IS~クロガネの意志   作:漆屋

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放課後・幼馴染との時間

「うう・・・」

放課後一夏は机にうなだれていた。

「い、意味がわからん・・・なんでこんなにややこしいんだ・・・?龍也はわかるか?」

「まぁ、なんとかな」

「そいつは、凄いな流石龍也だ、俺なんて全く意味がわからん」

まぁ其の筈教科書は兎に角専門用語の山それに辞書がないのだロボットの事なら兎も角事前に在る程度講習を受けていた俺だから今日の授業は付いてこれたけど何もしてない一夏では付いて行けないだろう。

それにしても放課後とは言え全く状況は変わらないな・・・また他学年・他クラスから押しかけ、きゃいきゃいと小声で話しかけている。

昼休みは凄かったな俺達が学食に移動すると全員付いてくるのだ。

学食に着いたら付いたでモーゼの海割のごとく道が開けるしあちこちから視線が飛びちょっとした珍獣扱いだ。

まぁドクターギルとの戦いの後も似たようなもんだが。

「ああ、織斑くん、黒鉄くん。まだ教室にいたんですね。よかったです。」

「「はい?」」

呼ばれると副担任の山田先生が書類を片手に立っていた。

「えっとですね。寮の部屋が決まりました。」

そう部屋の番号の書かれた紙と鍵を渡された。

そういえばこの学園は全寮制だったな。生徒すべてに寮生活を義務づけている。

これは将来有望なIS操縦者を保護するのが目的らしい。

まぁ未来の国防が関わっている事も在って学生のうちから勧誘する国が在っても可笑しくないだろう。

何処の国も優秀な操縦者の勧誘で必死だ。

それはマシンフレーム等のロボットパイロットにも言える。

実際俺もあっちこっちから勧誘が在ったくらいだ。

「俺達の部屋、決まってないんじゃなかったですか?前に聞いた話だと一週間は自宅から通学してもらう話でしたけど」

「そうなんですけど、事情が事情なので一時的な処置として部屋割を無理矢理変更したらしいです。・・・二人ともそのあたりの事政府からきいています?」

俺達に聞こえるように小声で言って来た。

政府というと日本政府だ。なにせ世界に前例のない二人の『男性IS操縦者』保護と監視も兼ねての事だろうそれに片方はこの俺、黒鉄龍也だ前回の事も在って政府としても何としてもと言うことだろうそれにアノ事も在るからな・・・・

あのニュースが流れてから俺や一夏の自宅には大勢のマスコミが押し寄せたり各国の大使が来た挙句の果てに遺伝子工学研究所の人間まで来てそりゃー大変だった。黒鉄研究所にも来たそうだ

ちなみに遺伝子工学研究所の人間には一郎博士の名をだしたら黙った。

「そう言うわけで、政府特命もあって、とにかく寮に入れるのを最優先したみたいです。一カ月もすれば個室の方も用意できますから、しばらく相部屋で我慢してください。」

「あのー、山田先生」

「はい、黒鉄くんなんですか?」

「相部屋なら俺と一夏を一緒にすればいいのでは?」

そう俺の紙に書かれているのは1024一夏のは1025部屋が違う。

「・・・・・そ、それは、解かりません」

「解かりませんて・・・・・・」

「っす、すみません、何せ急に決まった事なモノので」

そう言って謝る山田先生

「い、いや、別に責めてるわけではなくって・・・急に決まった事なら仕方ありませんよ」

「そ、そうですか?」

上目遣いで聞く山田先生

「はい」

悪いのは決めた人であって先生を責めるのはお角違いだ

「それじゃ荷物を取りに一回家に帰りますね。一夏もそれでいいよな?」

「ああ、良いぜ」

「あ、いえ、荷物なら・・・」

「私が手配しておいてやった。たありがたく思え」

とそこへ荷物を持った千冬さんが、流石千冬さん準備がいい

「ど、どうもありがとうございます・・・」

「まあ、生活必需品だけだがな。着替えと、携帯の充電器が在ればいいだろう」

流石千冬さん無駄が無い・・・・一夏頑張れ

「黒鉄の荷物も家の者が持ってきたから後で確認するといい」

そう言って俺の分の荷物を渡す千冬さん

「はい、ありがとうございます。」

「じゃあ、時間を見て部屋に言ってくださいね。夕食は六時から七時、寮の一年生専用食堂で取ってください。因みに各部屋にはシャワーがありますけど、大浴場もあります。学年ごとに使える時間は違いますけど・・・えっと、その織斑くんと黒鉄くんは今のとこ使えません」

