オーディナル・スケール 少し違う世界の物語   作:夜桜の猫の方

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『コルチカム』は花の名前です。9月から10月に咲く美しい毒花で
花言葉は
≪私の最良の日々は過ぎ去った≫と≪危険な美しさ≫


≪4話≫ コルチカムを抱く少女

『オオオオオオォォオオオオ―—―』

 

大の大人を易々と圧潰(あっかい)させる巨椀が降り下される。その腕だけで小さい僕なんかは受けきれずにHPを全損させてしまうかもしれない。

 

でも、当たらなければ意味はない。

 

巨椀を横ステップで躱して腕を斬りつけるが、岩石モンスターの特徴の例に漏れず、与えるダメージが軒並み低い。それでもゴーレムのHPがドットではなくmm単位で削れていく光景に後方から息を飲む気配が伝わって来る。

だが、ユウキは埒が明かないとばかりに懐に潜り込むと、剣を大上段に構える。

その『初動モーション』をOSが検知し、彼女の剣が水色の輝きを纏う。それと同時に脳に直接響く機械的な女性の声

 

『片手剣SS(ソードスキル)≪バーチカル・スクエア≫』

 

ゴーレムの体の中心線に、面打ち、斬り下し、斬り上げ、全力上段切りの4発が叩き込まれる。切っ先が描いたライトブルーの正方形が余韻と共に強く輝き、ゴーレムのHPを大幅に削る。

だが、SSの代償として一時的な武器消滅(アームロスト)状態となり、ユウキと言えど後退を余儀なくされる―――普段の彼女ならば。

 

『オオオオォォォ―—―』

 

懐にいるユウキを危険人物と捉え、日本の巨椀を振るい対象を排除しようとするが()()()()()()。空気を唸らせる横薙ぎも、プレイヤーを等しく圧潰する振り下しも当たらない。

地面と巨椀の間の空間に体を滑りこませ、大振りな振り下しは懐に潜り込んで躱す。一見してその絶技―—自らを(かえり)みない行動(プレイング)―—に観戦している人々は圧倒されるが、当事者である彼女の疲弊は計り知れない。

 

(タゲが僕一人に集中しているから攻撃の隙が生まれない!これじゃあ、ジリ貧だ。早く、早く何とかしないと………時間が…!!)

 

そう、先程からユウキが無茶な立ち回りをしているのは『制限時間』という枷があるからだ。ゴーレムのHPは2本目に突入したが、残り時間は6分しかない。視界の奥ではユウキが入る前まで戦っていたプレイヤー達が助太刀に入ろうとするが、暴れ狂う巨人に二の足を踏んで戦線に戻れそうもない。時間がない。その単語が浮かぶたびにユウキの心がざわついて行く

 

刻一刻と残り時間が減る中、まるで疲弊したかのようにゴーレムの動きが鈍る。

攻めるなら今しかないと脳が最速で体を動かす。片手で持っていた剣を両手に持ち替え振りかぶる。すると、ユウキの剣が今度は赤く、紅く、全てを染め上げるかのように薔薇色の輝きを纏う。

 

『片手剣”最上位”SS(ソードスキル)≪ノヴァ・アセンション≫』

 

全力で振り下した斬り下しから片手に持ち替え薔薇色の軌跡を描いていく。先のSSよりも鮮やかに、それ以上に猛々しい剣技が放たれる度に巨体が揺れ、巨神のHPを凄まじい速さで奪っていく。

斬撃が九つ目に入った瞬間、巨神の岩鎧が吹き飛び、弱点と思われる赤色のコアがむき出しになる。ユウキは再び柄を両手で握り剣を大上段に構える。

狙いは―—―赤く発光するコア

 

「はああぁ!!!」

 

薔薇色の流星を描く斬撃がコアに叩き込まれ、激しい音と燐光が辺りに撒き散らされる。ユウキは余韻に浸る事なく顔を上げ、巨神のHPに視線を向ける。

未だ減り続けるHPは1本目に突入しなお勢いが止まらず減少し続ける。それは黄色(イエローゾーン)に入り、なお止まらずに赤色(レッドゾーン)に突入する。

 

 

が、()()()()()()()()()。まだ、倒せていない。

 

「ッッーー!!!」

 

