チートを貰ったが、異世界では……。   作:月詠 秋水

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これからはハーレム要素が少しだけ増えていくと思いますが、ご容赦ください!

前回のあらすじをサクッと……

アーシュにこっ酷く叱られ、全員で部屋に戻る雪咲達一行と英雄達。雪咲の部屋に集まり、今後のことについて少し話し合うことにした。

話し合いが終わった後、アーシュは雪咲を連れて人通りのない場所へと連れ込む。何をされるのかと思いきや、少し重い話になってしまう。信用に値しないの?と訪ねてくるアーシュに現実世界の時の話を全て話し、軽蔑などの視線を恐れていたが予想外にも理解してくれた。

この話を皓は隠れて聞いていたのだが、それはまた別の話……。


第4章 アルステン王国編
第24話 いざ、新天地へ!


皓達と話し合いやらなんやらした翌日、妙にアーシュにベタベタとされることが多くなった。ユリナはそれを見て更に雪咲にくっつき、まるで引っ張り合いみたいな状態になってしまった。だが眞弓と冬望が様子を見に来るとさっと離れ、何もなかったかのように接してくる。皓は何を気遣っているのか、しょっちゅう様子を見に来てくれている。

 

「お前も大変なんだな……」

 

その言葉の意味が何を指しているのか分からなかったが、取り敢えず苦笑で誤魔化すことしか出来なかった。その日は皆休息を求め、一日中部屋の中で寛いでいた。まるで自分の部屋のようにダラダラと、こんな状態で大丈夫かと心配になってくるほどに怠惰な光景だった。

 

更にその翌日、午前中に皓達は次の街へ向かうべくハルカスを発った。名残惜しそうにはしていたが、一刻も早く世界を救わなくてはいけないため海は渡らずに別方向から違う大陸にアクセスするとのこと。

 

皓達を見送り、どうしようか考えていると後ろから優しくアーシュが抱きしめてくる。

 

「どうしたの?」

 

呆気に取られ、首を傾げ訪ねてみる。

 

「……貴方が向こうの世界で苦労した分、こっちでは幸せになる権利がある。だから……私は貴方を幸せに出来る一人になりたい」

 

「……!」

 

何となくアーシュが急接近してきた理由は心の何処かで分かってはいた、だが同情なんてされたくなかったしこの時の返答だってどう返せば良いのか分からなかった。ただ優しく抱き返し、感謝の言葉を呟くように言うことしか出来なかった。皓にすら話したこともない話もあったため、そういう意味では2人だけの秘密だなと思った。

 

「……ありがとう」

 

「うん……」

 

暫くの間静かな2人だけの空間で抱き合い、そしてそろそろ団員達が起きてくる頃だと思い少し離れる。あんなことがあったせいか、普通に接することがかなり難しく思えた。だが皆と話している内に、何となくではあるものの今後の方針とかそういうのが薄っすらと決まってきていた。

 

そんな中何処に行くかと話をしていると、一つの国が思い浮かぶ。それはあの皇女2人が行くと言ってた王都・アルステン王国、気になっていたし行ってみるのも良いかなと提案を出した。すると団員の一人が、少しなにか言いたそうな顔をしていた。

 

「どうした?」

 

それが気になり、聞いてみることにする。

 

「いやぁ……ちょっと小耳に挟んだんですが、今あの国は内戦状態らしいですよ」

 

「内戦?」

 

「えぇ、どうも現国王が出した法令が原因で……賛同派と反対派が戦争状態って」

 

その言葉を聞き、少しだけ考え込む。本来英雄ではない雪咲が首を突っ込む案件ではないのだが、内戦だとあの2人の皇女の命が狙われる危険性が高い。そこまで親密な仲ではないにしろ、一度助けた相手に死なれるのは気持ちが悪い。

 

「……どうする?」

 

珍しくアーシュが訪ねてくる、どうしようかと更に深く考えていると今度はユリナが寄り添ってくる。

 

「私……前はアルステン王国に居たことあるから、道案内とかくらいなら出来るけど……」

 

「じゃあ、迷う心配はなさそうだね」

 

冗談交じりに言いながらもユリナの頭を撫でると、まんざらでもなさそうな顔で表情を緩める。ただ、アーシュの嫉妬じみた視線が気になるが……。

 

コホンッと咳払いをした後、熟考の末どうすることに決めたかを団員全員に話す。皆”そんな感じで大丈夫か……?”みたいな顔をしていたが、グランは雪咲を信じているのか黙って頷くだけだった。

 

「……良いと思う」

 

「私も賛成!」

 

アーシュとユリナは何故かやる気満々で旅支度を初めた、それに釣られたのか団員全員旅支度を初め……支度が済んだのが午後一だった。宿屋の店主にありがとうという気持ちでカウンターに金貨を2枚ほど置いて宿を後に、船着き場の所までゆっくりと歩いていった。

 

泊めてある船は殆どが漁船らしく、客船は皆出払っているそうだ。どうしようかと考えていると、1隻の少し大きめな船の前で数人の男達が言い争っている姿が見えた。雪咲はちょっと行ってくると言って、男達の方へと向かっていく。

 

「あの……すいません……」

 

「だから、無理だって言ってるだろ!?」

 

「何も話を聞かずに断るこたぁねえじゃねえか!!」

 

「だけど、俺達に死ねって言ってるようなもんだぞ!?」

 

「それはそうだが……」

 

話が見えないので、少し大きめな声で割り込むことを決意する。

 

「すいません、少しお時間良いですか!?!?」

 

急に話に割って入ってきたせいか、驚いたようで誰もが黙り込んでしまう。だが話を聞いてくれそうな雰囲気でもあったため、構わずに話を続けることにした。

 

「アルステン王国に行きたいんですが、乗せてってくれませんか……?」

 

そう言って雪咲はギルドカードを提示しつつ、アルステンに向かってほしいとの事を伝える。

 

「お……王家の印の入ったカード!?あんた一体何者だよ……」

 

カードを手にし見ていた男性が驚きの声を上げ、その場の皆が雪咲に注目する。

 

「ただのしがない盗賊です、王国お墨付きのね」

 

その言葉に、誰もが頭に?を浮かべた。しかし丁度いいと思ったのか、一人の男性がある提案をする。

 

「別に乗せていくのは構わねえが……一つ頼みを聞いちゃくれねぇか?」

 

「何でしょう?」

 

「アルステン海域に差し掛かる所で、巨大な魔物が出たという目撃証言があったんだ。俺等はこれから仕事であるステン王国に向かわなきゃいけないんだが、その魔物に襲われねえという確証なんて無い。だからアルステン王国に付くまでの間、俺達を守っちゃくれねーかな?」

 

まさか向こうから言ってくれるとは思っていなかったため、少しの間呆けていた。だが利害が一致した以上、断る理由はこちらには一つもない。

 

「分かりました、ではこちらの紙に著名をお願いします」

 

優しく微笑みながら一枚の紙を差し出す、書かれている内容としては主に契約内容を事細かく記したことだった。

 

(我々盗賊団は契約者との契約を絶対遵守します、しかしこちらも生活がありますので倒し賜物の素材等はこちらに譲っていただきます。その為、賃金等は一切そちらには請求しないことを誓います)

 

書類に目を通した後、リーダーと思われる男は紙に名前を書いて雪咲に渡す。それをしっかりと確認した後、男達は船の中へと入っていく。雪咲達盗賊団員も乗せてもらい、船は大海原へと向かい出発するのであった。




次回は大海原のど真ん中から始まります!

投稿は……体調が良ければしたいとは思っています。
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