そりゃそうだ行き成りの寮入りだ其処のとこはまだ準備が出来ていないのだろう。

「え、なんでですか?」

と、一夏が聞く

おいおい

「アホかお前は。まさか同世代の女子と一緒に風呂に入りたいのか?」

と、千冬さんが言う、全くその通りだ。

「あー・・・・・」

「あーじゃないぞ一夏普通そうだろう」

「おっ、織斑くんっ、女子とお風呂に入りたいんですか!?だっ、ダメですよ!」

「い、いや、入りたくないです。」

「ええっ?女の子に興味がないんですか!?そ、それはそれで問題のような・・・」

思わぬ事を言われる一夏

「・・・・黒鉄くんもそおなんですか?」

っと、俺もか・・・此処は慎重に答えねば

「っそ、そうですね俺も健全な男子なので興味が無いわけでは・・・実際皆さん魅力的なので今も緊張しています。」

こう言っておけば良いだろう

実際この学園の女性の容姿は可也のモノだ

「っそ、そんあー、魅力的何て・・・黒鉄くんさえ良ければ・・・」

何か言いだした。俺はみんなって言ったのにこの先生なに聞いているんだ。

すると今度は教室が騒がしくなった。

「織斑くん、男にしか興味がないのかしら・・・」

「それは、其れでいいわね・・・・黒鉄×織斑いや織斑×黒鉄」

「今日はずっと一緒だったしね」

「中学時代の交友関係を洗って!すぐにね!明後日までには裏付けておいて!」

話が可笑しな方にというか俺まで混ざっている。ちゃんと女子に興味があるて言ったぞ。

「「「・・・・」」」

「それでは、私たちは職員会議が在るから行くぞ」

「二人とも寄り道せずに部屋に行ってくださいね?」

そう言って二人はその場を後にした。

「・・・それじゃ行くか、一夏」

「・・・ああ、そうだな」

この学園には寮の他に整備室や開発室等の施設が在る

色々興味があるが此処は山田先生の言う通り部屋に行こう。

 

 

 

「1024・・・此処だな」

今俺たちは寮の割り当てられた部屋の前にいる

「・・・なぁ、一夏、山田先生は相部屋って言ってたよな?」

「ああぁ、そう言ってたな」

「となるとルームメイトは女子・・気をつけて対応しなければ・・・解かるな?」

「解かってるって、相手も行き成り男子と相部屋なんて戸惑うだろ。」

そう、先ほどの山田先生の言葉からするにこの相部屋の話は急に決まった事で在るからして相手は知らない可能性が大きいい

だから気をつけて対応しなければどのような反感を買うか解からない

「・・・それじゃ気をつけてな?」

「龍也もな」

そう言って俺たちは其々の部屋のドアを開けた

 

 

 

 

