ハイスクールD×D―魔法使いのキセキ―   作:Nation

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教会襲撃までです。
原作と違う流れでの襲撃ですが、違和感なくいけてるか心配です。

是非見ていってください。


第11話

 放課後、イッセーを除く部員がオカルト研究部部室に集まっていた。

「みんな、集まったわね」

 部長はまず俺たちに声をかけた。

「イッセーとアーシアは大丈夫?」

「はい、僕と小猫ちゃんで一晩見張ってましたが家の周囲に異常は見られませんでした」

「その間、基本的にアーシアはうちの練習部屋に居たので気づかれてないと思います。

 今は、外出を制限しているくらいです。あの部屋だけにすると監禁しているみたいでいやなんで」

 あの部屋の遮断性は部長や朱乃さんも大いに認めるほどの精度があるものだ。

 すぐに見つかるのであればとっくの昔に俺の存在が見つかっている。

「そう」

 続けて部長の例の教会の調査結果を知らせてくれる。

「あの教会は黒ね。堕天使全体ではなく個人が使っているようよ」

「そして、あの教会で何かしらの儀式を行うみたいですわ」

 ここは悪魔であるグレモリー家が管理する土地。

 そこに堕天使が侵攻してきた。それならば、堕天使全体を相手にしないといけない。

 だが個人が侵入してきたのであれば、話は途端に小さくなる。

 個人を相手にするただのケンカ、野良試合に変わる。

 そのレベルの事は世界のいたるところで起きている。

「ということはすぐにでも襲撃に?」

 祐斗が部長に問いかける。

「それでもいいのだけれども、万全の状態で挑みたいわ。もう少し調べて敵戦力を把握してからね。大体一週間以内。大きさ次第ではソーナにも協力してもらうわ」

 部長がそう答える。攻めるのであれば準備を整えてから。当然のことだ。

 そこに俺が申し出る。

「その時は俺も連れて行ってください。悪魔と堕天使の話ではありますが、イッセーの借りがあるので」

 結果論として生きているとはいえ、相方が殺されたんだ。想うことはある。

「ええ、わかったわ」

 方針がまとまったところで唐突に扉が開かれた。

「朔夜!部長!」

 イッセーがものすごい勢いで入ってきた。

「アーシアが・・・アーシアが・・・」

 全力で来たのだろう。息が上がっている。

「落ち着けイッセー。何があった?」

 次の言葉に俺たちは唖然とした。

 

「―――――アーシアがさらわれたんだ!!!」

 

 

 ◇◆◇

 

 

 事の発端は今から少し前、俺の家で起こった。

 二人でリビングでテレビを見ていた時に天野夕麻、堕天使レイナーレが襲撃してきた。

 イッセーは腹部を貫かれ人質にされる。アーシアは自分が戻ることを条件にイッセーの無事を願う。

 レイナーレはそれに応じ、アーシアはイッセーを治療後連れて行かれた。

「クソッ!」

 俺は座っていたソファーを殴る。

 自分の見通しが甘かった。

 よく考えればわかるはずだ。

 あの部屋は教授特製で部長たちが太鼓判を押す精度がある。だがその精度があるのはあの部屋のみ。

 あの部屋から出れば見つかる可能性は上がる。

 それを昨日一晩探られた様子がなかったから大丈夫だと思った。

 それに相手のアーシアに対する重要性も甘く認識していた。

 アーシアは非戦闘員のシスターだ。だが、聖魔問わず癒やすことのできる神器を持っている。

 それは堕天使も癒やすことが出来るということだ。

 なら、アーシアを重要視するのもうなずける。

 だから、本当ならあの教会の一件が済むまで護衛を付けるか、居場所がばれるのを覚悟で旧校舎に置くということをすればよかった。

「そういえばあの堕天使、気になることを言ってた。アーシアの神器が計画に必要だって」

 アーシアの神器が計画に必要?どういうことだ?

 アーシアの神器は治癒の力。その力が必要な計画というのがよくわからない。

「神器・・・儀式・・・まさか・・・」

 部長は小言で考えをまとめている。予測がついたのだろうか。

「どちらにしても、アーシアの救出が優先ね」

 そういうと部長は俺たちに作戦を伝える。

「私と朱乃が先に裏手から教会に向かうわ。そこで相手を引付けるから、その間に祐斗、小猫、朔夜、イッセーで正面から向かって頂戴」

「部長!囮になるっていうんですか!」

 イッセーが抗議の声を上げる。

「そうよ。私たちが行けば敵も対応してくるだろうからその間に侵入する」

「でもそれじゃあ」

「まて、イッセー」

 抗議を続けるイッセーを止める。

「部長たちの目的は本陣の戦力を減らすこと。これは部長たちじゃないとできない。

 仮に俺とイッセーが囮になったところで敵は俺たちに向かってこないだろう」

 半人前魔法使いの俺と、なり立て悪魔のイッセーじゃ敵を向けてこない。

 向けてきたとしても極少数だ。

 その点、上級悪魔として有名な部長とその女王である朱乃さんが行けば相応の戦力を向けなければならない。

「それに、今回は俺たち側が囮になる可能性もある。

 相手が俺たちの方に向けば部長たちがアーシアを救出に迎える。

 そして、相手が本陣で迎え打って来る場合は部長たちと俺たちで挟撃できる」

 ついでにこの策の利点は逃げ道を塞ぐこともできる。部長たちを相手にしている間に表から逃げようものなら俺たちが相手をできる。

 こっちの戦力を裂くという欠点もあるが今回の目的はアーシアの救出。

 最悪堕天使に逃げられてもアーシアは助け出さないといけない。なら逃げ道を塞ぐ必要もある。

 最初から逃げる気の一点突破をされたら危険ではあるが、儀式を行う場所なためすぐに逃げに出る可能性も低い。

 イッセーは俺の説明で理解したようだ。

 

