モンスターハンター。
それはモンスターを狩ることを職業とした人間。その人間に数多くのモンスターが狩られてきた。
なぜ人間はモンスターを狩るのか。
それは自分たちの生活がモンスターに危険に晒されるのを防ぐため。
そんな人間たちは考えたことがあるだろうか。
ただ村に近づいただけで人間に悪者扱いされ命を危険に晒されるモンスターの事を。
この世は弱肉強食の世界。強いものが弱いものを狩る。
俺はこんな世の中があまり好きになれない。
◇◆◇◆
俺はハンターという職業についている。人々から頼まれたクエストを成功させ村の安全を守る仕事。
それは一般的なハンターとなんの代わりもない。
俺が他ののハンターと違うところ、それは……
俺は生まれた時から人間とモンスターを行き来することが出来た。
なろうと思えば今この集会所でモンスターになって暴れることが出来る。
ただ1度ハンターに狩られそうになってからはモンスターになったことが無い。モンスターでいると俺を狩ろうと様々なハンターがやって来て散々な目に合わされる。命は大事だから無難に
ハンターになればギルドの方から実力に合わせてクエストを与えてくれるため、命を落とすことは少ない。しかも俺はまだHR1だから凶暴なモンスターと戦う必要は無い。
俺はいつも採取クエストを受けている。偶に小型モンスターを狩るクエスト。大型モンスター狩猟クエストはまだ1回しか受けたことがない。
俺も人間の姿で生活している訳だがモンスターだって同族だ。やっぱり同種を狩る気にはなれない。
1回だけ受けた大型モンスター狩猟クエストというのはターゲットがドスマッカォのクエストでそのときはギルドの方がどうしてもと言うものだから押しに負け受けてしまった。でもやっぱり狩ることは出来なくて罠を仕掛け麻酔玉を投げ捕獲した。死んだように寝ているドスマッカォを見ていると罪悪感というものを感じた。
そして今は古代林で深層シメジ10個を納品するクエストに出ている途中。クエストで滅多に抜刀はしないが片手剣を担いでいる。
「深層シメジって遠いんだよなー」
地図を見ながら駆け足で目的地まで向かう。マッカォとか小型モンスターが追いかけてくるけど無視無視。殺しあったってどちらにもメリットがない。だからね、俺を追いかけるのはやめてくれないかな?
そんな心の声が届いてくれるわけもないので少しスピードをあげるとどんどん差は開いていき次第にはマッカォが見えなくなった。
「あっ、これ深層シメジじゃん」
鬼ごっこをしているうちにいつも間にか目的地にたどり着いたみたいだ。
キノコをゴソゴソして深層シメジが10個集まった所でモドリ玉を使う。いつもは使わないが今回はBCまで遠いので使うことにした。それにまた鬼ごっこするの疲れるし。
村から古代林までは近いのでガーグァさんが連れてる荷台の上に乗せてもらいました。もちろんガーグァさんにはアイルーが乗っている。ガーグァさんいつもありがとうございます。お疲れ様です。
ガーグァさんにベルナ村まで送ってもらい、受付嬢の所に行った。
「ほい、お疲れ様です。これが報酬ですよー」
ギルドにつくと受付嬢が報酬をくれた。いつも思うけど受付嬢ってテキトーな感じの人が多いよね。
クエストが無事終わったから自宅に帰ることに。鬼ごっこなんてしてしまったせいで疲れたから今日はすぐにベッドへダイブしよう。
「なんでお前がここにいんだよ」
「おぉー、帰ってきたか少年!」
「ちゃんと会話をしてくれ。なんでここにいるんだ」
「何でって……なんとなく?」
こいつの名前はシロ。俺と同じく両親が居ないせいか気が合い、こんな仲になった。ちなみにこいつもハンターをやっていてHR4。上位ハンターってやつ。
「不法侵入だぞおい」
「いいじゃん、減るもんじゃないし!それに私の様な美人が家にいて嬉しいでしょ?」
「いや全く」
「むぅ、冷たい。なんでクロはいつもこうなのだ。」
小さい頃からずっといると愛想が無くなってしまうもんだよ、人間ってのは。
「ん?あ、まだ採取クエスト行ったの?んもー、臆病なんだから。1回くらい大型モンスター行ってきなよー」