「すみません、今日から相部屋に為った黒鉄ですが。」

俺が部屋入ると水の流れる音がする。

音からするにシャワーの最中だろう。

ヤバイ下手に出てこられたら確実に騒ぎに為る。

此処は荷物を置いて一旦部屋を後にした方が良さそうだな

俺が荷物を置こうとするとシャワーの音が止み奥から女子が出てきた

それも、タオル一枚で・・・・

「同居人か?こんな恰好ですまないな・・・・・」

その声は聞き覚えのある声だ。

そして部屋の明かりが付く

俺の目に映ったのは長い黒髪の持ち主・・・今日久しぶりに在った幼馴染の片割れ八雲茜だった。

「私が同居人の八雲茜だ」

俺と茜の目が合う

「「・・・・・・」」

一時沈黙し

「・・・た、龍也ぁぁー、どどうして此処に!?」

「おお、落ち着け茜!!」

今茜はバスタオル一枚に濡れた身体、制服越しで目立たなかったが平均女子を上回る大きな胸

太ももには水が垂れ長い黒髪は濡れてより艶やかに正に水も滴る良い女

「み、見るなぁー!」

茜は近くに在った木刀を手に取り振り下げてきた

「おっと、あぶねぇー」

すかさず木刀を避け間合いを詰め茜の手を押さえ木刀を取り上げた。

「何をする!?」

「まあ、良いから落ち着け取り合えず服を着ろ」

「っは!?・・・・///」

俺がそう言うと茜は我に返り顔を赤くした。

「・・・取り合えず、俺は外に出ているからちゃんと体を拭いて服を着ろよ」

「・・・うん、解かった・・・」

俺は大人しくなった茜を後にして部屋を出た。

 

 

 

俺が部屋を出ると

「箒頼むあけてくれ~」

扉の前で訴えている一夏がいた。

一夏お前もか・・・・

「っあ、黒鉄くんだ」

「黒鉄君の部屋は織斑君の隣なんだ」

周囲には騒ぎに引き寄せられて次々と女子が集まっていた。

オイオイ皆女子寮だと言って無防備すぎないか?

下にズボンもスカートも履いてないコもいるし・・・ブラもつけていない。

正直目のやり場に困る。

「如何したの黒鉄くん?」

女子の一人が聞いてきた。

「あぁ、丁度同室のコがシャワー上りで着替え中だったから外で待っているんだ。」

「そうなんだ~。」

そうこうしていると一夏の部屋のドアが開いた。

出てきたのは剣道着を着た箒だ。

その髪は僅かに濡れている恐らく箒もシャワーを浴びていたのだろう。

何というか親戚同士行動が似ているなぁー

それにしても一夏の同居人は箒か・・・・俺と茜といい何か作為的なモノを感じる・・・・

「龍也か・・・・もしかして隣はお前か?」

俺の存在に気付いた箒が聞いてきた。

「あぁ、茜と同室だ。」

「・・・・そうか」

何か睨んだ顔で俺を見る箒

なんだ俺が何かしたか?

