ハイスクールD×D―魔法使いのキセキ―   作:Nation

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今回はイッセー視点のみでお送りいたします。
爆発に巻き込まれた朔夜と小猫の運命はいかに!?

是非見ていってください。


第23話

「朔夜!小猫ちゃん!」

 俺‐兵藤一誠は目の前の光景に唖然としている。

「『!! 何があったのイッセー!?答えなさい!』」

 突然、朔夜が小猫ちゃんのそばに駆け寄ったと思ったら、爆発が起きた。

 二人が居る場所は爆発で巻き上げられた砂埃のせいで見ることが出来ない。

撃破(テイク)

 上から謎の声が聞こえた。

 上空を見れば杖を持った女性が居た。確かあれはライザーの『女王』!もう最強の下僕を出しやがった!

「ふふふ、獲物を狩る時、獲物が何かをやり遂げた瞬間が大きな隙となり最も狩りやすい。『犠牲(サクリファイス)』をしてでも相手を一つ取れれば十分。あなたたちは人数が少ないから大打撃でしょう?それが二つも落とせたのは幸運だったわ」

 ライザーの『女王』が何か言っているがどうでもいい。

 よくも二人を!!

「降りてきやがれえぇ!!俺が相手だあぁ!!」

 これは勝負だとわかっている。相手を倒し、相手に倒されると理解している。でも、感情はそうはいかない。

「『落ち着きなさいイッセー。戦闘不能になった者は戦場から転移されて治療を受ける。二人は死んだわけじゃない。冷静になりなさい』」

「でも!」

 目の前で二人がやられて、黙ってるしかないなんて!

 

「『―――そうだぞ、落ち着けイッセー』」

 

 通信機から別の、やられたと思った人物の声を聞いた。

「っ!!」

 ライザーの『女王』が何かに気が付き、それと同時に

 バーン!

 銃声が鳴り響いた。

 『女王』は咄嗟に防御魔法陣を展開して、防ごうとしたがその防御をつき破りして肩に命中した。

 砂埃が晴れていきそこには銃を構えている朔夜、傍には小猫ちゃんが居た。

「二人とも!無事だったか!」

「ああ、誰かに勝手に殺されたがな。だが無事とは言えない」

 そういうと朔夜は左腕を見せる。

 朔夜の左腕はだらりとぶら下がっており、血みどろだった。

「一応動くが、戦闘はきついな。弾を込めるだけで手間取った。おかげで女王を仕留め損ねた。

 だがこれ一本で済んだんだ安いもんだ」

「よくそれで済んだな。完全にダメかと思ったぞ」

「マナクリスタルから瞬間的に法力を流して防壁を張れたからこれで済んだ。

 普通に防壁を張っていたら少なくとも俺は倒されていただろう」

 確か朔夜の神器は法力を溜めるだけじゃなく普通なら有りえない量を一瞬にして流せるモノらしい。

 制御が難しいって愚痴を言ってたけど、修行の成果がでたんだな。

「よくも・・・!」

 『女王』が朔夜を睨んでいた。

「確かに『獲物を狩る時、獲物が何かをやり遂げた瞬間が大きな隙となり最も狩りやすい』。実演してくれてどうも。

 お互い同等の負傷したんだ。痛み分けにして下がらないか」

 朔夜がそう提案する。

「それは無理な相談ね。人間ごときに防がれた上に傷を負わされたんですもの。引き下がれないわ。

 それに『同等の負傷』と言うけれどあなたの方が負傷しているのではなくて?」

 そう言われて朔夜をよく見ると左腕に目が行っていたがところどころ怪我をしている。

「手負いとはいえ、あなたたちを落とすのは造作もないことよ」

「あらあら、あなたのお相手は私がいたしますわ。『爆弾王妃(ボム・クイーン)』のユーベルーナさん」

 俺たちと『女王』の間に朱乃さんが庇うように入ってきた。

「その二つ名はセンスがなくて好きではないの、『雷の巫女』さん。あなたを相手にする以上、そこの人間はすぐには無理ね。丁度、あなたと戦ってみたかったわ。あなたを倒してからじっくりやることにしましょう」

「それは無理な話ですわね。私があなたを倒すのですから」

 二人はオーラを纏い空中戦が始まった。

 そこに部長から通信が入る。

「『朔夜。小猫。無事だったのね』」

「・・・はい。朔夜先輩に助けられました」

「アナウンスが流れてないのに殺さないでください」

「『そうね。イッセーの焦りに私も冷静を欠いたみたい。ごめんなさい』」

「すまん」

「反省はまた後で。作戦、どうしますか?」

「『ええ、二人の怪我の具合は?』」

「俺は左腕を中心にぼろぼろです。正直戦闘は無理です。固定砲台ならいけますが」

「・・・私は朔夜先輩のお蔭でかすり傷程度です」

 二人は部長に報告すると部長は少し考えたのちに指示を出す。

「『作戦を修正するわ。イッセーは変わらず祐斗と合流して』」

「了解です」

「『朔夜は一旦帰還してアーシアの治療を受けて』」

「わかりました」

「『小猫はイッセー、祐斗と共に陸上競技場に向かってちょうだい』」

「・・・了解」

 そこで部長との通信は切れる。

「・・・朔夜先輩、すみません。私のせいで・・・」

「気にするな。と言うのは無理か。だが、今は勝負の最中、反省は後だ。

 俺が居ない間、イッセーを頼む」

「・・・俺が面倒を見てもらうのか?」

 普通、先輩である俺が後輩の小猫ちゃんの面倒を見るべきじゃないのか?

