Roselia 短編集   作:最弱氏

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3回目♪
注意 これはみさかのんが中心です。りんさよはちょっとしか入ってません。


あなたの側にいるだけで幸せです

「ああ、怠い…」

 

カーテンの隙間から映る日差しにあたしは悪態を吐く。

なんで、こう….朝は身体が重たいのですかね?

まあ、仕方ないですからね、なんたってあたしは"吸血鬼"なんだから。

この世界には、私たちみたいな吸血鬼が存在する。

まあ、あたしもその1人なんだけど…。

うちの高校にも吸血鬼はいるし、クラスにも何人かいる。

私は重たい体を起こし、顔を洗い行く。

洗面所で顔を洗い、眠気を吹き飛ばすと今日の朝ご飯をどうするか、決めてなかった。

両親は恐らく仕事に行ってる。

妹の朝食はもう作っているだろう。

それと学校にも行っているだろう。

だって、妹は人間だからだ。

父さんが吸血鬼で母さんが人間なんだ、うちは。

まあ、こんな堅苦しい話はやめて、政府から支給される血液パックでも飲みますか。

あたしは冷蔵庫から血液パックを取り出し、ストローを中に刺し、飲む。それから、着替えて学校に行く準備をする。

この血液パックは薬屋や病院などで貰うことが出来る血液だ。種類というか、血液型とかには別れていないからね?でもこの血液パックは本当の血ではない。調合や配合などで作られた擬人血液ーーー所詮、人工物だ。味はこれと言っていいものではない。しかし、気にいる人はいる。あたしは結構、気に入っている。

実質、この血液パックに合う人と合わない人もいる。

合う人はそのまま人の血とこの血液パックで生きている。合わない人は血液パックを飲んで、数時間で拒絶反応や気分が悪くなり、吐いてしまう。

人の血でしか、生きられない。しかし、あたし達吸血鬼も普通のご飯で栄養補給などを出来る。

しかし、甘い匂いや肌、頸、首などを見せられたら性的に興奮し、吸血衝動を起こすこともある。

また、吸血鬼には血を分け与えてくれる生涯のパートナーがいるとその人血しか吸えない身体になってしまう。

あたしもその一人なのだが、普通に血液パックを飲んでいる。

 

「……今日の、なんか不味いな…」

 

いつもなら少し苦味があるが、ブラックコーヒーみたいで味もいいのだが何故か不味かった。

そんなことを思いながら、私は玄関のドアを開けた。

開けた瞬間、強い日差しに身体が触れると灰になる〜ってことはないけど、怠い。

いや、正直に言うけど本当に怠い。

あたしはフードを被る。

 

「ああー、怠い…熱い…溶ける…灰になる…」

 

あたしは通学路を歩きながら、そんなことを言う。あたしの制服は少し特殊……というか、吸血鬼のみんなは殆どの人がフード付きの制服を着ている。日差しを少しでも避ける為でもある。

いつもの通学路を歩いてると何もないと思いがちだが、なにかと新しいこともある。

 

「あっ、こんなとこに新しいお店出来たんだ…」

 

そんなことを言いながら、あたしは学校に着く。

下駄箱に靴を入れ、上履きに履き替える。

教室に着くと知っているクラスメイトがいた。

 

「あっ、おはよう市ヶ谷さん」

 

「んっ、おはようー」

 

市ヶ谷有咲ーーーあたしと同じ吸血鬼で、全クラスでトップの成績を持つ人だ。

机にうなだれ、血液パックに指したストローを飲んでいる。彼女もパートナーがいるのだが、あんまり血を吸わない。

彼女の体のことを心配しているのかもしれない。

パートナーの血を吸っているため、血液パックとは相性が最悪なのである。

まあ、飲むとつい加減を忘れちゃうからね。

 

「大丈夫?」

 

「これのどこをどう見て、大丈夫に見える?」

 

「あははっ、そうだね…。やっぱり心配なの?」

 

「ん?まあ、な…」

 

「そっか……。授業中に吐かないでね?」

 

「吐かねぇよ!」

 

 

市ヶ谷さんがそういうと、あたしは席を立ち、HRまで時間があるので、とある人物に会いにある教室に向かうが、いなかったのできっと、あの場所かな?と思い、とある場所に向かった。

