ハイスクールD×D―魔法使いのキセキ―   作:Nation

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今回はミルたんとアーシアの登場です。

是非見ていってください。


第07話

 翌日の夜。悪魔の時間だ。

 朝に松田と元浜が殴りかかってきた。イッセーの時も殴りかかったんだ。予測できれば迎撃できる。

 それだけだ。決して女子が黄色い声を上げていたとか、そんなことはない。あるわけがない。

「・・・ちなみに、今そっち系の子たちの間では朔夜先輩を祐斗先輩とイッセー先輩を取り合っているのが流行りだそうです」

「必死に現実逃避をしているのにそんなこと言わないでくれ。そして、どうしてそんなこと知ってるんだ」

「・・・・・・朝いろいろ聞かれました。主に二人の関係について。その時に語られました」

 げんなりした感じに小猫が答える。そうか、お前も被害者か。すまない。

「そんなことは置いといて仕事の時間よ」

 そんなことで片付けてほしくないがどうしようもないため頭を切り替える。

 とは言っても悪魔の仕事なら俺が何かすることはないが。

「今日もイッセーに一件行ってほしいのだけれど、サクヤも一緒に行ってくれないかしら?」

「いいですけどどうしてですか?」

「イッセーのフォローをお願いしたいのよ。長い間イッセーと一緒にいたあなたならうまくフォローできると思うから」

 なるほど。確かに理由としてはもっともだ。だがおそらく

「それに悪魔の仕事について学べるでしょ?」

「・・・諦めると言っておきながら全くもって諦めてませんね・・・」

 普通にフォローするなら経験のない俺より先輩悪魔として他のメンバーの誰かがすべきだろう。

 それを俺に任せるということは勧誘目的の方が強そうだ。

「なんのことかしら?まぁ、あくまでフォローが目的だから基本はイッセーにやらせてね」

「わかりました」

「よし!じゃあ、行こうぜ朔夜!」

 

 

 ◇◆◇

 

 

 自転車で30分ぐらいで依頼主のもとに到着する。

 イッセーが呼び鈴を鳴らし反応を待つ。間近で見れば本当に宅配ピザにしか見えない。

 俺が呆れていると依頼主らしき人物の声が聞こえてきた

「あいてます。どうぞにょ」

 ・・・『にょ』?ふつうそんな語尾を使う人間、いや人外でもいないだろう。ましてやそれが野太い男性の声ならなおさらだ。きっとかんだだけだろう。そうであってくれ。

 イッセーが玄関を開け中に入る。そこには

 鍛え抜かれた筋骨隆々な圧倒的肉体。まさしく男、否、漢と呼ぶにふさわしい体だ。プロのボディビルダーですらここまでの体を持っている人は少ないだろう。その漢がどう見てもサイズがあってないゴスロリ衣装を着こんでいる。そして頭にはネコ耳・・・もはや言葉にならない。いやできない。

「あ・・・あの、悪魔、を召喚・・・しました、か?」

 イッセーがどうにかして言葉を紡ぐ。間違いであってほしい。

「そうだにょ。悪魔さんにお願いがあるにょ」

 どうやら間違いなかったようだ。そして本当に語尾が『にょ』のようだ・・・人の夢とは儚いものらしい。こうも叶わないとは。

「ミルたんを魔法少女にしてほしいにょ」

「異世界にでも転移してください!」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「っておい朔夜!しっかりしろ!!!」

 あまりの事に俺は意識を飛ばしていたようだ。いや有りえないだろう。

「異世界にはもういってきたにょ」

「いったのか・・・」

 もうその時点で魔法を使えているという事実に気が付いてほしい。そして自分がどうあがいても少女ではないという真理に気付いてほしい。

「朔夜!どうにかならないか。魔法使いだろ!?」

 ここで俺に振らないでくれ。

 途端、ミルたんは俺の方に向く。

「ミルたんにファンタジーなパワーをくださいにょーーー!!!」

 すごい勢いで叫ぶ。もはや音響兵器か魔法の類だ。空気が揺れている。

「わかった。俺たちが相談に乗るから」

「だから、落ち着いてくれ!!」

 俺とイッセーがなんとかなだめてミルたんが立ち直る。

「じゃあ、一緒に『魔法少女ミルキースパイラル7オルタナティブ』を視るにょ。そこから始まる魔法もあるにょ」

 そういうと俺たちは朝までアニメ鑑賞につき合わされた。

 

 

 ◇◆◇

 

 

 ミルたんとの契約の翌日、表の部活動があるが部長に頼んでイッセーとともに気分転換に出ている。

 なんせあの存在と朝まで共にしたうえで学校に出ていたんだ。休みが欲しい。

 ちなみに、見せられた魔法少女アニメは結構ためになった。熱い戦闘や涙ありのシナリオだったり、理論としてはめちゃくちゃだが魔法を作る上で参考になりそうなものも多かったため充実した時間となった。終始ミルたんの重圧があったが。

