ハイスクールD×D―魔法使いのキセキ―   作:Nation

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遅くなりました。第24話です。
言い訳させてもらうと、この話、いろんなパターンが思い浮かんで何度も書き直したりしました。どんな展開が思い浮かんだかは『二章あとがき』にでも書くと思います。

今回もイッセー視点です。

是非見ていってください。


第24話

「おい、出てきやがれ!どうせ隠れてるんだろ!正々堂々勝負しやがれ!!」

 陸上競技場の真ん中で声を張り上げる。

 部長が敵本陣に奇襲を仕掛けるにしても、朔夜が敵を一掃するにしても敵を集めないといけない。

 障害物一つ無い広い場所のど真ん中で、部室棟や倉庫から狙われる恐れもあるがその辺は木場や小猫ちゃんが警戒してくれているし、俺だって警戒してる。

 さっきやられそうになったんだ。俺だって学習はする。

 すると、一人の女騎士と呼べる恰好をした女性が現れた。

「私はライザー様に仕える『騎士』カーラマインだ。真正面から出てくるなんて、正気の沙汰とは思えんがお前たちのようなバカが大好きだ!」

「僕はリアス様に仕える『騎士』木場祐斗。『騎士』同士の戦い。待ち望んでいたよ」

 相手の『騎士』に木場が答える。

 正直罠だとは思わないのだろうか。常日頃朔夜にバカバカ言われてる俺でも疑うぞ。

 そして、木場が何か嬉しそうなんだが。作戦忘れてないよな?

 そして、お互い剣を構える。

「よくぞ言った。リアス・グレモリーの騎士よ!」

 その言葉を合図に、二人は騎士の特性の速さを持って接近し斬り合う。

 これが騎士同士の戦いか!正直速すぎて目で追えない。

 たまに鍔迫り合いで見えるが、すぐに消えて音だけが聞こえる。

 倍加をしていない俺じゃ、入る余地なんてなさそうだし、『一対一の決闘』って感じで邪魔できないし。

「・・・更に二人ほど来ます」

 小猫ちゃんが警告してくれた。

 小猫ちゃんが向いている方を見れば、顔の半分を覆う仮面をかぶった女性といかにもお嬢様って感じの格好をした女の子が居た。

 確かライザーの『戦車』と『僧侶』だ。

 僧侶の女の子が文句を言う。

「全く、カーラマインったら、頭の中が剣剣剣で埋め尽くされているのかしら。『犠牲(サクリファイス)』にも渋い顔をしてましたし、泥臭くてかないませんわ。

 それに、せっかくかわいい子を見つけたと思ったのに、そちらも剣バカだなんてついてませんわ」

 どうやらあの騎士は言動通り正々堂々が好みらしい。そしてこの子の中では木場も同類になったようだ。否定できないけど。

 そして、もう一人の戦車が小猫ちゃんを見据える。

「さて、あっちが騎士同士始めたんだ。手持ち無沙汰なら私たちも戦車同士戦い合おう」

「・・・わかりました」

 小猫ちゃんもそれに応じ、少し離れたところで戦いを始める。

 相手はボクシングの動きで戦っている。

 こっちの戦いは見ることが出来るがこっちも邪魔できない感じだ。

 それに、まだ僧侶が残っている。俺の相手はこの子だ。

 俺の考えを読んだのか僧侶の女の子は嘆息しながら言う。

「私、あなたのお相手はしませんわよ」

「はぁ!?」

 ちょっと意気込んでただけに驚いた。

 なんで戦わないんだ?

 アーシアみたいに非戦闘のサポート要員か?

「どうして戦わないんだよ?」

 一応聞いてみた。

「僧侶として参加しているが、ほとんど観戦しているだけだ」

 すると別の所から返事が聞こえた。

 小猫ちゃんと戦っている戦車が答えてくれた。

「なんだそりゃ!」

 サポートですら無いと。どうしてそんな子が。

「彼女・・・いや、あの方はレイヴェル・フェニックス。眷属悪魔とされているがライザー様の実の妹君だ」

「いもうとおぉ!」

 すぐさま彼女の方を見ると、こやかにこっちに手を振っていた。

 自分の妹を眷属悪魔にして、バトルに参加させるなんて!いや、参加しないから観戦してるのか。

「ライザー様曰く、

『妹をハーレムに加えることは世間的にも意義がある。ほら、近親相姦っての?憧れたり、うらやましがる奴多いじゃん?まぁ、俺は妹萌えじゃないから形だけ眷属悪魔って事で』

 だそうだ」

 本当に変態でバカだった。つか、ライザーの妹もそれでいいのか?