とある場所とは、中等部にある飼育小屋。

ここには、うさぎを何羽が飼っており、また飼育している。

あたしは飼育小屋に着くと、案の定その人物はうさぎと戯れていた。

 

「花音さん、おはようございます」

 

「あっ、美咲ちゃん!おはよう〜」

 

とある人物というのは、あたしの一個上の先輩である松原花音さん。ちなみにあたしのパートナー兼恋人でもあります。

 

「今日は何をしに、来たんですか?」

 

「今日は、ちょっと気になることがあって」

 

「気になること?」

 

「うん…」

 

花音さんが大抵、ここに来る時は何か悩み事がある時だ。最初、あたしも何を言ってるのか、さっぱりだったけど恋人になって、パートナーになって、わかってきた。

あたしは花音さんの悩みを聞くことにした。

 

「実は、燐子ちゃんから相談受けちゃって」

 

「燐子先輩から?」

 

燐子先輩ーーー本名は白金燐子で花音さんと同じクラスでよく話している先輩だ。

 

「うん…その、紗夜ちゃんが血を吸ってくれなくて、いつも苦しいそうにしている紗夜ちゃんを見るのが辛いって」

 

「あの…クソ真面目先輩が…」

 

あたしは悪態をついた。

紗夜ちゃんーーー本名は氷川紗夜。この花咲川女学院で風紀委員に所属しており、また全クラスから『鬼の風紀委員』と呼ばれている有名人であたしと同じ吸血鬼の先輩である。また、なにかとウマが合うのか合わないのか、境界線のような関係だ。

そして、燐子先輩と紗夜先輩は恋人同士であり、またパートナーでもある。

しかし、紗夜先輩は恋人である燐子先輩の血を吸わないそうだ。

理由はなんとなく察しはつく。

しかし、あの人は血液パックとの相性は超絶最悪だった筈。それに、パーカーを着ている両袖の方には恐らく自分で噛み付いた傷がある。

血の匂いでわかるしね。

 

「なるほど…。それで、花音さんはどうしたいですか?」

 

「私は、二人が仲良くなってほしい。苦しい表情を見るのは辛いから…」

 

花音さんの表情は少し暗くなる。

しかし、あたしはそこに惹かれてしまう。

 

「……いいですよ、その悩みすぐに解決出来ると思いますよ?」

 

「ほんとっ!」

 

「はい、燐子先輩に伝えといて下さい。3時間目の授業が終わった少し後に二階の使われいない教室に来てくださいと、あっ、それと恐らく4時間目の授業には間に合わないと思うので、先生になにかと理由をお願いします」

 

「うんっ!わかった、美咲ちゃん!ほんとっ、ありがとうね!」

 

「ッ…!?…ぐっ…!」

 

彼女の嬉しい表情とそこから見える首と甘い匂い、そしてなによりお礼の言葉とあなたの笑顔があたしの心臓にドクンッ!と鼓動を感じた。

吸血衝動だ。そして、あたしは全理性を持って吸血衝動を抑える。今、ここで花音さんを襲えば確実に保てなくる。

眼の色が真紅に変わり、彼女の血を吸いたい。飲みたい。犯したい。傷つけたい。あたしのものという証をつけたい。というような感情が生まれる。

が、流石はあたしの理性、どうにか治った。

 

「はぁ…、花音さん。そろそろHRの時間になるので教室に戻りましょう?」

 

「えっ……?あっ、本当だ」

 

時計の針を見たとき、あと少ししたらHRが始まってしまう。飼育小屋の鍵を閉め、職員室に届けるまではいいが、恐らく間に合わない。

遅刻したら、めんどくさいからあたしは力を使うことにした。

 

「花音さん、少し眼を瞑っていて下さい」

 

「う、うん…」

 

あたしは花音さんに近づき、力を使った。

あたしの周りに黒い霧が現れ、あたしと花音さんを包んで行く。これがあたしの力。吸血鬼は色んな力を持っている。その力は人に危害加えるほどの力を持つ為、あんまり使っちゃいけないんだけど、あたしのは普通だからいいんだ。

あたしの力は黒い霧で気配を消すっていう力。

これはなにかと便利なんだよね。

そして、全身が包まれた瞬間、あたしと花音さんはその場にいない。

眼を開けると、花音さんの教室の前に着いた。

 

