インフィニット・ジェイデッカー   作:すし好き

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2話目です。
でも、ほとんどが説明となってます(苦笑)
白騎士事件から5年後となります。
1話目の穴だらけの設定を指摘され、ダブルボスではなく
一夏は勇太より5歳年下の弟分でいきます。




第2話 5年後の始まり

「ふふ♪」

「わぁ~……」

 

空き地で、二人の少年が空を飛ぶラジコン飛行機を眺めていた。

リモコンを持って操縦している、小学三年生ぐらいの少年の傍で、

幼稚園児と思われる小さな子供が目を輝かせていた。

 

「ねぇ~ねぇ~。ぼくにもぼくにも~!」

「いいよ♪それじゃあ、一緒に……」

 

ピョンピョンとジャンプして操縦をせがむ子に、しょうがないなぁ~

といった感じで少年が、リモコンを貸そうとしたらラジコン飛行機はコントロールを

失い林の中に姿を消してしまう。

 

「おちちゃった……」

「あちゃ~」

 

落ちてしまったラジコン飛行機を探すために、二人は林へと入っていく。

 

「どこにいったのかな~?」

「う~ん……あった!」

 

ラジコン飛行機を見つけた二人は、早く拾おうとするあまり足元に目が行かなかった。

 

「うわっ……!」

「ひゃっ!」

「「わぁぁぁっっっっ!!!!!」」

 

二人は、まるで落とし穴のように隠れていたダクトに落ちてしまった。

 

「うっ!」

「たっ!」

 

落ちたダクトの先には、幸いなことにダンボールがありそれがクッションとなって

二人にケガはなかった。

だが、落ちた拍子に吹き飛んだダンボールが何かの機械のスイッチに当たり、

そこで作られているものが起動した。

 

「いてて……何だここ……」

「……おもしろーい!もういっかい♪もういっかい♪」

「呑気だな~。……ん?

 わっ!?ロボット!?」

「ほんとだ~。おっきいっ!」

『わたしは、でっかーど……わた、しは……でっかーど』

 

二人が見上げる先には、まだ作りかけなのか人型の基礎フレームに

顔だけのロボットが置かれており、自分の名前らしきものを繰り返し口にした。

 

「はぁ~……僕は勇太……友永勇太だ!」

「織斑一夏だよ!」

『ともなが、ゆ、う、た……。

 おり、むら、い、ち、か……』

 

友永勇太、織斑一夏。

地球で初めて心を持ったロボット“デッカード”の人工知能に

最初に記憶された言葉……それが二人の友達の名前であった――――。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「う~~~ん……なんか、懐かしい夢見ちゃったな~。

 さてと!」

 

ベッドから起き上がった10歳ぐらいの少年は、階段を下りて玄関へと

向かった。

 

『おはよう、一夏。今日も早いな』

「おはよう、デッカード。

 家は、揃いもそろって朝に弱いのが多いからな~。

 俺が起こさないと、いつまでも寝てるんじゃない?」

『いつも、ご苦労様だな』

 

玄関に出て、新聞を取った少年……一夏は駐車場に止まっている

パトカーと世間話をする。

もちろんこのパトカーは、ただのパトカーではなくデッカードが変形した

ものである。

普段、彼はここ“友永家”の一員として生活しているのだ。

 

「今日は、懐かしい夢を見たよ。

 俺と勇兄が、最初にデッカードに会った時のさ~」

『あの時か……。

 君達と出会ってから、5年ぐらいになるな。

 小さかった一夏も勇太のように大きくなるわけだ』

「じゃあ、みんなを起こしてくるよ」

『……一夏もブレイブポリスのボスとなった時の勇太と同い年か。

 時が経つのは、早いな』

 

ウインカーを器用に動かしてパトカーのまま感情を表すデッカードは、

感慨深げにつぶやくのだった。

 

「は~い!みんな起きて!

