ISAB 命の輝き放つもの   作:XXX

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絶対天敵1

 突如現れる、虹色のオーロラカーテン。

 

 その中から、一人の青年が出てきた。

 

 

「ここが、次の世界か」

 

『どんな人達がいるのかなぁ?』

 

 

 シャツにジーンズ。黒いジャケットを羽織り、白い髪、鼻には横に走る傷がある青年『カミシロ・セイガ』。彼に答えたのはズボンにしまっているスマートフォンからで、名前を『フェイ』といった。

 

 辺りを見渡す。コンクリートの道、両サイドには芝生が広がり、奥には白い建物。振り返れば海が見えて、どうやらここは島のようだった。

 

 とりあえず誰かを見つけるなりして情報を集めようとセイガが思った次の瞬間。

 

 ドォン、ドォンと連続で爆発音が聞こえてきた。

 

 

「なんだ、今の爆発?」

 

『セイガ、あそこから!』

 

 

 見ると、前方の建物より黒煙が立ち上っていて、また爆発が聞こえてくる。

 

 明らかにただ事じゃあないが、見過ごす事は出来ない。

 

 セイガは建物へ向け走り出す。その直前、両腰の青と赤のホルダーと、懐にしまっている透明なリング型の物体を確認。

 

 道中、瓦礫をどかし、素手で“破壊”しながら進む。壊れた金属扉を破壊すると、開けた場所に出る。

 

 そこはスポーツのスタジアムのような形をしていて、フィールドに当たる場所では、戦闘――飛び回るパワードスーツのようなものと、機械の昆虫のようなものが戦っていた。

 

 

「おいっ、あんな所に人がいるぞ!」

 

「はぁ!? アイツ誰よ、なんで男がここにいんの!?」

 

「おい貴様、早く逃げろ! 死ぬぞ!!」

 

 

 パワードスーツを纏う人間が警告する。

 

 すると、機械昆虫もセイガに気付き向かってきた、カマキリのような機械昆虫が鎌を振り上げ襲いかかる!

 

 

「ギシャアアアッ!!」

 

「ッと!」

 

 

 振り下ろされた鎌を寸前で避けるセイガ、そのまま壁づたいに走り、距離を取る。

 

 

『生命反応はない。こいつら、完全な機械だよ』

 

「けど味方……って訳ないよな」

 

 

 襲いかかってきた以上、やることは一つ。

 

 セイガは懐よりリングに持ち手がついた物体――ここに来る前に確認したあれ――を取り出し、目の前に翳す。

 

 すると、周りの光景が一変。

 

 青い宇宙空間のように変わり、セイガの服装もまる宇宙服をスマートにした装備……パイロットスーツに変わっていた。

 

 セイガは右手で、右腰の赤いホルダーを開けてカードを1枚取り出し、左手のリング『スフィアリング』のリング部分に潜らせる。

 

 

「アーニーさん!」

 

アニエス・ベルジュ ライオットtypeB!】

 

『ふっ!』

 

 

 スフィアリングより音声が発せられ、透明のリングが青く光った。セイガの左隣に茶髪の青年アニエス・ベルジュことアーニーが現れ、彼は直後に愛機ライオットへと姿を変える。

 

 次に、セイガは左腰、青のホルダーを開き、同じようにカードを1枚取り出して、スフィアリングに潜らせた。

 

 

「ヨウタさん! ファルセイバーさん!」

 

ヨウタ・ヒイラギ ファルセイバー!】

 

『はっ!』『せやぁ!』

 

 

 リングが水色に発光。今度は右隣に、黒髪の少年ヨウタ・ヒイラギが現れ、相棒である青の勇者ファルセイバーに姿を変える。

 

 青と水色に輝くスフィアリング、セイガは真上にそれをかざし、ライオット、ファルセイバーも同じ動きをする。

 

 

「鋼の魂、お借りします!!」

 

【フュージョンドライブ!】

 

『ふっ!』『はっ!』『せやぁ!』

 

スパークバトラー! ライトファイス!!】

 

 

 スフィアリングが青く輝く。ライオットとファルセイバーはセイガに重なり、スフィアリングの輝きが合体。彼の姿を、鋼へと変えていく。

 

 モノクロの機体となったセイガ、青いパーツが四肢と体に合体し、両腕と胸には水色のクリスタル。頭部は額部分から斜め後ろに向かってブレード型にパーツが伸び、水色のゴーグルアイが光る。

 

 それは、命の輝きを宿すもの。

 

 異世界の戦士の力を合わせ戦う、鋼の勇者。

 

 その名は――ファイス。

 

 

命の輝き。鋼となりて、悪を砕く!!』

 

「へ……」

 

「「「変身したぁーっ!?」」」

 

