花粉症の季節ですが、たまに薬を飲んでも鼻がすごいことに
なることがあって辛いです(苦笑)
月末にはISの最新刊が出ますが、
また延期とかにならないだろうな(ジト目)
おそらく、登場は今回だけになるでしょうが、ゲストキャラ勢を何人か。
「それで、どうだ藤堂。一夏君は?」
「大したもんでさ。
昔から、筋はいいと思っていやしたが、教えたことは
砂が水を吸うみたいに吸収していきやす。
あまり好きな言い方じゃありやせんが、血は争えないってやつですね」
「織斑冬輝(ふゆき)博士か……」
冴島は藤堂と共に自宅で昼食を取りながら、最近の一夏の様子を尋ねる。
藤堂は笑いながら彼の成長を語り、その背にある男の姿を感じ取っていた。
一夏と千冬の父、織斑冬輝。
ロボット工学の第一人者であり、従来の技術にとらわれない自由な発想
の数々で、ロボット技術を発展させた天才科学者である。
彼がいなければ、ロボット技術は半世紀の遅れがあったと言われている。
「俺は、あの人の発明は好きでしたね~。
なんて言うか、こう……夢があふれているっていうか!」
「私もだ。
特に彼は、人間の“友達”としてのロボットの研究に力を入れていた。
それが、デッカード達ブレイブポリスの基礎理論にもなっている……。
その息子の一夏君が勇太君と共に、デッカードと出会ったのは
まさしく運命だと思うよ」
「研究発表先の海外で事故にあって、亡くなったと聞いた時は、
誰もが悲しみましたさぁ……。
ロボット技術者で、織斑博士と関わらなかった奴はいませんからね」
「一緒に行っていた奥さんも共に亡くなったらしく、一夏君と千冬ちゃんは
親交のあった勇太君のご両親に引き取られたらしい……」
目を輝かせて懐かしむ昔話から一転して、二人の間に重い空気が流れる。
「ところで、旦那?
わざわざ一夏君のことを聞くために、俺を呼んだですかい?」
「いや、お前を呼んだのはその織斑博士のことについてだ。
これは、まだ可能性の域を出ない話なのだが、どうも織斑博士が亡くなったのは
事故ではないかもしれないんだ……」
「な、何ですって!?」
「下手なことを言ったら、一夏君と千冬ちゃんを混乱させてしまうからな。
まず、お前だけには話をしておこうと思って呼んだんだ。
もしも、事故でなかったとしたら、我々ブレイブポリスは強大な組織
と戦うことになる」
「強大な……組織?」
「ああ。お前も、聞いたことがあるはずだ。
第二次世界大戦の頃から、存在していると言われる……世界の裏で
暗躍する謎の組織……」
「まさか!」
「そう。亡国企業……通称、ファントム・タスクだ」
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「おーい!お前ら~。早く来いよ!」
「待てよ、虎太郎!」
「流石、忍者の息子だね」
「どこでも元気だよな、虎太郎は」
一夏は今日、山に遠足にやってきていた。
同じ班である霧隠虎太郎は、水を得た魚の如く元気いっぱいに駆け回り、
クラス委員である野球のユニフォーム風の服を着ている少年、
流崎力也は彼をなだめるのに四苦八苦している。
「もう、虎太郎君!集団行動を守りなさい!」
「亜衣子先生もいつも以上に、大変そうだね」
「そうだな、鷹介」
「虎太郎君!ちゃんと先生の言うことを聞きなさーい!」
「う~ん、何かイマイチピンと来るものが無いわね……」
「千夏ちゃん、カメラを回しながら歩くと危ないよ?」
「テンション上がっている奴もいれば、平常運転の奴らもいるな」
「ははは……」
自由気ままな虎太郎を注意する担任の立花亜衣子と女子のクラス委員である武田桂に、
学校新聞の記者でいつもスクープを狙っている結城千夏、そんな彼女に
注意をうながす小牧百合香。
遠足でも普段の学校とやっていることが変わらない面々に、一夏はクラスメートの
風祭鷹介と共に肩をすくませてヤレヤレといった感じである。
「そんでもって、あいつは……はぁ~。
ほら、お前もこっち来いよ~、箒~」