 朝ごはんだよ~」

「ふ……わぁ~~~」

「勇兄、朝ごはんの前に顔を洗ってきたら?」

「う~~~ん……おはよう、一夏」

「おはよう、くるみ姉。

 受験生は、夜遅くまで勉強で大変だね」

「おはよう。いつも悪いわね、一夏」

「気にしないでよ、あずき姉。

 好きでやってるんだから。

 それにしても、千冬姉は今日も最後か。

 本当に、朝は弱いんだから~」

”いつまた、外宇宙から侵略者が来るかわかりません!

日本の……ひいては、世界を守るためにISによる軍備強化を!”

“ですから!これ以上、ISを軍事に取り込むのは危険です!”

“そうだ!

個人の気まぐれで、牙を向く危険があるものなど使えるか!

『フォルツォイクロンの悪夢』を忘れたのか!”

「ま~た、やってるわね」

「全く……。束さんもISは、宇宙に行くために作ったって言ってるのに……。

 それに防衛って言うなら、ブレイブポリスがいるじゃん!」

 

朝食を準備しながら、一階へと降りてくる家族にそれぞれ声をかけながら、

一夏はまだ起きそうにない千冬を起こしに行こうとするとテレビのニュースに

目を向ける。

聞こえてくる内容に、呆れた声を出すくるみに一夏も同意する。

 

 

 

白騎士事件直後――。

現行兵器を遥かに上回る性能を世界に見せつけたISとブレイブポリスは、

瞬く間にその名が広まった。

当初、本来の目的より外れて軍事転用されようとしたが、それはすぐさま

収束した。

ISは、心臓部であるコアが開発者である束でも把握しきれていない

ブラックボックスと化しており、またブレイブポリスの心が宿りAIから超AIと

なった人工知能も人間の脳のように未知のものとなり、

どちらも一朝一夕で解析できる代物ではなかったからだ。

軍事転用をするためには、想像以上に長い時間を必要とするため、

ブレイブポリスは試験運用もかねて警察組織として、

ISは宇宙開発だけでなく災害救助等のパワードスーツとしての研究開発が

進められ、兵器としての利用は見送られるかと思われた。

だが、犯罪史に残る最悪の事件で状況は一変してしまう。

 

“フォルツォイクロンの悪夢”。

フォルツォイクロンを開発したエヴァ・フォルツォイクとその息子

ノイバー・フォルツォイクによって引き起こされたこの事件は、

“白騎士事件”以上に人々の記憶に深く刻まれている。

エヴァ・フォルツォイクは自らが作り上げたフォルツォイクロン

によって来るであろう、ロボット時代を支配するべく密かに

フォルツォイクロンに特殊な回路……シークレットサーキットを組み込んでいた。

“ハーメルンシステム”によってシークレットサーキットが起動したフォルツォイクロン

を搭載したロボットは支配下におかれ、エヴァの思い通りになってしまうのだ。

それは、心を持ったロボットであるブレイブポリスも例外ではなく、

危うく最悪の犯罪ロボットになって、人々に牙を向けてしまうところであった。

同じように世界各国の軍事兵器の大半は、フォルツォイクロンを搭載したロボットであり、

その全てを無力化され、フォルツォイク親子を止められるものはいなかった。

 

しかし、世界の終わりとも言える中でフォルツォイクロンを搭載していなかった

ISが、盾となり剣となってフォルツォイク親子と戦った。

兵器として開発、研究がほとんどされていなかったISだったが、突貫作業で

少ないながらも武器を搭載し、フォルツォイク親子の配下ロボット達を迎撃した。

初めてと言っていい実践に、人間を簡単に握りつぶせるぐらいの巨大な相手、

10機にも満たない数にも関わらず、ISは善戦した。

体格差を利用して、機動力でかく乱し、一体一体を確実に倒していったが、

疲れを知らないロボットに圧倒的な数の差、一つのミスが死に直結するという

極限のプレッシャーに次第に押されていった。

だが、その行動は無駄ではなかった。

ISが防衛に出てくれたおかげで、ブレイブポリスはハーメルンシステムに

対抗する改造をジェイデッカーに施すことができ、その戦いの中で

デッカード達、超AIを持ったロボットは機械の体に心を持った

機械生命体へと進化を果たし、フォルツォイク親子の野望を止めることができた。

 

“そちらこそ、忘れたのか!

