Side:サーゼクス
冥界首都ルシファード。
冥界きっての大都市であり、魔王が住んでいる土地でもある。
僕はルシファードにあるルシファー専用の建物に籠ってグレイフィアとともに書類に追われていた。
ただでさえいつも書類が絶えないのだが、コータの再会できたあの事件のことでさらに書類が増えた。それに加えあのユグドラシルという会社との契約。一応は魔王全員で話し合った結果契約するという結論に至り電話をした。貴虎と呼ばれた男は少なからず嬉しそうだった。
「もしもし。」
『私だ。なんだサーゼクスか。』
「なんだとは酷いじゃないか。同じコータの兄貴分なのだから。」
『五月蝿い。それで要件はなんだ?』
貴虎とは契約後仲良くなった。
魔王としての業務でもそうだが、プライベートでもこと男とは仲良くできる気がしていたので、たまに話している。
「そちらに渡した『
『あぁ、凌馬が中心となって調べてくれている。あいつは子供が新しいおもちゃを見つけた時みたいな顔してたぞ。』
「それはよかった。」
契約としてこちらはまず『悪魔の駒』をユグドラシルに渡した。
貴重な『悪魔の駒』だが、あちらは人口の『
コータ曰くロックシードは魅惑の果実であるあのインベス化の元である果実からしか手に入らなかったらしいが、ユグドラシルはそのロックシードの技術での作成に成功したのだという。取引としてはなかなか悪くないものだった。
『ところでサーゼクス。お前に速報がある。いい方と悪い方、どちらから聞きたい?』
「いい方から聞こうか。」
『そうか。ではいい方から。駒の解析が終わり、新たな駒を開発している。』
新たな駒!?作成者である魔王アジュカでもチェスの十五駒しか作れなかったのにユグドラシルは数日で解析を終え新たな駒を作り上げてしまうのか………。
『新たな駒の名前はまだ決まっていないが、新たな力になるだろう。』
「そうか。では悪い方は?」
『悪い方……か。』
貴虎が珍しく考えているような素振りをしている。コータにも聞いたが、貴虎が考えることはなかなかないという。
『心して聞いてくれ。昨日教会に潜入していたユグドラシル社員から連絡が入った。堕天使に教会が保存していたエクスカリバーが盗まれた。』
「ーーッッ!?」
教会のエクスカリバーが盗まれた……だと!?それはもしかして………。
『一応だがその堕天使の進路を辿ってみたのだが、さらにまずい。駒王に向かっている。』
「なんどって!?」
これがコータやオカルト研究部、悪魔、ユグドラシルを新たに巻き込む嵐となったのであった。