「う、うるさい!余計なお世話だ!」
「……ったく」
クラスメート達から少し離れて歩く少女、篠ノ之箒に一夏は声をかけるも
返ってくるのは如何にも不機嫌といった尖ったものだった。
最もそれは、ただの照れ隠しであることは、一夏を除くクラスメートや
担任にはバレバレであった。
「一夏も変わらないよね~」
「何だよ、一体?」
「(全く、どうしてお前はそうニブイのだ!)」
鷹介の呆れ顔に首を傾げる一夏を、箒は後ろからムムムと唸りながら
鋭い視線を送る。
「(ただでさえ、ブレイブポリスに入って一緒にいられる時間が少なくなってきた
と言うのに!)」
心の中で地団駄を踏みながら、箒は今の自分と一夏の関係に不満を漏らす。
もう、お分かりだろうが、彼女は一夏に淡い思いを抱いているのだ。
「(はぁ~。一夏と会った時は、こんな風になるなんて夢にも思わなかったぞ……)」
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一夏と箒の出会いは、二人の姉を通してのものであった。
箒は、一夏の姉である千冬の親友にしてISの生みの親である束の妹であり、
千冬が箒と束の実家である剣術道場に一夏を連れてきたことで知り合ったのだ。
知り合った頃は、馬が合わなかったのがたびたび衝突していたが、何より箒が
一番気に食わなかったのは、自分以上にあった剣の才能だった。
幼い頃から、剣道を学び同年代の男子にも負けない腕前であったが、一夏は
そんな箒より短い期間でほとんど変わらない腕前となったのだ。
もちろん、剣道を始めた当初は一夏の黒星続きだったが、勇太やデッカード達
ブレイブポリスと共に大きく心が成長している一夏はメキメキとその
腕を上げていったのだ。
「(最初は負けん気だけは一人前で、腕の差もわからないのか何度負かされても
向かってきて……そして、あっという間に追い付かれた……。
しかも、ブレイブポリスも手伝っていて、鍛錬は私よりも少なかったはずなのに)」
剣は己を映す鏡と言うように、一夏が短期間で腕を上げたのは
それこそブレイブポリスで過ごした時間が大きかった。
向かうところ敵なしで、無敵と信じて疑わなかったジェイデッカーの敗北。
人の果てしない欲望と業の深さによる、クローン技術やバイオ生命体等の
決して人間が踏み込んではいけない領域を犯した犯罪の数々。
そして、ハイジャス人による精神浄化……。
子供が、経験するとは思えない悲しみや苦難を乗り越えてきた一夏は、
本当の意味で強くなっていったのだ。
もちろん、それは一夏だけでなく勇太やデッカード達も同じである。
彼らと言う共に歩む仲間、追いかける目標があったからこそ、
一夏はまっすぐに成長できたのだ。
「(一夏に完璧に負けたと思ったのは、あの時だな……)」
箒が思い出すのは、2年生だった時……。
いつものように男子に、からかわれていた時だった。
古今東西、男子と言うのはからかった相手の反応を楽しむ……
相手の気持ちなど考慮せず。
竹刀を持ち歩き、しゃべり方もどこか侍を感じさせていた箒は、
良くも悪くも目立ち、そういう男子から格好の的となっていた。
そこへ口を挟んだのが、一人教室のそうじをする一夏だった。
別に箒を助けようとしたわけではないが、他のそうじ当番はさぼり一人でそうじを
していたところに加え、無意味に感じるからかいに少々苛立っていたのだろう。
当然、からかう男子は面白くなく一夏にもやじを飛ばすが、一夏はどこ吹く風で
あった。
しかし、不用意に放った男子の一言で事態は一変する。
“まじめにそうじなんかして、バカみてぇー”
“だよなー。この間、交通安全教室で来たダンプソンってロボットも、そこの
男女みたいにバカみてぇにクソ真面目で笑っちまうよなー”
“リボンしてた男女みたいに笑えたよな~”
そうやってバカ丸出しで笑う三人の男子は、力づくで黙らせられた。
顔面へ、怒り心頭の一夏の拳を叩き込まれて。
“真面目に、やることの何がおかしいんだ!