超AIを搭載した軍事ロボットの脅威を!

もし、彼らが人間に反旗を翻した時に、対抗できるのはISしか

ないのだぞ!”

 

搭載すれば、ロボットに設定された以上の性能を引き出す超AIだったが、

それは一歩間違えば、心を持った悪魔を造り出してしまう危険もあった。

実際、初めて超AIを搭載した軍用ロボットであるチーフテンシリーズは、

人間には制御できず、何人もの犠牲者を出し、ブレイブポリスも圧倒する程であった。

これらの事例も踏まえ、各国は制御できない危険性のあるロボットに代わる兵器として

ISに注目するようになったのだ。

数に限りがあるというのも逆に、厳重に管理すれば均衡を保てるということであった。

 

無論、ISにもフォルツォイクロンのように開発者である

束の気まぐれによって暴走等の可能性があるため、

兵器への運用はそれほど大きくは進んでいないのが現状である。

中には、これを機に兵器を破棄してはという意見もあるのだが、数えるほどしか

ない意見など無いも同然であった。

 

「はぁ~。兵器だのなんだのって、このままじゃハイジャス人の言うように

 本当に地球は滅びちゃうよ……」

「勇兄……」

 

ハイジャス人とは、銀河警察として宇宙の監視者を名乗る宇宙人達である。

かつて、地球へ侵入した宇宙の犯罪者を追ってきたのをきっかけに、

ブレイブポリスとコンタクトを交わし、同じ平和を守る者同士、共に

歩んでいけるかと思われたが、平和への考えは異なっていた。

ハイジャス人達は、種としての生命をまっとうさせるために人々の心に干渉し

感情を消し去る“精神浄化”を地球に対して行おうとしたのだ。

このまま行けば、地球の文明は人間の悪しき心によって滅びてしまうという

判断の下に。

実際に精神浄化を受けてしまった人がどうなってしまうかを、運よく免れた

宇宙人カピアから伝えられた勇太達ブレイブポリスは、精神浄化を阻止するべく

ハイジャス人達に、自分達の意志を伝えた。

地球を滅ぼしてしまうかもしれない、犯罪と言う人の悪とは自分達が戦っていくと――。

それを聞き届けたハイジャス人達は、受け入れたのか見限ったのか、

宇宙のいずこかへと去っていった。

 

「な~に、落ち込んでんのよ勇~太~!」

「いたっ!く、くるみ姉ちゃん……」

「ブレイブポリスのボスが、そんなんでどうするの!」

「そうよ、勇太」

「うん!今日からは、俺も皆と一緒に戦えるんだからさ!」

「あずき姉ちゃん……。一夏……。

 そうだね……。悩んでても、何も解決しないよね!」

 

家族の励ましを受けて、落ち込んでいた勇太の表情は明るさを取り戻した。

 

「おはよう……みんな……。

 ん?どうかしたのか?」

「千冬姉……」

 

いい感じでまとまったと思ったタイミングで、家族にしか見せないだらしない姿で

現れた千冬に一夏は脱力するのであった。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「待っていたよ、一夏君」

「こんにちは、冴島さん!」

 

時間は流れ、小学校の授業が終わる放課後。

一夏はブレイブポリスの基地、デッカールームへと来ていた。

そこには、デッカードや他のブレイブポリスのメンバーに、ボスの勇太、

警視総監の冴島十三が一夏を歓迎していた。

 

「では、改めて……織斑一夏君。

 本日をもって、君を正式にブレイブポリスの一員に任命する!」

「はい!精一杯、がんばります!

