ハイスクールD×D―魔法使いのキセキ―   作:Nation

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チラシ配りとイッセーの初契約。それと朔夜のお家事情についてです。

是非見ていってください


第06話

 オカルト研究部の真実を知ってから数日後の夜。俺は今部室にいる。

 そこで何をしているかと聞かれれば

「やっぱり生徒会のメンバーも悪魔で構成されているんですね」

「ええ、私たちの事気づいていないって言ってた割にわかってるじゃない」

「今だからこそ分かるようになったんですよ。悪魔のオーラなんて知らなかったんで」

 部長にいろいろ話を聞いていた。自分の情報に差異がないかを確かめるために。

 結論から言えば差異はないようだ。教授の知識を信じていなかったわけではないが確かめておくに越したことはないだろう。

 最も、悪魔視点の話ではあった。今こうして聞いていると教授がいかに第三者の客観的な知識を教えてくれたというのが分かる。

 部長も客観的に話しているのだろうが節々に悪魔よりのものが出ている。

 

 現在部室にいるのは、俺に部長、朱乃さん、祐斗、小猫だ。ちなみに全員から名前で呼ぶ了承を得ている。俺の方も名前で呼んでもいいと。俺だけ眷属ではないが、同じ部のメンバーなのだからこれくらいはいいだろう。

 イッセーは現在街中を自転車で走りながらチラシを配っている。イッセーの命を救ったあのチラシだ。

 いまどき魔法陣を書いて悪魔を呼ぶ人間はいないためこういったものを配っているそうだ。まるで宅配ピザのような感じだ。

 本来なら使い魔の仕事なのだが部長の方針で新人悪魔にはこの仕事をしてもらうそうだ。

 ほんと、会社の下働きみたいだ。もし俺が悪魔に転生してグレモリー眷属に入ったらやることになるのだろう。

 やっている内容が内容なだけに転生ではなく転職のように思える。

 

「部長!チラシ配り終わらせてきました!!」

 つまらないことを考えているとイッセーが勢い良く扉を開けて入ってきた。どうやら配り終えたようだ。

「お疲れ、イッセー。チラシ配りは今日で終わりよ」

「おおっし!ということは次から契約ですか!?」

「ええ、小猫に予約契約が2件入っているの。だから、片方をあなたにお願いするわ」

「・・・よろしくお願いします」

 どうやらイッセーも契約を取り始めるらしい。友人として不安ではあるが、部員には優しい部長が難しい契約を初心者であるイッセーに任せるとは思えないので大丈夫なはずだ。

「では、イッセーくん。魔法陣の中央へ来てください」

 朱乃さんい呼ばれイッセーが魔法陣の中央へ行く。部長も一緒に行く。

「イッセー。手を出してちょうだい」

「はい」

 そういうとイッセーは左手を出した。部長はイッセーの左の手のひらに指を走らせる。

「えっと・・・今のは?」

「刻印よ。グレモリーの眷属だと示すものであり、契約後ここに戻る魔法陣も組み込んであるわ」

 なるほど。マーキングのようなものか。それを道しるべに戻ってくるわけだ。

「朱乃、準備はいい?」

「はい、部長」

「イッセーも準備はいい?」

「大丈夫です!」

 イッセーは自身満々のようだが、俺は不安がぬぐえない。契約が取れるか等ではなくもっと別の不安が。

「いい返事ね。じゃあ、行ってきなさい!」

 部長が言うと同時に魔法陣が眩い光を放ちイッセーの姿が見えなくなる。

 そして、そこにはイッセーの姿が・・・あった。

 

「あ・・・あれ?」

 

 イッセーが唖然としている。

 小猫と朱乃さんはいつもと変わらない無表情と笑顔だが、祐斗は苦笑い、部長は頭に手を当てている。

 俺も部長と同様に頭に手をやり息を吐く。

「そんな気がしてた・・・」

「イッセー、あなた魔法陣で依頼主のもとに跳ぶことが出来ないみたいなの」

「へ?どうしてですか?」

 呆けた声を上げながら質問してくる。理由は単純だ。

「はっきり言うとあなたの魔力量が全くないのが原因ね」

「えっと・・・そんなことって有りえるんですか?」

「まず、有りえないわね。子供でも足りる量の魔力で十分だもの」

「ということは、イッセーの魔力量は子ども以下って事か・・・」

「・・・無様」

 少し安心した。悪魔は魔的な存在だ。魔力が無いなんてことがよくあったらそれはそれで困る。

 結構小さな声でつぶやいたはずなのだが、静かな部室では聞き取ることが出来たらしい。

 イッセーは俺と小猫の言葉が槍のように刺さり膝を折る。

「子ども以下って・・・そんな・・・」

「朔夜君はこうなることが分かっていたのかい?」

「予測はしてた。半人前とはいえ魔法使いを自称してるんだ。漠然な感じで魔力は量れる」

 今まで他人の力を量るなんてことはしたことがなかったため漠然とした感じでしか分からないが部員のメンバーの魔力は一応わかる。

 上から順に部長、朱乃さん、俺、小猫、祐斗、イッセーだ。俺と朱乃さん小猫の間は結構開いている。祐斗とイッセーの差もかなり開いている。俺は神器を使うのならトップに立つことはできるが。