「着きましたよ、花音さん」

 

「うんっ、ありがとうね美咲ちゃん」

 

「いえいえ、お姫様の為のですから」

 

あたしはそういうと、クルッと回り、その場から自分の教室へ戻った。

HRには無事、間に合いました。

 

 

 

 

 

 

3時間目の授業が終わったと同時にあたしは教室を出て、トイレに向かった。

トイレといっても、二年生が使うトイレだ。

あそこにクソ真面目な先輩がいる。

次の授業の先生に調子が悪いので保健室に行ってますと伝え、あたしはトイレに向かった。

気配を消す為、黒い霧に包まれ、中に入る。

入ると、彼女はいた。

 

「ぐっ、うっ……おぇ……」

 

誰もいない個室で吐いていた。

それもそのはずだ。先程も説明したけど、紗夜先輩と血液パックとの相性は超絶最悪だ。

吐くのも無理はない。

ひとしきり吐いて気持ち悪くなった口を洗う為、手洗い場に向かっていった。

その時の表情は苦しいと辛いの表情だった。

あたしはそれを見ていると、ふいっに彼女の動きが止まった。

あっ、これは……。

 

 

「……なんのようですか、美咲さん」

 

『ありゃあ?分かちゃいますか?』

 

どうやら、バレていたようだ。

紗夜先輩は弓道部にも入っている為、視野の広さが半端じゃないんです。まあ、吸血鬼としての力かもしれませんが、広範囲にいる人の気配まで読めるとかなんとか?

 

「いや〜、紗夜先輩は本当に気配察知が鋭いですね〜。驚きですよー」

 

「……なにをしているの?貴方、今授業中の筈よ?」

 

「それをそっくりそのまま返しますよ。それに、また血液パックで凌いだんですか?血液パックとの相性は最悪でしたよ?」

 

「………五月蝿いわね」

 

これじゃあ、拉致があかないかもしれない。

ひとまずひと気のない場所で話したい。

 

「とりあえず、授業に出るのは難しいので少し話をしませんか?」

 

「…別にいいですよ」

 

「それじゃあ、行きましょうか?」

 

あたしは紗夜さんに近づき、黒い霧に包む。

あたしと紗夜さんは日の当たらない空いた教室へとやってきた。

ちなみに言いますが、燐子先輩に指定した空き教室なので。内緒でお願いします。

適当に座りとあたしは本題に入ることにした。

 

 

「いつまで我慢をする気ですか?紗夜先輩」

 

「…何を言っているのか分からないわね。美咲さん」

 

「惚けなくていいですよ、貴方と燐子先輩についてですよ」

 

「………」

 

「パートナーであり恋人の燐子先輩の血をなんで吸わないんですか?」

 

「……」

 

あたしは紗夜先輩に語りかける。

挑発紛いなことをいい、本心を暴く。

 

「あれですか?燐子先輩がドジだからですか?」

 

「……」

 

「それとも、なんですか?人見知りな燐子先輩が邪魔だからですか?もしくは血を吸ったら、彼女は倒れしまうからですか?」

 

「……れ」

 

「じゃあ、あれですか?燐子先輩が他の人取られていいんですか?」

 

「…まれ」

 

 

「あっ、じゃあこうしましょう?」

 

「……」

 

「燐子先輩の血があたしが飲んで上げますよ?貴方のめ…「黙れ!!!!!!!!!」…」

 

と、言いかけた時、彼女の手があたしの胸ぐらを掴み、そして無数の漆黒の矢があたしに向けられていた。

彼女の瞳は深紅色に染まり、あたしを睨みつけ、今にでもお前を殺すと訴えてかけている。

 

「貴方、今自分が何を言ったか分かっていってるのかしら?燐子の血を私の目の前で吸うですって、ふざけるのもいい加減にしなさい!さっきから聞いていれば、燐子の悪口を結構言ってくれたわね!それ以上、そんなことを言ってみなさい。貴方の身体をバラバラにしてやるわ!燐子は私のものよ!!!」

 

 

と、彼女はいった。

なんだ、ちゃんと言えるじゃないですか。

 