 ・・・まぁ、妹をハーレムに入れたいって気持ちは十分に理解できる。俺も妹が欲しかった!

「・・・変態が二人」

 小猫ちゃんが呟く。

 すみませんね。憧れちゃう変態で。

 それにしても戦わないとなると本当に俺のすることがない。

「『朔夜だ。返事はしなくていい。』」

 朔夜から通信が入る。

「『これから作戦通り、部長とアーシアは相手に気付かれないように敵本陣に奇襲、俺たちは残りの敵の足止め及び殲滅をする』」

 どうやら本格的に行動を開始するみたいだ。

「『俺は敵に気付かれないように準備に入るから、敵の注意をそらしてくれ』」

 そこで通信が終わった。

 俺も何かした方がいいよな。木場か小猫ちゃんの戦いに加勢するか?

 ガキン!

 そう考えているとき、鉄が砕けるような音がした。

 音のした方を見ると、木場の剣が砕け霧散していた。

光喰剣(ホーリー・イレイザー)が!」

 木場の剣は光を喰らう闇の剣でアイツの神器だったはずだ。それが砕けるなんて。

「お前の剣は私に通用しない!」

 そういう相手の騎士は炎の剣を握っていた。あれで砕かれたのか。

 アイツの本領は剣技だ。剣がなくなるのは攻撃手段がなくなるも同然だぞ!大丈夫か!?

 だが、俺の焦りも無意味に終わった。

「残念だけど、僕の剣はこれだけじゃないんだ。―――凍えよ」

 木場の言葉と共に冷気が漂い、木場の折れた剣の鍔から氷が生えてきた。

 ある程度生えると氷は砕け、そして中から氷の剣が出来上がっていた。

「『炎凍剣(フレイム・デリート)』。炎すら凍らせる剣さ」

 小猫ちゃんを除くみんなが驚いている。

 闇の次は氷かよ!この様子じゃ他にも色々あるんじゃないか?

「神器を二つも所有しているというのか!?」

 相手は新しい剣の登場に焦っているみたいで、慌てるように炎の剣を横なぎに放った。

 木場はそれを炎凍剣で防ぐ。すると相手の炎はみるみる凍っていき、最後には剣ごと砕け散った。

 それでも、相手は攻撃の手をやめるつもりはないみたいだ。

 一旦木場と距離を置くと、腰の短刀を抜き天に掲げた。

「我ら誇り高きフェニックス眷属は炎と風と命を司る!うけよ!炎の旋風を!」

 彼女の周りから炎の渦が巻き起こる。

 なんて熱さだ!肌が焼けるぞ!

「カーラマインめ。味方が居るのを忘れているのか!」

 小猫ちゃんと相手の戦車の方もこの状況の中戦えないのか、この熱風に耐えている。

 そして、燃えるような熱風に木場の剣は徐々に溶けて行った。

 だが、それに慌てることなく木場は刀身を無くした剣を前に構える。

「僕たちを蒸し焼きにする気か。だけど―――止まれ」

 今度は木場の方から疾風が吹く。いや、木場の剣に吸い込まれる感じだ。

 それは相手の熱風も同じようで木場の剣に熱風が集まっている。

 数秒もすると熱風も疾風も止んでいた。

「『風凪剣(リプレッション・カーム)』。一度の戦闘に二本以上の魔剣を使ったのは久しぶりだよ」

 今度は剣は剣先に輪がついておりその中に渦を巻いていた。熱風をあそこに吸い込んだのか。てか、ほんとにあったよ。

「神器は一人につき一つしか宿らない。なら、他者から神器を奪い所有している、後天的な所有者か?」

「違うよ。僕は複数の神器を所有しているわけじゃない。創ったのさ」

「創った・・・だと・・・?」

「『魔剣創造(ソード・バース)』。名前の通り、僕が思う魔剣を作り出せる」

 そういうと木場は地面に手を当てると、地面から剣が勢いよく飛び出てきた。

 色も形もバラバラだ。これら全部、今創った魔剣ってことかよ。

 部長が木場の最大の武器は剣だって言ってたがこういう意味だったのか。どこまで騎士に向いている奴なんだ。

「ここね」

「やってるやってる」

 ここに敵が現れたようだ。

 声がした方に目を向けると、新たに四人居た。

 ライザーと女王を除く全員が集まったって事じゃないか!

