天職『波動生命体』 作:アイアムノットバイド
※技能を追加。合わせて前話を修正。
今作のクロスオーバー元であるR-TYPEについて。
R-TYPEとは、三大横スクSTGの一角であり、最凶の難易度の名を欲しいままにした作品である。
難易度もそうだが、1番酷いのは設定である。
脳だけにして戦闘機に載せたり、四肢切断して戦闘機に載せたり、幼体固定という身体を幼いままにする手術を行って戦闘機に載せたり。
それだけのことをしてパイロットを載せる必要がある戦闘機というのが、R戦闘機である。詳しくは検索してほしい。
そして敵の設定も酷い。
人類の敵、BYDO。それらは、生物でありながら波動の性質を併せ持ち、無機物有機物問わず侵食し同化する。
このバイドだが、普通に破壊するだけだと塵一つ残らず消し飛ばしても復活する。何故なら、他次元にコアが存在するからである。
ではどうやってバイドを倒しているかと言うと、波動兵器が出てくるのである。詳しくは検索してほしい。
そしてバイドの最たる特徴は、人間を含むあらゆる生物をバイドに出来ることである。
不思議と、嫌悪感は湧かなかった。いや、案外不思議でもないのか。
【ジェイド・ロス】は地球の水でその身を映し、それを受け入れ地球から去った。
【バイドシステムα】や【メタリックドーン】も、海面付近を飛行していたから自分がバイドになっていることに気付き、素直に鹵獲されたのだろう。
そう考えれば、不思議とは思わなくなる。
俺は、自分がバイドだということを受け入れていた。
「全員見れたか? 説明するぞ?」
団長の説明が始まったが、大したことは言っていないので流す。
あ、団長というのはさっきから俺たちに説明しているメルド・ロギンスという男だ。
ステータスプレートから顔を上げて、クラスメイトらの表情を観察してみる。
男子は一喜一憂し、女子は女子同士で話し合ってきゃいきゃいしていたが、中でも特徴的な表情をしたやつが居た。南雲だ。
南雲は冷や汗をかき、何かヤバいものを見た様な、そんな顔をしている。
南雲はステータスプレートを二度見した後周りを見回すが、天之河のステータスが公開されると絶望したような表情に変わった。
まあそんなことはどうでもいいとして、ステータスが公開されるのはマズい。何がマズいって、精神汚染と自己増殖がバレるのがマズい。何故ならまず人間には不可能だからだ。
今の段階でバレるのは非常に厄介だと言わざるをえない。
どうにか隠せないかと、ステータスプレートを色々弄ってみると、たまたま当たりを引いた様で上手くいった。
===============================
久藤壊 17歳 男 レベル:1
天職:波動生命体
筋力:60
体力:100
耐性:100
敏捷:80
魔力:50
魔耐:100
技能:同化・自己再生・次元移動・英雄ノ再現・言語理解
===============================
隠したいことも隠せて準備は整ったので、団長の所に行く。
「次は俺が」
「よし、見せてみろ。
……ふーむ、波動生命体、見たことが無い天職だ。そして技能もか。悩むが、どちらかというと近接寄りだな」
団長の言葉はこれで終わり、ステータスプレートが返却された。
表情を見る限り、どうやら隠しごとには気付いていないようで安心した。
その後もステータスの公開は進んでいき、南雲以外は順調に終わった。……南雲は何だ?ラノベの主人公か何かか?
南雲の貧弱ステを檜山一派が笑い、それを止める為に担任が介入するが失敗。南雲に止めとなる追い討ちをかけたのだった。
その日の夜、俺はまた城内を散歩していた。今度はメイドを連れずにだ。
特に取り留めなく歩いてる中、誰に出会すこともなく歩き続ける。
行き先は中庭だが、道順は適当気ままだ。
「静かな夜の中、歌を歌うのは気持ちいいだろうなあ」
そんな独り言を零すも、反応する者は居らず。別に寂しいなどの気持ちも湧かず、中庭まで辿り着く。
目的地を定めてここに来た理由は、一つ試したい技能があったからだ。
「『英雄ノ再現、型番夜目』」
技能を発動する。あえて声に出すことで、自分はそれを行ったのだと認識させる。
見た目上の変化は無いが、俺は自分の中に
そして、夜目をその身に宿し……違うな、再現したことで、視覚が、聴覚が、嗅覚が圧倒的に広がる。
その目は月の表面にある石ころを観ることが出来、その耳は1km先の音を聴き分けることが出来、その鼻は城の中の人の匂いを個別に嗅ぎ取ることが出来る。
そして最も優れたのは脳だ。それらの情報を個別に並行して処理可能で、一瞬で記憶が出来る様になっている。
これがミッドナイトアイ、これがR戦闘機か。
「ああ……気持ち悪い」
気持ち悪かった。
これだけの情報を一気に流し込まれるのも。それに平然として当然の様に問題ないことも。
そして、それに何の感情も抱かない自分も。
二度と続かない。