変わるもの、変わらないもの。   作:おさむつかさ

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色々書き直しました。
前のは消去しました。
お気に入り、閲覧などをしてくださっていた方すみません。



だから、青葉碧は変わる

 

 

 

 

 高校生活を振り返って

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 青葉碧《あおば あおい》

 

 

 

 

 

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「やっと捕まえたぞ、青葉。こうして君に声を掛けるのは何回目だと思っているんだ」

 

 そう言い、私の目の前にいる女教師、平塚静は溜息をつきつつ、スーツの胸ポケットから煙草とライターを取り出した。そして、明らかにチープなライターで煙草に火を付けた。その仕草は毎日行なっているからだろうか中々洗練されていた。まぁ、だからと言ってどうということはない。ただ、煙草に火つけてるだけだし。というか、煙草吸っていいんですか。ここ職員室ですよ。

 

 しかし、今はそんな事どうでも良くて早く帰りたい。家に帰って寝たい。眠い。というわけで私は職員室から脱出し、家に帰るために平塚先生に返答する。

 

「何の用ですか、平塚先生。私こう見えて忙しいんですよ。因みに先程の答えは50回目です」

 

 本当にこの人どんだけしつこいんだよ。流石に逃げるのも面倒になって、こうして記念すべき(?)50回目に捕まってあげた。

 

 そもそも何の用でこの人は私を捕まえようとしていたのだろうか。私は別にそこまで成績が特に悪いわけでも授業態度が悪いわけでもない。学外で問題を起こした記憶も無い。では、どうして私は職員室に連行されたんだ。謎すぎる。

 

「何故数えているんだ……」

 

「ふふっ、私記憶力には自信があるんですよー」

 

「はぁ……。私は君のそういうところが心配なんだ。君は才能があるのにそれを勉強やスポーツに使おうとしない。どころか、何かしようとすると気力すらない。ラノベの無気力系主人公か。先程、君はどうして私に呼ばれたのか疑問を持っているようだか、私は単に君に機会を与えようとしているだけだ。これを覚えているか?」

 

 そう言い、平塚先生は一枚のB5サイズのプリントを私に見せた。そのプリントには『高校生活を振り返って』というタイトルと私の名前しか書かれていなかった。

 

 あぁ、そう言えばこんな課題出てたな。面倒だったから何も書かなかった奴だ。まぁ、面倒でなくとも書くことなんてないけど。というか、この事で呼んだだとしたら一つ疑問がある。

 

「そんな事で呼んだですか?別にこういうのって成績に入らないから白紙の人って結構いませんか?出さない人も多そうだし、むしろ出した分偉くないですか」

 

 と、単純な疑問を口にすると、平塚先生は顔に青筋を立てた。

 

「ほぅ、それを私に面と向かって言うとはなかなか度胸があるじゃないか」

 

「いや別に煽った訳ではなくて、単純に悪い事をしたとは思いますけど、わざわざ個人を呼び出し言うことでないと思っただけです」

 

 すると、平塚先生は呆れたようなでも少しだけ優しい顔をした。

 

「さっきも言ったが私は君のそういうところが心配なんだ。君は何か興味のある事とか夢中にれるものあるのかね」

 

「無いですけど……。その質問何か関係ある──あぁ、そういうことですか。じゃあ、行きますか。何処に行くかは知りませんけど」

 

 大体平塚先生の言いたいことが分かった。先生の言動はおそらく私に『機会』を与える、つまり、私に何かをさせるつもりだろう。例えば部活とかだろう。

 

「ほぅ、察しがいいな。やはり、君は聡明だ」

 

「別にそんなことないですよ。誰でもそれぐらい察せますよ」

 

 すろと、首を振り平塚先生は言った。

 

「君はそれが普通と思うかもしれんが大勢の子供はそうじゃない。最近の生徒はどうも受け身の人間が多い。その結果考えることを放棄した者ばかりだ。だから、君の様に常に思考を巡らせでいる生徒はマイノリティなんだ」

 

 まぁ、だからといって思考放棄している生徒が間違っているわけではないがな。そう平塚生徒は付け足した。

 

「そんなものなんですかね。あまり私には分からないですけど。ってそれよりさっきの件私に拒否権はあるんですか」

 

「それはあるだろう。私は生徒の自主性を重んじる主義てね」

 

