Roselia 短編集   作:最弱氏

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獣人二匹と暮らす燐子

「りんこ、いっちゃうの?」

 

「いっちゃうの?」

 

「うん…ごめんね……学校があるから…」

 

朝の時間。

私は学生の身で家にそんなにいることは出来ない。学校が終わった時と休みの日しかこの子達と一緒に居られる時間しかない。

連れて行きたいのは山々なのだが、学校にペットなどの持ち込みは厳禁。ましや、獣人だ。

ここは二、三週間ずっとこの調子なんです。

紗夜と日菜が寂しがるようになったんです。

まだこの子たちは獣人の子供……普通の子供と変わりない。

親の愛がまだ欲しい時期…しかし、その愛情があまり上げられていない私は親失格と言えるでしょう。

 

「やだっ!はなれたくない!」

 

「やだっやだっ!一緒にいる!」

 

前まで、お留守番ができていたのに離れるのが寂しくなったのだろう。

私は二人の高さまでしゃがみ、目を合わせて話した。

 

「二人とも…ごめんね…でも、今日は早く…帰ってくるから…ね?」

 

「ほんと?」

 

「ほんとにほんと?」

 

「はい…ほんとのほんとです…」

 

私は二人が寂しくないように頭を撫でて、おまじないに額にキスを落とす。

 

「いい子に…してるん…だよ…」

 

私はそういうと、ドアを開け、後ろに振り返ったその時の二人の顔は寂しいという表情していた。

その光景はドアが閉め終わるまで私は見ていられなかった。

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、おねーちゃん」

 

「…なに、ひな」

 

「りんこちゃん、かえってくるかな?」

 

「かえってくるわよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は学校に登校しても二人のことを考えていた。

寂しくないだろうか?泣いていないだろうか?と。

ここ最近、ずっとだ。

そのせいか、午前の授業は全く耳に入ってこなかった。この調子だと午後も同じなのかもしれない。

お昼休みになると、私は屋上に向かう。

ここの屋上は立ち入りが禁止されているのだが、私はこっそり入って、そこでお弁当を食べている。

 

「はぁ…」

 

私はため息が溢れる。そのせいか、一向に箸が進まない。

すると、ドアが開かれ、よく知っている人物が来た。

 

「白金さん、どうしたですか?ため息なんて、ついて」

 

「あっ……氷川さん……」

 

「どうも。それより、なぜため息を?」

 

「えっと、あの……」

 

氷川さんには、この事を伝えた方がいいのだろうか?

氷川さんも私と同じく獣人の子供を飼っている人でこの前公園でばったりと会った時は驚きましたけど、その事でよくバンドや学校でも話すようになりました。

しかし、このような事は大変言いにくいので私は今日はあまり目覚めが悪くてと話した。

 

「そう。あまり、体調が優れなかったら…「ぷはっ」………」

 

氷川さんは私に言葉をかける時、カバンからひとりの少女が顔を出した。

 

「あっ、燐子ちゃん」

 

「あっ、りんこちゃん!」

 

氷川さんのところで飼っている獣人の燐子ちゃん。

人見知りで氷川さんや日菜さん以外、あまり懐かないんだそうです。

私の場合は何回か、顔合わせしているので慣れているとのこと。

 

「燐子、バックの中は平気だった?」

 

「うぅ…少しきつい…」

 

「……我慢してね、帰ったらいっぱい甘えていいから」

 

「ほんと……?」

 

「ええ」

 

「…うんっ!わかった……!」

 

燐子ちゃんにそういうと、バックの中から出てきて、氷川さんに抱きついた。

氷川さんは抱きついてきた燐子ちゃんを抱き上げ、額と額をコツンと合わせ、微笑んだ。

燐子ちゃんも微笑んだ。

私はその光景を見たとき、今朝のことを思い出した。

紗夜と日菜もきっと同じだと。

こんな風に連れてくればいいなと、思った。でも私にはその勇気がなかったのだ。

なんで、そんな簡単なことができなかったのだろうと思った。

それを見た氷川さんが「白金さん?」と言って来た。

 

