仮面ライダーAGITΩ   作:桂ヒナギク

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第3話:契約

 半月前のことだった。

 聡美がアンノウンと交戦していた。

 防御に徹し、反撃のチャンスを(うかが)っている。

「これ以上、我々の邪魔をすると言うのなら、容赦はしない」

「邪魔するわよ! 全ての人間は私が守る!」

「ふん!」

 アンノウンの攻撃が聡美を吹っ飛ばす。

 聡美の体は複数のドラム缶に突っ込み、倒して地面に転がった。

(くっ! このままでは本当に死ぬかも)

 そう思った刹那、聡美以外の全ての時間が止まり、アギトが目前に現れた。

「あなたは?」

「アギト」

「アギト?」

「奴を倒したい?」

「うん? 当然」

「じゃあ、私と契約して」

「契約?」

「うん。私と契約すれば、あなたには力が与えられるのよ。奴と戦う力が」

「なんだかわからないけど、するわよ。契約」

 アギトが、自身のベルトを外し、聡美に渡した。

「装着しなさい」

 聡美はベルトを巻いた。

 アギトが光の玉になって聡美の体に入り込んだ。

「痛……!」

 聡美は起き上がる。

(なんだったの、今の?)

変身するのよ!──と、アギトの声が脳裏に響いた。

(変身?)

「トドメだ」

 アンノウンが頭上に現れた光の輪から武器を取り出した。

「お前には苦しみを味わって死んでもらおう」

『早くしないと殺されるわよ!』

「なんだかわからないけど……」

変身!──と、聡美は叫んだ。

 すると、聡美の腰にベルトが出現し、光に包まれてその体はアギトに変わった。

「アギトだと?」

「ふん! 第二ラウンドといこうじゃないの」

 アギトがアンノウンに攻撃を仕掛けた。

「くっ!」

 怯むアンノウン。

 アギトはクロスホーンを展開し、地面に発生した6本角を模したエネルギーを右足に溜めて空高く飛び上がり、ライダーキックをアンノウンに浴びせた。

「ぐわああああ!」

 アンノウンは吹っ飛び、頭上に光の輪が現れ、墜落と共に爆裂霧散した。

 その様子を、柏崎(かしわざき) 新一(しんいち)が目撃した。

 気配に気づいたアギトが振り返り、柏崎に迫る。

『攻撃なんかしたら契約解除するよ』

「……………………」

 アギトは無言でその場を離れ、誰もいないところで聡美の姿に戻った。

「柏崎くん、なんであそこに?」

『知り合い?』

「うん」

『そうなんだ? それにしても、彼……』

「え?」

『目覚めそうだったわ』

「何が?」

『能力がね』

「能力?」

『超能力というべきかしら。人智を超えた力。モンスターはそんな人たちを狙っているのよ』

「それじゃあ、尚更一人にできないわね」

 聡美は駆け出した。

 アンノウンを粉砕した現場に戻るが、柏崎はいなかった。

 

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