ハイスクールD×D―魔法使いのキセキ―   作:Nation

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半年も更新せず申し訳ございませんでした。
事故や忙しいとか言ったことはなく、単純にモチベーションの低迷が原因です。
ネタ自体は考えたりしていたのですが、文章にする気分が無く半年もほったらかしていました。
今後については後書きに書きます。

是非見ていってください。


第41話

 人を惑わせ時には喰らう異形の存在

 

 今では幻想の存在とされているけど

 

 私は悪魔がいることを知っている

 

 そして今から私は悪魔に殺される

 

 死ぬ恐怖はあった

 

 でも生きる望みはなかった

 

 助かることを諦めていた

 

 生きることを諦めていた

 

 ―――そんな私を貴方は助けてくれた

 

 

 ◇◆◇

 

 

 エクスカリバーを破壊するために本格的に動き出して数日。成果は何もない。

 神父狩りをしているようだから、神父の姿を真似て捜索をしているのだが、依然フリードは現れず、手がかりもない。

 何か手を打ちたいところではあるが、部長たちに内緒で行動しているため打てる手が限られている。

 いっそのこと部長たちを巻き込むか?

 正直、そろそろ勘付かれる雰囲気があるし、打つ手を広げるためにも巻き込んでしまうのもありだ。

 まぁ、その時はこっぴどく怒られそうではあるが。

「朔夜はともかく、イッセーまで難しい顔をしてるな」

「そりゃ、俺だって考えることはあるさ。たまにだが」

「あれか?リアス先輩と姫島先輩のおっぱい、どっちを揉むべきか悩んでるのか?」

 松田と元浜が話しかけてきた。というか松田お前は何を言ってるんだ?

「そんなの毎日悩んでるって。ちなみに張りとタプタプ感は部長の勝ち。バランスの良さと輪の大きさは朱乃先輩の勝ちだ。否、どっちのおっぱいも素晴らしく甲乙つけ難しだ!」

「バカな事叫ぶな。馬鹿が」

 イッセーも何を言っているんだ。そんなこと聞いてない。

「つーか、そんなことしてたら先輩たちの信者に殺されるぞ?」

「元浜・・・。おっぱいは命より重い」

「っ!!深いな。心に響くぜ」

 バカどもが共感している。まぁ、この程度ならまだマシな方か。

「朔夜君。ちょっといいかな?」

 俺が溜息をついているタイミングで教室の入口から祐斗が呼びかけてきた。

「いいぞ。・・・ちょっと行ってくる」

 祐斗の元に行き、廊下を歩きながら話す。

「どうした?」

「こんなものが机に入っててね」

 そういって祐斗は一枚の紙を見せてくる。

『夕方、町外れの廃屋では注意して下さい』

 そう書かれていた。

「これは・・・!」

「正直、僕たちのやっていることに関係あるとは思えないけど念のため知らせておこうかと思ってね」

 祐斗は悪戯の類だと思っているようだ。

「いや、これは手がかりになる」

「え?」

 俺は財布に入れていたあの紙を祐斗に見せる。

「これは!」

「教会の二人が交渉に来た日の朝に俺の机の中に入っていた物だ」

「と言うことは一気に信憑性が上がったね」

「そうなんだが、今回は場所を指定してる。正直罠の可能性も否めない」

 誘い込んで袋叩きなんてこともあり得る。

「打つ手もないんだ。危険を承知でもいくべきだと思うけど」

「考えておく」

 そこで話を切り上げ教室に戻る。

 だが祐斗の言うように唯一の手がかりでもある。

 踏み込むべきか。

「朔夜!股間を隠せ!」

「は?」

 イッセーからの謎の指示に思考が中断される。

「桐生は男のアレを数値化できるメガネを持っているんだ!」

 松田が説明してくる。

「ああ、元浜の同種の能力か。さすが、女版元浜」

 さすがと言っているが全く褒めてない。正直、元浜同様いらない能力だ。

「ちょっと!こんなのと一緒にされるのは遺憾なんだけど。属性が穢れる」

「なんだと!メガネキャラは俺の特権だ!」

 メガネ二人が言い争っているが五月蠅いし止めるか。

「はぁ。お前ら、同じ会話を生徒会長の前でもできるか?」

「「無理です。すみませんでした」」

 二人が一瞬にして頭を下げた。

「確かに・・・!メガネキャラの具現ともいえる会長を引き合いに出されれば手も足も出ない」

「さすがだ、朔夜!二人を一瞬にして沈めた!」

「全く嬉しくないからな」

 どうでもいい称賛をもらったところでチャイムが鳴った。

 

 

 ◇◆◇

 

 

「今日も収穫はなさそうだな」

 匙が言うように今日も収穫が無い。

 人気のない場所を中心に捜索しているが日中は難しいか。

 時間は日没間近。もう少し探せるが後一か所と言ったところだ。

 これ以上は部長や会長に気付かれる。

 まだ、内密に行うことを方針としている以上見つかりたくない。

 やっぱり見つけるためには巻き込む方がいいか?

