ハイスクールD×D―魔法使いのキセキ―   作:Nation

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本当なら次の体育館戦も入れる予定でしたが、いざ書いてみたら8000字になったので2話に分割しました。
今回は準備編になり、次が体育館戦になります。

是非見ていってください。


第21話

 転移した先は―――部室だった。

 一瞬、転移ミスかと思ったが、グレイフィアさんの姿がなくなっていた事や、周囲の雰囲気が変わっていたためそれは違うと判断した。

 そこに放送が入った。

「『皆様、このたびグレモリー家、フェニックス家の『レーティングゲーム』の審判(アビター)役を担うことになりました、グレモリー家使用人のグレイフィアでございます』」

 グレイフィアさんの声だ。

「『我が主、サーゼクス・ルシファーの名のもと、ご両家の戦いを公平に見守らせていただきます。どうぞよろしくお願いします。

 さっそくですが、今回のバトルフィールドはリアス様とライザー様のご意見を参考にし、リアス様の通う人間界の学び舎『駒王学園』のレプリカを異空間にご用意させていただきました』」

 これがレプリカか。すごいな。

「そとをご覧なさい」

 部長がそう言い、イッセーが窓を開けて外を見る。

 そこにはいつもと変わらない学園の姿があったが空が違っている。

 時間は零時なため普通なら夜の星空が見えるはずだが、ここは白いオーロラのようなモノが浮かんでいた。

 本当に精巧にできている。そのまま移したと言われても納得するほどの再現率だ。

「悪魔の技術ってどんだけすごいんだよ」

「まったくだ」

 レーティングゲームが決まったのが十日前なのだから十日以内に作ったことになる。

 俺たちが驚愕している中、グレイフィアさんの説明が続く。

「『両陣営、転移された先が本陣でございます。リアス様が『旧校舎オカルト研究部部室』。ライザー様が『新校舎生徒会室』。よって『兵士』のプロモーションは互いの校舎内に入った時可能となります』」

 つまり、イッセーは新校舎に入ればプロモーションできるという事か。

 逆に、相手の『兵士』が旧校舎に入ればプロモーションできる。

 相手の『兵士』は八人なため、全員が『女王』にプロモーションしたら面倒だ。

「・・・朔夜先輩、これを耳に」

 そんなことを考えていると小猫から小さい光の玉を渡してきた。

 イッセーも朱乃さんから受け取っていた。

「・・・通信機のようなモノです」

「戦場ではこれでやり取りするわ」

 大事な物だな。壊さないようにしないといけない。

「『お時間となりました。なお、このゲームの制限時間は人間界の夜明けまでです』」

 今の時期だと夜明けは5時頃、すなわち5時間と言う事か。

「『それではゲームスタートです』」

 キンコンカンコーン。

 グレイフィアさんの開始の合図とともに学校のチャイムが鳴り響いた。

 こうして『レーティングゲーム』の狼煙が上がった。

 

 

 ◇◆◇

 

 

「さて、まずは相手の『兵士』を撃破しないとね。八人全員が『女王』に『プロモーション』したら厄介だわ」

「ぶ、部長、結構落ち着いてますね・・・」

「イッセー、戦いは始まったばかりよ。『レーティングゲーム』は短時間で終わるものではないわ。短期決戦(ブリッツ)もあるけど、大抵は時間を使うわ」

「相撲やボクシングみたいに武を競うだけじゃない。将棋やチェスのように知略も競う。普通のルールなら最初は地味に映る」

 こいつの事だ。大乱闘でも想像していたんだろう。

「『レーティングゲーム』は戦場を使い込んで意義がある。普段なら本陣は城や砦で、両陣営の間には川や森等があったりするわ。今回は学園が舞台。祐斗」

「はい」

 祐斗は地図を机の上に置いた。その地図には線が引かれ上と右にアルファベットと数字が書かれている。

 ここもチェスに似せているのか。

 今回は学園が戦場。普段使っている場所だ。建物の位置関係や内部構造も把握しているためやりやすい。

「私たちの本陣はこの『旧校舎』。旧校舎の周りにある森は私たちの領土と言っていいわね。相手の本陣は『新校舎』。正面のグランドは相手から丸見えだからここも危険ね」

 窓から見張らせておくだけですぐに察知されるだろう。

 フィールドに入った時点で、魔法陣転移による移動は禁止される。もし、それがありなら相手の本陣に転移して即プロモーションなんて手が使えるからな。

「そうなると、裏の陸上競技用のグランドからですか?」

「普通はそうなるわね。でも相手もおなじことを思うはず。新校舎横のクラブハウスに下僕を配置するはず。機動力の『騎士』と『兵士』を数名くらいで全域を把握できる」

 そうなると残るは

「中央にある体育館。ここを先に占拠しませんか?両校舎に隣接してますし、相手への牽制になります」

 祐斗の意見に部長も賛成する。

「そうね。室内だから破壊力の『戦車』を投入してるかもしれないわね」

 イッセーとアーシアがおいて行かれているが仕方ない。

「朔夜、何か案はあるかしら?」

「そうですね。奇策にして博打的な案としては、早々に旧校舎を放棄して森を迂回してテニスコートを進み、集会場から新校舎に潜入し、短期決戦に持ち込むなんて案もありますがリスクが高いでしょう」