確かに、ダンプソンも篠ノ之も石頭の堅物だよ。
だけどな、お前らと違って相手を思いやれる優しい奴らなんだよ!”
そこからは、一夏の独壇場であった。
千冬から体術も教わっていた一夏にとって、自分より弱い相手しかできない者など
何の脅威にもならず、結果3対1でも圧勝した。
だが、そこからは少し大変であった。
一夏にのされた三人の親が、やれ慰謝料だの裁判などと騒いだのだ。
別段間違ったことをしたと思わない一夏は気にすることはなかったが、
それでも友永家の両親や千冬が頭を下げるのは許せなかった。
“後で面倒なことになるとか、考えなかったのか?馬鹿なのか?”
“馬鹿じゃねえよ、馬鹿。
後の面倒とか知るかよ、仲間の悪口言われて黙っていられるか。
何にも知らないのに、好き勝手なこと言うのは卑怯者のすることだ。
ダンプソンは、口うるさく言うのは相手のことを考えて出し、
篠ノ之だって倒れた相手が立つのに手を貸せれる女の子だろ?”
少し落ち着いてきたころ、箒は一夏にどうしてこんなことをしたのかと
問いかける。
実際、この時一夏は千冬とダンプソンからこっぴどく叱られた。
腹が立ったから、力で相手を黙らせるのは“暴力”だと――。
最も二人は、一夏が殴りかかった“理由”までは、咎めなかった。
“感情に任せて力を振るうな、馬鹿者。
怒りのままに振るう力は、ただの暴力だ。
デッカード達は、そんな風に力を使っているか?
だが、そうやって間違っていることを間違っていると言えたのは……
よくやった”
“仲間の悪口を言われて、頭に血が上るのはわかるであります。
自分だって、カチンときます。ですが、一夏。
力づくで相手をねじ伏せるのは、相手のことを考えない
その子達と同じであります。
本当に、今回自分は間違っていないと胸を張って言えるでありますか?
だけど、自分の為に怒ってくれたのはうれしいです”
この千冬とダンプソンからの言葉を受けて、一夏は
力についてよく考えるようになり、“穏便”な方法でバカを撃退していく。
この時、箒は一夏の強さを少しわかった。
彼の誰かのために怒れる優しさに――。
こうやって、一夏の優しさに触れた箒は、一夏のことを意識するようになっていった。
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「おっ、そうだ!なぁ、一夏!
ちょっと、ブレイブポリスを呼んでくれよ~」
「はぁ~?何言っているんだよ、虎太郎?」
「せっかく遠足で、遠出したんだからさ~。
ちょっと変わった思い出を作りたいじゃん?
一緒に遊ぼうぜ~!」
「虎太郎にしては、いいアイディアじゃない!
ねぇ、一夏君!
ブレイブポリスを呼んで、写真撮らせてよ!」
「あのな~~~。事件が起きたわけでもないのに、
デッカード達を呼べるわけないだろ」
好き勝手に言う虎太郎と千夏に、一夏はため息をこぼして呆れる。
「何、馬鹿なことを言ってるんだ、虎太郎!」
「そうよ!ブレイブポリスは、正義の味方なのよ!