「えっ……。意外ですね。先生なら殴ってでも連れて行かれるかと思いました」

 

「君は真面目ではないが不良生徒ではないからな。私から強要することはできないよ。あくまでも選択肢を与えるだけだ。でも、一つ人生の先輩としてアドバイスするとすれば、君はこの『機会』を逃せば必ず後悔する。チャンスは一度しかない。君ならこの意味はわかるはずだ」

 

 そう言われて仕舞えばついて行く他にないだろう。

 

「じゃあ、ついて行きますよ。期待はしてませんけど」

 

 そう言い私達は職員室を後にした。

 

 

 

 

 

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 職員室を後にした現在私達は特別棟の廊下を歩いていた。

 

 特別棟は文化系の部活が多いからグラウンドや体育館とは違い静寂とした空気に包まれたい。静寂といえば涼しそうなイメージがあるが今は七月なので全くそんなことはなく唯々暑いだけであった。あーなんか帰りたくなってきたな。

 

 早くも決意が揺らぎ始め本格的に帰ろうかなと思った時、平塚先生か立ち止まった。

 

「ここだ」

 

 辺りを見回すと一つの教室があった。プレートには何も書かれていない代わりにいくつかの可愛らしいシールが貼っていた。扉の隙間から僅かに光と話し声が漏れてきていることから中にひとがいることが伺える。

 

 ここが平塚先生の言っていた『機会』なのだろう。私のよみ通り部活のようだがここからでは何部かがわからない。

 

「平塚先生ここって何部なん──

 

 ですか?と聞こうとしたが平塚先生は聞こえていなかったのか部室と思われる教師の扉を豪快に開けた。いや、ノックぐらいしてくださいよ。

 

 開かれた扉の先にはよくある普通の教室の景色が見えた。普通とは違った点は机は並べられておらず後ろに集められ積まれていた。もう一つは本来なら机が並べられているところには一つの長机が置かれていた。そこには三人の人物がいた。そして、私に三者三様の目線を私に向けていた。

 

 一つの視線は鋭くで此方を推し量るような視線。

 

 その視線の持ち主は雪ノ下雪乃。国際教養科の女子生徒。名は体を表すとは良く言ったもので雪のように白くて綺麗なはだを持ち、漆黒のよう艶めかしい黒髪。その類稀なる容姿に加えて成績優秀。正しく完璧超人。誰もが知る有名人だ。

 

 

 

 もう一つの視線はキラキラとした瞳でワクワクしている視線。

 

 その視線の持ち主は由比ヶ浜結衣。スカートを短くし、ブラウスの胸元は谷間が見えてしまいそうなぐらい空いている。その姿は今時女子高生と言える。事実、彼女は所謂リア充グループに属している。一応同じクラスなので少しは友好がある。結衣ちゃんの人脈は相当広いらしい。

 

 

 

 そして最後の視線は此方のことには余り興味がなさそうな視線。

 

 その視線の持ち主は比企谷八幡。姿勢は猫背で悪く、目はまるでこの世の全てを恨んでるような腐った目をしている。そして、暗いオーラを放っている。しかし、どこか優しそうなオーラと強い芯があるように伺える。彼の場合は知る人ぞ知るどころか知るひとすら知らないといった感じだ。彼とは一年から同じクラスだ。

 

 

 

 

 

 その時、彼を見た時ふと思った。もし仮に長い間気になっていが全く関わりを持たなかった人と突然何らかの方法で関わりを持つことになったとしたら、人はその出来事を何と呼ぶのだろうか。

 

 ─私はそれを『運命』だと思った。

 

 でもこれは傍から見れば『運命』などではないのだろう。学校とうい空間に限れば二年も同じクラスなら関わらない方が稀なのだから。

 

 しかし、人は自分の都合よく事実を歪曲してしまうものだ。自分の人生をより良く劇的にするため。その出来事をより良いものだと思いたいから。

 

 そんな気持ちを自分が持っていた事は驚き呆れるが、その反面その気持ちが嬉しくて堪らなかった。私はもう乾いてしまったと思っていたから。

 

 

 

 

 

 だからだろうか、さっきから胸が張り裂けそうなくらい脈打っているのがわかる。感情が川の氾濫のように溢れ出してくる。そして、目から溢れ出た感情が私の頬をつたった。

 

 

 

 

 

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