「ちゃんと大事にしてるじゃないですか。これで安心ですね、燐子先輩」

 

「えっ……」

 

紗夜先輩が後ろに振り向くと、教室のドアを開けて立っていた燐子先輩。予定通りに行ってよかったよ。

紗夜先輩は胸ぐらを掴んでいた腕を緩め、燐子さんを見つめた。

 

「り、んこ……なんで……」

 

「……燐子先輩は貴方のことを心配していたんですよ。いつも苦しそうにしている姿を見て、どうして私の血を吸ってくれないのか?どうにかできないかと花音さんに相談して来たんだそうです」

 

「美咲ちゃん……ありがとう……」

 

「いえいえ、これも花音さんの頼みですし、それに先輩からの依頼ですから。それじゃあ、あたしはこれで。あとはごゆっくり♪」

 

「あっ、ちょっと美咲さん!」

 

あたしはそういうと、その場から姿を消した。

紗夜先輩があたしを呼び止めようとしたけど、あたしはその場にいなかった。

 

 

 

 

 

「はははっ、そういうことかー」

 

あたしは屋上で笑った。

えっ、授業?そんなのどうでもいいよ。

 

「そっか、あたしももう血液パックが拒絶してきてんだねー。そりゃ、今朝の血液パックが不味いわけだよ」

 

そう。なんで、今日朝飲んだ血液パックが不味かったのか、やっと理解出来た。

合わなかったのだ。いや、正しくは合わなくなってきたというべきだろう。

あたしはもう花音さんの血しか飲めない。

ああー、そう考えたら花音さんの血が欲しくなってきたよ。

と、思っていると屋上のドアが開かれた。

 

「美咲ちゃん……ここにいるの?」

 

「あっ、花音さん…」

 

「あっ、美咲ちゃん…」

 

今、あたしがもっとも会いたい人がやってきてくれた。

授業が終わってこっちに来たのだろう。

花音さんはあたしに気づくとやってきた。

 

「さっき、燐子ちゃんから連絡が来てね。上手くいっただって!」

 

「それは良かった。こっちも手を貸した回がありますよ」

 

「うんっ!本当にありがとう!」

 

「………」

 

 

彼女の笑顔はどうしてあたしの理性を崩壊させていくのだろうか。あたしは我慢出来ずに、花音さんの抱き寄せた。

 

「ふぇぇ……//////み、美咲ちゃん…」

 

「ごめん、花音さん。もう限界。………吸っていい?」

 

あたしは花音さんの耳元で囁いてやる。

 

「うぅん…、いいよ…きて?」

 

その声を聞いた瞬間、瞳の色が真紅色になり、口を開くと鋭く尖った牙を彼女の肩に優しく口付けをし、ぷすりと刺す。

 

「んっ…」

 

刺した場所から赤い鮮血がじわじわと出てきて、あたしの喉に入ってくる。

甘い甘い激甘な味。ああー、これだよ。この甘い味。

あたしはもっと吸いたいと欲求に、花音さんをさらに抱きしめた。

 

「んんっ…はっ…やっ…み、さきちゃん……」

 

そんな切ない声を出さないでよ?こっちが興奮するじゃないですか。実際、興奮してますけどね。

あたしは、一旦花音さんの肩から牙を抜き、その噛み跡を舐める。

こうすると噛み跡は消えてなくなる。

まあ、吸血鬼の治癒能力ってやつだね。

その次は、首に牙を刺す。

 

「んんっ…はぁ……あっ…」

 

「声…我慢しなくていいですよ」

 

花音さんの艶のある声に興奮が収まらない。

犯したい。痕をつけたい。めちゃくちゃにしたい。

そんなことを考えながら、彼女の血をたっぷりと吸った。

 

「はぁ……はぁ……」

 

「ふぅ、すいません…少しやり過ぎました」

 

「ううん、いいよ…で、でも少し身体が熱いかも」

 

ああ、まあーそうだろうねー。吸血鬼に血を吸われた箇所は媚薬効果があり、身体の中が熱くなってしまうのだ。

発散するには………。

 

「花音さん」

 

「えっ…?んむっ…」

 

あたしは彼女の唇を今日も奪い、身体を乱していく。

ああ、あたしは"あなたの側にいるだけで幸せです"

 

 

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