そんなつまんないことで、呼んでいいわけないでしょう!」
学級委員である、力也と桂は当然の如く注意するが、聞き分けがいい方でない
虎太郎と千夏はふくれっ面をさらす。
「馬鹿とは何だ!馬鹿とは!」
「つまんないことって何よ!スクープの邪魔しないで!」
「ちょっと、落ち着きなよ」
「仲よくしよ?」
「遠足でまで、喧嘩するなよ」
「何をやっているんだ……」
売り言葉に買い言葉に取っ組み合ってにらみ合う4人を
鷹介と百合香が止めに入り、一夏と箒は頭に手をやりながら呆れる。
「その辺に」
「ねぇ~ってば……きゃっ!」
「百合香ちゃん!」
「イタタ……あっ!私のハンカチ!」
組み合っている内に、突き飛ばされた百合香はその拍子にハンカチを
落としてしまい、崖に落ちるのを防ぐ柵を超えた先にある木の枝に
風で飛ばされ、引っ掛かる。
「あちゃ~」
「もう!虎太郎君!千夏ちゃん!」
「う~ん……柵に手を付けても取るのはちょっと難しいな……」
「みんな、危ないから近寄らないで~!」
「亜衣子先生、私のハンカチ……」
鷹介が発端の虎太郎と千夏をにらむと二人は怯み、それを無視しながら
力也が取るのは無理ともらすと百合香は、涙目になる。
「……わーったよ!俺が取ってきてやるよ!」
「こ、虎太郎君!?」
「おい、やめとけって!身軽なお前でも危ないぞ」
「そうよ、やめなさい虎太郎君!」
「じゃあ、どーすんだよ!」
「…………」
自分で蒔いた種だからと、責任を取ってハンカチを取りに行こうとする
虎太郎を力也達が止めようとする中、箒はじっとハンカチに目をやる。
「え~っと、確か……あった!
お~い、虎太郎~。これを使えば、取れるんじゃないか?」
「一夏君、それってロープ?」
「何で、そんなものを持ってきてるんだよ?」
「山はいつどこで、何が起きるかわからないからな。
役に立ちそうな道具は、持ってきているんだ。
虎太郎なら、このロープを命綱にして結べば大丈夫だろ」
「すっげぇなぁ~、一夏♪
よ~し!後は、俺に任せて……」
「何してるの篠ノ之さん!」
「危ないわよ!戻って!」
一夏が22世紀からやってきたネコ型ロボットよろしく、
リュックから秘密道具もといロープを取り出して、虎太郎達に
説明していると、桂と千夏が悲鳴を上げる。
見ると、箒が柵に手をかけ崖から生えた樹を足場にして、ハンカチへと手を伸ばしていた。
「箒っ!?」
「後少し……」
「篠ノ之さん!」
「……っ!やった!とれ……」
ほんの数センチ伸ばせば届く距離まで手を伸ばした箒だったが、
迫る危険の足音に気が付いた百合香の声は届かず、ハンカチを手にした瞬間
体が浮遊する感覚に襲われた。
「えっ……」
「箒!!!」
何が起きたか理解できないといった顔をする箒が見たのは、自分へと手を
伸ばす一夏の姿だった。
「うっ……何が……」
「大丈夫か……箒……?」
「え?い、一夏!?」
意識が少し飛んだ箒は、自分の下から聞こえてきた一夏の声に
驚きひっくり返った声を上げる。
「どどどどうして、お前が私の下に!」
「それより、どいてもらっていいか?」
「す、すまん//////!」
「……テテテ。
ずいぶん、落ちたなぁ~。途中の樹がクッションになっていなかったら、
こんなかすり傷じゃすまなかったな」
「落ち……た?」
急いで一夏の上からどいた箒は、顔を見上げて上を見る一夏と
同じように上を見て、自分達の現状を理解した。
足場としていた樹が折れて、自分は転落したのだ。
そして、そんな自分を助けようとして一夏も一緒に落ちてしまったのだ。
一夏の言うように、何度か途中の樹に引っかからなければ、落下のスピードは
落ちず、大怪我を負うか最悪命はなかっただろう。
「……」
「さてと。これは、非常事態だからな。
デッカード達に救援を……ってあれ?
ない……警察手帳がない!
