ハイスクールD×D―魔法使いのキセキ―   作:Nation

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書き始めは3000字いくか心配でしたが、いざ書いてみると4500字を超えてました。

是非見ていってください。


第27話

 屈辱の敗戦から二日がたった。

 試合終了後俺はリタイアの人物の医療場所に転移し、治療を受けた。

 一日もすれば完治していた。

 他のメンバーも同じでリタイアした朱乃さん、祐斗、小猫もいつも通りの体だ。

 だがイッセーはそうもいかなかった。

 傷は完治しているのだが目を覚まさない。体を酷使したのが原因だろう。

 部長たちとライザーの勝負は見させてもらった。

 初めは祐斗を前衛、部長を後衛に置き、イッセーは倍加、小猫はその援護と言う形で始まった。

 攻め込んでいるのは部長たちだったが、ライザーは腕を斬られようが体が消滅しようがすぐさま再生し決定打が無かった。

 イッセーの13回の倍加が済んだところでライザーから反撃の一撃を直撃した祐斗がリタイアした。

 その後、祐斗の変わりに小猫、イッセーが前衛に出たが先と同じように決定打は入らず、イッセーの倍加がリセットされ、動きが止まったところを狙われた。

 そこを小猫が代わりに受けリタイア。

 再度倍加を始めたが、限界が来てバースト状態となった。

 それでもあきらめずにライザーに噛みついたイッセーだがライザーになぶられる結果となり、見ていられなくなった部長が投了(リザイン)。ゲーム終了となった。

 俺とレイヴェルが予測した通りの終わり方となっていた。

 ゲームを振り返るに初陣がここまでやれれば十分と言えるようなものだと思う。

 不参加と言えるレイヴェルと王を除くすべてを墜とし相手を追い詰めた。

 だがそれでも負けは負け。特に今回は勝たなければいけないゲームだっただけに辛い。

 全員が自分の弱さを痛感していた。

 皆がそう思うなか、今日は部長の婚約パーティーが行われる。

 オカルト研究部のメンバーの参加者は朱乃さんと祐斗、小猫、そして俺だ。

 イッセーは未だ目を覚まさず、アーシアは部長の指示でイッセーに付き添っている。

 冥界で行われる悪魔のパーティーだ。人間である俺は場違いなため断った。

 だがグレイフィアさんが今回のゲームに参加した関係者と言うことでパーティーの方にも出席してほしいと言われたため参加することになった。

 人間なため祐斗たちと行くことが出来ず、一足先にグレイフィアさんと共に冥界に行った。

 

 

 ◇◆◇

 

 