再び動き出したゴーレムから離れるも、SSで気力を出し切ったために足元が覚束なく思ったほど間合いが開けていない。

そして、その距離はゴーレムの最も特異とする間合いだった。突如、ユウキの視界が地震でも起きたと錯覚するほどブレる。

攻撃を喰らったんだ―—そう理解した瞬間にHPは赤色(レッドゾーン)手前まで減少する。急いで立ち上がろうとするも巨神は既に腕を振り上げており、ユウキの剣も戻っていない。

視線の奥で先ほどの少女―—サチが走り出すが間に合わない。

ユウキが歯を食いしばって打開策を高速で思案するが、巨神は無慈悲に腕を振り下し

 

 

 

ゴオオオォォォンと、振り下した腕が爆ぜて巨神が大きく仰け反る。呆気に取られたユウキは爆ぜる直前に()()()()()()()()()()()を撃った人物に振り返る。

そこには、灰が混じった銀色の対物狙撃銃(ウルティマラティオ・ヘカートⅡ)を構えたクリアな水色のショートヘヤーを持ち、緑色のジャケットを着込んだ少女。銃撃の余波でふわりと舞うサンドカラーのマフラーが猫の尻尾の様にも見える。

 

「シノン!」

「さっさと回復アイテムを使いなさい!それまで、そこの人達とソイツを喰いとめるからッ!!」

 

シノンの言葉と共に銃から白い光が漏れ、後方で先ほどと同じ爆発音が聞こえて来る。それをバックに急いで戦線をはなれ、OSのストレージを開き回復結晶を取り出す。『ヒール』と唱えると手の中の結晶が砕け散るが、代わりにユウキのHPが完全に近い所まで回復する。そこで呼吸を整えながらゴーレムに向き直ると、先程の青年たちが攻撃しては速離脱、また攻撃とヒット&アウェイを行っていた。ユウキの様に大きくHPを蹴づる事は無いが、青年たちのHPも盾を持っているディフェンダー以外減っていない。その間にシノンが的確に銃弾を放ちHPを大きく削っていく。

 

(このままなら、あの人達は誰一人欠ける事無く勝てるかな。)

 

呼吸も落ち着き前線へ戻ろうと立ち上がった瞬間、()()()()()()()()()()()()()()()

え?と動けなくなるユウキの視界で、乱入して来たプレイヤーは嬉々として死にかけのゴーレムに剣を振るっていく。

何で、どうして今?と混乱する頭で考えた時、ユウキの脳裏に昨夜の和人との会話が浮かび上がる。

 

『奴らは命を懸けさせる代わりに巨万の富を餌に犠牲者を増やす算段らしい。』

 

ハッとして乱入したプレイヤーに目を凝らすと、その誰もが10万位以下の順位、最大でも九万位に入ったばかりの人達だった。

つまり、彼等はイベント戦において『最もポイントの取得が高いLA(ラストアタック)』とそれで手に入る強力な武具目当てで戦っているのだ。

 

自らは苦労せず甘い蜜を啜る古来よりの戦法―—『漁夫の利』もしくは『ハイエナプレイヤー』

もし、これが普通のゲームならネット喧嘩や上記の二つを逆に利用する戦法も取れるが、ことOS(オーディナル・スケール)で直面したユウキは彼らに対し『怒り』を覚えていた。

本物の生死が掛かった戦いを、不謹慎でも―—―本当の意味での神聖な闘争を陵辱されたようで

何より、僕達が命を懸けて戦っていた所を土足で踏み荒らされて『お前のやっている事は無駄だった』と告げられているようで―—―

 

「………」

「ユウキ、悔しいけど今の内に戦線を離脱しましょう。OSのシステム上、LAポイントは奴らに奪われるけどそれ以外の貢献ポイントの大半は貴方に行くはずよ。」

 

剣を下し俯くユウキにシノンが近寄る。先ほどの青年たちも訳が分からないとばかりにユウキに集まるが、突然の乱入プレイヤーや自分たちを助けてくれた少女に如何話しかければ良いか迷っていると

ユウキが覚束ない足取りで、未だに堅牢な岩鎧に攻めあぐねているプレイヤー達に歩いていく。

あ!と声を上げたのはサチだったか。シノンはまだ続けるつもりと溜息を溢してユウキを見守るがその様子がおかしい事に気付く。

 

まるで、業を煮やした”幽鬼”のような

 