まさか、落ちている時にポケットからこぼれちまったのか!?」
一夏はデッカード達に連絡するべく、ブレイブポリスの警察手帳を取り出そうとするが、
ポケットに入れていたはずの手帳が無いことに焦りを見せる。
一夏の言うように、彼の警察手帳は落下中に落としてしまい森の中であった。
「くっそ~。これじゃあ、先生達が救助を頼んでもみんな、山に落ちた
手帳の方に行っちまうぞ。
こうなったら、自分達で何とかするしかないな……。
とりあえず、登山道か川を探そう。どっちでも辿っていけば、
山を下りられるはずだ。
行くぜ、箒」
「えっ?あっ……ああ」
かなりの距離を落ちたのか、上を見ても落ちた柵は見えず、助けを呼ぶことも
できないので、一夏は自分達で行動を起こそうとする。
「っ!(痛っ!まさか……落ちた時に足を捻ったのか……?)」
「ん?どうしたんだ?」
「な、何でもない!私はここで待ってるから、早く助けを呼んできてくれ」
「ここで待ってるって……どこかケガして動けないのか?」
「だ、大丈夫だ!ただ、捻っただけ……あっ!」
「こんなことで、意地を張っても仕方ないだろう~。
ほら、靴脱いで。
確か、包帯とアイスパックが……あった!」
「うぅ~~~//////」
立ち上がろうとした箒は、足に走る激痛に顔を青くし、怪訝に思った一夏に
余計な気遣いをさせぬよう、何でもないとウソをつくがあっさりと看破され
応急手当てを受ける。
「よし、できた。ほら、箒」
「何だその恰好は?」
「何って、おんぶだよ。そんな足じゃ、歩けないだろ?」
「なっ!おおおおんぶだとっ////////////!?
そそそそんなことできゅりゅか!
きっと私はおみょいぞ////////////!」
「他に二人一緒に動ける、いい方法も無いだろ?
箒を一人置いておくわけにはいかないし、山の天気は変わりやすい。
もしも、雨なんかに降られたらそれこそ最悪だ。
そうなる前に、早くみんなと合流するか山小屋でも見つけないと……」
「~~~///////。わ、わかった。
だ、だが、私が重いからって文句を言うなよ///////////!」
「はいはい。言わない言わない」
好きな男子におんぶしてもらえるという思わぬ展開に、頭が沸騰する
箒だったが、一夏は全く気にすることなく早くおぶさるように促す。
もう一度言うが、テンパって噛みまくりの箒に、全く気にすることなく。
「どうしよう、虎太郎君!力也君!
一夏君と篠ノ之さんが!」
「くっそ~!こうなりゃ、俺が一夏のロープを使って
下りてみるぜ!」
「やめろ、虎太郎!」
「そうよ!虎太郎君まで、迷子になって遭難してしまうわ!」
「とにかく、早く救助を呼びましょう!
先生!」
「ええ。桂さんの言うとおりね。
ブレイブポリスに……あああっ!
携帯の充電が切れてるっ!?」
「「「「「えええっ!?」」」」」
一方、その頃。
残された虎太郎達は、大混乱になりながらも何とか一夏と箒を助けに行こうとするが、
いい手は思い浮かばず、救助の連絡をしようにも連絡手段もない一同は、山を下りるしか
手は残されていなかった……。
「はぁ……はぁ…ど、どうだ箒?
方角は……こっちで……あ、合っているか?」
「ああ。大丈夫だ……このまま、まっすぐだ。
(一夏……すごい汗だ……)」
行動を開始した一夏と箒は、持っていた地図とコンパスそして太陽の位置を
頼りに登山路を目指していた。
一夏に背負われた箒は、地図を手にナビをするが汗だくの一夏に申し訳なさで
いっぱいだった。
「箒……足は、大丈夫か?
痛みがひどくなったら、すぐに言えよ?」
「私より、お前の方が大丈夫か?