「・・・わかりました。任せてください!」

「力強く答えないで!」

 小猫ちゃんも意気込んでいる。

 おかしい。絶対におかしい。

「イッセー、俺は一時下がるが無鉄砲に突き進むなよ」

 さっきから俺の扱いがひどい気がするがいつもの事だ。

「お前は俺の親かよ・・・大丈夫だ。任せろ」

「親ではないがストッパーのつもりだ・・・任せた」

 そうして朔夜と別れ陸上競技場に向かう。

 正直朔夜が心配ではあるが、朔夜に任されたんだ。やってやるさ。

 

 

 ◇◆◇

 

 

「『ライザー様の『兵士』3名、戦闘不能(リタイア)』」

 木場との合流地点に向かっていると放送が聞こえた。

「これって」

「・・・祐斗先輩かと」

 そこに件の人物が現れた。

「イッセー君、小猫ちゃん」

「木場!」

 合流地点に着く前に木場と会った。

 そのまま俺たちは合流地点でもある体育用具の倉庫に身を潜める。

「通信は聞いてたよ。朔夜君の具合は? 」

「・・・左腕がほぼ使えない状態で他もかなりの傷があるかと。銃に弾を込めるだけでもかなり厳しそうでした・・・」

 小猫ちゃんが木場にそう伝えるが元気がない。やっぱり気にしてるんだろう。

「だけど、アーシアの力ならすぐに治せるさ」

 小猫ちゃんを元気づける意味も含めて、はっきりと言う。

「相手の『女王』は?」

「朱乃さんが相手をしてる。朔夜が傷を負わせてたからみんなで倒してもよかったと思うんだが」

 朔夜の魔弾が命中して手負いの状態なんだ。みんなでやればきっと。

「・・・私たちが参戦するのは難しいと思います」

 そう思っていたが小猫ちゃんがそれを否定する。

「どうして?」

「・・・相手は爆発を得意とする『女王』で空中からの爆撃が主な戦い方です。空を飛べないイッセー先輩や接近格闘が主な戦い方の私では朱乃先輩の邪魔になるだけです」

「朔夜君も負傷してたし、朱乃さんに任せるのがベストだろうね」

 そこまで考えてなかった。言われてみると確かにそうだ。

 相手が地に足つけて戦うスタイルなら話は違ったかもしれないが、相手は『爆弾王妃(ボム・クイーン)』なんて呼ばれる奴だ。

 だけど空中戦なんてしたことがない。翼があるくせに未だ飛べないんだから。

 それに遠距離攻撃だって、修行の時に撃った魔力砲撃、『ドラゴンショット』と名付けたあれくらいだ。

 朔夜もそれを分かっていてあんな提案をしたんだろう。朱乃さんが来てなかったらどうなってたか。

「色々考えないといけないんだな」

「うん、それが『レーティングゲーム』だからね」

 今まで頭を使う事なんて朔夜に任せっきりだったから全然わからねぇ。

 朔夜の言う通り考えて行けるようにならないと。

「『三人とも、聞こえるかしら』」

 そこで部長から通信が入る。

「はい、聞こえます」

「『今アーシアが朔夜の治療をしているわ』」

 無事、治療を受けれたようだ。よかった。

「『朔夜の治療が終了次第私も相手本陣に向けて奇襲を仕掛けるわ』」

「部長が!」

「部長が出るなんてリスクが大きすぎます!」

 その作戦に俺と木場が抗議する。

「『ええ、相手もそう思うはず。そこがねらい目よ。

 フェニックスと言えど心までは不死じゃない。私がライザーの心をへし折ってやるわ』」

 部長が力強く言う。根拠はないがいけそうな気がする。

「『その間、あなたたちに残りの敵戦力を集めてほしいのよ』」

 部長が狙われないようにするんだな。

「『それに、朱乃がやるはずだった役を朔夜がやるわ』」

 朱乃さんがやる役って確か高火力による敵の殲滅だったか。

 そこに朔夜が話に参加する。

「『朱乃さんほどの火力は出ないが広範囲殲滅が出来る魔法もある。さっきと同じ作戦になるが、その作戦の要だった朱乃さんも『女王』と戦っているから相手からすればもう一度は無いと思うだろう。そこを狙う』」

 なるほど。敵の虚を突くってやつか。

「『だが、さっきも言った通り朱乃さんと比べると火力不足だ。お前たちでできる限り相手を削ってほしい』」

「『そして相手を殲滅後、みんなでライザーを討つわよ!』」

 フェニックスの倒し方は圧倒的な火力で消し去るか、何度も倒し続け心をへし折ること。

 全員でかかればライザーの心をへし折れるはずだ!

「わかりました!やりましょう!」

「『相手は残りライザーを入れて9人、朱乃さんが一人相手をしていて、さらにライザーを抜くと7人。その全員がいまだ戦闘をしてなくて万全の状態だ。

 俺も回復次第すぐに向かうが、魔法を放つのに準備がいる。厳しいだろうが頼む』」

 そうして作戦会議が終了する。

「そうと決まれば行くか!」

「うん!」

「・・・はい!」




朔夜以外の視点で書くと執筆速度が落ちるというのは技量不足なんでしょうね。
次もイッセー視点からの予定なので大変です。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
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