チートを貰ったが、異世界では……。   作:月詠 秋水

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黒フードの正体、それは次話公開予定!
性別は男と記述していますが、正確にはあやふやの状態なのです。


第86話 戸惑う雪咲……だったのだが?!

「皓!!何処へ行ったんだ!!」

 

 大きく声を張り上げる雪咲だが、何一つ物音は聞こえてこなかった。心の内に積もる不安、それを何とか振り払おうと別の思考に切り替えてみた。だが今まで皓と一緒に居た時、皓だけが一人で居なくなることはまず考えられない。いつもは雪咲が一人で勝手に消えて迷子になるのだから、しかし今回は話が全く違う。雪咲は皓と話している時その場所から一歩も動いてすらいない、それなのに皓が突如姿を消してしまっていた。

 

 気配を探ろうと何度も感覚を研ぎ澄ませているが、妙な違和感とともに掻き消されてしまう。その違和感の正体を突き止めようとするも、色んな場所に分散されすぎていて分からない。

 

「一体どうなって……?」

 

 ふと空を見上げ我に返る、その理由は。

 

(あんな星あったっけ?)

 

 目に止まったのは夜空に煌めく一つの星座、最初に見た時と明らかに星座の位置がズレている。それも時間に伴うほんの少しのズレではなく、まるで空間そのものが別物に感じられる大きなズレ。北東にて煌めいていた星が、南西の方にあった。

 

 その事に気付くのに多少時間は掛かったものの、それを踏まえて思考を巡らせた。

 

 ー雪咲が熟考している頃、皓の方ではー

 

 「ん?」

 

 意識を失っていたらしく、ゆっくりと瞼を開ける。そこにはさっきまで居た筈の雪咲が居なくなっており、また何処かへ行ったのかと小さくため息を零しながら探そうとしたその時だった。全身がピクリともしない、指を動かすことでさえ出来なかった。

 

(なんだこれ?!)

 

 不意に違和感を感じ腕の方に視線を向けてみる、腕に絡みついていたのはまるで鉄線かと思えるほどに細く硬いものだった。少しでも体を動かそうものなら鉄線のような物は皓の体をきつく締め上げ、肉にめり込んでいき、やがては肉さえも断ち切ってしまいそうなほどな硬度だ。

 

「無駄だよ、それは素手では決して壊れない」

 

 どうしようか考えていると、不意に左方から声をかけられる。その声がした方に視線を向けてみると、そこに居たのは雪咲と一緒に居た時に出会った黒フードの男だった。

 

「お前、どうやって俺を運び出した?」

 

「というと?」

 

 黒フードは面白おかしそうに首を傾げる。

 

「そんな華奢な体で雪咲の目を掻い潜って俺だけをこんな暗闇の空間に、しかも装備をしたままの俺をだ。一体どんな魔法で?」

 

「なぁんだ、そんなことか」

 

 黒フードはくすくすと笑いながら、皓の方に歩み寄る。

 

「疑問はそれだけじゃねえ、あの時は分からなかったが……お前女だろ?」

 

 その言葉に、黒フードの動きが一瞬だけ止まる。

 

「面白い考え方をするね、一体どうしてだい?」

 

「それは……」

 

 皓は自身の推測の内を言葉にする、それを聞いた黒フードはニヤリと怪しげな笑みを浮かべていた。




次話は、まだ未定です。
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