「……氷川さん、その…話を聞いて…くれますか」

 

「……ええ」

 

「…実は…」

 

私は決意を固め、氷川さんに二人のことを話しました。

ここ最近のことや朝の登校のとき。その話を氷川さんは真剣に聞いてくれた。

 

「そんなことが…あったんですね…」

 

「はい…」

 

「でしたら、私と同じですね」

 

「えっ……」

 

「私も学校に行く時、燐子を置いて行かなければならいと、思った時はありました。でも、燐子は人見知りな上、私の親とはあまり馴染めてないんです。もし、置いて行くこの子はまた心を閉ざしてしまう。私や日菜がいるとこの子は笑い、泣き、喜びなどの感情を出してくれる。だから、私はこの子を連れて来ているの」

 

「……えへへっ////」

 

氷川さんはそういうと、燐子ちゃんの方に向き、頬擦りをする。

燐子ちゃんは嬉しいのか耳をパタパタと動かし、尻尾をブンブンと振った。

 

「あなたも、あの子たちの『母親』なら、分かるでしょ?」

 

「ッ!?………はい」

 

私はその言葉を聞いて、あの子たちに早く会いたい、抱きしめたい、ごめんねと謝りたい。

今まで、きちんといっしょに過ごしたい。

と、その時下が何かが騒いでる声が聞こえた

なんだろうと思い、下を向いたとき、私は驚き、駆け出した。

 

「お母さんを追ってきたのね。燐子、ちょっとバックの中に入っててくれる?」

 

「……やだ…」

 

「お願い…?」

 

「いや」

 

「お願い、燐子……んっ」

 

「んっ………わかった」

 

「いい子ね、さて白金さんを助けるとしましょうか」

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…」

 

私は走った。《廊下を走るな!》という紙なんか無視をして急いだ。

何で、何であの子達が…いや、今はそんなことを考えている暇なんてない。

あの子たちの元へ急がないと!

 

 

「グルルルルッ!」

 

「お、おねーちゃん……」

 

私が庭に着いた時、紗夜が日菜を後ろに隠れさせ、触ろうとしている生徒を威嚇していた。

私はその場で止まり、名を呼んだ。

 

「紗夜、日菜!」

 

「ッ…!?りんこ!」

 

「ッ…!?りんこちゃん!」

 

二人は私の声と顔を見ると、こっちに向かって駆け出してきた。

私は二人を抱き締める。精一杯抱きしめる。

私はその場から二人を連れて、校舎へ向かって走った。

生徒が追っかけてくるかもしれないということを考えて図書室へ向かうことにしました。

私は図書室に一目散に入り、ドアを閉めた。

その場で私は力が抜けたのか、へなへなと座り込んでしまった。

そして、抱きしめている二人を見つめた時、二人は会えて嬉しいのか泣いていた。

 

「紗夜、日菜…」

 

「ううっ…りんこ、りんこ」

 

「りんこちゃん…ううっ」

 

「ごめんね……寂しかったよね…?もう寂しい…思いはしないよ……」

 

二人は私の胸に顔を埋めて頷いた。

さてと、これからどうしましょうか……。

もうお昼休みは終わりますし、このまま図書室にいるのも…。

と、その時に図書室のドアをコンコンとノックすると音が聞こえた。

私は咄嗟にドアから離れた。

 

「白金さん、ここにいるのですか?」

 

「氷川さん……」

 

ノックした人物は氷川さんでした。

私は鍵を開け、氷川さんを中に入れました。

 

 

「ありがとう、白金さん。後のことは風紀委員の後輩が対処しているから心配ないわ。お久しぶりね、紗夜ちゃん、日菜ちゃん」

 

「ひさしぶりです、さよさん」

 

「ひさしぶり〜さよちゃん!」

 

「あ、あの…氷川さんどうして…ここって…?」

 

