SAO 〜short stories〜 作:hukurokouzi
注意 : 世界観はゲームに則っています。
in ALO
「ハァーッ!」
「テヤーッ!」
ここは、ALOのとあるフィールド。
今は俺、キリトと《絶剣》の異名をとるユウキとのデュエルの真っ最中である。
「はぁ!ッ…さすが、キリトだね!じゃあこれはどう!」
ユウキのその小柄な体躯からは考えれらないほどの力を受け流し答える。
「そっちこそ、使ってまだ日が浅いとは思えないコンボだ!ッと!」
へへん!と元気に答えるユウキと、なぜデュエルをすることになったのか?それは少し前にさかのぼる。
〜〜〜
少し前
「おし!これくらいあれば大丈夫だろう」
クエストを周回し、目的だった武器の強化素材集めも十分な量に達し、時間を確認する。ちなみに、ALOでの時間は現実の時間と同期してるわけではないので、確認するのは現実の時間だ。
(まだ夕飯まで時間があるし、今から鍛冶屋へ行くとするか)
カラン、カラン。と来客を知らせるベルが鳴り、俺を向かい入れた鍛冶屋は、仲の良いピンク髪のメイス使いが経営するリズベット武具店という場所だ。
「リズベット武具店にようこそ!ってなんだキリトじゃない」
なんだとはなんだ、とリズベット武具店の支配人であるリズに言い返そうとするが、そこにいた第三者の声にそれを止める。
「あ、キリト!こんにちは!キリトも武器作成?」
入った時には気づかなかったが、そこにはALO最強プレイヤーと名高いユウキがいた。
「こんにちは、ユウキ。いや、俺は武器強化だよ。ということで、リズ。強化を頼む。」
よし、任せて!と張り切るリズに、必要な素材とユルドを渡し、気になることを言っていたユウキに質問する。
「そういえば、ユウキ新しい武器を作るのか?片手剣ならこの前、良い剣ができたーって話してたじゃないか」
確か、黒が基調の細い片手剣だったはずだ。
「うん、片手剣は今ので満足してるんだけどさ…」
「ん、ならどうしてだ?」
ユウキが答える。
「この前さ、フィリアとシリカと一緒にクエストに行ったんだけど、2人が使ってるダガーがなんだか面白そうで、僕もなんだか使いたくなっちゃってね。その後何回か使ってたらどんどんハマってきちゃってさ!」
ほー、ユウキがダガーか。なんだか珍しい組み合わせだな。あ!そうか。
「なるほど、だからダガーのコーナーの前に居たのか。」
いつも俺は片手剣のコーナーくらいしか見ないから、入った時は気づかなかったのか。
「うん、そうなんだ!ドロップ品でお試ししてたんだけど、そろそろこれじゃ物足りなくなってきちゃってね!…あ、これ良いかも!リズーこれくーださい!」
ダガーを使うユウキか…ちょっと戦ってみたいな。
「ユウキ、これから時間あるか?」
どうやら、俺の武器の強化も成功したようで剣を受け取り、ユウキがダガーのお会計をしているところに話しかける。
「え?うん、これからダガーの練習でもしようかなーって思ってたところだけど、時間なら平気だよ?」
無事ダガーを入手し、嬉しそうなユウキが答える。
「そうか、ならちょうど良いな!これから練習も兼ねて、デュエルしないか?もちろん慣れるまで協力もするぜ!」
ちょっと、いきなりだったかな?と思うが、戦闘に関しては似た考えを持っているユウキなら受けてくれるはずとはんば、確信しながら提案する。
「ホント!?僕もちょっとモンスター相手は飽きてきたなーって思ってたところなんだ!」
やっぱりこういうところは似てるかもな、と過去に、SAOでは《閃光》、ALOでは《バーサークヒーラー》と呼ばれるレイピア使いに言われたことを思い出しながら、さらに提案を続ける。
「おし!それじゃあ、フィリアとシリカも呼ばないか?あの2人ならもっと実践的なアドバイスもしてくれるだろうし」
うん、僕は構わないよ!とユウキが答える。
そこで今まで、このバトルジャンキー共め…と呆れ顔をして居たリズが気づいたように言う。
「フィリアは分からないけど、シリカは今日用事があるからINできないって言ってたわよ」
そうか、と答え。フィリアにメッセージを送り、それじゃあそろそろフィールドにでるか!とユウキに声をかける。
「キリトとのデュエルも久しぶりだね。ダガーだけど、僕は負ける気はないよ…?」
と挑戦的な目をしたユウキが答える。
「あぁ!もちろん俺も、ユウキ相手に手を抜く気はさらさらないぜ!」
〜〜〜
現在に戻る
「これならどうだ!」
「負けないよ!えい!」
あの後、すぐにフィールドに出た俺たちは、フィリアが参加する旨を確認した後、場所を教え、モンスターとの戦闘もそこそこに、すぐにデュエルを始めた。最初はプレイヤーとの戦闘に慣れていないユウキだったが、すぐに持ち前の戦闘感を存分に発揮し、ついには片手剣(お互いスキルは使用していないが)の俺の攻撃にも対応してきており、そろそろスキルを使用可にするかと思っていると、おーい、とユウキとは違う女声が聞こえたので戦闘を中断する。
「あ!こんにちは!フィリア!今日はよろしくね!」
「おっす、フィリア!少し遅かったな」
なにか、用事があったのか?と尋ねる。
「もう!違うよ!キリト達が、思ってたより遠くにいたから探すのに時間がかかっちゃったの!」
え、そんなに遠くに来てたのか?そういえば、戦闘中結構移動してたかも…と今更ながら思い、謝る。
「ゴメン、フィリア。戦闘に夢中になってて気づかなかったよ…」
ユウキも謝る。
「僕も気づかなくて、ごめんねフィリア。」
「うん、今度は気をつけてよね?…ふふっ、本当に2人は 似た者同士よね。」
どうやら、許してくれたフィリアが笑いながら言う。
「そういえば、アスナにも言われたよ。僕とキリトが似てるって。そんなに似てるかなー?」
ユウキが首を傾げながら答える。
うーん、俺も戦闘が好きっていうのは似てるとは思ってるけど、他で似てるとは思ったことないなぁ。
「まぁ、本人達は思わないかもだけど、私からみたら2人は似た者同士に見えるなー」
俺とユウキを見比べながらフィリアが答える。
「特に、戦ってる時の楽しそうな顔はよく似てると思うな。キリトにはリーファがいるけど、なんだかユウキと兄妹って言われても納得できちゃいそう!」
ほー、そんな風に見えてるのか…と思っているとユウキがニヤっとしてこっちを見る。
「そうなんだ〜……じゃあキリトは僕の“おにぃちゃん”ってことになるのかな…?」
うっ、リーファ以外に言われるとなんだかむず痒いな…。
「あれ?なんかキリト照れてる?」
と、フィリアもからかってくる。
この流れはヤバイ…!となんとか打開策をさがしていると。ユウキが立て続けに言う。
「おにぃちゃん、僕お腹すいてきちゃったな〜?」
そこに、フィリアも悪ノリを始める。
「ほら、お兄ちゃん!妹がお腹すいたって!」
「おにぃちゃん!僕、新しい防具欲しいなぁ〜?」
「ほら、お兄ちゃん!妹が新しい防具が欲しいって!」
「か、勘弁してくれ…」
この後、謎のお兄ちゃんブームが到来し、リズ、シリカ。挙げ句の果てには、シノンやアスナまでもがからかってきたのはまた別の話である。
どうでしたか?評価をお待ちしております。