 見せられたアニメも『魔法少女ミルキースパイラル7オルタナティブ』だけでなく、ほかの魔法少女アニメもミルたんのおすすめシーンの抜粋で見た。抜粋されたものは戦闘シーンが多く本当にためになった。あのバインドとか再現出来たら使えそうだ。距離を置くためだったり詠唱時間を稼いだり。ちょっと試してみるものいいかもしれない。

 ミルたんの存在を消しながら昨日みたアニメについて思い出していると

「はう!」

 後ろから声が聞こえてきた。

 どうやらシスターが頭から転んだようだ。手を大きく広げ顔を地面に張り付けている。

「大丈夫っすか?」

 イッセーがその子のもとに駆け寄り手を差し出す。

 あいつは自分が悪魔で、シスターとは本来敵対関係だということをわかっているのだろうか?

 まぁ、理屈を無視するのがイッセー、理屈で考えるのが俺の役目だ。

 俺はイッセーの後ろに行き、シスターを警戒する。

 まだ、日中で人も見える場所で何かをしてくるとは思えないが警戒するに越したことはないだろう。

「ああ、すみません。ありがとうございます」

 声からして同じくらいだろうか。イッセーの手を取り立ち上がる。

 その時に風が吹き、シスターのヴェールが飛ばされる。

 反射的にそのヴェールをつかんだ俺は彼女の方を見る。

 そこにはまさしく金髪碧眼の美少女と呼ぶにふさわしい容姿があった。

「はい、これ」

「あ、ありがとうございます」

 俺はシスターにヴェールを渡す。それにしてもイッセーが静かだな。

「・・・どうかしましたか?」

 シスターも気になったのかイッセーに問いかける。

「ご、ごめん。えっと・・・」

 たじたじに答える。どうやら見とれていたようだ。確かに彼女はイッセーの理想の女子像にピッタリだ。

「旅行ですか?」

 俺はこけた時に投げてしまったであろう旅行鞄を見ながら質問する。

「いえ、今日からこの町の教会に赴任することになりまして・・・あなた方もこの町の方なのですね。これからよろしくお願いします」

 どうやら、彼女はイッセーが悪魔だという事には気づいていないようだ。

「ただ、道に迷ってしまいまして・・・尋ねようにも日本語がうまくしゃべることができなくって・・・」

 そうだ。今喋っているのは英語だ。イッセーは悪魔の力で英語のみならず世界中の言葉を話すことが出来る。こいつは自分は日本語で話しているだろうが彼女には英語に聞こえ、彼女の英語は日本語に聞こえているだろう。

 俺は普通に英語を聞き、英語で話している。英語は教授に仕込まれていて得意だ。もっともほかの言葉は無理だが。

「教会なら知ってるかも」

 イッセーがそう呟く。まさか、教会まで案内するつもりか。

「・・・おい、まさか案内するつもりか?自分が悪魔だということを忘れたか?」

「だからって、このままほっておけるかよ」

 俺たちは小声でやり取りをする。どうやらイッセーの中では案内することは決まってしまったようだ。

「本当ですか!ありがとうございます。これも主のおかげですね!」

 どうやら彼女の中でも決まってしまったようだ。

「はぁ・・・近くまでだ。教会が見える位置にまで案内したら戻るぞ」

「ああ、サンキュ」

 

 

 ◇◆◇

 

 