 ……ぷっ……ハハハハハ!」

 

任命を受け、デッカード達とお揃いの警察手帳をもらった一夏は、

背筋を伸ばして敬礼をし……耐えきれなくなったように笑い出す。

 

『ハハハ!そうだよね~。何だか、今更って感じだよね?』

『そうだな、ドリルボーイ。

 最初から一夏は、ブレイブポリスの一員みたいなもんだしな?』

 

一夏につられて、ビルドチームのドリルボーイとパワージョーは笑い声をあげる。

 

「うむ。

 確かに勇太君のように一夏君も刑事にしたかったが、流石に5歳の子供を

 任命するのは無理があったからな」

『最も、それも形だけのようなものでしたがね』

『そうです。昔から、一夏も我々の大切な仲間であります!』

 

実に残念と言った感じで冴島が、一夏を刑事にできなかった理由を言うが、

マクレーンとダンプソンはそれこそ今更と言うように続く。

勇太程ではないが、一夏も度々ブレイブポリスの一員として

事件解決の力になっていたのだ。

 

『やれやれ~。

 おチビさんもちょっとは、大きくなったと思ったのに今度は、

 別のおチビさんかよ~』

『そう言いなさんな。

 これでこそ、ブレイブポリスって感じじゃないですか』

 

ガンマックスが憎まれ口を叩くが、本気で言っているのではないのは

誰の目にも明らかであり、シャドウ丸がたしなめつつ、

ブレイブポリスらしさが戻ってきたと微笑む。

 

『それで、総監?

 一夏はどういう役割に就くんですか?』

「ああ、それなんだが、藤堂の下について君達のメカニックを

 担当してもらおうと思う」

 

和やかな雰囲気の中、デュークが一夏の任について尋ねると

冴島は、思い出したように説明した。

 

「へぇ~。てっきり、僕達と一緒に現場に出ると思ったのに」

「へへへ♪

 機械いじりは、昔から好きだったしね。

 それに、現場にも出るよ?

 皆が、ケガをしてもすぐに治せるようにさ!」

『一夏……』

 

一夏が任されたことに意外だったのか、勇太が覗き込みながら傾げると一夏は

照れくさそうに笑うのであった。

そんな一夏の優しさにデッカードは感慨深くなるが、それは他の皆も一緒であった。

 

「ははは!頼もしいな~♪

 じゃあ、よろしく頼むよ一夏」

「任せてよ、勇兄!」

「違うだろ、一夏。ここじゃ、僕のことは……」

「あっ!そっか!こほん……。

 任せてよ、ボス!」

『ああ、よろしく頼むぞ一夏』

「オッケィ!」

 

ブレイブポリスの始まりの時のように、一夏は勇太とデッカードに

ピースサインで応えるのであった。

 

 

 

 

 





白騎士事件直後は兵器として注目されたISと超AIでしたが、
未知の部分が多すぎるということで、兵器開発はそれほど進んでおりません。

しかし、チーフテンやフォルツォイク親子の事件で、
ロボットに防衛を任せるのは危険と次第に、兵器としての
研究がされてきています。

ISとブレイブポリスの強さですが、飛行能力や人とロボットとしての
違いもあるため、一概にどちらが上とは明確に決められません。
一部の者は、ISこそ!ロボットこそ!と言い争っております。
また、合体すれば総合能力はISを上回ると思いますが、体の大きさの
違いから起動力の差で、ジェイデッカー達が翻弄されると思います。
むしろ、もし戦うなら合体前の方が戦いやすいのでは?

一夏は、今回より放送時の勇太と同じ小学4年生で
正式にブレイブポリスの一員となりました。
最も、当初からちょくちょく事件には首を突っ込んでおりましたwww
メカニック担当の背景や、友永家にいる理由はまた次回で。

友永勇太:15歳となり、子供らしさが抜け始めているが、
     根本の優しや勇気は変わっていない。
友永あずき:21歳の大学生。柏崎と順調に交際中。
友永くるみ:18歳の高校生。現在、受験生。
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