ハイスクールD×D―魔法使いのキセキ―   作:Nation

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イッセーVSイリナ、祐斗VSゼノヴィア戦です。

是非見ていってください。


第38話

 場所は移り、旧校舎裏の開けた場所。球技の練習をしていた場所だ。

 言い争いは祐斗も参戦し収取がつかなくなり、部長も対応に苦慮していた。

 そこにゼノヴィアが模擬戦を提案してきた。

「リアス・グレモリーの眷属の力を試してみるのも面白い。それに『先輩』と言うのも気になる」

 そしてこの模擬戦は教会には報告しない私的なモノだと言ってきた。

 お互い立場があり、そして相手はこの後任務もあるため、大事にならないレベルなら問題ないと判断した。

 言いたいことを言ったイッセーはともかく、殺気全開の祐斗はそれに乗り模擬戦を行う事となった。

 内容はイッセー対紫藤、祐斗対ゼノヴィアで行う。

 朱乃さんがこの辺り一帯に結界を張ったこともあり、多少派手にやっても問題ないとのこと。

 部長は見届け役、アーシアは救護、俺と小猫は仲裁役と言う配置になっている。

「では始めようか」

 紫藤とゼノヴィアは着ていた白いローブを脱ぎ、黒い戦闘服姿になった。

 体のラインがはっきりわかるほどぴったりくっついた服だ。動きやすさを重視したモノなのだろうが教会としていいのだろうか。

 これから戦うと言うのにイッセーは相手に鼻の下伸ばしてるし。

 お構いなしにゼノヴィアは布から大剣を取り出し、紫藤は紐を刀に変化させ構える。

 祐斗も自身の周りに魔剣を創り出して準備万端だ。

「イッセー、聖剣には十分に注意しなさい」

「は、はい!」

 この試合の前に聖剣の脅威は十分に説明していたし、イッセー自身もそれを肌で感じているから大丈夫だろう。

「・・・笑っているのか?」

 ゼノヴィアの言う通り祐斗は笑っている。普段の爽やかな微笑みではなく不気味な笑みだ。

「うん。壊したかった物が目の前にあって、そのチャンスが巡ってきたんだ。嬉しくて仕方ないよ。悪魔やドラゴンの周りには力が集まるって聞いていたけどこんなにすぐに巡ってくるなんてね」

 これは昨日同様に祐斗の戦い方が出来ないだろうな。完全に武器諸とも砕くつもりだ。

「魔の力を宿した剣・・・『魔剣創造』か。思い通りの魔剣を創り出せる魔剣系神器の中でも特異な物。『聖剣計画』の被験者の中に処分を免れたものがいると聞いたことがあるが、それはきみか?」

 こっちは戦闘的にはいい感じ、試合としては悪い感じに緊張が高まってきた。止めに入らないといけない状況にだけはならないでほしい。

「兵藤一誠君、昔のよしみでイッセー君って呼ばせてもらうね」

 こっちも試合前の会話か。

 あっちみたいに行き過ぎた雰囲気にならないでほしいものだ。

「なら俺もイリナって呼ばせてもらうが・・・戦わないといけないのか?アーシアの悪口に対しては言いたいことは言ったりしたから多少スッキリしたし、俺は戦わなくてもいいんだ」

 さっきの怒りが落ち着いて冷静になったイッセーが言う。

 これは模擬戦だし無理に戦う必要はない。だからイッセーは不戦を提案するが。

「ああ、なんて残酷な運命!聖剣の適性があって、祖国から遠い地に向かい、晴れて主の代行者としてお力になれると思ったのに。久しぶりい戻った故郷の地。そこで出会った懐かしの昔馴染みは悪魔になっていた。なんて過酷な事なの。きっとこれも主の試練なのだわ。これを乗り越えることで真の信仰にまた一歩近づけるのよ。さぁイッセー君。私のエクスカリバーで罪を裁いてあげるわ!アーメン」