 もしくは・・・

「朔夜君、やっぱりあそこに行ってみよう」

 祐斗も同じ事を考えたようだ。

「それしかなさそうだな」

 現状打てる手は無く、これと言った情報も無い。なら危険を承知で行動してみるか。

「なんだよ二人とも。どこか当てがあるのか?」

 イッセーが聞いてくる。

「ああ一応な。ただ情報の出所が不明だから警戒してるんだ。罠の可能性も大いにある」

「マジかよ・・・」

「どうする?全く動いていない現状を打破する手としてはありだと思うが危険もある」

「補欠に入らずんば虎児を得ずだ!行こう!」

「補欠じゃなく虎穴な。今日やった文だぞ。ちゃんと聞いとけ。二人もいいか?」

「・・・はい」

 小猫は頷き

「ああ。やってやるぜ!」

 匙も乗ってくれた。

 集まった時こそ逃げ出すくらい乗り気じゃなかったが、祐斗の事情を聞いてからはかなり協力的だ。

 変態で情に厚い。まさしくシトリー眷属版のイッセーだ。イッセーほどオープンではないが思考はどっこいどっこいだから良いだろう。

 

 そして俺たちは手紙に書いてあった廃屋に着く。

 この廃屋だと明確に指定していたわけではないが町はずれの廃屋はここくらいだから合っているはずだ。

 日も落ち、逢魔が時と言った時間。遭遇するにはいい時間かもしれない。最も『魔』は俺たちにあたるわけだが。

「・・・祐斗先輩」

「うん」

 廃屋の入口の前に着くと殺気を感じた。

「上だ!」

 匙の言葉と同時に上を見ると、白髪神父が降ってきた。

「神父ご一行様にご加護あれってね!」

 その白髪神父、フリードはエクスカリバーを先頭に居た祐斗に振り下ろす。

 ギィィィン!

 即座に魔剣を創り出しその一撃を防ぐ。

「フリード!」

「!その声はいつぞやのドラゴン君かい?それに魔法使いにと騎士様、あとおちびちゃんもいるじゃないの。つぅことはクソ悪魔のコスプレですかぁ」

「餌だ。ようやく釣れたがな」

 そう言っている間にイッセーと匙、小猫は神父服を脱ぎ棄て駒王の制服姿になった。

 匙のスタイルは知らないが接近格闘主体の二人はこの神父服は動きにくいだろう。

「まぁ何でもいいや。むしろ手ごたえの無い神父共の相手より何倍も楽しめるってもんよ!ましてや5人もいるなんてな!」

「君の相手は僕だ!」

 そういって祐斗はフリードに斬りかかる。フリードもそれに難なく対応し屋根を飛び交いながら斬り合っている。

「なんて速さだ。これじゃ木場に譲渡するタイミングがねぇ」

 イッセーが言うように今のフリードの速さは祐斗と同等だ。

 以前教会で戦った時のフリードは当時の俺よりやや速いくらいだった。

 行方をくらませていた間にそれだけの力をつけたとも考えられるが、奴が持っている剣がエクスカリバーの一本であることを考えるとアイツが持っている聖剣は。

「如何ですか!?この『天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)』のお味は!」

 天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)。所有者に速さを与える聖剣。その力で速度を底上げしているんだろう。『悪魔の駒』の『騎士』に該当する能力。