ユウキに乱入したプレイヤー達が気付き、言外に邪魔だと視線を殺到させるが少女は止まらない。やがて、痺れを切らした気の短いプレイヤーが話かける。

その様子を外から見ていたシノンはヘカートⅡを撃ち込んでやろうと銃を構えるがサチに慌てて止められている。

 

「お嬢ちゃん、アンタは頑張ったんだから後は任せてどっかに行ってな。」

「…………」

「聞こえなかったのか?邪魔だと言ってい「――—いて」…は?」

 

 

「どいて。ソイツを殺せない。」

 

 

俯いていた顔を上げ、素人にすら解る殺気を無差別に叩きつける。ヒッ!と声を漏らしたプレイヤー達の間を通りぬけHPがドット単位で残っている巨神へと歩みを進める。

巨神すらも恐怖で動けなくなったかの様に佇んでいるが、思い出したかのように唸り声を上げながら腕を振るう。

だが、ユウキには酷く遅く見えるその攻撃を、強烈な振り下しで叩き落し巨神の腕を地面に陥没させる。それだけで残りのHPが尽きたのか水色の光を漏らしながら全身を罅割らせていき、ガラスが砕ける音と共にポリゴン片へと散っていく。頭上で勝利を知らせるファンファーレが鳴り響くが、ユウキは気にも留めずにシノン達の所に歩いていく。

 

「木綿季、アンタはねぇ……」

「し、詩乃?どうして怒ってるの?」

 

何故か怒り心頭の詩乃に出迎えられる。先程の青年たちも複雑な表情を浮かべていたが、意を決してと言う風に彼等のリーダーと思われる人が一歩前に出る。

 

「あの、危ない所を助けて頂き、ありがとうございました!」

 

恐らく大学生?くらいの人から頭を下げてお礼を言われた木綿季は狼狽し、お礼を言われる程じゃあと言ったが

 

「それでもです!貴方が来てくれなければ、僕達は今頃倒されていたかもしれない。だから、本当にありがとう!」

 

それから口々に彼らがお礼を言い、頬が熱くなって来るのを感じながらも詩乃に助けを求めるが『自分でどうにかしなさい』と視線で言ってきた。

どうしようと木綿季が悩んでいると、後方から誰かが駆けて来る足音が聞えてきた。木綿季が視線を向けると涙目で駆けている明日奈が走って来て……

 

「木綿季!!!」「ぐふゥ!?」

「怪我はない!大丈夫!心配したんだからねーーー!!!」

「ゆ、ゆらさないで~~」

 

突撃抱擁からグワングワンと体を揺さぶられる。さっきの戦いよりダメージを負った木綿季が力なく首を倒すと、明日奈が背筋が凍る程の視線を向けているのが目に入り一瞬で立て直す。段々と肩に食い込んでゆく明日葉の手に物申す事すら出来ずに言葉を待っていると、明日奈の口が開き説教が始める――—直前で付いて行けずに呆然としている大学生達が目に入る。

 

「あの、貴方方は?」

「あ、はい。そこの木綿季さんに危ない所を助けて頂いたので、何かお礼をしたいと思いまして」

「お、お礼なんてそんな!僕はただ戦っただけで」

「それでも、命の恩人に変わりないので」

 

話が平行線に差し掛かったところで、二人の間にサチが入り込み二人を宥める。

 

「ケイタは落ち着いて。木綿季さんが困ってるよ。それに、お礼って言っても今は満足な事も出来ないでしょ。」

「う!?………いや、まあ、確かに……」

「木綿季さんも、私達は上辺だけの言葉で終わらせたくないの、私達のケジメとして。勿論、本当に迷惑なら断っても大丈夫。今じゃなくても良いんです。今度しっかりとしたお礼をさせて下さい。でも、出来れば受け取ってほしい。」

「………解りました。でも、今日は……ごめんなさい。」

「うん。私達こそ急にごめんなさい。あと、聞きたい事があるのだけど……」

 

そう言って先ほどのリーダー格の青年に目を向ける。彼はそれで気付いたのか邪魔になると気付いたのかもう一度頭を下げて礼を言い4人は去って行った。

 

「あの、僕に聞きたい事って……?」

 

ランキングがそんなに高いとか戦闘中の身のこなしとか?とユウキが思っていたら、彼女は予想のナナメ上の事を行ってきた。

 