 こっちもこっちで盛り上がっていた。主に盛り上がっているのは紫藤だけだが。

 思いっきり陶酔している。

 残酷とか色々言っているが、目が輝いている。

「・・・アーシア、信者ってみんなあんな感じなのか?」

「・・・たまにいらっしゃいますね」

 悪魔になっても信仰を忘れないほどの熱心な信者だったアーシアですら引いてるレベルだ。

「!! ブーステッドギア!!」

 イッセーも悪寒を感じたんだろう。すぐさまブーステッドギアを出した。

 それを見た紫藤はすぐさま表情を変えた。

「・・・『神滅具』!」

「『赤龍帝の籠手』か。まさかこんな極東の地で見ることになるなんてね。それに君の『魔剣創造』にアーシア・アルジェントの『聖母の微笑み』。我々が異端視している神器ばかりだ。悪魔になったのも必然と言うことか」

「僕の魔剣は同志たちの無念を想って創り上げたものだ。この剣で僕はエクスカリバーの所有者もろとも打ち砕く!」

 傍にあった魔剣を抜き、ゼノヴィアに斬りかかった。

「こっちも行くわよ!」

 こっちは紫藤がイッセーに斬りかかっていた。

「あぶねっ!」

 初手を服が裂けるくらいで躱し、その後も攻撃を躱し、時には籠手で防いでいる。

 やはり、イッセーの左手は聖剣に対して有効か。事前に提案しておいてよかった。

 悪魔のみでは掠り傷ですら危険を伴う聖剣だが、ドラゴンの腕となっている左手には問題ない。

 以前のライザーとの決闘で聖なる力が問題なかったから大丈夫と思っていたが確証が欲しかった。

 後は倍加を済ませ、反撃に移るだけだが実践が少ないイッセーは実力を測りかねている。

 かくいう俺もイッセーと同じだ。それに紫藤も本気でやっているかはわからない。

 なんせ『擬態の聖剣』を刀の形状のまま使っている。

 それが彼女の戦い方なのかもしれないが。

 俺なら常に様々な形に変化させて相手をかく乱する使い方をすると思う。

 形が不定だからこそ使い手を選ばないモノなんだろう。まぁ聖剣である適性がある時点で使い手を選んでいるわけだが。

 イッセーは最初こそ焦っていたがある程度防げて余裕が出来てきたのか、顔が歪んできた。変態としての顔に。

「・・・嫌らしい顔だわ。何を考えているの?」

 どうせドレスブレイクを狙っているんだろう。

 紫藤に忠告しようか少し考えたが、模擬戦とはいえ勝負だ。なら、終わるまでは言わないでおくか。

「・・・気を付けてください。イッセー先輩には触れるだけで服を消し飛ばす技があります」

 と、小猫が紫藤に忠告した。

「小猫ちゃん!なんでネタバレ!?」

「・・・最低な女性の敵です」

 もっともだ。

「なんて最低な技なの!悪魔に堕ちただけじゃなく、心まで邪悪な変態に成り下がるなんて!」

「訂正だ、紫藤。悪魔になってから変態になったんじゃなく、人間のころから変わらず変態だった」

 その辺りは悪魔になっても対して変わってない。

「朔夜まで!?てか、そんな訂正いらねぇ!」

「悪い。悪魔が皆お前みたいな変態じゃないと訂正したくてな」

「俺へのフォローは無しか!」

 この件に関してはフォローの余地はない。むしろ反省しろ。

「性欲の塊か。私は実に悪魔らしいと思うけどね」

 その辺りは魔王のお墨付きをもらっている。

「ゴメン」

 復讐に駆られている祐斗ですら謝る始末。空気をぶち壊したな。

「気を取り直して。燃え尽きろ!そして凍りつけ!『火燃剣』!『氷空剣』!」

 祐斗は火の魔剣と氷の魔剣を創り出し二刀でゼノヴィアに迫る。

 騎士の速度を活かした連撃ではあったがゼノヴィアは最小限の動きで躱し、聖剣を横薙ぎに一閃。

「甘いっ!」

 ギィィィィン!!

