仮面ライダーAGITΩ   作:桂ヒナギク

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第1話:変身

 東京は新宿の住宅街に立ち並ぶ一軒の家屋。その一軒家で、女子高校生の蒲田(かまた) 聡美(さとみ)は暮らしていた。

 聡美には、アギトに変身する能力があった。

 だが、それは自由にコントロールできるわけではなかった。

 アンノウンと対峙した時、自動的にアギトに変身し、これまた勝手にアンノウンと戦って粉砕するという、迷惑極まりない能力だった。

 高校からの帰り、聡美は投身事件を目撃した。

 男が上空から落下してくる。

 恐らく、建物の屋上から落下したのであろう。

「大丈夫ですか!?」

「ば……化け……」

 男は事切れた。

 聡美が屋上を見上げると、そこにはチーターのようなアンノウンがいた。

 聡美は光に包まれ、アギトに姿を変える。

(ちょっ、また勝手に!)

「アギト……」

 アンノウンは地上に降り立つと、アギトに襲いかかる。

 アギトは攻撃を受け流し、反撃に出た。

「私に挑もうなんざ一万年早い」

 アギトは頭部のクロスホーンを展開させると、アンノウンに飛び蹴りを放った。

 アンノウンにライダーキックが炸裂するかと思いきや、必殺技を(かわ)され、失敗に終わった。

「攻撃は当たらなきゃ意味がないぞ」

 アンノウンがアギトを蹴り飛ばした。

「うわああああ!」

 アギトは空中を舞い、地面に叩き付けられる。

「ぐっ!」

(このままでは、聡美が……)

 アギトの体から光が飛び出し、聡美の姿になった。

「聡美、逃げろ」

 覚束無い足取りで立ち上がるアギト。

「グロッキーじゃん」

 聡美はアギトの前に躍り出ると、迫り来るアンノウンの攻撃を受け止め、反撃した。

「私だって戦えるのよ!」

 聡美がアンノウンを攻撃して圧倒する。

 アンノウンは頭上の光の輪から薙刀を取り出した。

「危ない!」

 アギトが真横から聡美を突き飛ばし、アンノウンの攻撃から(かば)った。

「ぐっ!」

 装甲を斬り付けられ、火花が散る。

「助けてなんて一言も言ってないのに」

 クロスホーンが展開する。

「はっ!」

 アギトはオーバーヘッドキックのような形のライダーキックをアンノウンに叩き込んだ。

「うっ!」

 光の輪が現れ、爆裂霧散するアンノウン。

 アギトは聡美の体に重なり、体内へと入り込んだ。

 聡美は戦闘時に放したカバンを手に帰路に就く。

「ただいまー」

 無事、家に帰り着くが。

「……っ!?」

 母親がリビングで切断されて遺体と化していた。

「お母さん!」

『アンノウンの仕業よ』

 脳裏にアギトの声が響いた。

『超能力があったから殺されたんだわ』

「そんな……」

 聡美は床にへたり込んだ。

 

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