ハイスクールD×D―魔法使いのキセキ―   作:Nation

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今回で二章を終わらせる予定でした。
予定であり、確定ではなかった。

是非見ていってください。


第28話

 会場は多くの悪魔が談笑をしていた。

 右を見ても左を見ても悪魔。転生悪魔もいるのかもしれないが純粋な人間は俺だけだ。場違いであるとつくづく感じる。

 そしてその多くの悪魔を収容している会場はとても広く大きい。学校の校庭よりも広く天井なんて体育館を大きく超えている。吊るされているシャンデリアの大きさがつかめないくらいだ。

 装飾も豪華でテーブル一つ見ても美術館に展示されてそうな雰囲気がある。こんな豪華なところでパーティーなんて縁がないものだと思ってた。両親は一応金持ちの部類だったがあくまで一般家庭レベルでの金持ちだ。こんな上流貴族ではないからこれまた場違いだ。

 そんな人種的にも階級的にも場違いな場所に一人でいるのはつらい。身なりは整えてきたつもりだが人種の違いで目立つせいか視線が集まる。

 なぜ人間がこのような場所にと言っている悪魔もいるくらいだ。全く持って歓迎されてない。

「朔夜君。こっちだよ」

 聞きなれた声が聞こえた。

 声のする方を見ると、タキシードを着こんだ祐斗が片手を上げて手招きをしていた。

 そばには着物姿の朱乃さんとドレス姿の小猫もいた。

「助かった。この視線の中一人はきつい」

「ウフフ。注目の的ですわね」

「こんな注目は欲しくありません」

「でも、好意的と言うか興味を示してる人もいるみたいだよ」

「そうなのか?」

「うん。多分中継を見てた人だろうね。眷属に誘われるかもよ?」

「まだ勘弁してほしいな。悪魔になることに抵抗はない。だが、人間でいることには未練がある」

 まぁ、未練がある状態で悪魔になっても折り合いをつけるだろうが、意志を尊重してくれるのなら当分は人間でいさせてほしい。

 その辺りで話を変え、少し小声で話す。

「グレイフィアさんから聞いたんだが、イッセーが目を覚ました」

「!!・・・容態は?」

「問題ないそうだ。すぐにでも動きまわれると」

「・・・そうですか。よかったです」

「ここには来るのかい?」

「来るようだ。俺たち的に面白くなると思う」

「それはそれは」

「派手なパーティーになりそうだ」

 なんてったって、魔王が企画した催し物だ。派手になるだろう。

 

 

 ◇◆◇

 

 

「こんばんは。リアス様の眷属の皆様。そして、『傭兵』の人間さん」

 祐斗たちと談話していると別の人物に声をかけられた。ライザーの妹のレイヴェルだ。後ろに他の眷属も控えている。

「思ってた以上に早い再開になったな」

「約束通り、平和な席での会談ですわ」

 そういえばそんなこと言ったな。

「・・・そんな約束いつしたんですか?」

「ゲームの後、転移までの間に少し話してな。約束と言えるほどのものではなかったが」

 機会があれば話そう程度だった。

「そういえば、自己紹介がまだでしたわね。レイヴェル・フェニックスですわ」

「望月朔夜だ。好きに呼んでくれ」

 ゲームの時は一度しか名乗ってなかった。相手の情報は事前に調べていたから名前とかは知っていたが。

「では朔夜様と」

「別に様なんてつけなくてもいいんだが」

「尊敬に値する殿方を呼ぶのですから様付くらい。それに好きに呼んでいいと言ったのはあなたですわよ」

 そういわれると言い返せないな。

「時に、赤龍帝はどうなさいましたの?」

「直に来るだろうさ。パーティーを盛り上げにな」

「ならお兄様のためにこのパーティーを盛り上げてください」

 さて、お望み通りになるだろうか。

 そうしていると前の舞台にライザーが現れた。

「冥界に名だたる貴族の皆様!ご参集くださり、フェニックス家を代表して御礼申し上げます」

 ライザーが舞台で挨拶をしていた。その姿を見て一言。

「あいつ、あんな言葉づかいもできたんだな」

「あんな兄ですがフェニックス家の一員ですから、相応な教育は受けていますわ」

 フォローしているが言いたいことは分かったようだ。

「本日皆様に御出で願ったのは、この私ライザー・フェニックスと、名門グレモリー家の次期当主リアス・グレモリーの婚約と言う歴史的な瞬間を共有していただきたく願ったからであります」

 振り返るようにして手を広げる。

「それでは、ご紹介いたします。わが妃、リアス・グレモリーです!!」

 その言葉と共にドレスを纏った部長が現れる。

 そして、部長が現れると同時に後ろの扉が勢いよく開かれた。

 

「部長ぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

 駒王学園の制服を着たイッセーが龍の咆哮と言わんばかりの声を張り上げた。

「ここにいる上級悪魔の皆さん!それに部長のお兄さんの魔王様!俺は駒王学園オカルト研究部所属、リアス・グレモリー様の兵士の兵藤一誠です!リアス・グレモリー様を取り戻しに来ました!」