 

「朱乃、転移の準備を」

「はい、部長」

「みんなは、私たちが転移した後。歩いて教会まで向かって頂戴」

「わかりまいた」

 そして、部長はイッセーに視線を向ける。

「それから、イッセー。あなたにいくつか話しておきたいことがあるわ」

「なんですか?」

「あなたは『兵士』は最弱の駒だと思っているわね?」

 その問いにイッセーは頷く。

「それは間違いよ。『兵士』には『プロモーション』と呼ばれる特殊な力があるわ」

「プロモーション・・・」

 プロモーション。実際のチェスにもあるルール。ポーンが敵の最終列にまでたどり着いたときに発動することが出来き、キング以外の駒に変わることが出来るものだ。

 将棋の成りに似ているがあれは王と金以外はすべて利用でき、成る駒が決まっているがこちらはキング以外なら何でもいい。

 すなわちクイーンになることもできる。

 悪魔の駒でもこのルールが適応されており、王が定めた敵陣に入ることが出来れば、兵士はプロモーションできる。

「今のあなたじゃ、まだ『女王』になるのは体の負担が大きいから無理でしょうけど、そのほかの駒になら変化出来るわ」

『女王』にはなれないか。だが、ほかの駒でも十分に戦力を上げることが出来る。

「次に神器ね。神器を使う時は強く想いなさい。所有者が強く想えば想うほど神器は答えてくれるはずよ」

 神器は心と結びついている。だから強く想えば神器も強くなる。

「そして最後にイッセー、絶対にこれだけは忘れないこと。『兵士』でも『王』を打ち取ることが出来る。これはチェスの基本よ。悪魔の駒でもそれは変わらないわ。あなたは強くなれる」

『ポーンはチェスの魂』と言われるほど重要な駒だ。そしてポーンはプロモーションを含め戦況で大きく価値が変動する駒でもある。

 だからこそ、イッセーは強くなれる。

「部長、準備が出来ましたわ」

「わかったわ。さぁ、私のかわいい下僕たち。この地を荒らした堕天使たちを消し飛ばして、アーシアを助け出しましょう!」

「「「「はい!」」」」

 そういうと部長は転移して行った。

「それじゃあ、ぼくたちもすぐに行こうか」

「・・・急ぎましょう」

「ああ!」

 イッセーたちが気合を入れている。

 だが俺は少し寄る場所がある。

「三人とも先に行っててくれ。俺は一度家によって準備をしてくる」

「準備ってそんな時間ないぞ!」

 イッセーがそういってくる。

「大丈夫だ。準備と言っても装備を整えるだけだし一分もかからない。それに肉体強化も使って急ぐさ」

 装備自体は用意できているし、こんな状況だ。時間をかける気は無い。

「・・・わかりました。では、教会の前で合流しましょう」

「ああ、わかった」

 俺はそう答えると肉体強化をして一気に家まで駆ける。

 

 

 ◇◆◇

 

 

 家についた俺が見たのは荒らされたリビングだった。

 机やソファーは壊されており床には血痕。窓ガラスは割られていた。

 このような状態になった状況を想う。

 こんな事態になったのは俺の認識に甘さだ。

 悪魔や堕天使と言う存在を知っていた。

 だが、知っているだけであり、認識していなかった。

 だから、イッセーが一度死に、アーシアが連れて行かれた。

 だから認識を改めないといけない。もう甘くは見ない。

 そう決意し練習部屋に入る。

 壁のいたるところに文字が書かれているわけだが、そのせいで分かりにくくなっている扉がある。

 そこに呪文を唱えて鍵を開け、目的の装備を取り出す。一つ一つ確認し、装備をする。

 この先、これらが必要になるのであれば何かしらの方法で持ち歩くことを考えた方がいいだろう。

 神器みたいに必要時のみ取り出せるようにできればいいんだが。

 そんなことを考えながら最後の装備を着て、家を飛び出す。

 家に向かう時と同じように肉体強化を使う。

 これから戦闘を行うから法力は温存しておいた方がいいだろうが、俺の場合は源力の湧泉があるから大丈夫だ。

 そのまま走っているとイッセーたちが待っていた。

 待っていた場所は少し前、アーシアを案内したときにわかれた場所。

 あの時はこんな状況になるなんて思ってもみなかった。

「・・・ずいぶんと早かったですね」

「祐斗ほどではないが一般人を超える速さは出せる。じゃあ、行くとするか」

「ああ!アーシアを助けるぞ!」

「ああ!」「うん!」「はい!」

 




次回から教会戦になります。
朔夜の装備もそこで紹介しますので楽しみにしてください。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
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