チートを貰ったが、異世界では……。   作:月詠 秋水

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どうも、秋水です。

今回の話では特に報告は無いので、呆気なく終わってしまいます。

ちなみにエルティア編は、森に入った所からエルティア編となります!


第61話 旅人の正体!

「えっ……!?」

 

 気が付いた時には、アメノウズメは地面に倒れ込んでいた。どんどん血溜まりが広がっていき、雪咲の頭の中は真っ白になっていた。さっきまで横たわっていた”もの”は、ケタケタと笑いながらこちらを見つめている。

 

「こいつっ……」

 

 咄嗟に刀を取り出して斬り込むが、圧し折れた刀では傷をつけることすら出来なかった。それどころか更に砕かれ、もはや刀身は全て無くなってしまう。武器は全て失ってしまい、魔力を込めようとする。だが突如襲われる虚脱感、気になり辺りを見渡してみると足元に何かが絡みついているのが分かる。それが雪咲の魔力を奪い取り、魔法の発動を阻害していた。

 

「っ……!」

 

 急激に魔力を吸い取られて全身の力が無くなっていき、地に膝をつく。顔色がどんどん青白くなっていき、目の前が霞んでくる。

 

『くそっ……一度に急激に魔力を失いすぎたせいで……!』

 

 すると、物陰に隠れていた少年がひょっこりと顔を出す。逃げろと言わんばかりに目配せをするが、さっきと雰囲気が打って変わっていた。さっきまでガタガタ震えていたのだが、今となっては狂ったのか声を上げて嘲笑っていた。”もの”が少年に視線を向けるが、興味が無いのかそれとも他の”関係”があるのか直ぐに雪咲の方に視線を戻す。

 

「ひーっひっひっひ!!こいつ騙されてやがらぁ!」

 

「なっ……」

 

 思っても見なかった言葉を聞き、思わず我が耳を疑った。そう、この少年は”もの”と仲間通しだった。

 

「お前ら……何物……」

 

「そうだなぁ、今から死ぬお前だけには教えてやるよ……さっきの旅人の話覚えてるだろぉ?俺がその旅人さ!こいつはシュリア、エルティアで契約した殺戮の悪魔さ!」

 

 少年は嬉しそうにシュリアに頬ずりする、一方シュリアはただ無表情に雪咲の事だけを見つめていた。その瞳には光はなく、ただ本当に殺戮のことだけしか頭に無いような感じがした。

 

「……可哀想に……」

 

 聞き覚えのある声が何処からか聞こえてくる、雪咲は思わず声の聞こえた方に視線を向けてみる。するとそこに立っていたのは、先程喉元を刺され倒れたはずのアメノウズメだった。よく見てみると傷は無かったことになっており、出血の跡も血痕さえすら無くなっていた。

 

「なっ……お前、一体どうやって!?」

 

「貴方には関係のないことよ」

 

 少年の言葉を遮り、アメノウズメは少年に殺意を向ける。悲鳴のような声を出した瞬間、シュリアは少年とアメノウズメの間合いのど真ん中に割って入ってくる。少年を守るように……近づけさせぬように。

 

「……ちょっと我慢しててね」

 

 アメノウズメがそっとシュリアの額に触れると、見たことのない魔法陣が現れる。それが消えたかと思えば、シュリアが突然と苦しみだす。血反吐を吐き、涙を流し、地面に膝をつく。

 

「お前、何を……!」

 

 その言葉を言い切る前に、アメノウズメは間合いを一気に詰める。そして背後から手をそっと首元へ滑り込ませ、一気に骨をへし折った。ゴキッという快音と共に、少年は口元から唾液を垂らしながら力無く地面へと倒れ込む。息の根は完全に止まり、そのまま無に帰す。

 

 シュリアはというと、先程までの禍々しさや殺意などは一切取り払われていた。だがその途中の苦しみに絶えきれなかったのか、気を失い地面に倒れてしまう。

 

「……」

 

「……これで終わりです」

 

 そう呟くように言葉を発するアメノウズメは、何処か悲しげな雰囲気を漂わせていた。




次話では、遂に街の状況がどうなっているのか……!

そして、シュリアの運命やいかに!?
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