「どうして、あんな”自分の命を顧みない戦闘”をしたんですか」

 

しかも、明日奈達がいる前で。当然の如く明日奈達の視線が集中し木綿季の肩身が狭くなるが、それで逃れることは出来ない。

 

「木綿季。どういう事か説明してくれるよね。」

「うん。ちゃんと説明する。でも、ここだと……」

 

先程から視線を投げている野次馬が多いこの場所では話せないと彼女達は察し、であれば少し遠いがダイシーカフェに戻ろうという事になった。

 

「あの、私達はこれから行きつけのカフェで話そうと思うのですが、えっと」

「勿論、私も行きます。あと、名前を行ってませんでしたね。私は”山元 幸歌(やまもと さちか)”と言います。」

 

彼女達がダイシーカフェに着く頃には野次馬もいなくなり、自己紹介なども移動中に済ませた。今は、帰って来た店内でエギルの出した飲み物で喉を潤しつつ木綿季が口を開くのを待っていた。エギルは空気を読んだのかリズに目配せされたのか厨房に入っている。店内には木綿季達以外の客はいない。

始めは躊躇いを見せていた木綿季も、皆がずっと待ってくれていたからか折れ、今の自分をさらけ出した。

 

 

 

「幸歌さん。僕には『助けたい人』がいるんだ。」

 

「助けたい人?それは、一体………?」

 

「御免なさい。詳しくは今は言えません。でも、その人は異病とも呼べる病気に掛かっていて『心臓病』の一種みたいなんだ。」

 

「!?だから、命を懸けてまでOSを?」

 

「うん。でも、あの人は命を懸けてまで僕に戦って欲しくないって思っていると思う。」

 

「だったら!だったら如何して自分の命をぞんざいに扱う様な戦いをしてい「わかってる!!」

 

「僕だって解ってるよ………さっきの戦い方がどれだけ危ないかなんて。」

 

木綿季が声を荒げたのには驚いたが、それ以上に木綿季が見たことも無い程震えている。

その姿は、恐怖に震え、今にも消えてしまいそうな程の少女そのものだった。

 

「自分の命が消える………それ以上に()()()()。昨日まで(そば)にいた(思い出)が、暖かなぬくもりが、大切な(和人)消えて(死んで)しまうのが凄く、怖い。」

 

「昨日から、彼が消える(死ぬ)寸前だって頭に響いて来るんだ。『(和人)が消える』『時間がない』『終末まであと少し』って」

 

「あと何日、何日彼は生きられるの?僕はそれまでに助けられるの?あと何年、何ヶ月、何週間、何日!?

 

   それとも、いま「ユウキ!!!」

 

 

悲哀の独白を遮って暖かな温もりに包まれる。いつの間にか零れていた涙が明日奈の服を濡らすが、彼女は気に止める事無く木綿季を抱きしめる。

 

「明日奈……」

 

「―—―—医療の技術はここ数年で飛躍的に進歩を遂げているわ。難病と言われた心臓病も2年前と比べて比較にならない程に技術が上がっている。

だから、和人君がそんな簡単に死ぬわけない。それに、彼はそんなヤワな人じゃないのは木綿季も解ってるでしょ。」

 

「……………うん」

 

「だからさ、木綿季も自分の命を大切にして、和人君を笑って出迎えよう?僕はこんなにも頼もしくなったぞって。」

 

「……うん!あ、でもちょっと無理はしちゃうかも………も、勿論、自分の命は大切にするよ!

ただ、全部を懸けて戦って、ぶつからなきゃ何も守れないと思うから。

だから、僕は全力で死ぬ気で戦う…と思います。」

 

最後に敬語を使ったのは明日奈の抱擁が痛いくらい締まったからで、背中は柔らかいのに前がめり込んでいると変な状態になっています。だれか助けて~~!!

