Side:サーゼクス
コータ君がうちに来てから5年が経った。その間にコータ君について色々わかってきたことがあった。
まず、身体能力が異常なまでに高い。バク転を4回連続で出来たり、跳び箱も頑張れば20段も飛べるのではないかという。また、以前僕の眷属である沖田くんと模擬戦をしたらまさかの互角。生身での上級悪魔レベルの身体能力は僕が知ってる中だと、コータ君かサイラオーグ君しかいない。
そして、学問。簡単に言えば一つ覚えればそれをすぐ覚えてしまう。勉強を教えようとしていたグレイフィアは「高校生までに習う内容をまずか1年で覚えてしまった。」と言って驚いていた。
さて、それで彼は……。
「コータ!遊びにいこ!」
「リアスちゃん待ってよ〜。」
この変わりようだ。
初めの方はこちらを警戒していたのか固い口調で話していたが、1年も経たないうちにリアスと仲良くなって父上や僕とも親しくなったつもりだ。2人は勉強や食事の時以外はいつも一緒にいる。まぁ許婚同士だから当然といえば当然なのだが。
「サーゼクス。」
父上に呼ばれた。
「なんでしょうか、父上。」
「お前に魔王への昇格届けが来た。」
「僕に……ですか?」
魔王……悪魔の頂点の呼べる役職である。確か外交にセラフォルー、軍事にファルビウムが選ばれていたはずだ。
「父上、その話受けたいと思います。」
「グレモリー家はどうする?」
「リアスにまかせるつもりです。それもダメだったらミリキャスに継がせます。」
「そうか……。リアス!」
父上はすぐ側で遊んでいたリアスを呼んだ。
なんだろう、すごい嫌な感じがする。
「お前には1年くらい家を出て眷属を探してもらう。」
「父上!リアス1人では危な過ぎるのでは……。」
「コータ!お前はリアスの付き添いとして1年間リアスの隣にいてもらう。」
「「「えぇ!?」」」
僕を含め、リアスとコータ君も驚いていた。
「リアスにはこれから1年間眷属集めのため世界旅行みたいなものをする。コータ、お前はそれに付き添ってやれ。あの力があれば大丈夫だろう?」
「まぁ大丈夫だけど……。」
「じゃあ決定だ。早めに準備しろ、明後日から行かせるからな。」
父上、それは早すぎるような……。
でも今の父上はもう誰も止められない気がしていたので僕はもう止めなかった。
Side:リアス
お父様が言っていた眷属集めの旅の当日になった。私1人じゃなくてコータまでも連れて行くのは何故だろう?全くわからないわ。
「ねぇ?お兄様?なんでお父様はコータも連れて行くようにしたの?」
「リアス1人だと悪い大人の人に連れてかれちゃうからだと思うよ。」
ほら、いつもこうやってお兄様は私のことを子供扱いしてくる。私ももう13歳なのだから、もう大人だもん。
「リアスちゃん!早く行こ!」
あっちでコータが呼んでる。
「わかった!ちょっと待ってて!」
引き出しにしまってあったリストバンドを取り出して向かおうとする。
「行ってきます。マイ様。」
グレモリー家に伝わる伝承に出てくる女性悪魔、マイ様。私がお母様やグレイフィア以上に尊敬している悪魔である。
そして私はコータと共にグレモリーの屋敷を無邪気に飛び出した。
Side:サーゼクス
リアスたちが行ってしまった。
「これからどうするのですか?」
「決まっているだろう?悪魔陣営の復興だよ。コータのこともあって復興に手をつけられなかったんだ。セラフォルーたちが今までやってくれてた部分以上に手伝ってやんないとな。」
悪魔、堕天使、天使の三つ巴の戦争は約500年前に終わった。その間に旧魔王派が新魔王派に攻めてきたりなんやらでここ数十年は復興ではなかった。だが最近になって復興が進み、王都などは8割がた復興している。
「そうですね、リアスとコータを驚かしてやりましょう。」
「あぁ、とりあえず後の魔王に連絡だ。」
「はい!」