インフィニット・ジェイデッカー   作:すし好き

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更新、遅れに遅れて申~~~し訳ありませんm(_ _)m!!!
やはり、オリジナル回となると難しい(汗)




第6話 おさわがせ娘! 後編

「あの子供を甘く見ていたな……!」

 

アントKは、モニターを見ながら苦々しく呟く。

そこには、こちらに攻撃を仕掛けているビルドチームにドリルボーイが

合流し、一夏と鈴が降りるのが映し出されていた。

 

「奴らがここを突き止めたのも、こちらの連絡網が機能しなくなったのも

 彼の仕業か……。

 徹底的に、身体検査をして動けなくするべきだった」

「どうしますか?」

「……こうなっては、計画は失敗だ。

 後は、被害をどれだけ減らすかとなる。

 “アレ”を起動させる!」

「はっ!」

 

最早、自分達の計画に成功は無いとアントKはすぐさま自分達の失敗を悔やむ思考を

切り替え、今取るべき最善の行動を実行に移す。

 

 

 

「みんな!」

『無事だったか、一夏!』

『よし!後は、突入して犯人達を逮捕するだけだ。

 行くぞ!』

 

一夏と鈴が脱出できたことに、パワージョーは安堵の声を上げ、

マクレーンが最後の仕上げと廃工場に突撃しようとした時、不意に

何かの起動音が、一帯に聞こえる。

 

『な、なんなのこの音!?』

『あの廃工場からであります!』

 

音の出所が目の前の廃工場からだと警戒するビルドチームの前で、廃工場の天井を

破壊しながら、彼らのように工事用車両をモチーフにした巨大なロボットが姿を現した。

 

「うぇぇぇっ!!!?」

「あいつら、あんなのまで用意してたのか!」

「こうなってしまっては、こちらの情報を掴ませないために

 撤退するしかないが、そのための時間を稼がせてもらう。

 連絡が取れなくても、こいつが出たとわかれば全員撤退行動に

 入るよう予め、指示はしてある。

 このボンバー03がなっ!」

「でも、アントK?

 別に、あいつらを倒してしまってもかまわないっすよね?」

「無論だ。ついでに、ボンバー03の稼働データと奴らのデータも

 入手する!」

 

鈴と一夏が驚きの声を上げる中、ボンバー03はハンマーを半分にしたような手を

ビルドチームに振り下ろす。

 

『危ねぇっ!』

『くっ!』

『とんでもないパワーであります!』

『あんなの喰らったら、ひとたまりもないよ~!』

 

一夏と鈴はパワージョーが抱え、ボンバー03の攻撃を躱したビルドチームだったが、

拳一つで簡単に巨大なクレータを作ったボンバー03のパワーに驚愕する。

 

『よし!合体するぞ、みんな!』

「何言ってるんだよ、パワージョー!

 お前、その体ちゃんと修理してないんだろ?

 そんな体で合体なんて、無茶だ!」

『大丈夫、心配すんなって。

 こんなもん、気合で何とかならぁっ!

 それに、万が一何かあっても、お前がいるからな』

「パワージョー……」

「ちょっ!あんたねぇっ!」

 

メカニックの端くれである一夏は、パワージョーが今どんな状態なのか

すぐにわかったが、パワージョー自身もそれを分かった上で言っているのだ。

相手は、とても合体しないで勝てる相手じゃないと。

そんな彼に鈴は、怒鳴り声を上げる。

 

「一夏は、あんたのことを心配してんのよ!

 わからないのっ!」

『そんなのお前に言われなくてもわかっているさ……。

 一夏もボスも誰よりも優しいってことぐらい。

 だけど頼む、一夏……』

「わかった……」

「一夏っ!?」

『サンキュー!』

 

パワージョーの言葉に一夏も意を決して頷く。

鈴が驚きの声を上げたのと同時に、彼が敵を錯乱するのに使ったミニカーロボが

奪われた一夏の手帳を持って彼らの足元に現れる。

 

「戻ってきたか、ミニィ!」

『よし、一夏!合体命令を!』

「おう!って、みんな別に合体命令なくても合体できるだろ」

『それは違うのであります!』

『やっぱさ~。あの掛け声があると気合が入るんだよね~♪』

「わかったよ……いくぞ!」

 

準備は整ったとばかりに、マクレーンは一夏に勇太の代わりに

合体命令を出してくれと頼む。

機械生命体へと進化した彼らは、自分達の意志で合体することができるのだが、

合体命令を出すときの掛け声が彼らのルーティンになっているようだ。

 

「ブレイブアップ!スーパービルドタイガー!!!!!」

 