 まぁ、法力と魔力は違う物だから比べていいのかわからんが。

「イッセー、依頼主を待たせるわけにはいかないわ。至急自転車で向かって頂戴」

「自転車って!そんな悪魔いったいどこにいるんですか!!」

「ここにいるな」

「・・・」

 イッセーの叫びについ反射的に返してしまい、小猫は横でイッセーを指さす。

「うわあぁあぁーーーーん!いってきまーっす!!」

 涙目になりながらイッセーが走り去る。

 

「悪魔っていつから宅配ピザになったんだ?」

「宅配ピザって・・・」

「・・・あれと一緒にしないでください」

 俺の言葉に祐斗は苦笑し小猫は辛辣な言葉を残す。

「今回のケースは前代未聞なことなのよ。あなたは大丈夫よね?」

「魔力の無い魔法使いは魔法使いとは呼ばないでしょう。それに神器にため込んでいる法力もあります」

 魔法が使えない時点で魔法使いとは呼ばないだろう。気というものがあるらしいがそれだと仙人だ。

「あなたの神器。イッセーに貸せないかしら?」

「いや、無理でしょう。それに万が一貸せたとしてもこれに入っているのは俺の法力。力が違うので結局転移は無理ですよ」

 その場で描くものならともかく固定に設置されている物。それもグレモリー家の眷属が使う魔法陣が俺の法力で動くとは思えない。

 とりあえず、イッセーの爵位への道は遠そうだ。消してハーレムとは言わない。

 

 

「そして、さりげなく俺を眷属として加えたていで話さないでください」

「あら、つれないわね」

 

 

 ◇◆◇

 

 

 その後、小猫は魔法陣でもう一人の依頼主のもとに向かい。残りのメンバーと悪魔の契約について話していた。

 聞いてみると各自に呼ばれる人間の傾向があるようだ。祐斗はお姉さん系の人だったり、朱乃さんだと家庭的な癒やしを求めている人。

 部長はよっぽどじゃないと呼ばれないみたいだ。

 そうなるとあの時、部長を呼び出したイッセーはさぞ強い願いだったのだろう。死ぬ間際の願いってやつだ。どんなことを思ったのか気になるな。『死にたくない』とかだろうか。

 話の途中で小猫が戻ってきたので、小猫にも聞いてみる。こっちは動物的癒しだったり、要はかわいい系を求めている人のようだ。

 イッセーが向かった依頼主についても聞いてみたが、なんというか変わった人みたいだ。小猫にコスプレをしてもらい、お姫様抱っこをする。しかも小猫『を』お姫様抱っこするのではなく。小猫『が』お姫様抱っこする。こんな小柄な子に抱っこされるのはさすがに恥ずかしいだろう。

 だが、そうするとイッセーは無事契約できるのだろうか。イッセーと小猫は性別をはじめいろいろ真逆だ。

 そう思っていると、部長の手元に紙が現れた。

「どうやらイッセーも終わったようね。どれどれ・・・」

「あらあら」

 紙を見るなり何とも言えない表情になる部長と、いつも通りの笑顔だが声が少し面白がっている朱乃さん。

「・・・また何かあったんですか?」

「見てもらった方が早いわね」

 そういうとみていた紙を俺に渡す。それはアンケートで契約についてどうだったか書かれるものだ。

 そしてこれはイッセーに対するアンケートだ。そこには

『楽しかった。こんなに楽しかったのは初めてです。イッセー君とはまた会いたいです。今度はいい契約をしたいです』

 と書かれていた。これを見る限りうまくいったように思えるが。

「ここまでいいことが書かれていながら契約は破談したみたいなのよ」

「・・・え?」

 賛辞をもらいながら破談。ならイッセーは何をやってここまで喜んでもらえたのだろうか・・・分からない。

「本来こう言ったことはよく?」

「あるわけないわ。これも前代未聞よ」

 どうやらイッセーは規格外らしい。今日一日で前代未聞を二度も行っている。

 部長もどうしたらいいか分からないようだ。悪魔は契約を取るもの。ただ破談したのなら次は頑張れとかもっとやりなさいとか励ますなり叱るなりする。

 しかし、依頼主からの評価は良かったのに破談となるとどう対応すればいいのか分からない。

「とりあえず、契約をしっかりと取るように注意しておきましょう。それにしても面白いわ。イッセーは意外性ナンバー1の悪魔ね」

 そう結論付けたところでイッセーが戻ってきた。

 