「あなたが隠れる場所はここしかないかと、思いまして。最初は音楽室かと思いましたけど、一年の移動教室で音楽室は使えませんから、ここかと」

 

「そうですか……」

 

「それと先生にはあなたは体調が悪いから保健室で休ませていると伝えときました。私が付き添いで一緒にいますと添えて」

 

「あ、ありがとうございます……」

 

「それじゃあ、行きましょうかしら?」

 

「えっ…どこに…?」

 

「もちろん、保健室ですよ」

 

 

私は氷川さんに保健室へ連れて行かれることになりました。

保健室に着くと、氷川さんはノックをし、「失礼します」といい、ドアを開け入った。私もそれに続いて入ると、 保険医の先生がいた。この人は獣人でもあり先生でもある。

 

「あら、氷川さん。燐子ちゃんのお預かり?」

 

「はい。それと、この子達もお願いできますか?」

 

氷川さんが私と紗夜と日菜を紹介してくれた。

 

「……わかったわ。じゃあ、白金さん放課後に保健室に来てね。いつでも預かるわよ?学校の時だけどね」

 

「は、はい……!紗夜、日菜放課後までちゃんと待ってるんだよ?」

 

「うんっ!」

 

「ちゃんと待ってるよ!」

 

二人は頷き、私は二人を思いっきり抱きしめた。

 

「ごめんね、二人とも……いつも寂しい思いさせて……でも……これからはいつも一緒だよ……」

 

二人から離れた時、氷川さんに向いた時氷川さんが苦悶の表情をしていた。

どうしたのかと思い、紗夜と日菜と一緒に近づいてみた。

 

「あら?」

 

「あっ…」

 

「わぁ〜♪」

 

「スゥ…スゥ…」

 

「はぁ…燐子………あなたって子は」

 

燐子ちゃんがカバンの中で丸まってぐっすりと寝ていました。おそらく毛布なのだろうギュッと握りしめたまま寝ていた。氷川さんはため息を吐くと、苦笑いをし、カバンから燐子ちゃんを出すと頰にキスを落とし、保険医の先生に預けた。

 

「先生、燐子のことお願いします」

 

「ええ、任せて。白金さんも」

 

「はい……お願い…します……」

 

私も氷川さんはそういうと保健室を出た。

それから私たちは普通に授業を受け、放課後になるまで待った。

放課後になると、私と氷川さんは保健室へ向かった。

ドアを開けると、日菜と燐子ちゃんが出迎えてくれた。

 

「おかえり、さよちゃん!」

 

「おかえり、りんこちゃん!」

 

「ええ、ただいま燐子」

 

「ただいま…日菜。……あれ、紗夜は……?」

 

私と氷川さんは二人を抱き上げた。しかし、紗夜がいない。私は日菜に紗夜のことを聞くと、「おねーちゃんなら、あそこにいるよ」と教えてくれた。私は「氷川さん、日菜のことをいいですか?」といい、紗夜の元に向かった。

 

「紗夜…….どうしたの……?」

 

紗夜は保健室のベッドで寝転び、顔を手で覆っていた。

何かなと思い、手を退けてみると顔が真っ赤になっていた。

熱でもあるのではないかと思い、おでこをコツンッと合わせてみたが、熱はなかった。

 

「どうしたの、紗夜?」

 

「い、いやっ!な、なんでもないです!」

 

「そ、そうなの……?」

 

「は、はいっ/////」

 

紗夜はそういうと、日菜の元へ向かった。

私はその後に続いて行く。すると、氷川さんが燐子ちゃんを抱き上げ、保健室のドアを開けた。

 

「白金さん、今日は練習の日ですよ?行きましょう」

 

「は、はい…!紗夜…日菜……行こうか?」

 

「「うんっ!」」

 

私は二人を抱き上げると、氷川さんの後に続いた。

校門を出て、スタジオに向かって歩いている時、氷川さんは燐子ちゃんにスタジオでの注意を教えていました。

 