一夏が警察手帳を掲げると手帳が開き、中にあるブレイブポリスのマークが輝く。

同時に、ビルドチームは空へと上がり合体を開始し、

それぞれが一度、ビークル形態になって変形していく。

ダンプソンは左右に分かれ、両足に。

パワージョーはキャタピラが分離し、車体が左腕に。

マクレーンは車体の後部が回転し、胴体に。分離したクレーン部は、右腕に。

変形した各部は、胴体となったマクレーンとドッキングしていき、

大型ロボットビルドタイガーを形成する。

更に、ドリルジェットとなったドリルボーイが、前後に分かれ

胸部装甲、脚部、大型ウイングとなりビルドタイガーへとドッキングしていき、

合体が完了する。

 

『スーパービルドタイガー!!!』

 

堂々と名乗りをあげるスーパービルドタイガーに、

ボンバー03は若干後ずさる。

 

「スーパービルドタイガー……その名の通り胸に虎の顔がついているが……

 何でそんなものが付いているんだ?」

「かっこいいから……なわけないっすよね」

「何バカなこと言ってるんだ!

 気を引き締めろ!」

 

ボンバー03のコクピットで、合体したビルドチームの姿に名前通り虎の顔が

ついていることに首を傾げるアントKと部下二人だったが、

その理由があり得ないとつぶやいた

“カッコイイから”というのがまさかの正解だとは夢にも思わなかった。

 

「先手必勝だ!」

 

ボンバー03は、半円状の手を合わせ巨大なハンマーにするとスーパービルドタイガーに

向けて射出する。

 

『くっ!すごいパワーだっ!』

 

スーパービルドタイガーはハンマーを受け止めるが、押し返すこともできず

拮抗状態となるが長くは続かなかった。

 

『うっ!』

『パワージョー!』

『ヤバイ!押されるっ!』

 

やはり、パワージョーが受けたダメージは少なくないのか、左腕の力が

一瞬緩み、そのままスーパービルドタイガーはハンマーに吹き飛ばされる。

 

「どうやら、相手は万全でないようだ。

 あの少年警官を誘拐したのは、無駄ではなかったようだな!」

 

スーパービルドタイガーの不調を見抜いたアントKは、一気に攻勢に出る。

ボンバー03は飛び上がり、その腕をスーパービルドタイガーに叩きつけようと

振り上げる。

 

『っ!なめんなっ!』

 

振り下ろされた腕をかわしたスーパービルドタイガーは、攻撃をかわされてできた隙を

突いて、ボンバー03の顔に飛び蹴りを入れる。

 

『なっ!』

『効いていない!?』

「バカめ!

 その程度の攻撃で、ボンバー03の装甲はビクともせんぞ!」

 

飛び蹴りのダメージが入った様子のないボンバー03は、逆にスーパービルドタイガーの

懐に拳を叩き込む。

 

『『『『うわっっっ!』』』』

「スーパービルドタイガー!」

「ああ、もう!言わんこっちゃないのよ!」

 

劣勢となるスーパービルドタイガーに鈴は、頭をかきむしる。

 

「やっぱり、無茶だったのよ!

 早く逃げないと……一夏っ!」

「……」

 

このままでは負けてしまうと、鈴は逃げようと言うが、一夏は視線を動かさず

あるものを見つめる。

 

『どうしよう!このままじゃ!』

『確かに、少し厳しいな……』

『ははは……ちょっとカッコつけすぎたかね?』

『今更そんなこと言っても仕方ありません!』

『ダンプソンの言うとおりだ、ドリルボーイ。

 忘れたか?

 心を一つにした我々は――』

『『『『無敵のブレイブポリス!』』』』

『ごめん。ちょっと弱気になってた!』

『俺もだ。わりぃ。

 俺達が力を合わせれば、どんな敵も怖くない!』

『本番はここからであります!』

「みんな!ちょっと聞いて……」

 

ボンバー03に吹き飛ばされたスーパービルドタイガーが、

反撃に出ようと立ち上がろうとすると、一夏から通信が入る。

 

「噂のブレイブポリスもここまでみたいですね」

「所詮、噂は噂。それに技術は日々進歩してるんだ。

 奴らが過去の遺物になるのも当然さ」

「……」

 

ボンバー03のコクピットで、もう決着が見えたのか緩んだ空気が

流れるが、アントKはこのままでは終わらないと感じていた。

 

『『『『うぉぉぉ!!!』』』』

「性懲りもなく!」

「しかも正面からかよ!」

 

何の策もなく正面から突っ込んでくるスーパービルドタイガーに、ハンマー攻撃で

迎え撃とうとするボンバー03だったが……。

 

