Roselia 短編集   作:最弱氏

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紗夜さんが大好きな獣人と紗夜

暑い日差しが照りつける時期。

私は扇風機にあたりながら、双子の妹の日菜とある話をしていた。

実は日菜が事務所の方から、プールのチケットをもらったとのこと。しかも、3枚。

 

「……どうするの?行くの?行かないの?」

 

「ちょっと待ちなさい……今、考えてるところなのよ」

 

「わかってるーよー、でも、1時間半ずっと考えてるじゃん!長いよ!」

 

「……行くわ」

 

「はぁー、やっと決まったよ〜。それじゃあ、明日の朝にはもう行こうか?」

 

「そうね。用意はしとくわ」

 

「よろしくね〜、それじゃあ練習行ってくるね!」

 

「ええ、気をつけて行くのよ」

 

日菜はそういうと、玄関のドアを開けて、練習に行った。

私は立ち上がると、ソファーの上で私が作ったクッキーをリスのようにゆっくりと食べている娘に声をかけた。あっ、皆さん聞いてください!燐子にやっと犬歯が生えたんですよ!先月朝起きて、燐子の歯磨きをしている時に鋭い牙が見えて、私は喜びましたね。ええ、本当に。それから、ミルクはおやつに飲ませて、朝昼晩はちゃんとした食事を食べさせていますね。

 

「燐子」

 

「んっ?なに、さよちゃん」

 

「明日は日菜と一緒にプールに行きましょう」

 

「ぷーる?」

 

「ええ、こんな暑い日は涼みに行くのが一番いいのよ?」

 

「……うんっ!いく!」

 

「ふふっ、それじゃあ早速あなたの水着を買いに行こうかしら?」

 

私は燐子に暑さ対策の為、麦わら帽子を被せた。

玄関のドアを開けて、鍵を閉め、ショッピングモールに行き、燐子の水着を買ってあげた。

帰りにフードコートにより、アイスを食べた。

そして、当日。

 

 

「あぁー、暑い…」

 

「日菜、我慢しなさい?もう少しでプールに着くんだから。それに、燐子が今寝てるから静かに」

 

「スゥ…スゥ…」

 

「燐子ちゃん、楽しみすぎて眠れなかったんだね」

 

「ええ、寝かしつけるのが大変だったわ。寝たと思ったら、起きてるからお陰でこっちも半分眠不足よ」

 

「はははっ、それは災難だったねおねーちゃん」

 

そう。燐子は初めてプールに行くので、楽しみで仕方がなかったのだろうか、昨日は中々寝てくれなかった。

プールが楽しみなのはわかるのだが、きちんと寝て欲しいと思う。私であった。

 

「あっ、見えてきたよおねーちゃん!」

 

「あれが……」

 

日菜が指差した方に目を向けると、大きな建物があった。

日菜が誘ってくれたレジャープール施設。

ここ最近に出来たらしく、そのオープンが今日なのだ。

全長が二百メートルくらいある流れるプールに、九つのウォータースライダー、室内には温水プールと温泉があるとのこと。そして、各種出店がある。

中に入ると、受付で日菜がチケットを渡し、更衣室の鍵をもらい、入って行く。

私はまだ寝ている燐子を優しく起こしてあげる。

 

「燐子、着いたわよ?」

 

「うぅーん…、ついちゃうの?」

 

「ふふっ、まだ寝起きなのかしら?このお寝坊さん」

 

「うーん……あっ!ぷーる!」

 

「やっと、起き始めたわね。ほら、着替えて行きましょう」

 

「うんっ…!」

 

「おねーちゃん、本当にお母さんだね…」

 

何を言ってるのよ、日菜。私は燐子の母親に決まってるじゃない。この子を育てるってあの人と約束したんだから。

私は先に水着に着替え、その後に燐子に水着を着替えさせる。

日菜は先に着替えており、浮き輪などを膨らませてもらっている。

燐子を着替えさせると、私はパーカーを着て、髪をまとめポニーテールにする。燐子の髪型もまとめ、はしゃぎそうになっている燐子を抱き上げる。

日菜が恐らく浮き輪を膨らませて、外で待っているところだろう。

私は日菜の元へ向かった。

外に出ると気分を付けくわてえているのか、南国風のヤシの木や花なとがあり、多くの人が満喫をしていた。さすが、オープン当日の客は多いですね。私はその光景に目を奪われつつ、日菜を探した。

 

「あっ、おねーちゃん!こっちこっち!」

 

「ごめんなさい、日菜。待たせてしまって」

 

「うぅん!全然、それより早く行こう………って、あれ?燐子ちゃん?」

 

