オーディナル・スケール 少し違う世界の物語   作:夜桜の猫の方

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木綿委は桐ケ谷家の一員です。

最初は勝手が分からないのと、相方が無意識上から目線の奴なので
ちょっと癪に障る事が多いかと思いますが
フッと、鼻で笑って遠慮なく誤字脱字を指摘してやってください。
さて、お目汚しはこれくらいにして

では、どうぞ(ゝω・ )ノシ


始まりは何時だって平和なのさ

唐突だけど、僕こと”ユウキ”は一世一代の勝負に直面している。

ゴクリと口の中に溜まった唾液を飲みこみ、目の前の好敵手(きょうだい)に笑みを向ける。

が、好敵手はそれを不敵な笑みで返し、左腕を頭上に掲げる。

ならば――某ヤサイ人の様に構え

 その刻を待つ

 

「行くぞ、ユウキ」

「準備はとっくに出来てるよ、キリト」

 

僕達の視線が絡まりバチバチと火花が散っているけど意識の外へ!

ただ目の前の好敵手だけへ視線を注ぐ

体は熱い、だけど心は水面の様に清んでいる

 

そして、一切音のない世界で、2人の呼吸が合わさり

 

「シッッ!」

「—――ッッ!」

 

ほとんど同時に両腕を動かして勝負に挑む!

スローになる世界、お互いしか目に入らない

決着は—――ただ一撃!!

 

「「この勝負、絶対に負けられないッ!!」」

 

 

僕達は両腕を突き出してッ!!

 

 

 

 

 

「「最初はグッ!!じゃんけんポン!!!」」

 

和人 パー 

木綿季 グー

 

「しゃぁ!!」

「負けたああーーー!!」

 

桐ケ谷家は今日も平和です。

 

 

「う~、また負けた~~」

「ハッハッハ、まだまだ修行が足りないぞ妹よ」

「うきゅぅ、かず兄が強いんだよ~~」

 

テーブルに突っ伏す僕を—―桐ケ谷木綿季を見て面白そうに笑う兄

かず兄こと桐ケ谷和人とのジャンケンから僕達の一週間は始まる

何故かって?それは

 

「次は絶対お姉ちゃんって言わせてやる!」

「俺も負けるつもりはないよ」

 

勝った方がその週の兄、または姉になるのだ

最初は遊びの一環だったけど、今じゃ僕達は本気で勝ちに行っている

なんていうか、双子の兄弟にお姉ちゃんって呼ばれると

背徳感っていうか、良い意味でゾクゾク~ってするから…

 

「お姉ちゃ~ん!元気なら朝ごはんの準備手伝ってー!」

「はーい!今行くよ!かず兄もお皿くらいは手伝ってね」

「あいよ。2人の作る朝飯、楽しみにしてるよ」

「ほんと!じゃあ張り切って作るからね!」

「張り切り過ぎないでくれよ」

 

そう言いつつも笑っているから一段と気合が入るんだよね!(そこ、苦笑とか言わない)

あ、でも月曜の朝はなるべく軽い物がいいかな

 

 

「あ、やっと来た。おはよう」

メニューを考えながら台所に来たら僕達の妹こと 直葉ちゃんが朝食をほとんど作り終えた所だった

あちゃ~、つい長引いちゃったかな

 

「おっはよー!ごめん、遅くなって。今週は僕が手伝うよ」

「おはよう。さてさて、今日の朝食は、っと

  ほほ~玉子焼きにトーストですか、直葉シェフ」

「誰かさん達が遊んでたからね~時間なくて」

「「あれは遊びじゃないんだよ」」

「真顔で言わないで。あと、やっぱり仲いいよね2人とも」

 

呆れられてる?いや、気のせいかな

と、そんな事より

 

「スグ、僕が手伝える事は残ってるかな?」

「う~ん、あ!じゃあお味噌汁をお願い」

「おっけー。パパっと作っちゃうよ」

「お兄ちゃんは、コレをテーブルに並べて」

「ああ。おお、すげー良い匂い」

「勝手に食べないでよ」

「わ、分かってるって」

「かず兄は食いしん坊だからね~。はい、出来たよ」

「木綿季も似たもんなもんだろ。てか、早いな」

「インスタントだからね。それより、早く運ぶよ!」

「はいはい、いま手伝いますよっと」

 