「いい燐子?スタジオについてあまり外に出ちゃダメ、迷惑もダメよ?」

 

「う、うんっ!だいじょうぶ!」

 

「紗夜と日菜…もだよ?特に日菜……絶対にだよ……」

 

「うんっ!わかってる!」

 

本当かな……。この子のやんちゃぷりは拾った時から跡を絶たない。家にいてもすぐに何か散らかしたりと隠したり等する。その都度、紗夜が注意しているようだけど、殆ど無意味だそうだ。

私は紗夜の方をみると、ずっと燐子ちゃんの方に向いている。

顔をみると、よくドラマや小説とかでみる恋する人の目に見えるのは私の気のせいと言いたいです。

スタジオに着くと、今井さんとあこちゃんがもう来ていました。

友希那さんは学校で頼まれごとをされたらしくそれが終わったらスタジオに来るとのこと。

 

 

「あっ、りんりんっ、紗夜さん!こんにちは!」

 

「あっ、燐子に紗夜、やっほ〜♪」

 

「こんにちは、今井さん、宇田川さん」

 

「こんにちは……今井さん…あこちゃん」

 

私たちも挨拶をする。

すると、ひょこっと紗夜と日菜が顔出した。

 

「あっ、いまいさん」

 

「ああー!リサちー!」

 

二人は今井さんのところへ走って行った。

 

「えっ、紗夜と日菜っ?おっと」

 

今井さんは二人を見て驚いていた。

 

「わぁ〜!りんりんっ!獣人の子飼っていたの!」

 

「うーん……拾ったかな…?」

 

あこちゃんは二人に近づいて、自己紹介をした。

 

「私はね、宇田川あこ!よろしくね、紗夜ちゃん!日菜ちゃん!」

 

「よろしくおねがいします、あこさん」

 

「よろしくね〜!あこちー!」

 

二人はあこちゃんとすぐ打ち解けたのか、あこちゃんと遊んでいた。

すると、今井さんが私に近づき、耳打ちをしてきました。

 

「燐子、いいの?連れてきて?」

 

「はい……あの子達が…寂しがる顔をもう……みたくありませんから…」

 

「そっか……。で、紗夜の後ろに隠れてる子は誰かな〜?」

 

「ひっ…!?」

 

「今井さん、あまり燐子を怖がらせないで」

 

「へぇ、燐子っていうの?可愛いね〜」

 

今井さんは燐子ちゃんの頭を撫でようとしたが、

 

「ひっ……!?」

 

カバンの中に入ってしまった。

 

「あちゃー、怖がらせたかな?」

 

「いいえ、この子は人見知りなの。燐子、大丈夫よ。この人たちは私の友人よ」

 

氷川さんが優しい声で燐子ちゃんにいうと、恐る恐るカバンから顔を出し、氷川さんに聞いた。

 

「ほんと……?」

 

「ええ、本当よ」

 

それを聞くと、燐子ちゃんはカバンから出てきて氷川さんが抱き上げ、今井さんとあこちゃんに紹介した。

 

「今井さん、宇田川さん紹介するわ。この子は燐子」

 

「わぁ〜!りんりんに似てる!」

 

「あははっ、そうだね。燐子に似てるね♪」

 

今井さん、あこちゃん。私はそんなに人見知りじゃ………そうなのかもしれないけど本人を目の前にそれはないのではないじゃないでしょうか?