と救難を出していると、抱きしめるのを止めて僕を真っ直ぐに見つめる。

それからふっと微笑んで

 

「私達が何を言っても木綿季は止まらないって知ってたよ。だから、私もそれを手伝うよ。」

 

「……明日奈…」

 

「私だけじゃない。珪子ちゃんも里香も詩乃も、和人君を助けたいって気持ちは同じ。」

 

呆けている木綿季の頭を乱暴に撫でる里香に今度は一人で行かないでくださいねと微笑む珪子。

普段はぼやかしてツンを出すが、今回は肯定で頷いてくれる詩乃。

俺も勿論協力するぜーと厨房からも声が聞えて来て、私もいますよー!とオーグマーからもプレミアちゃんが声を出す。

彼女達の決意は固く、それこそ木綿季と同じほどに

 

「私達もだけど、木綿季には直葉ちゃんやご両親もいるんだよ。

  だから、一人で抱え込まないで。一緒に和人君を助けよう!!」

 

「うん………うん……ありがと、みんあ……」

 

「兄妹そろって泣き虫で水臭いわねぇ、ホントに。」

 

「うん、ごめんね…………へへ」

 

「………木綿季さん。私にも貴方の大切な人を助けるのに協力させてください。」

 

「ふえ?さ、幸歌さん!?で、でも……」

 

「勿論、今は足手纏いだって解ってる。

  でもね、私にも解るんです。大切な人を失い欠ける悲しみも、助けたいって気持ちも。」

 

「だから、私にも手伝わせてください。」

 

幸歌には、木綿季がその人の事をどれだけ大切に思っているか痛いくらい伝わっていた。それが演技じゃない事も、自分も経験した事が有るから。自分も大切な友人を失ったから。この子にはあんな思いを経験してほしくない。損得なんてゴミ箱に捨ててこの子に協力したい手伝いたいって思ったから申しでた。木綿季もそれを感じたのか涙ぐみながらも頷いて手を差し出した。幸歌はその手をしっかりと握って答える。

 

「エギル!祝いよ!スウィーツを注文するわ!!」

 

「内にデザートの類はねえよ。」

 

「え~~~~。」

 

「なら、これに行ってみるか?女房と俺じゃ都合が合わなくてな、期限も近いし代わりに行って来てくれ。」

 

エギルが渡したのは有名なデパートのお菓子屋さんのチケットだった。

どうやら、彼は商売柄この手の者をよく手に入るらしいが自分たちで行く事は少なく、大半はお客に渡してしまっているらしい。

 

「ふ~ん……て、これ期限は今日じゃない!!何でもっと早く言わないのかしら!」

 

「だから都合が合わなかったと言っているだろう。俺も今思い出したんだよ。」

 

「まあまあ。エギルさん、お言葉に甘えて行ってきちゃいます。ありがとうございます!」

 

「うむ。ありがとエギル。今度は何か注文するわ。」

 

二人が立ち上がる中、明日奈は詩乃と幸歌を誘う。二人共、あまり乗り気ではなかったが木綿季が一緒に行こうと言ったら立ち上がってくれた。

どうやら今の二人は木綿季に弱いらしい。

 

「シノンに幸歌さん。アイツ等はデザートに目が無いから手綱を握っておいてくれよ。」

 

「そうね。善処はするわ。」

 

「あははは。」

 

詩乃は好きにさせてあげれば?と言外に告げ、幸歌は苦笑いを浮かべるだけだった。

エギルの頭痛が痛くなったのは言うまでもないだろう。

二人共早くー!と明日奈から声が掛けられ詩乃と幸歌がエギルに礼を言ってから外に出る。

あれだけあったのにまだ正午の時間帯という事に驚きつつも幸歌は眼前の楽しく話す少女達を見つめる。特に、木綿季と明日奈を。

その光景は、昔の親友と自分とそっくりで―—―—―—

 

「木綿季さんは笑顔が似合いますね。」

 

「?幸歌さん、僕を呼んだ?」

 

「いえ、それよりそのお店ってどんな所なんですか―—」

 

私も、その輪の中に加われる事を嬉しく思いながら親友に誓う。

 

  今度は救ってみせるよ、()()




≪オリジナル設定≫
OSにソードスキルをぶち込んだ
この小説のOSのSSは某箱戦機の様にアナウンスが出る。
ゲームでは使い道の少ないノヴァアが強い(確信)
OSでは回復アイテムの持ち込み可(本来はフィールドに配置される。)
ユウキが幽鬼(ギャグジャナイヨ)
サチの名前はオリジナルです。(一応、黒猫団の全員にオリ名前を付けます。)
シノン△(←は『さんかっけー』と読む)
サチと藍子は親友設定。原作ではユウキの双子なので年下の可能性が……
今回は大学生設定。

次回は戦闘は無し(?)の予定です。百合同士のキャッキャウフフを書いてやるZE☆
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