天職『波動生命体』   作:アイアムノットバイド

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何故か続いた。


2,自分が何になったのか

 国王の前まで案内された俺たちは、まず自己紹介を行うことになった。

 国王と妃とその娘と息子。俺たちはそれぞれ自分の名前を言っていった。

 

 自己紹介が終われば晩餐会で、晩餐会が終われば各自解散した。

 

 眠気が来ない俺は、王宮を散策していた。

 迷ったら戻れないと思い、1人のメイドに同道してもらっている。

 

「ここは?」

「図書館でございます。中には貴重な物もありますが、勇者様がお読みになりたい時にはお持ちします」

「その時はお願いする」

 

 メイドに施設の説明を受けながら散策しているが、今のところ図書館以外に目ぼしいものは無かった。

 

「あれ?久藤くんですか?」

 

 後ろから声をかけられて振り向くと、そこには担任が居た。

 

「愛子先生」

「どうしてここに?」

「眠れないんで、道案内を連れて散策してました。そう言う愛子先生こそ何してたんですか?」

「私も久藤くんと同じ理由です。眠れなかったので歩いてました」

 

 その言葉に嘘は無いだろう。実際、生徒のことを思って考えてるあまり眠れなくなったってところか。

 

「ありがとうございます。愛子先生」

「きゅ、急に何ですか?」

「先生が居るからこそ、俺たち生徒は自分を見失わずにいられた。だからありがとうございます」

「そんな……私は何も出来てないですよ。天之河くんが居たから、皆もパニックにならなかったんですし……」

 

 担任は謙遜するが、そんなことは無い。

 クラスメイトを纏めたのは天之河だろうが、あいつ一人じゃ30人もの若者を纏めきるのも難しいだろう。

 畑山愛子という大人が居るからクラスメイトらは冷静でいられるようになるのだ。

 

「先生は自己評価が低いんですね」

「そんな、私は……」

「……俺はもう戻りますね」

「あ……お休みなさい。久藤くん」

 

 メイドに案内を頼んで、この場を離れる。

 担任がその後どうしたのかは知らないが、翌朝会った時はいつも通りの態度だったと言っておく。

 

 宛てがわれた自室に戻った俺は、結局夜が明けるまで、窓から()()()()()()()を眺めていた。

 

 

 

 

 

 翌朝、訓練場に集まった俺たちは、縦12センチ横7センチの銀プレートを配られた。

 

「よし、全員に配り終わったな?このプレートは、ステータスプレートと呼ばれている。文字通り、自分の客観的なステータスを数値化して示してくれるものだ。最も信頼のある身分証明書でもある。これがあれば迷子になっても平気だからな、失くすなよ?」

 

 ファンタジー世界特有の数値化された能力値を表示するやつが、今俺たちの手にあるようだ。

 

「プレートの一面に魔法陣が刻まれているだろう。そこに、一緒に渡した針で指に傷を作って魔法陣に血を一滴垂らしてくれ。それで所持者が登録される。 “ステータスオープン”と言えば表に自分のステータスが表示されるはずだ。ああ、原理とか聞くなよ? そんなもん知らないからな。神代のアーティファクトの類だ」

 

 この時天之河がアーティファクトがどうとか、質問して説明を受けていたがそんなもんはサブカル知識があれば誰でも知ってるものだから無視する。

 

 針で親指を突き刺すと、かなり深く刺さったのか血が勢いよく出てきたのでそれをステータスプレートに垂らす。

 

 ステータスプレートに刻まれた魔法陣が垂らした血に反応して光り出し、ステータスの表示を始めた。

 

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久藤壊 17歳 男 レベル:1

天職:波動生命体

筋力:60

体力:100

耐性:100

敏捷:80

魔力:50

魔耐:100

技能:同化[+精神汚染]・自己再生[+自己増殖]・次元移動・英雄ノ再現・言語理解

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 気付いてないふりをしていたかった。

 分からない風を装っていたかった。

 

 でももう無理だ。

 

 こうして明解に表された以上、もう見て見ぬふりは出来なくなった。

 

 昼の空を見上げて変わった空だと思いたかった。

 夜の空を見上げて日が落ちない空だと思いたかった。

 

 でも違う。それは全て自分がそう見えているからだ。

 それは自分が……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バイドだから、そう見えていたんだ。




満足したので続かない。
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