 

 ◇◆◇

 

 

 イッセーの注意が終わったところで今日の悪魔の部活動は終わりとなった。

 俺は帰る準備をしていると

「サクヤ。あなたの家に小猫と祐斗を住まわせたいのだけどいいかしら?」

 部長がそう聞いてきた。

「えっと、どうしてですか?」

 どうしていきなりそんなことを聞いたのだろうか?ここはグレモリー家が管理している土地だから住む場所はいくらでも確保できるだろう。まさか、学園を自由に使える。そして、完全に部長の根城と化している旧校舎に住んでいるとか?

「監視と護衛が目的よ」

 色々考えていると部長がそう答える。そういうことか。

「監視って、なんで!」

 イッセーがそう部長に詰め寄る。イッセーにはわかっていないようだ。

「イッセー落ち着け。俺がどういう位置にいるか考えたらわかる。

 俺は魔法使い。だが別にグレモリー家の眷属と契約をしているわけじゃない。

 しかし、俺はグレモリー家の縄張りにいる。要は不穏分子になるんだ。

 ここを管理している人として、それを監視するのは当然だ」

 俺自身、昔からここに住んでおり、そして元から魔法使いだったわけではない。だが、その辺りの事情は関係ない。

 無関係な魔法使いが領内にいるというのが監視理由なのだから。

「大体そんなところよ。まぁ、この部に所属しているのだから監視の方は十分なんだけどね。

 それに数日あなたとかかわってあなたの人柄はある程度わかったから監視も必要ないと思うのだけれど、管理者としては何かしら対応しとかないといけないから」

 俺もこの人たちとことを構える気なんてさらさらないからそう思ってくれるのは大変嬉しいことだ。

「それに二人を住まわせる主な理由は護衛よ」

「堕天使からですね?」

「正解」

 堕天使と接触していなかったらその必要もなかったのだろうが接触している以上狙われる恐れがある。イッセーはグレモリー家の眷属だからイッセーを狙うのはグレモリー家とことを構えることになり、ひいては悪魔全体とことを構えることになりかねない。そのためイッセーは安全だろう。だが俺は部長と繋がりがあるだけの無所属の個人だ。襲われても特に何も起きないため襲われておもおかしくない。

 本来なら部長がそこまでする気を回す必要はないのだろうが、そこは部長の優しさなのだろう。本当にありがたい。

「ならその好意、貰っておきます。しかし、祐斗は分かりますがなぜ小猫も?」

 祐斗は同じ男だし問題ないだろう。だが小猫は別だ。俺自身小猫に手を出す気は全く、微塵も、これっぽっちもないが、家族でもない男女が同じ家に住まうのは問題があると思う。

「あなたと小猫がもともと知り合いだったからその方がいいと思ったのよ。ちなみに二人が住むことは決定事項よ」

「なら住まわせたいと確認を取る必要ないじゃないですか」

「形式みたいなものよ」

 決定事項なら許可を取らずにすぐに言ってくれた方がよかった。もし拒否したらどうするつもりだったんだ。押し通すつもりだったんだろうな。

「わかりました。いつからですか?」

「今日からよ」

「いくらなんでも急すぎます!こっちにも準備がありますし、二人も準備が必要でしょう!」

「二人ならすでに準備万端よ」

 なら俺にも二人に指示を出した時に知らせてほしかった。後の祭りだが。

「はぁ・・・わかりました」

「あはは、よろしくね」

「・・・よろしくお願いします」

 二人が挨拶をする。二人も知っていたのなら何かしら知らせてくれても良いだろうに。いや、部長の指示で黙っておくように言われていたのだろう。

 溜息を吐きながら俺は杖を抜く。

「朔夜!!木場はともかく小猫ちゃんと同せグホッ!!」

 殴りかかってきたイッセーを迎撃する。

「それじゃあ、行くとしよう。イッセー帰るぞ」

「吹き飛ばしておいてそれは無いんじゃ?」

「正当防衛だろう。最初に殴ってきたのはあいつだ」

「・・・自業自得」

 これが俺たちの友情。

 