スグが作ってくれた朝食がテーブルに並べられていくと同時に

出来立て特有の良い匂いが胃を刺激して

 

「もう我慢できない!いっただっきまーす!」

「あ!ちょ!‥‥たく、いただきます」

「いただきます。時間ないからって慌てないでよ」

「「はーい!」」

 

 

 

「ねえ二人共、今日は帰ってくるの遅いかな?」

「ほふぃ?」

卵を乗せたパンに舌鼓してるとスグが唐突にたずねてきた

う~ん確か今日は予定はないはず

「僕は無いよ。」

「俺もだ。でも、急にどうしたんだ?」

「えっとね、実は二人に手伝って欲しい事があって」

なんだろう?スグも言いにくそうにしてるけど、可愛い妹の頼みは

最初から断る気はないよ。

そう思いつつ汁物をすすっていると

「アマノムラクモノツルギのドロップモンスターが出現して「「ゴフッ!」」うわぁ!

  ど、どうしたの二人して?」

の、喉が痛い。いや、そんなことより

 

「本当なの!?その情報ってどこ発信!個人サイトなの、公式なの!」

「お、落ち着いて。ちゃんと公式の情報だから、ほら。」

 

スグがタブレットを渡してくれて和人と一緒に覗き込む

そこはあるゲームの公式サイトの今日の朝に更新されたリアル定期イベントが表示されていて

 

「えっと、埼玉は……あった!しかも結構近いよ」

「本当だ。しかも、時間も学校帰りで丁度いいな。」

 

確かに、一度やってみたかったんだよね。学校帰りに一狩行こうぜ!!って

 

「それで、どうかな?二人にも来て欲しいんだけど……」

 

そんなの、答えは決まっている

 

「勿論だよ!絶対行くからね!」

「ああ。こんな面白いことを見逃す方が無理ってもんさ」

「ありがとう二人とも!じゃあ、待ち合わせ場所は現地の駅前集合って事で」

「了解。にしても、遂に最上級武器のドロップモンスターが出てきたか」

「やっぱり強いのが来るかな?」

 

どんなモンスターがくるんだろ。う~ん!今からでもワクワクが止まらないよ!

そうと決まったら朝ごはんを美味しく食べ

 

「あの、いい気分で水を刺すようで悪いけど…時間大丈夫?」

「「え…………あ」」

 

時計は無情にも8時を回りました

---------------------------------------------------

 

「つ、疲れた~~。」

「大丈夫?木綿季」

グデーと机に突っ伏す僕を見て、笑いながらも心配してくれる友人に返そうとしたけど

今は休ませてほしい

 

「明日奈、肩揉んでほしいなーなんて」

「もう。明日はちゃんと時間作りなさい。」

「は~い。さすがに明日からは……うん。」

 

僕はかず兄より起きるのが遅いからな~

スグに頼むのも…う~~ん、背に腹は変えられないか

 

「ほんとに起きられるの木綿季?」

「あ、あははは……」

 

明日奈の半目からスススと視線を合わせないでいると

 

「もう。それより、行くんでしょリアルイベント」

「え?」

 

あれ、明日奈って今日は稽古の予定があったと思うけど

それにリアルイベントって………

 

「察しが悪いなー。オーディナルスケールのリアルイベントだよ。」

「え!?明日奈も来れるの!?」

「う、うん。理由は分からないけど急にお休みになっちゃって。

  だから放課後に時間ができてぇ!?」

「そうと決まれば直ぐ行こう今すぐ行こう!」

「ま、まって。引っ張らないでってばーーー!」

 

さあ、いざ決戦の舞台へ!ちょっと時間ないし駅まで遠いけど

ま、なんとかなるさ

あ、かず兄とは駅前集合だよ。

 

ちなみに、この光景を見ていた生徒達は

「明日奈さんが地面と水平に翔んでる」

 

―――――――――――――――――――――

 

 

駅前には今日も人が多い。

学校や会社帰りの人 市内とは違う新天地に行く人 ただ集まっている人

どの人間も活気に満ちていて、見ていて面白い事この上無い

 

「……はぁ」

 

いや、訂正――ほんの少しだけつまらないや

 

