アーシアは驚かないのね。」
「はい。イッセーさんがライザーさんと戦っている時に教えてもらいましたから。」
そう、アーシアさんだけは事前に教えておいたのだ。
アーシアさんは当然だが俺もリアスちゃんの関係を疑っていて聞いてきたのだ。その時俺はこれまでの出来事を大雑把だが説明してたら会場で騒ぎがあったからあの場へと向かったのだ。
「あ、そうだ。アーシアさん、俺のことはコータって呼んでくれ。他のみんなも俺のことはコータって呼んでくれ。」
「あ、はい。わかりました。コータさん。私のこともアーシアと呼び捨てではなく呼んでください。」
「じゃあ俺もそう呼ばしてもらいます。コータ……先輩?」
そもそも俺の歳っていくつぐらいに見えるんだろう?今高校生だっていう光よりは上だと思うんだけど、どれくらい離れてるかは聞いたことなかったからな………。
「なぁリアスちゃん?」
「あら?コータ?まだちゃん付け直ってなかったのかしら?」
「へぇ?………あぁ!?」
ずいぶん前(たしか朱乃ちゃんと会った時くらい)にリアスちゃんから朱乃ちゃんに負けたくないだとか言っててちゃん付けはやめろと言っていた。たしかその時罰ゲームやら不穏な単語も聞こえてきた気がするのだが。
「そ、そうだったっけ?俺覚えてないんだけどな……?」
「あら?コータは私とした約束は全部覚えてくれていたはずだわ?だとしたらあなたは本物のコータじゃないのね?」
両手にバスケットボール程の滅びの魔力が生み出されており、リアスちゃんは……あれは完全に怒ってる顔だ……。
あれは普通に謝ってもダメだし、どうやって許してもらおう……。
朱乃ちゃんを向くとニコニコ笑ってるだけだし、アーシアと兵藤くんと木場くんは知らぬ顔で雑談してるし、塔城さんに関してはお菓子を黙々と食べてるし。
「り、リアス!」
「ーッ!?な、何よ!?いきなり?」
リアスちゃん、いやリアスが顔を真っ赤にしてきた。そんなに俺のこと怒ってたのか。
「元婚約者だけど未だにちゃん付けで呼んでごめん。今からでもこう呼んでもいいかな?リアス。」
(おい!あのイケメン!部長を口説きやがって!ふざけるなッ!!俺だってなぁ……俺だって………)
真横から殺気が飛んでくる。
ひょ兵藤くん?そういうことは人にやってはいけないんだよ?あと最後のはやっぱり……
「///ッッ!!」
リアスは顔をリンゴよりも真っ赤に染まった顔で今いるオカルト研究部室から出て行ってしまった。
追いかけようとしたが、朱乃ちゃんが止め彼女が行ってくれた。やっぱり朱乃ちゃんは変わらないなぁ。
それよりもーーーー
「兵藤くん?」
「は、はははははいぃ!?」
なんかやけに驚いてる兵藤くん。何かあったのだろうか?まぁいいや。
「ちょっとお話したいんだけどいいかな?」
口元だけで笑みを作り言うと、兵藤くんは顔を壊れるくらいで頷いてくれた。
なんか兵藤くんって面白いな。
「じゃあ廊下に出ようか。」
俺と兵藤くんは三人を部室に残して廊下へと出た。
Side:イッセー
部室で葛葉さんが部長と朱乃さんとイチャイチャしてた。
どういうことだ?俺の握りしめた手から水が溢れ出てくる。なんでだ?
葛葉さんはまさかの部長の元婚約者だったらしく朱乃さんも会ったことがあるらしく、木場や小猫ちゃんを助けたらしい。
まぁ何はともあれ葛葉さん改めコータ先輩は部員全員と仲良くなった。のだが、部長をちゃん付けしたことで部長を怒らせた。クソッ!俺だって部長のこと名前呼びしたいよ!むしろ呼ばせろ!などと脳内で怒ってしまった。アーシアは見ちゃいけなさそうな場面だったから木場と一緒に別の話題を話していたが、俺の意識はあの二人の方へと向いていた。
特にコータ先輩がリアスと呼んだ時は(おい!あのイケメン!部長を口説きやがって!ふざけるなッ!!)などと怒り丸出しで思ってしまったため、コータ先輩にも気づかれてしまった。
その後、先輩に呼び出された。
ヤバイ、ヤバイぞ兵藤一誠!これは死亡フラグだぞ!退避するんだ!
と思ったが、先輩が怒り丸出しの笑みで逃げ場がなくなって先輩についていき、廊下へと出た。
中の三人の会話が聞こえなくなったところで先輩の足が止まった。
「兵藤くん。」
「は、はい!」
ヤバイ、潰される。と思った瞬間ーーー
「あえてイッセーくんと呼ぼう。イッセーくんはリアスちゃんのことが好きだよね?」
?センパイナニイッテルンデスカ?オレイッテルコトゼンゼンリカイデキナイッス。
「さっき俺とリアスちゃんの会話を羨ましそうに見てたよね?」
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ。
バレてる。もしコータ先輩がまだ部長に気があるんだったら秘密裏に潰されるに決まってる。
「あぁ、別にそれで怒ったりはしないよ。」
「どうゆうことっすか?」
「俺だってリアスちゃんのことが好きだ。だけどリアスちゃんはたぶんまだ俺のことを男としてじゃなくて幼馴染程度でしか好きだと思ってない。だからたぶん今までこいびとのひとりもつくんなかったんだと思う。」
(それは先輩のことに夢中すぎただけでは……?)
言えない。こんなことは絶対に言えない。
「だから勝負しようじゃないか?」
「はい?」
「俺かイッセーくん。どっちがリアスちゃんと結ばれるか勝負しようじゃないか。イッセーくんはフェニックスからリアスちゃんを取り返してるからリアスちゃんの中でも評価はうなぎのぼりのはずだ。それに加え俺は幼馴染としての立場でしかイッセーくんに勝っていない。どちらにしても俺はリアスちゃんを恋人にする。どうだい?」
コータ先輩と勝負。どちらが先に部長のこいびとになるか……か。先輩の言うことが確かなら俺にも多少勝機があるかもしれない。もしかしたら部長とあんなことやこんなこと……ダメだダメだ。こんなとこで妄想したら絶対に先輩からも変態っていうイメージが定着しちゃう。これだけは絶対にダメだ。
決めた。俺はーーーーー
「戦います。コータ先輩!俺はあなたから部長を取って部長の恋人になります!」
宣言してやったぞ!合宿の時の俺ごめん。部長とコータ先輩の結婚式はまだ先だ。俺はコータ先輩に勝つ!
「やっぱりか……。なら俺だって負けてられない!リアスちゃんは絶対に俺の彼女にしてやる!」
こうしてコータ先輩と俺との部長を巡った長きに渡る戦いの火蓋が切って落とされたのであった。
あ、余談だけど、コータ先輩は俺のことイッセーくんじゃなくてイッセーって呼ぶみたいだ。俺は流石にコータ先輩を呼び捨てにはできないから先輩のままだけどな。