「1回は行ったよ」
「あー、そうだったね。ド・ス・マ・ッ・カ・ォ。」
コイツ……
「俺は平和主義なんだ」
「平和主義、平和主義って、村には腕の立つハンターを求めている人たちが沢山いるんだよ。そのためにHRをあげて村の人を一秒でも早く助けてあげようよ!」
お決まりのセリフ。採取クエストに行ったこと知ると毎回言ってくる。間違ってるわけじゃない。むしろ合っている。ただどうも俺は気が進まないんだ。
「……考えとくよ」
「ホントに考えてよー?あっ、そうだご飯食べに行こうよご飯!」
すぐに話題を変えるのもこいつのお決まり。
てことで飯を食べに行くことに。
「旦那さんたち、いらっしゃいニャ!」
「いらっしゃったにゃー! じゃあ今日もオススメお願い!」
「俺も頼む」
「分かったニャ!」
ここは集会所。雑貨屋で回復薬を買っているハンター。クエストに行こうとしているハンター3人組。顔を赤くして中央で寝っ転がっているハンター。今日もここはハンターだらけで賑やかだ。
「私も色々考えてみただけどさ……クロ怖いんでしょ。大型モンスター」
「なわけないだろ?俺が本気になればモンスターなど3秒で狩れるわ」
「じゃあやってよー。私はクロと一緒にクエスト行ってみたいのにー」
俺がモンスターだから同種を狩るのは気が引けるなんてことは言えないわけで、なんて言えばいいかわからない。
「可哀想じゃん、モンスター。村に近づいただけで邪魔者扱いされて、ハンターに理不尽に狩られるんだよ?俺はそういうことあんまり出来ないんだよ」
だからちょっとだけ本音を言ってみることにした。人に初めて明かす俺の本音。いい機会だし、他の人がどう思ってるのか知ってみようと思った。
「そうっちゃそうなんだけどさぁー。でも私達ハンターな訳で、そういうことも言ってられないような気もするよ?」
こいつはいつも俺を悩ませる。色んな意味で。ハンターという職に就いたのであれば、モンスターを狩りたくないなどただをこねてはいけない気もする。でもやっぱり狩りたくない。
もうどーしたらいいんだろうね。ハンターになってからこの事で何回悩んだことか。
「クロはちょっとだけ矛盾してるよね。村に危機が来た時この村を守りたいとは思っているけど、モンスターは狩りたくない。この二つは多分両立なんて出来ないよ?」
村の危機というものはそれだけ大きなものだからHRの低い人には任せられない。ならHRをあげればいいのだが、あげるためにはモンスターを狩らなければならない。
「でも、クロが言ったのも一理ある。確かにモンスターからすれば理不尽。でもこの世界には理不尽が溢れてる。それなら開き直っちゃった方がいいような気もする。それに人間だってたくさんやられてきた。自分の大事なものを守るには、やっぱり狩るしかないんだよ」
久しぶりに見たこいつの真剣な顔。その表情はどこか悲しそうだった。
誰だって思うことはあるもんな。こうやって悩んでんのは俺だけじゃねーんだもんな。それなのにシロは俺のことを考えてくれた。こりゃあ一つ貸しが出来ちまったなー。
「そうだな。村を守るにもそれに値した地位がないと守れねーよな。サンキューな、シロ。」
「おう!」
シロはそう言って、いつもの表情に戻った。子供っぽくて、いつも笑顔の光の表情に。
守るには狩るしかないというこの世界はやっぱり好きにはなれないけれど、大切なものを捨て、新しい大切なものを手に入れる。そんなことを目指して、1歩ずつ前に進んでみることにした。
読んでくれてありがとうございます。
自分は2年前くらいに小説を書き始め、
このサイトに投稿しては続かなくて消す。
その繰り返しでした。
もし、今これを読んでいる人で以前も私の中途半端な作品を読んでいた人がいれば、すみませんと謝りたいです。
なので、この作品は初めての自分の完結できる作品となると思います。
自分は飽き性なので、一作品目ということもあり、
この話は話数は少なくなるかなと思います。
こんな情けない私ですが、それでも私のハーメルンライフを温かい目で見守っていただけるととっても嬉しいです。