半月前のことだった。
聡美がアンノウンと交戦していた。
防御に徹し、反撃のチャンスを
「これ以上、我々の邪魔をすると言うのなら、容赦はしない」
「邪魔するわよ! 全ての人間は私が守る!」
「ふん!」
アンノウンの攻撃が聡美を吹っ飛ばす。
聡美の体は複数のドラム缶に突っ込み、倒して地面に転がった。
(くっ! このままでは本当に死ぬかも)
そう思った刹那、聡美以外の全ての時間が止まり、アギトが目前に現れた。
「あなたは?」
「アギト」
「アギト?」
「奴を倒したい?」
「うん? 当然」
「じゃあ、私と契約して」
「契約?」
「うん。私と契約すれば、あなたには力が与えられるのよ。奴と戦う力が」
「なんだかわからないけど、するわよ。契約」
アギトが、自身のベルトを外し、聡美に渡した。
「装着しなさい」
聡美はベルトを巻いた。
アギトが光の玉になって聡美の体に入り込んだ。
「痛……!」
聡美は起き上がる。
(なんだったの、今の?)
変身するのよ!──と、アギトの声が脳裏に響いた。
(変身?)
「トドメだ」
アンノウンが頭上に現れた光の輪から武器を取り出した。
「お前には苦しみを味わって死んでもらおう」
『早くしないと殺されるわよ!』
「なんだかわからないけど……」
変身!──と、聡美は叫んだ。
すると、聡美の腰にベルトが出現し、光に包まれてその体はアギトに変わった。
「アギトだと?」
「ふん! 第二ラウンドといこうじゃないの」
アギトがアンノウンに攻撃を仕掛けた。
「くっ!」
怯むアンノウン。
アギトはクロスホーンを展開し、地面に発生した6本角を模したエネルギーを右足に溜めて空高く飛び上がり、ライダーキックをアンノウンに浴びせた。
「ぐわああああ!」
アンノウンは吹っ飛び、頭上に光の輪が現れ、墜落と共に爆裂霧散した。
その様子を、
気配に気づいたアギトが振り返り、柏崎に迫る。
『攻撃なんかしたら契約解除するよ』
「……………………」
アギトは無言でその場を離れ、誰もいないところで聡美の姿に戻った。
「柏崎くん、なんであそこに?」
『知り合い?』
「うん」
『そうなんだ? それにしても、彼……』
「え?」
『目覚めそうだったわ』
「何が?」
『能力がね』
「能力?」
『超能力というべきかしら。人智を超えた力。モンスターはそんな人たちを狙っているのよ』
「それじゃあ、尚更一人にできないわね」
聡美は駆け出した。
アンノウンを粉砕した現場に戻るが、柏崎はいなかった。