「……カッコいい」

 

『さあ、行くぜっ!』

 

 

 セイガ、いやライトファイスがファイティングポーズをとると、背中より青い光を放って機械昆虫へ突撃していく。

 

 右腕のクリスタルが手の甲にスライド、ナックルガードとなる。

 

 

『セイバァァァナックルッ!!』

 

「ギシャ!?」

 

 

 ファルセイバーの技、右手で殴り付けるセイバーナックルを、カマキリタイプの頭にぶちこむ。バチバチ、と何かに拳が阻まれ、左手でも殴る。今度は頭がひしゃげ、ライトファイスが離れると爆散。

 

 周りのパワードスーツの人間は、それを見て驚愕する。

 

 

「たった二発で!?」

 

「何なのだ、あれは……」

 

『おらっ! どぉらっ! せいやぁあああ!!』

 

「皆、ぼさっとしない! まだ来るわよ!」

 

 

 背中に両手を回す、するとバックパックに折り畳まれていた二本の柄がせり上がり、抜き放つと青い光のビームが展開。ビームを収束したソード『プロトン・セイバー』二刀流で機械昆虫を切り捨てていくライトファイス。

 

 その姿に目を奪われていたパワードスーツ側だが、ランスを操る水色髪の少女の指示に我に帰り、機械昆虫を攻撃していく。

 

 刀で切り裂く。紅いビームが迸る。レーザーライフルやビットで撃つ。衝撃波で吹き飛ばす。アサルトライフルより弾幕を張り、レールカノン発射。ランスが貫き、ミサイルが舞う。

 

 次々と機械昆虫どもを破壊していく。

 

 

『残り一体!』

 

「グォオオオオ」

 

 

 最後の一体は、カマキリタイプとは違い紫のゴリラのような形状、大きさは6メートルはあろうかという巨体。左腕を振り上げ、ライトファイスを押し潰そうとしてくる。ライトファイスは後退して回避、そのままプロトン・セイバーで左腕を切りつけるが相手の纏っているエネルギーシールドに防がれてしまう。

 

 

『だったらッ!!』

 

 

 プロトン・セイバー二本を連結。一本となり長くなった柄より力強い輝きを放つ青白いビームが迸る。プロトン・セイバー最大出力モード。両手でがっしり握り締めるとブースターを噴かし、相手より高く舞い上がる。そして、思いきり両腕を振り上げ、大上段より必殺の一閃!

 

 

『この一撃、かわせるかァァァァッ!!』

 

 

 一閃!!

 

 狙ったのはゴリラタイプの肩と体の中間。関節部分をシールドごと切り裂いて、左腕を切断・破壊した。

 

 

 

『もう一撃ッ!!』

 

「グオオォ!?」

 

 

 殴り付けてくる右腕を左ステップで回避し切り上げ。右腕も切り落とし、相手の戦闘力を大きく削り取る。残った体部分が尻尾よりバルカンを放ってくるが旋回しながらよけ、その尻尾も切り飛ばした。

 

 

「そこのアンタ、離れてくれッ!!」

 

 

 大声が飛んでくる、上空を見れば白いパワードスーツの少年が刀を大上段に振り上げ、急降下してきていた。従い、ゴリラタイプより離れる。

 

 

「うおおおおぉぉぉぉっ!! 零楽白夜ッ!!!!」

 

 

 刀の刀身が左右にスライドし、水色のビームが展開。それはシールドを切り裂いて、ゴリラタイプのボディを深々と切り裂いた。

 

 

「グオオオオオオオオ……オ、オオ……」

 

 

 断末魔をあげ、ズズン、とゴリラタイプが倒れ、目に当たる部分の光が消えて動かなくなった。

 

 他に怪しい機影は見当たらず、センサーにも反応なし。

 

 どうやら、あの機械昆虫はすべて倒したようだ。

 

 そう思い、ライトファイスが安堵した時。

 

 ガチャリ。

 

 

「そこの青いアンノウン。聞こえてるかしら?」

 

『……あぁ、聞こえてる』

 

「抵抗しないで。こちらの指示に従って貰うわよ」

 

『はいよ』

 

 

 周囲のパワードスーツが、レーザーライフルや青竜刀、アサルトライフル、レールカノン、刀といった武装をライトファイスへ向けていた。当然だ、戦闘中は成り行きだったが、ライトファイスことセイガはパワードスーツ側からすれば未知の存在なのだから。

 

 後方でランスを突きつける水色髪の少女の言う通りにする。両手を上げて機体を解除。抵抗の意思がないのを伝えた。

 

 解除した時に「男!?」と驚いている者が何人かいて、セイガは不思議に思ったがこの場では表に出さず、パワードスーツの彼女らに同行していった。

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