「『・・・全軍投入か。ありがたい』」

 何処からかこっちを見ているんだろう朔夜が呟いた。敵の殲滅が目的だから一か所に集まってくれるのはありがたいことだ。

「そこの兵士さん。お兄様とリアス様が一騎打ちを始めるみたいですわよ」

 ライザーの妹が話しかけ、ある場所を指さしていた。

 さしている場所は新校舎の屋根の上で、そこには部長とアーシア、そしてライザーが居た。

「直接仕掛けるって言ったって早すぎじゃないか!」

「どうやら、こっちの手が読まれていたようだね」

「・・・そのようです」

 ならどうして、それに載ってきたんだ?

 俺の思考を読んだのか、ライザーの妹が話し出す。

「お兄様ったら、リアス様があまりに善戦するから高揚したのかしら。普通に戦えば私たちの勝利ですもの。情けを与えたのでしょう」

「『完全になめられてるな』」

 くそ、全くだ。その鼻をへし折ってやりたい!

「それではこちらも始めましょうか。ニィ、リィ」

「にゃ」

「にゃにゃ」

 ライザーの妹の指示と共に獣耳を付けた二人の女の子が向かってくる。確か『兵士』だったはずだ。

 すぐさま構えるが、まさしく獣と言える動きに翻弄され、全身を攻撃される。

「っ!!ブーステッドギア!」

「『Boost!!』」

 倍加を始めるが、敵の攻撃がより強くなっていく。

「ニィ、リィ!ブーステッドギアは十秒ごとに力を2倍させる神器ですわ。イルとネルがやられたことを考えるとおそらく三回倍加されるとあなたたちでは手が付けられなくなります。20秒でカタをつけなさい。その特性上、倍加が済むまで手は出してこないはずです!」

 的確な指示を送るライザーの妹。

 こっちの弱点をよく把握してらっしゃる。

 こっちが手を出せないのをいいことにぼこぼこにしてくる。

「イッセー君!クソ!」

「・・・!」

「『イッセー、もう少し耐えろ!』」

 木場も小猫ちゃんも俺の援護をするために自身の敵に猛攻を仕掛けている。朔夜も見えないが急いで魔法の準備をしているんだろう。

「『イッセー、後ろからくるぞ!』」

 その言葉に後ろを見ると、大剣を振りかざしたもう一人の騎士が向かってきていた。

「はぁぁ!」

「うおっ!」

 それを前に飛び込んで躱す。

「気づかれないタイミングを見計らったんだがな」

「おそらく、姿が見えない人間が指示を出したのでしょう。あの人間が何かしだす前に止めないといけませんわね」

 ちくしょう。俺のせいで作戦がばれたか。

 体育館の時は朔夜と小猫ちゃんが倍加の時間を稼いでくれたおかげですんなりとパワーアップできたが俺一人だとこんななのか?

 そこに新校舎の屋上で爆発が聞こえた。

 服がところどころ破けている部長と部長の治療をしているアーシアの姿が見えた。

 対するライザーは見た感じ無傷みたいだ。

 ・・・俺たちは負けるのか?

 そんなことが脳裏をよぎる。

 いや、駄目だ。負けられない。負けるわけにはいかない。

 さっきは朔夜が時間を稼いでくれたんだ。今度は俺が時間を稼がないといけない!

 ライザーに負けるわけにはいかない。部長のためにも勝たないといけないんだ!!

「俺の思いに答えろ!!ブーステッドギア!!」

「『Dragon Booster!!』」

 宝玉から光が放たれるがこんなんじゃだめだ。もっと力がいるんだ!!

「部長のために力を貸しやがれ!ブーステッドギアアアアァァァァ!!!」

「『Dragon Booster Secand Liberation!!』」

 その音声と共に、宝玉だけでなく籠手全体が眩いオーラを放つ。

 そして、籠手の形を徐々に変化させていき、オーラが収まると完全に形が変わっていた。

 手の甲の部分にあった宝玉のほかにも腕の部分にも宝玉が埋め込まれている。

「これはいったい・・・」

 俺の疑問に答えるかのように頭に使い方が流れ込んできた。

 これなら・・・行ける!!