すると一夏が

「え?龍也、茜と同室か?」

「っま、そう言う事だ。」

そうしていると俺の部屋のドアから・・・・

「った龍也・・・・入っても良いぞ。」

「あぁ、分かった、今行く。」

「それじゃ二人ともまた後で」

「あぁ、またな、一夏行くぞ」

「っおぅ、それじゃ龍也」

二人は部屋に入って行った。

その扉には何故か穴が開いていたがあえて得それには触れないでおこう。

「それじゃ皆また」

と周囲の女子達に言い俺は部屋に入った。

部屋に入ると剣道着姿の茜がベットに座っていた。

急いで着たのか髪はまだ濡れている・・・・なんか今さっき同じ様な人を見たが其処は気にせず。

「さっきは、すまなかった」

「・・・・?」

突然の謝罪に俺は困惑した。

「っそ、その・・・幾ら気が動転してたからと言って木刀で殴ろうとした事だ・・・」

茜は顔を赤くしながら言う

「っあ!その事か、こっちこそタイミングが悪かったとは言えシャワー中に部屋に入ってすまなかった。」

こっちも誤ったそりゃそうだろう幾らタイミングが悪かったとは言え女の子のシャワー後を見て誤らない訳にはいかない。

「それで、お前が私の同居人なのか?」

「どうやら、そうらしい・・・・因みに隣の1025室は一夏と箒だ。」

「!?」

俺がそう言うと茜は驚いた顔をした。

幾らお互いが幼馴染でも出来過ぎている・・・・何か心当たりが在るような~気がする主に隣の身内に・・・

「ど、どういうつもりだ」

「ん?」

「どう言うつもりだと聞いているっ!男女7歳にして同衾せず!常識だろう!」

そりゃそうだ幾ら幼馴染とは言え男女が同室だなんて何処のラノベだよ!。

「お、お、お・・・・」

「お?」

「お前たちが希望したのか・・・・?私達の部屋にしろと・・・」

「あぁ・・・・それはだなぁー・・・・」

俺は茜にこれまでの経緯を説明した。

「・・・・そうか、それじゃぁ、仕方ない。」

茜は納得した様子だった何故か残念そうな顔をしていた。

「納得してくれて助かるよ。それじゃ今後の事についてだけど・・・」

俺たちは此れからの生活のの事について話し合った。

だってそうだろう?幾ら幼馴染でも最低限の線引きが必要だ。

「そう言えば、茜」

「何だ。」

「葵さんは如何している?元気か?」

「あぁ、葵姉さんは元気だ」

茜には姉で在る八雲葵さんがいる。

千冬さん達とは幼馴染で千冬さん達と同等の美人で俺のあこがれの人の一人だ。

葵さんとはおじいちゃんの葬式の時に四年ぶりに在ったがそれっきりだ。

あの時は不謹慎ながら美惚れてしまった。

「そうか、元気か良かった」

「そ、その・・・龍也!」

「ん?何だ茜?」

茜はさっきと変って何処か暗い表情だ。

「龍蔵さんの事は残念だったな・・・出来れば私も駈けつけたかったが・・・」

「あぁ、その事か・・・葵さんから聞いたよ丁度部活の合宿だったそうじゃないか、何も悪くないよ」

「っで!、でも私だって龍蔵さんには何かと世話に為った線香の一つもあげに行くべきだった。」

「そう思ってくれるだけで嬉しいよ、おじいちゃんもうかばれる。それに時期が悪かったアノ後直ぐにドクターギルとの戦いが始まって皆其れどこじゃ無かったよ・・・」

そう、ギルとの戦いの際俺と龍美は家ではなく研究所で暮らしていた。

それは、ギルの目的の一つがクロガネ研究所のテクノロジーとフォトニューム鉱石だからだ。

そして、世界に向けて宣言した世界征服の前にクロガネZを血祭りに上げると

その間何処にも手を出さない事と、捕えたIS操縦者の身の安全、そして従わない場合は報復すると。

その宣言の後各国で暴れていた破壊獣は退却し人々は安堵した。

それから半年に及ぶ激闘が始まった。

場所は富士山ふもと・・・そう言う事も在って俺たちは研究所で暮らす事に為った。

まんま、マジンガーZの展開だ。

 

「それにしても、驚いたよ箒だけじゃなく茜まで居るなんて」

多分だが箒の場合は束さんの妹という事も在って入学したのだろうが親戚筋とはいえ茜もいるとは世間は狭い

「・・・・それはだな・・・今だから言えるが、私の両親が国際警察の捜査官だということは覚えているだろう?」

「ぁぁあ・・・覚えているさ」

そう、茜達の両親は国際警察の捜査官でその道のプロ・・・よそには海外で働いているととうしているが俺と一夏、箒の限られた幼馴染しか知らない。

二人は捜査に殉職し残された葵さんと茜は海外の親戚に引き取られて引っ越した。

「その事も在って葵姉さんは今、捜査官として働いている」

「なぁ!初耳だぞそんなこと」

まさかあの葵さんが、捜査官だなんておじいちゃんの葬儀の時は公務員と言っていたけど。

「それで、私も訓練生として所属している」

「・・・・・マジで」

オイオイマジかよそう言えば近々国連と国際警察が合同で対テロ対策部隊を作るって刃さんが言っていたな。

それにISを導入するってことか・・・

「なるほど其れでISを学ぶために此処に来たということか」

珍しい事でもない現にここの生徒の中には一般人ではなく軍や企業等の機関に属してる人もいる

それ故に茜が居るのに納得する。

様は例の部隊の訓練生ということだ。

「それじゃ茜は国際警察官か凄いなぁー」

「///・・・・まだ訓練生だがな」

茜は顔を赤くした

「其れでも凄いと思うぞ今は女性だからと優遇されがちだがこういうのは実力が無ければ務まらない正直尊敬するぞ」

「///・・・そう言う龍也方こそロボットのパイロットとして有名じゃないかテレビで何度も見たぞ」

「そうか?」

そう言えばさっきも言っていたなテレビで見たって・・・・そうか・・・見ててくれたか

六年間連絡も取れなかった幼馴染が見ててくれていたという事に俺は嬉しく思った。

「茜」

「!!!、何だ龍也」

「此れからもよろしくな」

「・・・ぁぁあよろしく頼む」

 

こうしてIS学園の初日が終わった。

 

 

 

 


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