「今だ!ブレイブアウト!」

『『『『おう!』』』』

 

ハンマーが当たろうとした瞬間、スーパービルドタイガーは合体を解除し、

攻撃をかわす。

 

「何ッ!?」

『そこだっ!』

『シュ~~~ト!』

 

予想外の事態に、ボンバー03が動きを止めた隙にマクレーンとドリルボーイが

ボンバー03の膝関節を狙って攻撃する。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「みんな!ちょっと聞いて。

 あのロボット、パワーもすごいけど、多分ビーム攻撃も通じないと思う」

『どういうことだ、一夏!』

「あいつが攻撃を受けた部分。

 攻撃を受けたにしても、塗装が剥がれすぎている。

 簡易的な塗料タイプの耐ビームコーティングをしているんじゃないかな?」

 

ボンバー03を観察し、弱点を探していた一夏はスーパービルドタイガーに

見抜いた敵の能力を説明する。

 

「耐ビームコーティングの塗料は、黄色っぽくなるし衝撃で剥がれやすいから

 十中八九間違いないと思う」

『それじゃあ、奴に勝つには……』

『物理攻撃しかないということでありますな』

「うん。だから、そのために……」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『(パワー自慢のロボットの一番重要な箇所、自分の体を支える

 下半身の関節部分!)』

『(そこを狙うために、敵の攻撃を引き付けて分離。

 ピンポイントを狙えて破壊力もある僕のサッカーボムとマクレーンの

 ショットガンで攻撃!)』

 

マクレーンとドリルボーイの攻撃が関節に命中し、ボンバー03は

体勢を崩し、バランスを取ろうと両腕を開いてふらつく。

 

『ほぉ……たぁっ!!!』

『ぬん!』

 

ボンバー03がふらつき生まれた隙を狙って、

パワージョーとダンプソンが無防備に近い、

両腕のハンマー部分にそれぞれの武器で攻撃を仕掛ける。

 

『(二人の攻撃で、バランスが崩れたところを、俺とダンプソンが

 こいつのハンマーを破壊する!)』

『(球状のハンマーを正面から壊すのは難しくても、ハンマーになる前!

 両腕が接合する面を狙えば……!)』

 

こちらの奇襲攻撃に、敵は対応できず一夏の作戦通り、メイン武器である

ハンマーを破壊できると誰もが思った――。

 

『なっ!?』

『うおっ!?』

 

だが、パワージョーとダンプソンの攻撃は破壊するどころか、強固な

装甲にはじき返され今度は二人が無防備な姿をさらしてしまう。

 

「吹き飛べ!!!」

『危ない!』

『やらせるか!』

 

ボンバー03の反撃を受けそうになったパワージョーとダンプソンは、

紙一重でマクレーンとドリルボーイに助けられる。

 

『もう一度、合体だ!』

『『『おう!』』』

 

攻撃を躱したマクレーン達は、再びスーパービルドタイガーへと合体する。

 

「ふん。

 万策尽きての奇襲だったのだろうが、ここまでだ!」

 

アントKは、合体を解除して意表を突いた奇襲を仕掛けてきたことから、

最早敵に打つ手はないと、止めを刺すべくボンバー03のフルパワーでハンマー攻撃を

放とうと両腕を構える。

 

「……よし。作戦通りだ!」

 

戦いの様子を見ていた、一夏は狙い通りに事が運んで、拳を握りしめる。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『正面から突っ込むと見せかけて分離し、相手の武器を

 破壊するか……』

『悪くないと思います』

『それじゃあ、早速……!』

「待って。

 分離して相手の隙を作っても、合体前のみんなの攻撃力じゃ

 あのハンマーは壊すことができないと思う」

『おいおい、それじゃあ意味ねぇじゃねぇか』

 

自分で言った作戦でありながら、それを否定することを口にして、パワージョーが

呆れた声を上げる。

 

「確かに壊せないだろうけど、完全にってわけじゃない」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『(一夏の狙い通り、俺達の奇襲攻撃を乗り切ったと思って、

 フルパワーの攻撃をしようとしてやがる!)』

『(そう、さっきの自分達の攻撃の本当の狙いは……

 両腕がハンマーとなった時、攻撃がめり込みやすくなるような

 傷をつけること!)』

『(一点集中!その傷に、僕たちの全力と……)』

『(敵の全力が加われば――)』

「終わりだ!ブレイブポリス!!!」

 

スーパービルドタイガーでも受け止めきれない程の威力のハンマーが、

今度はフルパワーで放たれる。

 

『『『『(勝てるっ!!!)