 一撃で祐斗の二本の魔剣を破壊した。

「我が聖剣は破壊の権化。砕けぬものはない」

 ゼノヴィアはそのまま聖剣を振り上げ、地面に突き刺すように一気に振り下ろした。

 ドォォォォン!!

 地震と間違えるほどの揺れを起こし、土煙が舞った。

 煙が収まるとそこにはゼノヴィアを中心に半径5mほどのクレーターが出来上がっていた。

「有象無象の全てを破壊する。『破壊の聖剣』の名は伊達じゃない」

 なんて破壊力だ。ただの振り下ろしでこの威力。

 これは悪魔とか関係なしに掠るだけで大ダメージになる。

 相手に攻撃させずに攻める方がいいな。正面からの打ち合いはよほどの力自慢じゃないと。

「わけられてなおこの破壊力。七本全て壊すのは修羅の道か・・・」

 この威力を見てなお復讐の影は消えていない。

 解釈を変えれば、最も破壊力のあるエクスカリバーであの威力と取ることもできるがそれでも気休めか。

「それじゃそろそろ決めちゃいましょう!」

 紫藤は先ほどよりも速度を上げて攻撃している。それでも何とか順応しているがこのままだとジリ貧だろう。体力的な問題もある。

「いい動きね。さぞ主に鍛えられたのでしょうね!」

「当たり前だ!ご主人様のしごきが激しくてね!だから頑張れちゃうわけですよ!こんな風にな!」

「『Boost!!』」

「行くぜ!ブーステッドギア!」

「『Explosion!!』」

 イッセーが倍加の維持に入ったということは攻めに転じる気のようだ。

 まぁ、顔を見る限り何をするつもりなのかバレバレだが。

「剥ぎ取り御免!」

「卑猥な!」

 イッセーの突進を紫藤は全力で回避する。

 ひどい構図だ。変質者が女性を追い回してるようにしか見えない。

 そして徐々にイッセーの動きが洗礼されていっている。

「イッセー君がいつも以上にいい動きをしますわね」

「・・・ドスケベ根性が身体能力を底上げするなんて」

「・・・はぁ」

 悲しくなってくる。

 祐斗のシリアス感をこいつに分けてくれないだろうか。あっちとこっちの空気の差がありすぎるんだが。

「まだまだ!」

「な!?私の動きに追い付いたの!?」

 とうとう変質者が紫藤を追い詰めたようだ。

 イッセーは三世ダイブの如く紫藤に触れようと飛び込む。

 だが咄嗟にしゃがむことで紫藤は回避に成功した。

 だが問題はここから。

 紫藤の上を通りすぎそのまま直進するイッセー。未だ空中で動けないため、方向転換はできない。

 そしてそのイッセーの飛んで行った先にはアーシアと小猫が居た。

 イッセーの両手にはドレスブレイクを狙って魔力が込められている。

 そしてイッセーの両手は二人に触れて、結果

 ババッ!

 二人の服は弾け飛んだ。

「いや!」

 アーシアは身を屈めて体を隠す。

 そして小猫は、全身から殺気を放ちこぶしを震わせていた。

「い、いや!これはその、事故だ!イリナが避けるからさ!それに小ぶりなおっぱいも需要はあるよ!って何言ってんだ俺は!別に二人を狙ったわけじゃないから!でも、ありがとうございます!お礼はいって―――」

「・・・このドスケベ!」

 ドスッ!