 すなわち『騎士』同士の戦いと言える。

 そんな戦いを見ながら俺は周りを観察する。あの手紙が罠である可能性を考慮してだ。

 だがここまでフリード以外の奇襲は無く、トラップの気配もない。

 そしてフリードも最初は俺たちだと気付いていなかった。

 これらを踏まえると手紙の主とフリードたちは無関係で、尚且つ俺たちを擁護が目的と考えていいかもしれない。内容も警戒を促すものばかりだったから。

 完全に信用することはできないがある程度は信じていいだろう。

 意識を二人の方に集中する。

「とりあえずフリードの動きを削ぎたいところだな」

 動きを削ぐことが出来れば、イッセーの譲渡なりで援護が出来る。

 だが俺の取れる手は足場を崩すと言った方法だから祐斗にも影響が出る。

「アイツの動きを止めればいいんだな?」

 匙はそういうと左腕を前に出した。

 そこに光が集まり、手の甲にデフォルメ化されたトカゲが現れた。

「匙!お前も神器持ちか!」

「ああ!行け、ラインよ!」

 匙の掛け声とともにトカゲの口が開きそこから舌が飛び出した。

 その舌はフリードの右足に巻き付いた。

「おぉっ!」

 空中で捉えられたフリードは地面に落下する。

「っち!うぜぇ!」

 巻き付いた舌を切り払おうとしているが実体がないのかすり抜けるだけだ。

「ありがたい」

 それを見た祐斗はすぐさまもう一本魔剣を創り出し、二刀を持って攻撃に移る。

 匙のラインを切るのを諦めたフリードは祐斗を迎え撃つ。

「『光喰剣』だけじゃねぇのか!つぅことはもしかして『魔剣創造』?わぉ、聖剣を扱うおれっちになんてふさわしい神器なんでしょう!だ~け~ど~」

 がきぃぃん!

「そこいらの魔剣じゃエクスカリバーちゃんには敵いませんぜ?」

 フリードの聖剣が祐斗の魔剣を二本とも砕いた。

 魔剣を砕かれた動揺が一瞬の隙を作る。

 その隙を見逃す相手ではない。

「もらぃ!!」

 フリードは獲物を失った祐斗に攻撃を仕掛けようとするが。

「やらせるかよ!」

 匙が巻き付けた舌を思いっきり引っ張り、フリードの体制を崩した。

 更に舌がフリードの方から匙に向かうように淡く光出した。

「なんだこりゃ!俺っちの力を吸い取ってるのか!?」

「これが俺の神器『黒い龍脈(アブソーブション・ライン)』だ!こいつにつながれてる限りぶっ倒れるまでお前の力を吸収してやる!」

 相手にすると厄介な神器だ。簡単に振りほどけず力を吸い出される。もしいろんな物につなぐことが出来るのなら本当に色々できそうだ。

 そんなことを想いながらイッセーに声をかける。

「イッセー、倍加はどうだ?」

「いつでも行けるぜ!」

「よし。俺が割り込むからその隙に祐斗に譲渡しろ。小猫、こいつを祐斗の元に連れて行ってくれ

「・・・わかりました」

 簡単に作戦を伝え行動に移す。

 割り込むとは言ったが物理的にあの二人の間に入って戦闘をするわけじゃない。祐斗と等速の相手と接近戦なんてできるわけがない。

 加速魔法陣を使いフリードの真上に跳び、銃口をフリードに向ける。

「ブリッツクーゲル」

 ドゴーン!

