東京は新宿の住宅街に立ち並ぶ一軒の家屋。その一軒家で、女子高校生の
聡美には、アギトに変身する能力があった。
だが、それは自由にコントロールできるわけではなかった。
アンノウンと対峙した時、自動的にアギトに変身し、これまた勝手にアンノウンと戦って粉砕するという、迷惑極まりない能力だった。
高校からの帰り、聡美は投身事件を目撃した。
男が上空から落下してくる。
恐らく、建物の屋上から落下したのであろう。
「大丈夫ですか!?」
「ば……化け……」
男は事切れた。
聡美が屋上を見上げると、そこにはチーターのようなアンノウンがいた。
聡美は光に包まれ、アギトに姿を変える。
(ちょっ、また勝手に!)
「アギト……」
アンノウンは地上に降り立つと、アギトに襲いかかる。
アギトは攻撃を受け流し、反撃に出た。
「私に挑もうなんざ一万年早い」
アギトは頭部のクロスホーンを展開させると、アンノウンに飛び蹴りを放った。
アンノウンにライダーキックが炸裂するかと思いきや、必殺技を
「攻撃は当たらなきゃ意味がないぞ」
アンノウンがアギトを蹴り飛ばした。
「うわああああ!」
アギトは空中を舞い、地面に叩き付けられる。
「ぐっ!」
(このままでは、聡美が……)
アギトの体から光が飛び出し、聡美の姿になった。
「聡美、逃げろ」
覚束無い足取りで立ち上がるアギト。
「グロッキーじゃん」
聡美はアギトの前に躍り出ると、迫り来るアンノウンの攻撃を受け止め、反撃した。
「私だって戦えるのよ!」
聡美がアンノウンを攻撃して圧倒する。
アンノウンは頭上の光の輪から薙刀を取り出した。
「危ない!」
アギトが真横から聡美を突き飛ばし、アンノウンの攻撃から
「ぐっ!」
装甲を斬り付けられ、火花が散る。
「助けてなんて一言も言ってないのに」
クロスホーンが展開する。
「はっ!」
アギトはオーバーヘッドキックのような形のライダーキックをアンノウンに叩き込んだ。
「うっ!」
光の輪が現れ、爆裂霧散するアンノウン。
アギトは聡美の体に重なり、体内へと入り込んだ。
聡美は戦闘時に放したカバンを手に帰路に就く。
「ただいまー」
無事、家に帰り着くが。
「……っ!?」
母親がリビングで切断されて遺体と化していた。
「お母さん!」
『アンノウンの仕業よ』
脳裏にアギトの声が響いた。
『超能力があったから殺されたんだわ』
「そんな……」
聡美は床にへたり込んだ。