日菜が私に抱き上げられている燐子を見つめて、首を傾げた。

私は何かと思い、燐子に視線を落とすと………

 

 

「……ッ………ッ……」ガダガタッ

 

顔を真っ青にして、ガタガタと震えていた。

そして、辺りを見回し、私の方に目を向け涙目で訴えた。

 

「ひ、ひと……おおい……や、やだ…よっ……さよちゃん……!」

 

あっ、そうだったわ。

この時、私と日菜はある重大なミスを犯してしまったのだ。いや、ここに来る前、はたまたこの話をしている時に気づくべきだった。

 

 

((燐子/燐子ちゃん、人見知りが激しいかったーー!!!))

 

 

そう。燐子は大の人見知りだ。しかも、こんなに多くの人がいる場所だ。

えっ?ショッピングモールとかも商店街とか学校とかも人が多いですって?

それは知っています。しかし、ショッピングモールや商店街の時は、燐子の側にいますし、それにあの子は大抵私のカバンの中で寝ていますから、気づかないんです。学校では保健室の先生に預かっていますので、心配ないんです。

あっ、ついでに言っときますけど、私の持っているカバンなのですが、特別に獣人用に作られたカバンで、子供の獣人を持ち運び出来る超優れものなんです。大きさは普通の一般的なカバンと同じなのですが、中を見てみると一つの部屋みたいな空間があるんです。例えると、自分の部屋というべきでしょうか?それくらいの大きさがあるんです。ついでにカバンを中身を取り出す時大変なのでは?と思っているでしょうが、心配ご無用。磁石でつけるやつとチャック式があるんです。磁石の方が獣人の部屋で、チャック式が一般的なカバンの中と一緒ですね。

あと、重さですけどそうそう変わりません。普通のカバンと同じ重さです。

不思議ですよね?

ちなみに白金さんと今井さんも私と同じカバンを持っています。

白金さんの方は二人分入るカバンです。

結構、値段はするのですが白金さんどうやって手に入れたのでしょうか?

 

 

 

私と日菜は燐子を落ち着かせるため、フードコートのコーナー行き、椅子に座った。

日菜があたし、飲み物買って来るねと言い、出店に並びに行った。

私は燐子をテーブルの上に座らせ、彼女と面と向かって話す。

燐子は涙目になりながら、私のことを見つめていた。

怖いのだろう。もし、私が燐子の立場だったら私も泣いてしまう。

私は燐子の頭を優しく撫でて落ち着かせてあげる。

 

「燐子、大丈夫よ。私がいるからね?」

 

「…うんっ…」

 

「もう、泣かないの…?ねっ?」

 

「……うんっ…」

 

でも燐子は涙を流してしまう。

私は安心するかのような声で燐子の名を呼んだ。

 

「燐子…」

 

「…おかあ、さん……」

 

「おいで?」

 

私は両手を広げて、燐子を抱きしめる。

燐子も私のことを母と呼ぶ。

本当に燐子は私の娘です。

 

「燐子、大丈夫よ…」

 

「うん……」

 

燐子の頭を優しく撫でる。

こうすると燐子は落ち着き、私に甘えてくる。

 

「日菜が帰ってきたら、行きましょうか?」

 

「…うんっ!」

 

燐子は落ち着いたのか、力強く頷いた。

私は燐子が少しずつ成長していく姿を見たい。例え、人見知りでもいつか克服し、外に出かけて遊んだり、ご飯を食べに行ったり、買い物をしたりする。私はそれの架け橋にならないといけない。

 

「ふふっ、いい子ね」

 

「んっ、おかあ、さん……くすぐったい…」

 

私は燐子の額にキスを落とすと、燐子はくすぐったいのか、少し動き私の首元まで来ると、スリスリと甘えてきた。

私は手でとんとんと背中を優しく叩いた。

すると、燐子の尻尾がピンッと立った。

ん?何かあったのかしら?