 

「……ッ、さ、さよちゃん……」

 

「大丈夫よ、燐子。さっきも言ったけどこの人たちは私の友人よ」

 

「う、うん…」

 

燐子ちゃんは今井さんとあこちゃんに向くと、

 

「こ…こんにちは……りんこって…いいます…」

 

「こんにちは、燐子ちゃん」

 

「こんにちは、燐子ちゃん!」

 

二人はにっこりと燐子ちゃんに挨拶をしました。それを見て、燐子ちゃんは少し落ち着いたのか、微笑んでいました。

氷川さんも燐子ちゃんが微笑んでいる姿を見ると、母親が娘を見守る目をして、燐子ちゃんを見ていました。

 

「よし!それじゃあ、燐子ちゃん。お近づきの印にクッキーを………えっ」

 

「どうしたんですか、今井さん?」

 

今井さんはいつも練習終わりや休憩の時に作って来てくれるクッキーを取り出そうしたのですが、固まっていた。恐る恐る私と氷川さん、あこちゃんが近づくと、カバンの中に灰色の耳と尻尾を生やした子がクッキーを食べていた。

 

「ちょ、ちょっと」

 

「ん?……今井さん….?」

 

「友希那〜!なに、全部一人でクッキー食べてるの!?」

 

「……だって、おなかがすいたもの」

 

友希那ちゃん。今井さんが飼っている猫の獣人でいつもは家でお留守番させていると聞いていたのですが……。

 

「あっ、ごめんね!三人ともクッキーが全部友希那が食べちゃって!あっ、燐子はもう知ってると思うけど、紗夜とあこに紹介するね、このは友希那。アタシが飼っている猫の獣人なんだ〜。見ての通り、友希那に似てて可愛いだよね〜」

 

「………よろしく」

 

「こら〜、ちゃんと挨拶しなきゃダメでしょ?」

 

「………」プイッ

 

「もう…」

 

今井さんはため息を吐いた。

すると、そこに友希那さんが入ってきた。

 

「みんな、遅くなってごめん……あら?」

 

「あっ、友希那〜。おつかれ〜」

 

「ええ、お疲れ。それより、今日は何かの集まりのなのかしら?」

 

「いや、違うと思いますよ?友希那さん」

 

「あら?そうなの?」

 

「じぃ………」

 

「ん?」

 

友希那さんのことをずっと見ている友希那ちゃん。友希那さんもその視線に気づき、下を向いた。

 

「この子……?」

 

「ああっ、この子は私の飼ってる獣人の友希那だよ」

 

「………私?」

 

「違う違う、この子の名前が友希那ってこと、ねぇ〜友希にゃ〜♪」

 

「……ゆきにゃーじゃないわ。ゆきなよ、リサ」

 

「もう〜照れてる癖に〜」

 

「………リサ」

 

「ん?なに…友希…な…!?」

 

「私のリサを取らないでくれるかしら?」

 

「………それはこちらのセリフ。リサはわたしのごしゅじん」

 

「笑わせないで」

 

「それはこっちもおなじ」

 

 

なんか取り合ってますね、今井さんを。

その今井さんは……。

 

「えへへっ、二人の友希那がわたしを取り合ってる〜」

 

嬉しそうですねー顔がにやけてますよー。

それから、練習が始まり、紗夜や日菜、燐子ちゃん、友希那ちゃんは端の方で見てもらい、私たちは練習をしました。

練習が終わり、後片付けをしていると燐子ちゃんが氷川さんの方へ向かって行くとの思われたのですが、何故か私の方に来ました。

 

「りんこちゃん!いまのすごい!わたしもピアノやってみたい!」

 

「え、えっ…と……氷川さんに…聞いてみたら……どうかな…?」

 

私はそういうと、燐子ちゃんはうんっ!と頷き

氷川さんのところへ行った。

すると、今度は紗夜と日菜が氷川さんのところへ行っており、私のところに来た。

 

「りんこ!」

 

「りんこちゃん!」

 

「「わたし、ギターひいてみたい!!」」

 

 

私はあまりの発言に驚き、理由を聞いてみることにしました。

 

「どうして…ギターを……弾きたいって思った…の?」

 

「さよさんのあのギターさばきはなみたいてのものじゃできません。それにわたしもあんなふうにギターをひいてみたい!」

 

「なんかね、るんってくるかんじがあったんだ!それにギターをひいたらおもしろいかもって!」

 