 はっきりと宣言した。その言葉に会場は騒ぎ出す。

「ここが何処だと思っている!取り押さえろ!」

 ライザーの指示の衛兵らしき者たちがイッセーを囲う。

「ウフフ。では私たちも参りましょうか」

「ええ」

「・・・了解」

 その衛兵に祐斗たちが向かった。

「イッセー君。ここは僕たちに任せて」

 祐斗は氷の魔剣を創り出し衛兵の動きを止め

「・・・遅いです」

 小猫は蹴り飛ばしていた。

「あらあら、やっときたんですね」

 朱乃さんは雷を落とし軒並み気絶させていた。

「あなたはいかないんですの?」

「必要ない。それにお前たちを抑える役が必要だ」

 俺は杖を抜き、マナクリスタルを出すと、ライザーの眷属を牽制する。

「朔夜様は私たちを倒せると?」

「倒す必要はない。イッセーの元に行かせなければいいんだからな」

 勝つのは無理だ。主装があるわけでなければ1対15。多勢に無勢だ。正直まともな時間稼ぎも難しい。

 だが、今回は魔王様の擁護がある。イッセーとライザー、そしてサーゼクス様が話をつけるまで時間を稼げばいい。

 もっと言えば、イッセーがサーゼクス様の元にたどり着けばいい。

 魔王の対話を一悪魔が遮るなんておこがましいことだ。

「これが最後におっしゃっていた言葉の意味なんですわね」

「ああ。それにさっき言っただろ。盛り上げにやってくると。花嫁泥棒なんてかなり盛り上がると思うんだがな」

「取られる側の身内としましては嫌な話ですわ。それにまだとられておりませんわよ」

 ごもっともだ。

 その辺りでイッセーはライザーの元に着いたようだ。

「部長の―――リアス様の処女は俺のものだ!」

 ああ。どうやら問題無い、いつも通りのイッセーのようだ。頭は問題だらけだが、元からか。

「何を考えてますの!?あの男は!?」

「部長を取り返すことだろうな。すまない」

「・・・苦労してますわね」

 なんだか同情された。もうこのことについては慣れと諦めの境地に行っている。

 関係者共々会場が騒然としている中、一人言葉を発する人がいた。

「私が用意した余興ですよ」

 この騒動の計画者にして今回の黒幕であるサーゼクス様だ。

「ドラゴンの力がみたくて、ついグレイフィアに段取ってもらったよ。それに可愛い妹の婚約パーティー、派手な演出も欲しいモノだ。そこで伝説のドラゴンと伝説のフェニックスとの決闘で会場を盛り上げるっというのはどうだね?」

 伝説同士の決闘。催し物としてはすごい演出だろう。最もその中身は花嫁を取り合う決闘でもあるわけだが。

「さすが魔王様ですな。面白い趣向をお考えになる」

「ドラゴン使い君。この私と、上級貴族の方々に君の力を今一度見せてはくれないか?」

「はい」

 イッセーが返事をした。

「ライザーもいいかい?」

「いいでしょう。このライザー、身を固める前の最後の炎をお見せしましょう!」

 ライザーも返事をした。

 これで決闘の舞台が完全に整ったことになる。

「さて、ドラゴン使い君。勝利の対価は何がいいかな?」

 その言葉に再び辺りは騒然とする。

「サーゼクス様!?」

「下級悪魔などに対価などと!」

 そう言う悪魔に対しサーゼクス様は言い返す。

「下級と言えど悪魔なのですから、何かをさせる以上はそれ相応の対価を差し出さねばならない。何がいい?爵位か、それとも絶世の美女かい?」

 その言葉はイッセーにとって最高の申し出だろう。ハーレムを目指すアイツにはその夢を掴めるチャンスだ。だが、今のアイツにとってそれらは道端の石も同然の物に成り下がっている。

「リアス・グレモリー様を返してください!」

 はっきりと、物怖じせずに答えた。それが今のアイツが望むものだ。

「そうか。では、君が勝ったならリアスを連れていけばいい」

 サーゼクス様は満足げに微笑み奥へと下がっていった。

「ありがとうございます!」

 その背中に向けてイッセーは全力でお礼を述べた。

 その様子を見終えた俺はイッセーの元に近寄った。

「よう、イッセー。大丈夫か?」

「朔夜!ああ、問題ない!」

「勝算は?」

「ある!」

「自信は?」

「ある!!根拠とかねぇけど、だけどやれる!」

 ああ、全く問題なさそうだ。今のこいつの中には不安なんてものは全くないんだろう。最高のモチベーションだ。

「そうか。勝てよ」

「当たり前だ!」

 これ以上の言葉はいらない。

 俺はイッセーのそばから離れ、イッセーは決闘に向かった。




次で終わらせたいところですが、この調子だと終わるか不安です。
どれだけ長くなっても30話には二章は終わります。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
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