 教会まで向かう道の途中、一人の男の子が泣いていた。

「うわああぁぁーーーん!!」

「大丈夫?ともくん」

 どうやら転んで怪我をしたようだ。だが、母親らしき人もいるみたいだし大丈夫だろう。

 俺がそう思っていると、シスターは男の子のもとに駆け寄った。

「男の子が泣いてはダメですよ」

 そういいながら頭を撫でる。意味は通じていないだろうがその優しさにあふれる言葉を聞き男の子も落ち着く。

 一通り撫でたところで怪我をしている膝に手をかざす。

 すると淡い緑の光が現れ、その光が怪我を治している。

 その光に俺の神器が反応する。あれは部長たちが使う魔力でも、俺の使う魔法でもない。

 そして神器が反応しているということは、あれは彼女の神器なのだろう。

 数秒で傷が塞がり男の子が立ち上がる。隣に居た母親はシスターに頭を垂れるとすぐに男の子を連れて離れていく。

 少し離れたところで男の子が振り返り

「ありがとう!お姉ちゃん!」

 と礼を言った。

「ありがとう、だってさ」

 イッセーが通訳をすると彼女は微笑んだ。

「その力・・・」

「はい、神様から頂いた素敵な治癒の力です」

 イッセーの問いにそう返すが、その言葉はどこかさみしげに聞こえた。

 少し空気が重くなり言葉を交わさないまま道を進む。

 すると協会が見えてきた。

「あ、あそこです!よかったぁ」

 シスターは手に持つ地図を確認する。どうやらあそこであっているようだ。

「じゃあ、俺たちはここで」

 俺はすぐに立ち去ろうとするがシスターが呼び止める。

「ここまで連れてきてくれたお礼を教会で・・・」

「・・・ごめん、俺たちにも用事があるからさ」

 イッセーが答える。よく見ると少し震えているようだ。仕方ない。教会は悪魔にとって敵地。感じるものがあるのだろう。

「しかしそれでは・・・」

「俺は兵藤一誠。親しい奴は『イッセー』て呼ぶから『イッセー』でいいよ。君は?」

 このままではイタチごっこになると思ったんだろう。イッセーが話題を変える。

「アーシア・アルジェントと言います。アーシアって呼んで下さい」

 アーシアは笑顔で答える。

 この状況で俺だけ名乗らないわけにはいかないだろう。

「望月 朔夜だ。俺もサクヤでいい」

「イッセーさん。サクヤさん。よろしくお願いします。時間がある時に教会によって下さい。このお礼をしますから」

「分かった。じゃあまた」

「また会おう」

 そういって俺たちは分かれる。

 その約束を果たすことはできないだろう。

 

 

 ◇◆◇

 

 

「二度と教会に近づいちゃだめよ」

 アーシアを教会まで送った日の夜。

 イッセーは部長に注意を受けていた。むしろ、怒られていた。

「教会は私たち悪魔にとって敵地。踏み込めばそれだけで問題になるわ。今回はシスターを連れて行った厚意のおかげで見逃されたのだろうけど、いつ光の槍が飛んでくるかわからなかったのよ?」

 そこまでだったのか。どうやら俺も認識が甘かったようだ。近くまでなら大丈夫だろうと高を括ったが今回は運が良かったらしい。

「教会の関係者もダメよ。特に『悪魔祓い(エクソシスト)』は私たちの仇敵。神の祝福を受けた彼らは悪魔を消滅させることが出来る。神器所有者なら尚更。いつ死んでもおかしくないわ。」

「は、はい」

 悪魔祓い・・・悪魔を狩ることを生業とする人間。教会の武装集団みたいなものだ。神の祝福もそうだが、戦闘訓練も受けているはず。今のイッセーでは太刀打ちできるわけがない。俺建てどれくらいできるかわからない。

「悪魔祓いに殺された悪魔は無に帰る・・・無くなるのよ。これがどういう事かわかる?」

 無に帰すか。分かるわけがない。無いのだから。有るのなら知るすべはあるだろう。ましてや亡くなったことすらない俺が無くなることを想像することなんて。

「朔夜も居たのなら止めて頂戴」

「すみません。俺も認識が甘かったようです」

 今度からはもっと注意するとしよう。

「ごめんなさい。熱くなりすぎたようだわ。でも気を付けてね。それだけ危険だったのだから」

 部長が謝罪するが、それだけ俺たちが心配だったんだ。仕方ない。

 空気が重くなっているので少し軽くしてみよう。

「まぁ、言い訳させてもらえるのであれば、イッセーは決めたことはそう簡単に覆りませんよ。更にいうのなら注意すら忘れ突っ走る。それでどれだけ俺が苦労したことか」

 軽い口調でそんなことを言う。冗談のように聞こえるが事実である。

「ってまて!それだと俺がかなり迷惑をかけたみたいじゃないか!!」

「ほう、迷惑をかけてないと?自分の過去を振り返ってみろ」

「・・・なにかあったか?」

 目が泳いでいる。覚えているみたいだがスルーしようとしているのが分かる。

「なら思い出させてやる。あれは小学校三年の夏・・・」

「わぁああああああ!!!やめてくれ!!!」

 叫びながら俺の話を遮る。

「この話は嫌か。なら中学二年・・・」

「すまん!俺が悪かった!!だからやめてくれ!!!」

 土下座である。まぁ、自分の恥ずかしい過去なんて知られたくないし、ましてやそれを本人が聞くなんて貯まったもんじゃない。

「その話、すごく気になるわね」

「何があったんだい?」

「・・・気になります」

 他のメンバーは興味深々だ。だがもうやめておこう。

「まぁ、それはまたの機会に」

「そう、ざんねん」

 土下座までして話すなんて俺はそこまで外道ではない。状況によるが。

「ただ、少し気になることがあるんですが」

 空気が変わったところで少し話を戻す。

「何かしら?」

「今日案内した教会、ずいぶんと前に使われなくなっているんです」

「・・・それは本当?」

 部長の顔が険しくなる。

「ええ、昔肝試しに使ったことがあるくらいです」

 あそこは小学校に入る頃にはすでに使われなくなっていた。

「そう、少し調べてみるわ」

「お願いします」

 警戒するに越したことはないだろう。

「あらあら、お話は済みましたか?」

 朱乃さんが現れ、部長の側に行く。

「朱乃。何かあったの?」

 その問いに朱乃さんは表情を曇らせ答えた。

「はぐれ悪魔の討伐が大公より依頼されました」




次は戦闘シーンになります。うまく書けるか不安ですが頑張らせていただきます。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
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