この子達は私たちの音楽を聴いて楽器を弾きたいと思ったのだろう。氷川さんの方を向くと、何か電話をしており、私は氷川さんの元に向かった。話を聞いてみると、日菜さんに子供用のピアノが事務所にないかと聞いているようだ。

それと、私と紗夜と日菜の会話を聞いていたのか、ギターのことも聞いてくれていました。

 

「ええ……お願いね。ふぅ」

 

「氷川さん……どうでした…?」

 

「はい、日菜の方も探してみてこちらに譲ってもらえないかと頼みましたので心配ないかと」

 

「そうですか……」

 

私はそれを聞くとホッと息を吐いた。

後ろをみると、立てかけてある氷川さんのギターを見ている紗夜と日菜。キーボードに触れたいのか背伸びをしている燐子ちゃん。それを見て、燐子ちゃんを抱き上げる氷川さん。燐子ちゃんは鍵盤に触れ、音がなると嬉しそうに耳と尻尾を動かした。

と、その時燐子ちゃんが氷川さんの方を向き、「おなかすいた」と言った。氷川さんは苦笑いをすると、燐子ちゃんを抱えたままカバンの方まで行き、哺乳瓶と赤ちゃん用のミルク粉を取り出しました。

 

「宇田川さん、燐子を少し預かってくれますか?」

 

「はいっ!ほら、おいで燐子ちゃん〜」

 

「う…うん…」

 

氷川さんはあこちゃんに燐子ちゃんを預けるとテキパキと哺乳瓶にミルク粉を入れる。お次に取り出したのは、水筒だ。

恐らく中にはお湯が入っているのだろう。

哺乳瓶の中に入れ、蓋をし、振るう。

そして、自分の腕に少し垂らし、温度の調節をし、完成した。

 

「宇田川さん、ありがとう」

 

「い、いえっ……」

 

「ほら、燐子ゆっくり飲むのよ?」

 

「んっ…んっ…」

 

「ふふっ」

 

氷川さんは微笑むとギターをケースにしまい、燐子ちゃんの元に行く。それ見ていた今井さんや友希那さんやあこちゃんはポカーンと口を開けていた。

 

「紗夜さん、お母さんみたいだね」

 

「……ええ、そうかもしれませんね」

 

「紗夜はきっといい母親になるわね」

 

「うんうん。きっといいお母さんになるね……ん?」

 

「………リサ」

 

「どうしたの?友希那?」

 

「……おなかすいた」

 

「そっか!じゃあ、家に帰ったら作るからそれまで待っててね!あっ、友希那もどう?」

 

「……お邪魔するわ」

 

「……ついてこないで」

 

「あら?私は誘われたのよ?」

 

「…………じぃー」

 

「………ッ……」

 

仲が悪いようですね、あの二人。

どっちも今井さんが好きすぎる人たちですからね。

すると、紗夜と日菜も私の元にやってきて、

 

「「おなかすいた」」

 

と、答えました。そういえば、保健の先生に飴をもらいましたから、帰るまでの間少しだけ我慢してもらうことにしました。

 

「はい……今はこれしかないけど……家に帰ったら……すぐに作るからね……」

 

私は二人に飴を渡し、頭を撫でた。

 

「それじゃあ、今日はこれくらいにしときましょうか?」

 

友希那さんの言葉で今日の練習は終わりを告げた。スタジオで次の予約をし、私たちは帰っていた。

友希那さんと今井さん、友希那ちゃんは途中の別れ道で別れ、あこちゃんを家まで送り、私と氷川さんは同じ道なので一緒に歩いていた。

紗夜と日菜は今日ご飯は何かなと話をしたり、燐子ちゃんは氷川さんにギュッとしがみつき、頰をすりすりと合わせていた。

 

「そういえば、白金さんは一人暮らしをしているんでしたよね?」

 

「はい……家はこっちの方面であそこの曲がり角を曲がると着きますね」

 

「そうですか。あっ、それと二人のギター件は何か分かりましたら、連絡します。それじゃあ、また明日」

 