さっきから、歩き続きで疲れているだろ……」
「俺は……その……あれだ!男だからな!」
「何だそれは……」
箒を不安にさせないためか、ずっと話しかける一夏だったが、多少どころか
かなり強がっているのは明らかだった。
「ところで……さ。
何であんな無茶して、百合香のハンカチを取ろうとしたんだよ?」
「そ、それは……前にあのハンカチは、母に作ってもらったものだと
言ってたから、早く拾いたいだろうと……」
「相変わらず不器用に優しいよな、お前。
だけど、それでお前がケガとかしたら意味ないだろ……」
「すまない……私のせいでこんな……」
「まあ、終わったことをグチグチ言っても仕方ない!
日が沈む前に、早く皆と合流しようぜ!」
「……私より、お前の方がずっと優しいじゃないか」
「ん?何だって?」
「何でもない……!」
こうやって二人、山で迷子になったのは自分のせいだと落ち込む箒に
一夏は明るく笑いながら、前向きに考えていく。
そんな一夏を見て、顔を赤らめてか細い声でつぶやく箒の言葉は
幸か不幸か一夏の耳には入らなかった。
「あれ?何か聞こえなかったか?」
「いや。何も聞こえないぞ?」
「けど、何か足音のような……」
「ま、まさか……クマとかじゃあ!」
「う~ん、動物の足音って言うよりあれは……もっと大きい……」
『おーい!』
「あの声は!」
森の中をさまよい歩くこと数時間。
どこからか、重量感のある足音が聞こえてきて、山の動物かと箒は
一夏に強く抱き着くが、同時に聞こえてきた声に一夏の表情は安心に染まっていく。
『一夏、どこにいるでありますかー!
っ!一夏!』
「ダンプソン!」
『見つかって、よかった。どこか、ケガはしてありませんか?』
「俺は、大丈夫。でも、箒が足を捻ったみたいで……」
『わかりました。
まずは、みんなに連絡します。
こちら、ダンプソン。一夏と遭難した子供を、発見したであります。
これから、ふもとまで連れていきます……では、二人とも』
聞こえてきた足音の主は、ダンプソンであった。
彼は一夏と箒を見つけると、ホッとし通信で無事を伝えると二人を手に乗せて
移動をする。
「っ!」
『大丈夫。しっかり、つかまっているであります』
「どうだ、箒。すげぇーだろ♪」
「あっ……ああ」
「それにしても、何でダンプソンがここに?」
『連絡を受けたんです。一夏がクラスメートを助けようとして、
崖から落ちたと。
それで、動けるメンバーで駆けつけたのであります』
ロボットの手に乗るという初めての体験に驚く箒に、一夏はそのすごさを
胸を張って自慢する。
その中で、一夏はダンプソンがここにいる理由を尋ねる。
一夏と箒が落ちた後、急いで山を下りていた虎太郎達はその途中で
運よく他の登山客と出会い、何が起きたのかを話してブレイブポリスに
連絡をしてもらっていたのだ。
『大変だったんですよ?