後ろに振り返ってみると、見知った顔がいた。

 

「「あっ……」」

 

その人物は……白金さんと抱きかかえられた紗夜ちゃんと日菜ちゃんでした。

 

 

 

 

 

 

 

「氷川さんたちも…来ていたん……ですか?」

 

「ええ、日菜に誘われてね。そちらは?」

 

「実は商店街の……くじ引きで……」

 

「そうなの?」

 

「はい…」

 

私と白金さん、丁度飲み物もお昼を買ってきた日菜と一緒に座り、お昼を食べていた。そして、このプールに来た経緯を聞いていた。どうやら、買い物帰りに商店街の人から抽選券を貰い、回したところ当たったとのこと。

 

「今、さっき着いたところで……ちょうどお昼ですから……食べた後に遊ぼうかと……」

 

「そうですか、実は私たちもそうなんですが……燐子が少し…」

 

「ううっ……」

 

「あっ、燐子ちゃん……人見知り…でしたよね…」

 

「ええ、だから落ち着かせてから、遊ぼうと思うの」

 

「そうなんですか……」

 

白金さんは頷くと日菜が紗夜ちゃんと日菜ちゃんの相手をしているのを見つめた。

 

「あっ、紗夜ちゃん!焼きそばの人参、取っちゃ駄目だよ?ちゃんと食べないと!」

 

「うっ、に、にんじんなんて、どこにあるのですか?」

 

「おねーちゃん、それいってもいみないとおもうよ」

 

「紗夜、人参……ちゃんと食べないと…いけないよ?」

 

紗夜ちゃんが焼きそばに入っている人参を避けて食べており、それを日菜が見つけ、食べるようにいったが紗夜ちゃんは何もないと答いた。白金さんが紗夜ちゃんに注意すると、渋い顔をし、人参を取り、口に入れた。

 

「ま、まずい……」

 

「ふふっ、よく食べました……」

 

白金さんは紗夜ちゃんの頭を撫でてあげた。

日菜ちゃんも割って入って頭を差し出し、撫でてもらっていた。

それを見ていたとき、日菜がニヤニヤしてこちらを見つめてきた。

 

「…何よ?」

 

「いやーねー、こんな小さな子がおねーちゃんと同じ人参が嫌いなのにちゃんと食べたんだーって、だから……おねーちゃん見習わないと」

 

「余計なお世話よ…」

 

私はフライドポテトを食べながら、その光景を眺めていた。

すると、長いフライドポテトを食べていた時に、燐子が端の方をパクッと咥えた。

私は燐子と向かい合う形でパクパクと食べ進めた。徐々に距離が近くなり、あと5cmほどで唇が触れてしまいそうだが、私はそこで噛み切った。

 

「あっ…」

 

「燐子、あんまりおいたはダメよ?」

 

私は燐子の頭を撫でてやる。

そして、ようやくプールで遊ぶことになりました。

燐子と紗夜ちゃんと日菜ちゃんに浮き輪を持たせ、私と日菜、白金さんは子供用プールに行く。

行ってみると、親子連れの人たちがたくさんいた。

浅い水深と子供たちが喜びそうな水の噴水や滑り台、小さめのウォータースライダーもある。

 

 

「「「わぁ〜〜!!!」」」

 

三人は目を輝かせた。

私は燐子を抱き上げると、一緒にプールに入っていく。

白金さんも一緒で紗夜ちゃんと日菜ちゃんを抱き上げて、入ってくる。

水深は足の半分くらいで座ればお腹まで浸かる。強いていうならば、温泉の深さと言うべきでしょうか?

私たちに取っては小さいですが、子供たちにとっては未知の領域なのだ。

 

「ほら、燐子。冷たく気持ちいいでしょ?」

 

「うんっ…!きもちいい!はははっ!」

 

「燐子ちゃん、るんっ♪ってくるね!」

 

「うん!るんっ♪ってくる!」

 

「紗夜、あんまり遠くに……行っちゃダメだよ?日菜もはしゃぎ過ぎて、他の子に……迷惑をかけちゃ…ダメだよ…?」

 

「わかってます」

 

「だいじょうぶ!」

 

二人はそういうと、燐子の元にやってきて、滑り台に向かっていった。

楽しそうにしている燐子を見て、私も微笑んでしまう。

先程まで、怖がっていた燐子が今はプールに入ったら、元気になってくれた。

それだけで、私は嬉しい。

私と日菜、白金さんは娘たちを優しく見守った。

 

「ふふっ、本当に…可愛いですね…」

 

「ええ、本当にその通りです」

 

 

(二人とも、本当お母さんの目だよ…)

 

それからは楽しく遊び、帰ることになりました。

 

 

 

「すぅ…すぅ…」

 

「んっ…むにゃ…」

 

「うぅ…」

 

 

「ふふっ、疲れて…眠ってしまい…ましたね…」

 

「ええ、あれだけはしゃげはそうなります」

 

「でも、楽しかったよね!」

 

帰りの道を話しながら歩き、私と白金さんの腕の中には燐子、紗夜ちゃんと日菜ちゃんが疲れて眠っています。

燐子は行くときも寝ていたの言うのに、今日ちゃんと眠れるかしら?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの……どこにつれていくんですか?」

