精悍な顔立ちをした男子、柏崎は走っていた。
「はあ……はあ……はあ」
後ろからは、アンノウン。
柏崎は追われているのだ。
「なんで? 何なんだあいつ!」
必死に逃げる柏崎。
「はあ……もう無理!」
柏崎は倒れ込んだ。
「もう逃げないのか?」
アンノウンが柏崎の足元で止まる。
「逃げて苦しい思いをするなら、死んだ方がマシかなって思って」
「ならば地獄に送ってやる」
アンノウンが光の輪から大剣を取り出し、それを大きく振ろうとすると、柏崎の体を緑色のバリアが守った。
「何?」
「やっぱり死にたくないんでね」
柏崎は立ち上がると、顔の前で両腕をクロスさせた。
「変身!」
柏崎の体が、緑色の異形、ギルスに変身した。
「アギト……」
「アギト? 違うな。俺はギルスだ」
ギルスはそう言って、アンノウンに攻撃を仕掛けた。
「はっ!」
アンノウンは攻撃を受けて怯んだ。
「決めてやる!」
ギルスの踵にあるヒールクロウが伸びる。
「はっ!」
飛び上がり、鋭利なヒールクロウの先端をアンノウンに突き刺すと、それは頭上に光の輪が現れ、爆裂霧散した。
ギルスは柏崎の姿に戻る。
「えっと……あれ? さっきのは?」
辺りを見渡すが、アンノウンはロストしていた。
柏崎は今起こっていたことを忘れてしまっていた。
「助かったのか……?」
柏崎は疑問符を浮かべながら、家路に
聡美は柏崎の家の前にやってきた。
彼女は時折、柏崎の家に訪問している。
ピンポン。
インターホンを押した。
中から柏崎が出てくる。
「鎌田さん? 今日はどうしたの?」
「はい」
聡美が柏崎にクッキーを渡した。
「クッキー作ってみたの。あげるから食べて」
「うん。それだけかい?」
「う、うん」
聡美は頬を赤らめ走り去った。
『彼が好きなの?』
「え? な、何を言ってるんでござんすよ!?」
『頬が赤いもの』
その時、アンノウンが空を滑空していった。
その先には、柏崎の家が。
聡美は踵を返し、アンノウンを追う。
「待ちなさい!」
変身!──と、聡美はアギトに変身して飛び上がった。
「アギト!?」
アンノウンがアギトを叩き落とした。
「うわ!」
アギトは地面に叩き付けられた。
着地するアンノウン。
「ギルスを倒そうと思ったが、その前にお前を倒してやる」
アンノウンはアギトの頭部を踏み潰そうとするが、すんでのところでアギトが
アギトは立ち上がり、ライダーパンチをアンノウンに叩き込んだ。
「そんなもの!」
だが、アンノウンの頭上に光の輪が現れた。
「ぐわああああ!」
悲鳴をあげて爆裂霧散するアンノウンだった。