「朔夜!すぐに魔法を放てるか!?」

「『放つことは可能だが威力が保障できない』」

 俺の問いにすぐさま答えてくれた。

「ならすぐにやってくれ!威力は俺がどうにかする!!」

「『分かった。頼むぞ』」

 さすが、朔夜だ。碌な説明もしない俺の意見を聞き入れてくれた。信じてくれたんだろう。

「『祐斗、小猫。イッセーのそばに』」

「うん」

「・・・はい」

 指示を受けた木場と小猫ちゃんは相手の動きを止めすぐに俺のもとに来た。

「『遠き地にて、闇に沈め―――デアボリック・エミッション』」

 通信機から聞こえる朔夜の声と共に、陸上競技場の四方に魔法陣が現れ、そして俺たちが居る場所にも魔法陣と黒い球が現れた。ここだ!

「いくぜ!ブーステッドギア、第二の力!!」

 目標は目の前の朔夜の放った黒い魔法の球だ!

「『赤龍帝からの贈り物(ブーステッドギア・ギフト)』!!」

 朔夜の放った魔法は大きく膨れ上がり陸上競技場を覆うドームのように広がった。

 内部は魔力が渦巻いているようで歪んで見える。足元の魔法陣のお蔭で影響がないんだろうな。

 そして魔力の渦が収まるといたるところに敵が倒れており、そして光に包まれていた。

「『ライザー様の『兵士』二名、『騎士』二名、『僧侶』一名、『戦車』一名。戦闘不能(リタイア)』」

「よっしゃあ!」

 俺は歓喜の声を上げる。

 『赤龍帝からの贈り物(ブーステッドギア・ギフト)』。高めた力をモノに譲渡するものだ。

 この『譲渡(ギフト)』を使えば部長や朱乃さんの力を高めたり、木場の神器にだって力を渡せる。アーシアの回復能力を高めるのもいいな。

「なんて威力だ。準備を整えていても俺一人じゃここまでの威力は出せないぞ」

 朔夜が話しかけながらこっちに来た。

「・・・さっきの朱乃さんよりも威力が出てました」

「すごいね。イッセー君」

 木場や小猫ちゃんも驚いているようだ。

「ああ。籠手で高めた力を朔夜の魔法に―――」

 そこまで言ったところでグレイフィアさんのアナウンスが聞こえた。

「『リアス様の『女王』一名、戦闘不能(リタイア)』」

「「「「!!」」」」

 なんだって?朱乃さんがリタイア?そんな・・・

 俺が唖然としていると朔夜が銃を空に向け氷柱の弾丸を放った。

 そこには朔夜の魔法を軽々と防いでいる相手の女王が無傷でいた。

 朔夜が相手の女王に話しかける。

「二度も同じ手を食うわけがないだろ?芸がないな」

「その言葉そのまま返すわ。体育館の時と同じように駒を囮として一掃しているあなたたちにね」

「なら二度も喰らうなよ。こっちは二度目も防いだぞ」

「どこまでも生意気ね」

 お互い挑発し合っている。お、おい大丈夫かよ!

「さて、三人とも。お前たちは部長の元に急げ」

「な!」

「まさか、女王相手に一人で戦う気かい!?」

「・・・危険です」

 朔夜の指示に俺たちは驚いた。俺たちの中で最強の朱乃さんを倒した相手だ。危険すぎる。

「ああ、俺一人でアイツの相手をする。相手も俺を狙っているみたいだしちょうどいい」

「だからってお前一人で相手にする必要は!」

「これはチェスを元にしたゲームだ。王を落とせばそれで終了だ。ゲームも終盤、相手の残りは三人。僧侶は観戦の様だから後は王と女王だ。なら一人が抑えて残りがすぐに王を叩いた方がいい」

 確かにそうだが・・・。

「・・・わかったよ」

「木場!」

「僕たちが早く終わらせればいいんだ。それが朔夜君のためになる」

 木場の言葉にしぶしぶ納得する。

「・・・気を付けてください」

「やられるなよ!」

「やるからには倒してやる。頼むぞ」

 そうして俺たちは新校舎に向かった。




次は朔夜VSユーベルーナです。
遅くなるかもしれませんが、一週間以内が自分で定めている最低更新速度なので遅くても一週間後には上げて見せます。

感想お待ちしてます。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
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