 

「貴方、行くところがないのでしょ?」

 

「はい…」

 

「貴方は私が飼うわ、リサ」

 

「えっと…はい、ゆきなさん」

 

「友希那でいいわよ、リサ」

 

「そ、それじゃあ…ゆきにゃ!」

 

私の名は湊友希那。羽丘女子学園に通う高校2年よ。

今、私は買い物帰りで公園に立ち寄った時、ベンチに座っていた時、ベンチの真下にダンボールの箱を見つけた。恐る恐る中を見てみると獣人の子供をを見つけた。

その子は猫の獣人で、髪の色は茶髪のロングで髪型はポニーテールね。なんだか、幼馴染に似てるわね。

その子は私に気づくと、その場を離れようとした。

が、私はその子を呼び止め、引き取ることにした。

 

そして、今に戻る。

 

 

「……可愛いわね、リサは」

 

「えっ…、そ、そうかな////」

 

「ええ、本当に可愛いわ」

 

私は抱き上げたリサを見つめ、家に着き、早速お父さんとお母さんにリサを飼いたいことを説得した。そしたら、二つの返事で了承をもらい、リサを飼うことになった。

部屋に着くと、ベットに座り、リサを膝に乗せた。乗せた時、顔を上に向けてきょとんとした顔がまた可愛い。

そのまま額と額をくっつけた。

リサは少しくすぐった表情をするが、ほんのりと頰が赤くなっていた。

 

「……本当に可愛いわね、リサは」

 

「ッ……//////」

 

 

リサはボンッという爆発音が鳴るかのように顔を真っ赤にし、私に甘えて来た。

私はそれを受け止める為、ベットに倒れこんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なっ………!?」

 

 

 

アタシ、今井リサは隣の家にいる幼馴染、友希那の部屋の窓から映る姿に凝視した。

な、なんで…なんで…!?

それは数分前に遡る。

 

 

 

 

 

「ただいま〜友希にゃー、大人しくしてたかな?」

 

「してたわよ。リサ、バカにしないで。それとわたしはゆきにゃー、じゃなくてゆきなよ」

 

「もう〜そんなとこも可愛いだから〜❤︎❤︎このこのっ〜」

 

アタシの可愛い可愛い友希にゃーがツンデレているのがもう可愛くて可愛くて!仕方ないんです!

あっ、そういえば窓、換気してたんだった。

窓を閉めないと友希那が風邪引いちゃうからね。

アタシは窓に手を掛け、閉めようとした時隣の家の友希那の部屋の窓が開いていた。恐らく換気でもしてたんだろう。

明かりがついていた為、恐らく新曲でも考えてるかもね〜と思い、窓を閉めようとしたら、

 

 

 

「…可愛いわね、リサは」

 

 

 

 

 

 

 

えっ、えええええええっ!?

 

友希那がアタシのことを可愛いって!

う、嘘だよね?いや、でもさっきの言葉はどう聞いてもアタシのことだよね!

アタシは友希那のことが好きなんだ。

もちろん、恋愛的な意味だよ!だってずっーと友希那と一緒にいたいって思うんだよ!

と、思っていた時にそれは崩れ去った。

友希那が後ろに倒れこむと、子猫の獣人が見えたのだ。

 

「なっ……!?」

 

友希那が獣人の子供を飼ってる!?

嘘っ!?えっ!?

見間違えかと思い、もう一度見てみるとやはり同じだった。

 

「そ、そんな……アタシの友希那が…獣人の子供に盗られた〜!!」

 

「うるさい、リサ」

 

「あっ、ごめんね〜友希にゃー〜♪」

 

「……だっこして、だきしめてリサ」

 

「うんっ、いいよ!おいで、友希にゃー♪」

 

今はあのことを一旦、忘れて友希にゃーとの時間を大切にしないとね〜❤︎❤︎❤︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜、プールで疲れてそのまま寝てしまった燐子を寝室へ運び、寝かせた後リビングで日菜と冷たい麦茶を飲んでいる時、私の携帯が鳴った。

メールらしく、メッセージを送って来たのは今井さんだった。

 

「ん?メール、誰かしら?」

 

「あっ、リサちーだ」

 

「今井さん?一体、どうしたのかしら?」

 

私はメッセージ欄を文面を読む。その内容は…、

 

 

『アタシの友希那が獣人に盗られた〜!!!紗夜、助けてぇ〜!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

「「……………はっ??」」

 

 

 

何やら、また波乱の予感……もとい、面倒くさい気がしますね。

はぁ、頭が痛くなってくるわ。

 

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