「こちらでお待ちください」

 通されたのは豪華な個室。

 グレイフィアさんは俺をここに通してすぐに居なくなったため一人だ。

 窓から見える空は人間界ではまず見ることが出来ない紫色をしていた。それが冥界に来たのだと実感する。

 普通じゃまず来ることのできない場所なだけに興味をそそるものがあるが、来た理由が理由なだけに気分が乗らない。そのため椅子に座って待っていた。

 コンコンコンコン。

「グレイフィアです。朔夜様、よろしいでしょうか」

「はい。構いません」

 返事をするとグレイフィアさんが部屋に入ってきた。男性を連れて。

 部長と同じ紅の髪。部長に似た面影を持つ男性。この二つだけで部長の血縁者だと想像がつく。

 そして部長の兄妹は兄が一人と言っていた。ならこの条件に合うのは父か兄の二人。

 悪魔に外見年齢が当てになるか分からないが、父か兄なら兄の方がしっくりくる風貌。

 すなわち

「初めまして、望月朔夜君。私はサーゼクス・ルシファー。リアスの兄で魔王をしている者だ」

 この人が悪魔のトップの一人、『紅髪の魔王(クリムゾン・サタン)』と呼ばれている魔王ルシファー。

「は、初めまして、駒王学園二年。この度のレーティングゲームでリアス様の『傭兵(ソルジャー)』として参加致しました。望月朔夜です」

 跳ね上がるように椅子から立ち挨拶を返す。

「それでは私は失礼いたします」

「ああ。例の件、よろしく頼むよ。グレイフィア」

「畏まりました」

 ルシファー様とやり取りをし、グレイフィアさんは退出した。

 まさか、魔王と一対一で話すことになるとは思ってもなかった。

 パーティーで遠目に見るくらいだと思っていた。

「緊張しなくていい。見ての通りこの部屋には君と私しかいないんだ。ゆったりしてほしい」

「はい」

 とは言われても無理がある。

「まずは、この前のレーティングゲーム。リアスの助っ人として参加してくれてありがとう」

「いえ、やれる限りのことをしたまでです。それにゲームには負けてしまいました」

「謙遜する必要はない。君は7人も倒した。内一人は女王で、それを単騎でたおしたんだ。十分に評価に値するよ」

「・・・ありがとうございます」

 それでも、負けは負けだ。大切なゲームだっただけに悔しさも通常以上だ。

「そういうことで、リアスを助けてくれた君に御礼としてこれを渡そう」

 ルシファー様は懐から一冊の本を渡してきた。

「これは魔導書だ。昔手に入れたものなんだが、私では使い道がなくてね」

「そんな!?魔王様からモノを受け取るなんてできません」

 自分はただの半人前魔法使いだ。悪魔と契約を結んでいるわけじゃないのに魔王からモノを受け取るなんて恐れ多い。

「これには色々な意味があってね。今回のゲームは悪魔の問題だ。それに人間の君を巻き込んだお詫びであり、リアスの兄として妹に協力してくれた礼でもある。受け取ってほしい」

 ここまで言われて受け取らないのはかえって失礼になる。ならありがたくいただいた方がいい。

「ありがたくいただきます」

 触っただけで年代物だとわかる魔導書だ。悪魔の感覚で『昔』なんだ、百年単位で前のモノなのだろう。

「でも、いいのですか?一介の魔法使いに魔王が御礼を渡すなんて」

「さっきも言った通り、リアスの兄としてね。まぁ、グレイフィアに叱られたが・・・」

 後半、威厳が無くなっていった。魔王としていいのだろうか。それで。

「さて、次なんだが君の神器、マナクリスタルを見せてもらってもいいだろうか?」

「構いませんが」

 俺はマナクリスタルを出現させ、ルシファー様に見せる。

 希少な神器だから興味があるのだろうか。

「綺麗な瑠璃色をしているね。実になつかしいよ」

「!? これを知っているのですか?」

「随分と昔にこれの所有者と知り合いでね。彼の水晶の色は白だったよ」

「魔王ともなると詳しいのですね」

「私も所有者と知り合いだったから知っていたに過ぎない。彼と知り合っていなかったら知らなかっただろう。なんせ出現例は『神滅具』よりも少ないと思うよ」

 魔王にすらそこまで言わせる神器か。

「どうしてそこまで少ないかご存じですか?」

「いや、私も神器に詳しいわけじゃなくてね。堕天使の総督をしているアザゼルなら知っているかもしれない。神器の研究をしているからね」

 気になったから聞いてみたが知らないようだ。まぁ、特別気にしているわけじゃないからいいか。

「時にリアスの兵士、ドラゴン使いの兵藤一誠君とは旧知の仲だそうだね」

「はい、10年の付き合いになります」

「彼の人柄について聞いていいかな?」

 魔王として赤龍帝を宿すイッセーの事が気になるのだろう。別に隠すこともないし話しても大丈夫だろう。

「おおむねこの前のゲームを見てもらった印象であってると思います。

 学校では変態三人衆の一人で特に胸に関しては人一倍関心があります。どのくらいエロいかはあの技を思い出してもらえればわかるかと」

「ドレスブレイクだね。あの技は笑わせてもらったよ。実に欲に忠実な悪魔らしい技だ」

 さすが魔王と言うべきか。できれば注意してほしかったんだが、無理そうだ。

「それでいて、決めたことには常識無用で突き進む奴です。友達になったばかりのシスターに命を賭けるくらいには」

「そうか。リアスについては、どう思ってるかわかるかい?」

「大切な主で笑っていてほしい人でしょうね」

「リアスのためにも命を賭けてくれるかね」

「ええ、もちろん賭けるでしょう」

 これは即座に答えることが出来る。

「うん。それを聞いて安心したよ。どうやら仕込みは無駄にならずに済みそうだ」

 仕込み?いったい何をしたんだ?