「はい……ありがとう……ございます………。二人とも…挨拶をしようね……」

 

「今日はありがとうね!さよちゃん!りんこちゃん!」

 

「いいえ、こちらこそ。また燐子と一緒に遊んでね?」

 

「またね!ひなちゃん!」

 

「うんっ!」

 

すると、紗夜が私の元から抜け出し、氷川さんの方へ向かって行った。氷川さんはなにかと思い、しゃがむと紗夜は燐子ちゃんに用があるとのこと。

 

「燐子、紗夜ちゃんに挨拶しましょうね」

 

「うんっ!また、あそぼうねさよさん!」

 

「……はいっ。あの…りんこさん、」

 

「ん?なに?」

 

「少しほっぺをだしてくれませんか?」

 

「えっ…いいけど……」

 

 

ちゅ

 

 

 

「「えっ………」」

 

 

私と氷川さんは紗夜の取った行動に驚いた。

紗夜は燐子ちゃんの頰にキスを落とし、そのあと耳まで真っ赤にし、私の元に帰ってきた。

 

「わぁ〜、おねーちゃん、だいたんー!」

 

私はあまりのことで処理が付かず、氷川さんと燐子ちゃんを方に目を向けると、燐子ちゃんは?と言った感じで首を傾げ、氷川さんはその……笑顔でこちらを見つめているんです。

そして、口パクで何か私に伝えてきました。

 

 

「『娘は渡しませんよ?白金さん』って………それを…私に言われても……」

 

 

私は未だに顔を真っ赤にしている娘を見つめた。どうやら、私の娘の一人は恋をしてしまったみたいです。私の娘はまた少し大きく成長………したのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

や、やってしまいました。ほ、ほんとうはやるつもりなんてなかったのに!

で、でもあのときことをわすれろなんて、おもいたくもありませんし、それにこんなきもちはじめてだし、それにあっちもいけないと………いえ、あれはかんぜんにわたしのふちゅうい。

それはりんことさよさんがかえってくるすうじかんまえのできごとでした。

 

 

 

さよさんのあんないのもとりんこにほ、ほけんしつとよばれるばしょにあんないされ、わたしとひな、りんこさんはそこであずかることになりました。

りんことさよさんがへやからでると、わたしとひなはおなじじゅうじんのひととはなしをしました。

りんこさんはねむっており、わたしはきょうみほんいでねているりんこさんにちかづきました。

ひなはじゅうじんのひととはなしをまだきいており、こちらにはきづいていませんでした。

 

「スゥ……スゥ……」

 

りんこさんがねているベットにいき、かおをのぞきこんだとき、かわいらしいねいきをたててねているのでおもわずきゅんとなりました。

わたしもいっしょにねようとおもい、りんこさんのとなりにねころびました。

しかし、これがいけなかったのです。

りんこさんのせなかにコツンとひたいをあわせてねようとしたのですが、そのときにねがえりをうたれてしまい、りんこさんのかおがまじかでせまってしまいました。

とうぜん、わたしはそのことにきづくのごおくれ、りんこさんのくちびるとわたしのくちびるがふれてしまったんです////ああ、はずかしい////

わたしはすぐにはなれようとしたのですが、りんこさんにがっちりとつかまれてしまい、そのまますうびょう、すうふんキスをしてしまい、りんこさんのこうそくからとかれるわたしはばっと離れ、となりのベットにもぐりこみました。

 

 

 

 

 

 

(いま、き、キキキキキキスしちゃいましたか///////り、りんこさんとキス……)

 

このときのわたしはもうこんらんじょうたいでした。あっ、でもりんこさんのくちびるやわらかかったな〜。って……////////

それから、りんこさんのことをめでおうようになって、りんこさんのえがおをみるとむねのおくがキュッとしまるようなかんじになったり、なぜだかかおがあつくなったりということがおきました。

そして、さいごのわかれるさいのあのこうどうは………ッ!?い、いいたくありません!

 

 

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