連絡がつかないと思って、手帳の反応を探したら手帳しか
なかったから、しらみつぶしで探したんですから』
「あはは……すみません」
ダンプソンの愚痴に一夏は、ガクッと頭を落とす。
「ち、違うんだ!私が一人で、先走ったからそれで……!」
『どういうことでありますか?』
落ち込む一夏を庇うように箒は、必死にダンプソンに自分が悪いと
伝える。
『なるほど……。
確かに、それはあまり褒められないであります』
「うっ……」
「おい、ダンプソン!」
『一夏。
こういうことは、ごまかさずちゃんと言わないと
ダメであります。
一夏は自分だけでやろうとせず、他の子達と力を合わせようと
していました。
最初から、彼らと一緒に落ちたハンカチを拾おうと
していれば、こんなことにはならなかったはずです』
「……っ!」
『だから、戻ったらみんなにちゃんと謝るであります。
とても心配していたでありますから』
ダンプソンは、凛とした口調でもどこか優し気に箒に語り掛ける。
その言葉から箒は、ダンプソンが自分のことを思って敢えて厳しく
言っているのを感じた。
「なんていうかさ~。やっぱり、箒とダンプソンって似ているよな~。
真面目で頑固だけど、お人好しの優しいとことか♪」
「な、何を言っているんだ!お前は////////!!!」
『誰が、頑固ですか!自分は、やるべきことをやっているだけです』
「はいはい」
箒とダンプソンの意外な組み合わせの似た者同士を、褒める一夏
だったが、二人は頑としてそれに抗議した。
最も箒は単なる照れ隠しだが。
そうこうしている内に、一夏達はみんなが待つふもとに到着した。
「みんな!あれ!」
「一夏!篠ノ之!」
「心配かけやがって!」
姿を見せたダンプソンとその手に乗る一夏と箒を見た鷹介が叫ぶのを
皮切りに虎太郎、力也が喜びの声を上げて他の子達も同じように安堵の声を
上げる。
「よかった~。今度の学校新聞のトップは、これで決まりよ!」
「あなたね~」
「でも、二人とも無事で本当によかった……!」
カメラを回す千夏に呆れる桂のそばで、百合香は涙ぐむ。
そんな彼女達の元に、ダンプソンの手から降りた箒が一夏の肩を借りて
やってきた。
「こ、小牧……こ、これ……」
「私のハンカチ!」
「何とか拾えたからな……/////////。
そ、それとみんな!
あの……その……一人で勝手なことして……心配をかけて……
すまなかった!」
普段、孤高といった印象の箒が頭を下げて謝る光景にクラス全員
唖然とする。
「いや~こいつさ~。そのハンカチが、百合香の大事なもんだって
知っていたから早くとってやろうとしたみたいでさ~」
「一夏っ//////////!!!」
「篠ノ之さん……ううん。箒ちゃん、ありがとう!」
「なんだ~、ツンツンしてると思ったら、意外と優しいんだ!」
「全く、素直じゃないわね」
「あ!えっ!わ、私は……!」
一夏のフォローにより、箒の元にクラスメートが駆け寄り
矢継ぎ早に褒めるものだから、箒はタジタジとなる。
『やれやれ、一夏は相変わらずですな』
『ダンプソン!』
『無事に、解決できたみたいですな』
『パワージョー、シャドウ丸』
眼下で騒ぐ子供達を見て、その発端となった一夏にダンプソンが
呆れていると一緒にやってきたパワージョーとシャドウ丸が合流する。
『で?この騒ぎは、何なんだ?』
『一夏がいつもの如く、“たらし”を発揮したのであります』
『またですかい。狙っているんじゃなく、素でやっているのが
末恐ろしいですね~』
『全くだぜ。一体これから先、何人落ちるのやら』
彼らの間では共通の認識となっているのか、一夏の天然に
肩をすくませながら、彼の将来を想像して苦笑いをもらす。
そんな彼らの想像がおそらく正しいとばかりに、顔を真っ赤にした
箒が一夏をポカポカと叩いていた。
本当なら、もう少し短くいくはずだったんですが、
気が付いたら龍の魂を受け継ぐものと変わらない長さに(苦笑)
一夏と千冬の父、織斑冬輝が研究していた友達としてのロボットとは、
カブタックやロボタック、メダロットのようなタイプのロボットです。
一夏のクラスメートとして「元気爆発ガンバルガー」の面々に
出ていただきました。
ミラクル忍者や元気爆発のロボは出てきませんがwww
今後もたまに、何かの作品のキャラがチョイ役として
出てくるかも。
今後の予定としては、ISヒロインズとの絡みをIS本編開始前に
それぞれやってから
IS本編に行こうと思います。
箒とダンプソンのように、ヒロインとブレイブポリスの誰か
を関連付けていきます。
デッカードを除くと、ブレイブポリスメンバーもISヒロインと
同じ7人なのでwww
アーキタイプ・ブレイカーのキャラはやっていないので、
多分登場しないか、ちょこっとだけになると思います。
一夏の天然もとい鈍感は、ブレイブポリス一同に認識されています。