 その言葉について考えていると、扉がノックされた。

「グレイフィアです。よろしいでしょうか?」

「ああ、入ってくれ」

 ルシファー様の返答に、グレイフィアさんが入ってくる。

「一誠様がお目覚めになりました」

 その言葉に俺はグレイフィアさんに即座に聞いた。

「イッセーの容態の方は?」

「問題ありませんでした。すぐにでも動けます」

 それを聞いて安心した。後遺症が残ってたらどうしようかと思っていたから。

「彼はどうだった?」

「本当に面白い方でした。思ったことを口にし駆け抜ける。赤龍帝を宿す彼ならやれるのではないでしょうか」

「その様子だとプレゼントは無事受け取ってくれたようだね」

「はい。準備を整え次第乗り込んでくるでしょう」

 なんだ?プレゼントに乗り込んでくる?

 ・・・まさか。

「ルシファー様。まさか、イッセーにリアス様を奪還させる気ですか?」

「正解だ。よくわかったね」

「先ほどのお二人の会話でと私とあなたの会話で推測できました。さらに仮説を述べてもいいでしょうか?」

「構わないよ」

「では、今回の婚約。そもそもルシファー様は反対されていたのではないですか?

 理由としては兄として自由に恋愛をしてほしかったからが妥当ですか。ですが、魔王としてそのような理由で悪魔の存亡にかかわる事柄をなかったことにできない」

 ルシファー様は黙って聞いている。

「そこに現れたのがイッセーです。不死のフェニックスに対抗することの出来うる『神滅具』を宿すイッセーなら勝負で勝つ望みがあった。

 普通なら約束であったリアス様の大学卒業まで待つことでイッセーを育てるのが得策だったのでしょうが、ブーステッドギアの所有者はいつ死ぬか分からない」

 これはイッセーの神器について聞いたことだ。赤龍帝とは二天龍の一角であり、対の白龍皇と因縁がある。

 それは神器となっても続いており、歴代の所有者はその運命に巻き込まれるのだと。

 そのため、イッセーもいつその運命に巻き込まれるかわからない。

「だから、急遽婚約を早めた。そしてレーティングゲームをするようにした」

「くくく、アハハハハハハ」

 ルシファー様は突如笑い出した。

「いや、ミステリーの犯人はこんな感じなんだろうか。自分の計画をこうも推理されると清々しい気分になるよ」

「と言うことは」

「大正解だ。ばれないようにしたつもりだったのだがね」

「この会話をしなければ推測できませんでした」

 イッセーについて聞いたり、部長との関係について聞いてきたから。

「ならばれたところで、聞いてみようか。直に来る兵藤一誠君にはライザーと決闘をしてもらうつもりでいるんだ。その勝利報酬として望むものを与えるつもりなんだが何を選ぶと思う?」

「当然、リアス様を返してほしいと願うでしょう」

「うん、私もそう思うよ。なら、そもそも彼はライザーに勝てると思うかい?」

「私はイッセーが勝つと信じています。そして、イッセーは生半可な想いでは来ません」

「そうか。最悪の場合の逃げ道としてグリフォンを用意しているし大丈夫だろう」

「そうなった場合、あとが大変なので一誠様が勝つことを願いましょう」

 準備万端と言うわけか。

「さて、私の計画を見事推理して見せた君に何か上げたいところなのだが今は何もなくてね。また今度、用意させてもらうよ」

「い、いえ。さすがにこれ以上は・・・本も貰いましたので」

「そうかい?まぁ、何か必要になれば言ってほしい。可能な限り力になろう。それと普通にしゃべってくれて構わないよ。名前で構わないよ」

 年上で先輩の兄で魔王相手に普通で喋れるわけがない。

「さすがにそれは・・・呼び方はサーゼクス様でお願いします」

「わかったよ。それでは楽しくなりそうなパーティーに行くとしよう。グレイフィア。彼を頼むよ」

「畏まりました。それでは朔夜様、会場に案内します。こちらへ」

「わかりました。サーゼクス様、失礼します」

 サーゼクス様に一礼をし部屋を出る。

 何とも濃い時間だった。魔王と関係を持てるとは・・・

 そして、俺は波乱が起こるであろうパーティー会場へと連れられた。




原作にある会話を再構築すると、会話内容を確認しながらになるため書くのが遅くなる。
オリジナルの会話をさせると何を話させるかをまとめるので書くのが遅くなる。
執筆って大変です。 いまさらですが。

感想お待ちしております。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
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