タイガーギムレット!!!』』』』

 

スーパービルドタイガーは、ドリルボーイを先頭としたビークル形態での

直列状態となり、向かってくるハンマーに正面から突撃する。

 

「なっ!?」

「あぁぁっ!」

「……いっっっけぇぇぇ!!!!!」

 

アントKと鈴がそれぞれ驚きの声を上げ、一夏がビルドチームを後押しするように

大声を上げる。

均衡したのは一瞬――。

タイガーギムレットは寸分たがわずに、パワージョーとダンプソンの攻撃によって

できたくぼみにドリルの先端をねじ込み、ハンマーをボンバー03が後押しする形も

相まって、ハンマーを容易く破壊する。

そして、その勢いのまま、ボンバー03の体を貫き風穴を開けた。

 

「な、なにぃっ!?」

「そんなバカな!」

「ちっ!脱出だ!

 センサー攪乱チャフ、光学迷彩……急げ!」

 

止めを刺す攻撃をしたはずが、一転して自分達が敗北するという信じられない事態に

アントKは混乱する部下二人を叱咤し、急いで脱出装置を作動させる。

 

 

 

「やったぜ、みんな!」

「勝っちゃった……」

 

タイガーギムレットによって貫かれたボンバー03が爆発する様を

一夏が声を上げて喜ぶのとは対照に鈴は呆然とした声で呟いた。

 

『後は、あのロボットを動かしていた犯人を捕まえるだけだ!』

『逃しはしないぜ!』

『その通りでありm……ぐっ!』

『な、何これ!?』

 

スーパービルドタイガーは、最後の仕上げとボンバー03に乗っていた犯人を

逮捕しようとするが、その視界に突然、ノイズが走る。

 

「どうしたんだ、みんな!」

『セン……サー……働……い』

 

スーパービルドタイガーが、頭を抱えるようにして動きを止めるの見て

通信を試みる一夏だったが、ラジオのチャンネルが合わないように返ってきたのは、

途切れ途切れの言葉だった。

 

「ちょっと!ホントに、どうしたのよ!」

「通信妨害?いや……違う!

 何かが、センサーを攪乱してるんだ!」

 

突然起きたセンサー系の異常に、一夏は急いで辺りを見回すがもう手遅れであった。

戦闘以外でセンサーを狂わせるなど、逃走する以外に考えられないと、

一夏は最後の最後で誘拐犯達にしてやられたことに悔しさで、拳を叩く――。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「そういうわけで、犯人達には逃げられちゃいました……」

『すまねぇ、ボス。油断しちまった』

 

アントK達誘拐犯には逃げられたものの、ボンバー03を撃退した

一夏達は、会談地へと戻り勇太へ事件の顛末を報告した。

 

「ううん。一夏も鈴も、無事でよかったよ」

「ブレイブポリスの皆さん。

 この度は、私の娘が迷惑をかけてしまい、本当に申し訳ない」

 

事件解決とは言い難かったが、勇太はそれよりも二人が無事に戻ってきたことに

安堵し、ツイール国の国王は頭を下げて謝罪をして、勇太達を慌てさせた。

 

「あ、頭を上げてください、国王!」

「俺も鈴も大丈夫だったんですから!」

『一夏とパワージョーの話からすると、誘拐犯達は用意周到に準備を

 していたようです。

 王女が抜け出すことを想定していたプランが、立てていたいくつかの中に

 あったのでしょう』

『王女が抜け出さなくても、何らかの形で事件は起きていた……か』

 

一国の王が頭を下げるなど、それだけで大事である。

勇太と一夏は、大慌てで問題ないと告げ、デッカードとデュークが擁護する。

 

「それでも娘の軽率な行動がきっかけなのは事実だ。

 だからこそ、謝罪せねばならない」

『お取込み中、失礼しますよ』

『待たせたな』

「シャドウ丸!ガンマックス!」

『よう、一夏。色々とスパイ顔負けの活躍だったみたいじゃねぇか?