 

 ◇◆◇

 

 

 二人を連れて家まで帰る。

「・・・おっきい」

 小猫がそう呟く。確かに俺の自宅は豪邸と呼べるほどではないが結構でかいほうだろう。

 玄関を開け中に入る。

「ご両親は?」

「いない」

 祐斗の問いに俺は即答する。

「・・・どうして・・・?」

 小猫は聞こえない音量で呟いたのだろうが、回りがかなり静かだったため聞き取ることができた。

 聞こえてしまったし、どうせ知ることになるだろうから先に説明しておこう。

「4年前に電車の脱線事故があったのをしっているか?結構ニュースになったんだが」

「都市線での事故の事かな?僕はまだそのころは日本にいなかったから詳しくは知らないけど」

「・・・確か100人近い人が無くなった事故ですよね。先輩のご両親もその事故に?」

 祐斗はあまり知らないようだが、小猫は知っているようだ。連日報道されていたし、今でも事故があった季節になるとニュースになるしな。

「ああ、即死だった。急なことだったし、最初は実感がなかったんだが数日すると実感が湧いてきてな。その影響で神器を発現させて暴走。偶然居合わせた教授に助けてもらって弟子入りしたんだ」

「・・・ごめん」

「・・・すみません」

「いいって。こんな家に学生が一人暮らししてたら誰だって聞くことだ。それに俺自身ももう割り切ってるよ。

 まぁその後、父さんの祖父母の暮らす家に引き取られる予定だったんだが、この家を離れるのがいやでな。頼み込んでここに暮らしている。幸い、祖父母の家は自転車で行ける距離だったし。中学の時はここと祖父母の家を行き来する生活をしてた。」

 さすがに中学生が一人暮らしをするのは問題があったからな。

 家事だってろくにできなかったんだ。あの時に一人暮らしをしていたらどうなっていたことやら。

「裕福な家庭でもあったから、遺産もそれなりにあった。だから、高校を卒業できるまで暮らせる金もあった」

「・・・だったらどうして駒王学園に来たんですか?私立だから結構お金がかかると思います」

「特待生の制度で学費免除を使ってる。それなら公立に行くよりもさらに出費が抑えられる」

 俺が成績を維持しないといけない理由はこれだ。下手に落とすと特待生から外されてしまう。

「まぁ、こんなところだ。歓迎する立場としてあまり気が重くなる話はしたくないから、これで終わりだ。部屋に案内する」

「お願いするね」

「・・・話してくれてありがとうございます」

「ああ。っとこの部屋にはあまり入らないでくれ」

 俺はある一室の前でそう言う。

「この部屋は?」

「教授が使ってた部屋で今はほぼ書庫だ。それも魔法関係の」

「・・・魔法関係・・・ですか?」

 そこは教授が暮らしていた時に使っていた部屋だ。教授はいわば旅人で同じ場所に長く留まることはしないらしい。俺に魔法を教えていた時が最長の滞在期間だとも言っていた。

 その時に俺の教材用の本だったり、趣味で作った本だったりいろいろある。・・・その本を作るために1週間引き籠ったこともあった。

「朱乃さん辺りが興味を示しそうな場所だね」

「そうなのか?まぁ、入るなってわけじゃないし見たいのなら一言言ってくれれば見せる」

「魔法使いが研究成果を見せるのはどうかと思うけど・・・それに僕はそういうのはあまり分からないからいいよ」

「・・・私もです。ところでこっちの部屋はなんですか?雰囲気が違うのですが」

 そう言って小猫は別の部屋を指さす。

「ああ、あれは俺の魔法の練習部屋だ。教授が作った結界が張ってある」

 俺はその部屋を開けて二人に見せる。

「力が漏れないようにするものと、壊れないようにするものが張られている。俺は魔法を使う時は必ずここだったからな。だからお前たちが俺の存在に気付かなかったんだろう」

「すごい・・・こういったものは得意じゃないけど緻密に張られているのが分かる・・・」

 小猫も何も言わないが驚いているようだ。

 もう少し見せてやってもいいが時間が時間なだけに人間の俺は結構きつい。

「じゃあ、次に行くぞ」

「あ、うん」

 コクン。

 祐斗は返事をし、小猫も首を振る。

 そのほかも案内したが、あの二部屋以外は特に変わったものも無いのですぐに終わり、俺たちは各自の部屋で休んだ。




最初の予定では小猫のみを住まわせる予定だったのですが色々原作で確認しているときにあることを思ったので祐斗も住まわせることにしました。

ここまで読んでいただきありがとうございます。
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