 轟音と共に一閃。稲妻がフリードに向かう。

「あめぇ!」

 稲妻の弾丸はかなりの速度だったのだが、フリードの一振りで弾かれた。

「―――!」

 フリードは弾いた直後に横に跳んだ。

 その直後、フリードが元居た場所に一発の弾丸が撃ち込まれた。

「抜け目ないねェ。さっすが~」

「躱されたか」

 轟音で銃声を隠し、稲光で銃弾を隠した一発だったんだが通じなかったか。

 だが本来の目的は達成した。

「木場ああぁぁあ!!譲渡すっからなぁぁぁ!!」

 祐斗の元にイッセーが飛んで、いや飛ばされてきた。飛ばされて来た方を見ると小猫が何かを投げた体制だったからイッセーを投げ飛ばしたようだ。

「うわっ!イッセー君!?」

 祐斗もいきなりのイッセーの登場に驚愕したようだ。

『Transfer!!』

 イッセーはすれ違いざまに祐斗の肩に触れ力を渡す。

「貰った以上は使わせてもらおう!『魔剣創造』!!」

 地面に手をかざし神器の力を解放する。屋根全体から魔剣が木のように咲き乱れる。

 フリードの周辺に創られた魔剣はフリードに向かって行き、祐斗も剣林と化した屋根を飛び回り時には直接、時には魔剣を投擲し、前後上下左右、全方位から攻撃を仕掛ける。

「おっもしろいサーカス芸だねぇ。だ・け・ど!」

 腕が消えるほどの速度で聖剣を振り、すべての攻撃を叩き落とした。

 全方位からの攻撃を強固な防御でもなく、光速の回避でもない、神速の攻撃によって防いだ。

 これが聖剣の恩恵か。

 だが、付け入る隙もある。聖剣の恩恵は速度のみ。祐斗の魔剣を折る力はあるが、ゼノヴィアほどの破壊力があるわけではない。防御面は悪魔と比べると脆いだろう。

 なら、火力で押し切ることが可能だ。匙のお蔭で大きな回避はできず、イッセーの譲渡で火力の底上げができる。

 祐斗には悪いがそれらを使ってあいつを仕留める。アイツを放置するのは厄介だ。

 すぐさまフリードを仕留める作戦をたてようとしたところで第三者の声がかかる。

「ほう。『魔剣創造』か。持ち主次第で無類の力を発揮する神器だ」

 神父の格好をした初老の男。神父の姿と言うことで教会関係者だと推察できるが、ゼノヴィア達は二人で来たと言っていたことからフリード側の人間か。

「バルパーのじいさんか」

 その名に俺たちは驚愕した。この神父が聖剣計画の首謀者であり、祐斗の怨敵と言うことだ。

「・・・バルパー・ガリレイ!!」

 祐斗は殺気を隠そうとしない仇を見る目を向けながらバルパーを呼ぶ。

 だがバルパーは祐斗を意に介さずフリードに声をかける。

「何をしている。フリード」

「そうは言うがねじいさん。このクソトカゲの舌が邪魔なんでさぁ」

「お前に渡した『因子』を有効に使え。体に流れる聖なる因子を刀身に込めれば切れ味も増す」

「ほうほう。因子を刀身にねぇ」

 フリードの持つ聖剣が光を放つ。

「こうかよ!そら!」

 光を放つ聖剣は匙の神器を捕らえ、難なく切断した。

「悪いがここいらで逃げさせてもらうぜ!」

 そのまま逃亡に移ろうとしたフリードだが。

「逃がさん」

 ガギィィン!

 フリードの聖剣と別の聖剣が火花を散らす。ゼノヴィアだ。

「やっほー。イッセー君」

「イリナ!」

 紫藤も駆け付けてきた。

「どうしてここが・・・」

「・・・そういう手筈でしたから」

 匙の疑問に小猫が答えた。小猫は戦闘が始まってすぐ、二人に連絡を入れていた。

「フリード・セルゼン。バルパー・ガリレイ。反逆の徒として、神の名のもとに断罪してやる!」

「俺の前でその憎たらしい名を出すんじゃねーよ!クソビッチが!」

 攻撃的なセリフを言うフリードだが、大して打ち合うこともせずバルパーの横に行く。

「逃げるぞ爺さん。コカビエルの旦那に報告しに行くぜ!」

「致し方あるまい」

 フリードはバルパーの返事を聞くや否や、いつもの閃光弾を地面に叩き付けた。

「はい!さらば!」

 辺りが閃光に包まれる。

 祐斗とゼノヴィアは二人の居た場所に飛び込むがすでにそこには居ない。

「三度も同じ手を食うか」

 俺は用意していたサングラスで閃光弾を防ぎ、再装填済みのアンコールを向けフリードに放つ。

「は!当たらねーよ!」

 フリードは弾丸を難なく躱し、そのままバルパーと逃亡した。

「追うぞイリナ!」

「うん」

 教会組はすぐさま二人を追い。

「僕も追わせてもらうよ!」

 祐斗も併走するように後を追って行った。

「くそ!イッセー、俺は三人を追うから部長たちに報告してくれ!」

 フリードは『コカビエルに報告する』と言った。なら当然向かうのはコカビエルの居るアジトの可能性が高い。そんなところに正面切って向かうのは虎穴どころか竜の巣穴に飛び込むようなものだ。危険すぎる。

 アジトを突き止めて出直すのならまだしも、今の三人ならそのまま突入するだろう。

「あ、おい朔夜!木場!」

 イッセーの返事を聞かず、俺は三人を追いかけた。




まずは再度謝罪を。
更新を待たれていた方、申し訳ございませんでした。

今後ですが、更新は続けていくつもりですが以前のように週一更新に定めるのは難しいと思い不定期更新にさせてもらいます。
今はモチベーションが少しはましになっていますがまた低迷する可能性があるからです。
ですが最低でも3巻までは書くつもりなので気長にお待ちいただければ幸いです。

感想お待ちしております。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
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