 小猫の一撃がきれいに腹部に決まり、イッセーがこっちに飛んで来た。

 うん、ちょうどいいな。

「この大馬鹿野郎!」

 向かってきたイッセーを蹴り返す。

 顔面には入ったが、身体強化もしていないただの蹴りだ。そこまでのダメージにはならないだろう。

「イッセー君、生きてる?これは卑猥な技を開発した天罰だと思うの。これに懲りたらこの技は封印すること」

「・・・嫌だ。・・・全くない魔力の才能を全てつぎ込んで開発した技だぞ。もっともっと服を弾け飛ばすんだ!そして・・・」

 よろよろと立ちあがり宣言する。

「いつか見ただけで服を弾け飛ばす技に昇華させるんだ!」

「やめろ!」

 本格的にどうしようも無くなってきた。

 近々マジで説教してやろうか。体罰担当に小猫にも協力してもらおう。

「主よ!この罪深い変態を断罪する力を下さい!」

 紫藤は上段から攻撃するために突っ込んだ。

 それに合わせてイッセーが足払いをしたが軽くジャンプすることで躱す。

 イッセーはそのまま飛び上がるようにアッパーカットを狙うが紫藤はぎりぎりのところで躱した。

 そして紫藤は腹部に横なぎし、イッセーは後ろに下がる。

「・・・ごめんなさい。あなたを見くびっていたようね。いい動きだわ」

 イッセーは続けようとしたが、足から崩れ落ちた。

 先の一撃をイッセーは掠る程度ではあるが躱しきれなかった。

 だがその掠った傷からうっすら血を流し、そして煙が上がっている。

「聖剣のダメージよ。悪魔、堕天使は聖剣の一撃を受ければ力と存在を消されてしまう。掠っただけでもそれほどのダメージを与えるのよ。もう少し深かったら致命傷になってたかもね」

 あの程度ですら、イッセーが立ち上がれないほどの力を奪われたという事か。

「『Reset!!』」

 さらにブーステッドギアの倍加もリセットされてしまった。こっちは勝負ありか。

「あなたの敗因は相手の力量を正確に読み取れていないこと。あと一回倍加していればあなたが確実に勝っていたわ」

 これが実践だったならそれで終了。死んでいた。

 むしろ今回のは教訓になっただろう。俺も観戦していた人間だが痛感した。

「はあああぁぁぁぁっ!!」

 祐斗の方も大詰めのようだ。

「僕の魔剣の破壊力とその聖剣の破壊力!どちらが上か勝負だ!」

 祐斗が巨大な魔剣を創り出した。それは2mはある巨大なもので禍々しいオーラを放っている。

 まさしく今の祐斗を表した魔剣ではあるが、それは悪手だ。

「選択を間違えたね」

 ゼノヴィアは落胆したまま、その魔剣と打ち合った。

 ガキィィィン!!

 砕けたのは祐斗の魔剣だ。ゼノヴィアの聖剣は刃こぼれすら起こしていない。

「君の武器は多彩な魔剣とその俊足だ。巨大な魔剣ではその足を殺すことになる。そんなこともわからないのか?」

 ドンッ!

 聖剣の柄頭を祐斗の腹部にたたき込んだ。

 その攻撃にすら相当の威力があるようで、祐斗はそのまま倒れ込む。

「刀身の攻撃で無いにしろ、今の一撃で当分たちあがれまい。勝負ありだ」

「ま、待て!」

 倒れたままゼノヴィアに手を伸ばすがそれだけだった。

「『先輩』次はもう少し冷静になってから来るといい。リアス・グレモリー、先ほどの件よろしく頼むよ」

 ゼノヴィアは聖剣をしまい、ローブを着て立ち去ろうとする。

「一つだけ赤龍帝に言っておこうか。―――『白い龍(バニシング・ドラゴン)』はすでに目覚めているぞ」

 そう言い残し今度こそゼノヴィアは去って行った。

「ちょっと待ってよ、ゼノヴィア。それじゃ、イッセー君、裁いてほしかったらいつでも言ってね。アーメン」

 ゼノヴィアを追うように紫藤も立ち去る。

 今回の勝負は完敗だ。




朔夜VSイリナでもよかった気がしたのですが、朔夜なら勝てる気がしたので原作通りに。
聖剣でも人間の朔夜なら掠り傷程度なら普通に戦えますから。
悪魔にとって掠り傷すら危険と言うのを表現するにはイッセーじゃないと。

感想お待ちしております。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
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