IS~クロガネの意志 作:漆屋
私には幼馴染が3人いる。
篠ノ之箒と織斑一夏そして黒鉄龍也
昔は三人一緒に仲良く遊んだものだ。
遠縁筋の箒は一夏に気があるようだ。
かという私は龍也の事が好きだ。
龍也はとても強くて優しい私が他の男子にいじめられた時は直ぐに庇ってくれて大人にも動じず尚且つ努力家だ。
家が高名な科学者の家で彼は家の名に恥じぬように努力を重ねていた。
剣道の腕も立ち私は常に圧倒されて私も負けじと努力した。
私の両親は国際警察の捜査官そのせいでよく家を開けがちだった家に居るのは10歳年の離れた姉だけだ。
そう言う事も在ってかよく遠縁の篠ノ之家に預けられた時も在った。
正直さびしい時期も在ったがよく龍也が遊びに来てくれてそうでもなかった。
姉も両親も龍也の事は気に入っており私は満更でもなかった。
唯一不満があるとすれば龍也は私や箒、一夏の姉三人に気があると言う事だ。
一人だけならいざ知らず三人もとは不埒にも程がある。
だが其れでも私の事をしっかりと見ていてくれ余り強く言う事が出来なかったが。
それでも、充実していた私の日々が終わった。
六年前に、まず箒の姉篠ノ之束が失踪した。
それにより、箒の一家は保護プログラムのもと引っ越さざるおえなくなった。
そして、有る事件を追っていた両親の殉職
これによって親戚の家に引き取られる名目で国際警察に保護されるという形で引き取られた。
正直両親を失った悲しみと龍也と引き裂かれる事に私は絶望した。
だが、引っ越しの当日龍也が言ってくれたあの言葉が在ったからこそ今日の私がある。
「また会おうな、茜」
また会おうな、茜 たったそれだけでも私は救われた。そうまた会えるそう信じて私は生きてきた。
そして、また会う龍也に恥じぬように一生懸命努力した。
髪型もそれからも変えていないまた会った時に気付いてもらう為だ。
この六年の間手紙を出す事も儘ならず龍也の姿をみる事が出来たのはテレビでだ。
世界ロボット選手権龍也は最年少でこの大会に出場し見事優勝を果たしたのだ。
その時インタビューの際龍也が言ってくれた言葉が私に更なる希望をもたらしてくれたのだ。
「茜、箒、葵さん、束さん見てるか俺、勝ったよ」
嬉しかった。龍也は私の事を思ってくれているそのことがなにより嬉しかった。
私は両親と同じ国際捜査官に為るべく鍛錬にいそしんだ。
そうして行くうちに月日が流れあの事件が起こった。
龍也の祖父龍蔵博士の死だ。そして始まった。ドクターギルの侵略。
龍也に言わなかったが両親はギルを追っていて殉職した。言わばギルが両親の仇
龍也は両親の仇を取ってくれた様なモノだ。
だけどそんな、龍也に対して世界はあんまりな事をした。
十年前に在った龍也の両親の事故は一部の権力者による故意に起こされたものだった
当時は調査の結果、故意に起こされたモノだと言うことは解かったが実行犯は変死体で発見され真相は闇の中だった。事故が故意のモノで有ると解かるまではマスコミや政治家に可也叩かれたらしい
そして、その事故に巻き込まれた龍也は両親の死を目の前にし自身も瀕死の重傷を負った。
当時でも思い出すその姿は目をそらすほど酷い状態だった。
幸いと言っても良いのかそこが世界最高峰の科学技術を持つクロガネ研究所だ無論医療もずば抜けていた。
その甲斐あって短期間で龍也の体は傷一つ無く治った・・・そう体は
龍也は記憶を失くしていた家族の事両親の事自分の事を含む全ての事を無論私の事も忘れており何処か魂が抜けたような状態だった医者が言うには脳に異常も外傷もなく原因は精神的なモノだとの事だ。
当時私は龍也の記憶を戻そうとみんなと必死になった・・・それでも龍也の記憶は戻らなかった。
だが当の龍也はそれを気にせず周りに気丈に振舞ったそこからだろう今の龍也の始まりは。
そして一年半前の龍蔵博士の死これもまた権力者によるもので世界中のあらゆる技術に関わる博士を危険視してのことだ。
十年前と一年半前の二つの事件はどれも自分たちの利権をめぐっての権力者の身勝手極まりない事だ。
その上で起こったギルの事件・・・龍也は龍蔵さんの残したクロガネZでギルの破壊獣の軍団相手に一体で立ち向かった。そして、半年の激闘で見事勝利を収めた、龍也は英雄に為るはずだった。
龍蔵さん達の事件のことで龍也の報復を恐れた権力者達が龍也を悪者に仕立て出したのだ。
メディアを使って有ることない事を言いだし、更には龍也や研究所の人達の縁者を盾に脅しを掛けてきたのだ。
だが、連中は詰めが甘かった何の前触れもなく世界の為に闘った者を何も出来なかった者が悪者扱いしても懸命に闘っていた姿を見ていた人々は信じなかった、そして龍也達に脅しを掛けていたことは一部始終世界中に放映され政府は信用を失う結果に為った。
そして、軍隊を嗾けたがことごとく惨敗、最終的に龍也達に平伏せざるおえなくなった。
無論国際警察も動いていたが事態はあっという間に終わってしまった。
そして、今に至る。
今私の隣のベットに寝ているのが龍也だ。
六年ぶりにあった幼馴染が直ぐそこにいる。
改めてみると昔より大人びており・・・・恰好よくなった幼馴染
体つきも六年前取りも男らしくなっており
クラスの女子達も見惚れていたほどだ。
IS学園に入ることはニュースでもしっていたがまさか同じクラスでしかも同じ部屋
「龍也」
「ん?何だ茜?」
思わず呟くと龍也が返事をする。
「い、いや呼んでみただけだ」
「そうか。それにしても茜が同室でよかった」
「な、何を言っている!?///」
「だってそうだろう?下手に知らない女子よりも幼馴染の茜だと安心するよ。」
「っそ、そうか?・・・そういうものか」
私だと安心か・・・
龍也安心しろ何が有っても私が側にいる。