 本格的に、シャドウ丸に弟子入りでもしたらどうだ?』

『それは、おもしろそうだ。私は構いませんぜ?』

「スパイや忍者な一夏……。

 何だろう。とんでもないことになる気がする」

「ん?二人が戻ってきたということは……」

 

そんな中、シャドウ丸とガンマックスが姿を現し、

今回の事件で一夏を軽くからかうと、鈴は何故か笑えないと引きつった笑みを浮かべた。

そこで勇太が、王女を探索していた二人が戻ってきた意味に気が付く。

 

「あの~……」

「っ!王女様!」

「えへへ……何だか、大変なことになってたみたいで……。

 ごめんなさい」

「リエル!」

 

気まずそうに顔を見せるツイール国王女リエルは、乾いた笑みを浮かべて、

鈴へと頭を下げる。

国王は、一夏達ブレイブポリスに迷惑をかけたことへの怒りと

無事なことへの安堵が混ざった何とも言えない表情を浮かべて、リエルに近づく。

 

「ごめんなさい、お父様……。

 どうしても、これを持って帰りたかったの……」

「一体、何を……」

 

素直に父である国王に謝るリエルは、カバンからあるものを取り出す。

それは、日本の国旗が描かれた折り鶴であった。

 

「これは……」

「子供の時に、お母様と一緒に日本に来て、ツイール国の国旗が描かれたのを

 買ってくれたのを覚えてる?

 これなら、お母様にもまた日本を見せられるし……」

「リエル……」

『ねぇ。確か、王女様のお母さんって……』

『ええ、病気で亡くなっています』

『なるほどね。母親との思い出の国を、見せたかったってことか』

 

リエルの目的を知り、パワージョー達は納得したとばかりに、笑みを浮かべる。

 

「……はぁ~。

 リエル。確かに、お前の気持ちは分かった……。

 だが、その勝手な行いで多くの者達に迷惑もかけた。それは、わかるな?」

「はい……」

「ならば、しなければならないことがあるはずだ」

「……。

 ブレイブポリスのみなさん、本当にご迷惑をおかけしました。

 ごめんなさい!」

「ねぇ?こうやって、謝ってるんだからもういいでしょう?」

「一番迷惑かけられたお前がいいなら、俺も別にいいけど」

『そう言うと、思ったぜ』

「うん!」

 

リエルの二度目の謝罪に、鈴がこれで許すよう勇太や一夏達に願うと、

一夏は元から気にしていなかったのか、鈴本人がいいのならと許す。

パワージョーと勇太も、一夏がそう言うだろうとわかっていたのか、つられて

笑顔で頷く。

 

「ありがとうございます!でも、悔しいなぁ~」

「何が、悔しいの?」

「私とそっくりな顔で、そんな素敵な恋人がいるなんて~。

 ああ!私の王子さまはどこにいるの!」

「ちょっ!恋人?こいつが?

 ないないないない!絶対なぁぁぁいいいっっっっ!!!!!」

「うん?恋人?

 ……パワージョーって、鈴の恋人だったのか?」

 

リエルの唐突な恋バナに、鈴は顔を真っ赤にして全力で首を振りながら

否定するが、一夏はとんでもなく的外れなことを言いだし、その場にいた全員を

ズッコケさせた。

 

「ん?どうしたんだ、みんな?」

「い、一夏……」

「この……おバカぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」

「ス〇ニングダ〇スっ!?」

 

本気でみんながズッコケたことに首を傾げる一夏に、勇太は呆れ、

鈴はハートの仮〇ライダーの必殺技のように回転キックを顔面に叩き込んだ。

 

『あれ?鈴なら、笑いながら否定すると思ったけど……』

『ええ。おそらく、間違いないかと……』

『本人は、まだ気づいていないかもだがな』

『一夏が大人になったら、どうなるんだろうね?』

 

一夏にゲシゲシと蹴りを入れる鈴を見て、パワージョー達は鈴も落とされたかと

気付くが、当の鈴は戸惑いを隠せていなかった。

 

「(だぁ~~~!

 何で、こんなにイラつくのよ!

 そりゃあ、私達はただのクラスメートだけど!

 それでも、他にあるでしょうが!

 ていうか、これが箒と同じKOIって奴?

 いやいやいやいや!

 そんな要素、無いでしょう!

 あんなイタズラ小僧な顔をしたかと思ったら、私をお姫様抱っこしたり?

 みんなにはカッコイイ顔で指示を出してたけど!

 てか、危ない所でかっこいい所を見せられて落ちるとか、

 どんだけチョロいのよ、私!)」

 

どうやら、箒のライバルに本格的になるにはまだ少し時間がかかりそうである。

 

 




前回、登場したミニカーロボはミクロマンのゼンマインのイメージです。
ビークル形態とロボ形態を使い分け敵を翻弄します。
ネーミングは、ミニカーだからミニィとwww

ボンバー03は、まんまガオガイガーのEI-03です。
もちろん、本家と違って完全なロボットなので再生とかはしませんし、
ゾンダー胞子をばらまいたりもしません。

今回で鈴は、落ちる一歩手前ですが、次話では完全に箒と同じくな
予定ですwww

てか、我ながら今回は無理やり感がひでぇや(汗)
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