 さすがにこれは博打が過ぎる。うまくいけばいいが失敗したときのリスクが高い。下手をすればそのまま袋叩きに合う。

「ただ、戦況次第ではありますが、どこかのタイミングで旧校舎は放棄しないといけないでしょう。その時にここを囮に何人か撃破または閉じ込めるのもいいかと」

 人数に差がある以上、攻めるのであれば旧校舎を守る余裕がなくなる。なら罠として使った方が効果的だ。

「ここを囮にね・・・」

 そうして部長は少し考えて指示を出す。

「・・・祐斗と朔夜、小猫は森にトラップを仕掛けてきて。朱乃は幻術の準備を」

「はい」

「わかりました」

「・・・了解です」

「はい、部長」

 俺たちは返事をすると外に向かう。

「さて、どの辺りに仕掛けるか」

「森だから仕掛けやすいと思うけど」

「仕掛ける側からすれば仕掛けやすいだろうが、相手からすれば仕掛けられて当然だと思うだろうな」

「・・・警戒されますね」

 森は仕掛けやすくはあるが、警戒され、看破される恐れもある。慎重かつ確実に仕掛けなければ。

「なら、いくつか囮で分かりやすく仕掛けるかい?」

「そうだな。分かりやすすぎない程度にいくつか仕掛けておくか」

 ついでにおとり用の罠が破壊されたときに動作する罠もいいな。

「・・・それじゃ、行きましょう」

 

 

 ◇◆◇

 

 

 そうして、俺たちは罠と、いくつかの仕掛けを施して部室に戻った。

「部長、ただいま戻りました」

「・・・戻りました」

「・・・何やってるんだ?イッセー?」

 俺たちが戻ると、イッセーは部長に膝枕をして貰っていた。

「部長に封印を解放してもらってたんだ」

「封印なんてしてたんですか?」

 部長に詳細を求める。

「ええ、前のイッセーだと『兵士』8つの力に耐えられないだろうからいくつか力を封印していたのよ。それをさっき少しだけ解放したわ」

 なるほど。イッセーの『兵士』8つの価値はブーステッドギアがあるから。

 イッセー自身の価値はどれほどか分からないがそこまで多くないだろう。だから駒の力を抑えるために封印していたのか。

 となると、イッセーの魔力の少なさはそれも要因の一つじゃないだろうか?

 まぁ、すべて開放してそのまま崩壊されたら困るがから言わないが。

「部長、幻術を仕掛け終えましたわ」

 そうして、朱乃さんが戻ってきた。

「では作戦を伝えるわ」

 俺たちは部長から作戦を伝えられた。

 俺の仕事はイッセー、小猫と共に体育館を攻めること。

 作戦会議の時も言っていたようにあそこは重要拠点だ。相手も人員を上げて取りに来るだろう。

「動く前に、みんなにこれを」

 作戦を始める前にあるものを渡す。

「これは、石?」

「刻まれている文字はルーンかしら」

 イッセーと部長が聞いてくる。

「ええ、『ケン』のルーンです」

 ルーンは北欧を代表する魔法。もともとそこまで使っていた魔法じゃないため刻んでお守りや罠に使うくらいしか今はできない。

「罠を仕掛ける時に氷を表し停滞、凍結を表す『イズ』のルーンを仕掛けました。どれくらい作用してくれるかわかりませんが相手の足止めになってくれると思います。

 ただ、今の俺の技量じゃ敵味方区別なく作用してしまします」

「おいおい、それじゃ俺たちにも影響するのか?」

「そうならないようにするためのそれだ。

 それは火を表し情熱ややる気を意味するルーン。『イズ』のルーンは組み合わせで効果の発揮の仕方が変わるからそれを持つことでやる気や勢いの持続になる」

 単純に拘束するためのルーンなら『イズ』以外にもいいのがあるが敵味方の区別をつけれない今じゃ使えない。なら、組み合わせで意味を変えるこれが現状ベストだ。

「だが、さっきも言った通りどれくらい作用してくれるか分からないから当てにするなよ」

「わかった」

 そうして、みんなに配り終える。

「・・・それでは、行きましょう」

「ああ」

「おう」

「それでは、僕も行きます」

 体育館を目指す俺たち三人と別行動をする祐斗が行動を開始する。

「三人とも。体育館に入ればバトルは免れない。作戦通りにお願いね。祐斗もし指示通りにお願い」

「任せてください!」

「わかりました」

「・・・はい」

「了解」

「朱乃は頃合いを見計らってお願いね」

「はい、部長」

「アーシアは私と一緒に行動するわ。とりあえず、イッセーたちの合図があるまで待機よ」

「は、はい!」

 部長の指示に、皆返事をする。

 そして、部長の激励を受ける。

「さて、もう引き返せないわ。相手は不死身を有するフェニックス家の中でも有望視されているライザー・フェニックスとその眷属。消し飛ばしてあげなさい!」

「「「「「「はい!」」」」」」

 




魔術とか宝石とかいろいろ調べてたら遅くなりました。
サイトによって意味少し違ったりするから大変です。

次の話は書きあがっているので明日の20時に予定しています。

ここまで読んでいただきありがとうございます。
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