「いたいた!おーい、かず兄ー!」

「ゆ、ゆう、き。ちょっと、休ませ、て……」

 

突然聞こえた元気な声に視線を向けると、同じ学校の制服を着た少女達が

ずっとベンチに腰かけて空に指を走らせていた青年(?)に駆け寄っていた

回りの視線を集めているとは知らずに

 

(あの人、男性だったんだ)

「ごめん、待った?」

 

一番視線を集めている、活発な背の低い女の子が申し訳なさそうに言うけど

青年は気にしてないと笑みを返していた

 

「ところで………アスナは大丈夫か?」

「だ、大丈夫だよ、キリト君」

 

盛大に肩で息をしているけど精一杯の笑顔で返している女性は

同性でもみとれてしまう美貌が台無し………いや、ロングの髪から見え隠れするうなじが

とても、困惑的です。視線を集めている原因の一端は彼女かもしれない

 

「このあとのレイド戦の体力は残って無さそうに見えるけど」

「で、電車で少しは休めるから。」

「ごめんねアスナ。僕、ついアスナが一緒に来てくれるのが嬉しくって。」

「俺もユウキと同じだけど、まだ時間はあるから。ゆっくり現地へ行こう。」

「……うん、ありがとう。」

 

(レイド戦?時間はある?何かのイベントかな?)

 

正直、興味は大いに擽られている。

彼らの後を追えば面白いものが見れる可能性が高い

思考から浮上して三人を見つめる

ユウキという女の子の頭をキリトという青年が撫でている

ユウキは気持ち良さそうに糸目になっていて、アスナという女性は羨ましそうに見つめている。

お花畑全快のあの光景は、もしかして…………

 

「キリトって人、二股なの?」

 

あ、つい声が。ん?キリトが回りを見渡してる?

 

「どうしたの、かず兄?」

「いや、ちょっと寒気と視線が。」

「大丈夫キリト君?汗かいてるけど」

「だ、大丈夫だって。それよりアスナが良いなら移動しようか。」

「うん。私はもう平気だよ。ありがとね、キリト君。」

 

ああ、三人が行ってしまった。

と、ようやく、回りにいる人達が同じような話をしているのに気付く。

 

「OSのリアルイベントってどこで行われるんだ?」

「確か指扇で下りて、大通りを行った先の公園だったはず。」

「オーディナルスケール。確かオーグマーのゲームだよな?」

「そうそう。なんでもすっごい人気らしくて――」

 

ふむり。オーディナルスケールか………

鞄から水色の片眼鏡のような物を取りだして首回りに装着する

 

「オーグマー、起動」

 

抑揚のない声が空気に溶けた瞬間、眼前に半透明のホログラムパネルが何枚も浮かび上がる。

今日の天気やニュース、駅の時刻表から近くのデパートのタイムセールまで

あまりの情報量に若干吐き気がするも、気を取り直してWeb検索の画面を表示する

空に浮き上がったキーボードに指を走らせ、目的のページを検索っと

それにしても、なぜ私のオーグマーは首周りにつけるタイプなのだろうか?

他の人達は特殊部隊よろしく耳に付けているのに

と今更かなとも言える疑問を頭の片隅に追いやり、表示された公式HPを穴が開くほど凝視する

 

「ARMMO RPG OS(オーディナルスケール)

 

その場所に、このゲームに

私の、少しだけ下らない世界が変わるかもしれない

そんな小さな言葉が脳裏に浮かび、私は無意識に笑みを浮かべていた

 

 

『オーディナルスケールをインストールしますか?』

  →Yes

 




ま、まあこの段階では平和な日常を書いていって
本格的にタイトル通りになるのはもう少し後かな‥‥
あ、まって、待ってください!プレミアちゃんとかユージオ君とか出演決定してますから
もう少しだけ、お待ちください!(親父風)

え、えっと…兎に角、舞台はVR世界じゃなくAR世界なのですが
あれ?と思ったりそれは違うよと論破する前に一言だけ申し上げたいのです!


”ご都合主義は最高だぜ!”

あ、最後に出てきた女の子は次回に簡潔に明らかになります
まあ、そんな少女がいたんだな~くらいでお願いします。
ではまた(ゝω・ )ノシ

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