ハイスクールD×EVA   作:神の死者

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エヴァは神器です。


2 エヴァンゲリオン

また夢を見ていた。

 

しかし今回の夢はいつもの夢とは違い真っ暗な空間に僕と紫色のロボットだけ存在している、そんな夢。

 

僕はロボットに向かってお前は何なんだ!!と叫んでみる。当然相手はただのロボット、返事なんて帰ってくるわけがない。そう思ったときだった。

 

「エヴァン…ゲリオン…」

 

無意識に自分の口からそんな単語が出てきた。

 

「エヴァンゲリオン?エヴァンゲリオンってなんだよそれ…」

 

自分が言ったくせに何を言っているんだ僕はと思いながらもなぜか自問自答をする。だが聞いたことのないはずなのにどこか懐かしさを感じる言葉だった。

 

 

___エヴァンゲリオン

 

 

ふと紫色のロボットに顔を向ける。

 

「お前の名前なのか?」

 

しかしその問いに答える者はいない。

 

ただ僕の声がこの真っ暗で何もない空間に木霊するだけ。

 

静寂が僕とロボットを包む。

 

僕はそんな静寂の中、自分の何十倍もの大きさがあるロボット、『エヴァンゲリオン』を覚めるまでただ見つめ続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、うぅん…」

 

ピピピっと眠る僕を起こすためにでかい音量で音を発する目覚ましにより僕は夢から覚める。

 

僕はベットのすぐそばにある棚に手を伸ばし目覚ましのスイッチを切ると上半身を起こし軽く伸びをする。寝起きでまだ眠気が取れないのか大きなあくびをかくと目覚ましで現在時刻を確認する。

 

目覚ましを見る限りまだ時間に余裕はあるがベットから降り学校の準備に取り掛かる。

 

「早く着替えて自分のとイッセーの弁当作んなきゃ…イッセー!?」

 

昨日の出来事がフラッシュバックする。腹部を槍のようなものに貫かれ多量の血を流す親友の姿とその断末魔。ちょうど制服に着替えを終えていた僕は自室を飛び出しすぐさま隣のイッセーの部屋へ。

 

あれは夢だ、そう信じながら。

 

部屋の前につく。

 

ドアノブに伸びる手が手が震える。

 

背や額から冷汗が噴き出る。

 

イッセーと会ってから今に至るまでのいろんな思いでが走馬灯のように脳裏によぎっていく。

 

嫌だ。

 

嫌だ。

 

認めたくない。

 

イッセーが死んだなんて認めない。

 

では先ほど見たエヴァンゲリオンの夢は何だ?

 

__…さい

 

あの時聞こえた断末魔はなんだ?

 

__う…さ…

 

あの時血を流して死にかけていたのは誰だ?

 

__うるさい

 

あの時助けられなかったのは(何もできなかったのは)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__誰だ?

 

「うるさいッ!!!!」

 

廊下に声が響く。ただただ空しいだけの反響音が精神()を逆なでする。

 

「仕方ないだろッ!ただの人間の僕に何ができたっていうんだよッ!!!」

 

そうだ、結局僕は何もできないんだ。変われない救えない。

 

十年前のあの事故の時だって何もできずただ泣くことしかできなかった。それと同じように昨日のあの時だって結局何もできやしなかったんだから。

 

__でも本当にそうなのか?

 

 

十年前の事件、あの時自分が迫りくる車両に気づいていたら父さんと母さんは助かったかもしれない、ん昨日のあの時だってもっと早くイッセーを見つけていれば何かできたかもしれない、助けられたかもしれないというのに。

 

__現実(親友の死)から瞳を背けるな、扉を開けろ。

 

 

嫌だ。

 

 

__逃げるのか?そうやって現実(親友の死)から瞳を背けるのか?

 

 

…………。

 

 

__ならそうすればいい。どうせすぐにでも現実(親友の死)と直面する。

 

 

「分かってるよ…そんなこと…」

 

諦めたように言葉をこぼす。

 

ドアノブに手を近づける。

 

いやだと頭で否定するが勝手に体が動く。

 

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。

 

 

__ギィ…

 

 

無慈悲に扉の開く音が家中に響き渡る。そして

 

「え…?」

 

誰もいないと思っていたイッセーの部屋の中にはなんとイッセーが寝息を立ててすやすやと眠っていた。とりあえず僕はやっぱり夢だったんだと思いゆっくり扉を閉めその場を後にした。

 

ちなみにそのあとイッセーの部屋の前でやっていたことをお弁当製作中に思い出し顔真っ赤にして死にたくなったのは言うまでもないだろう。

 

とイッセーと自分のお弁当を作り終えた時だった。

 

階段から足音がする。

 

時刻は7時ピッタリだからたぶんおばさんだろう。

 

「いつも早いわねぇ起きるの、全くうちのイッセーにも見習ってほしいわ~。基本あの子エッチなことしか眼中にないから」

 

予想通りおばさんだ。僕は降りてきたと同時に聞こえたおばさんの言葉に苦笑いを浮かべながら根はいいやつなんですけどねとどこか申し訳なさそうに言った。

 

数秒なぜか沈黙が流れ気まずくなる。

 

耐えられなくなった僕は朝ごはんのことを思い出し「じ、じゃあもうおじさんたちが起きてくるて来る前に朝ごはん作っちゃいますね」と台所に前に立つ。

 

「あ、手伝うわ」

 

「はい、じゃあお願いします」

 

そして出来た朝食がこちら。

 

てらてらとおいしそうに光る油と香りを出しているのはベーコン、そして周りに白く輝く白身に真ん中に鎮座する黄色い黄身、そうベーコンエッグである。あとは市販で売っているバターパンを添えて完成だ。

 

おばさんはできた朝食を僕と一緒に淡々とテーブルに乗せると「じゃあイッセーとオーフィスちゃん起こしてきてくれるかしら?あ、あとお父さんも」といつものように頼む。そしていつものようにはいと了承し二階へ。

 

僕は夢でホントよかったーと安堵しながらイッセーの部屋前につくとイッセーを起こすためにその扉を開いた。むしろさっきのことが夢であってほしいが現実は非情で目の前に広がるのは先ほどと全く変わらない光景。

 

「イッセー起きろー」

 

いつもの朝平和な朝何もない朝僕は眠るイッセーに言った。うぅんとイッセーの起きる声が聞こえると僕はもう朝ご飯できてるからと伝えておじさんとおばさんの寝室へ。ここでちょうどおじさんたちは起きたのかパジャマのおじさんと同じくパジャマのオーフィスが扉を開けてゆっくり部屋から出で来る。オーフィスはまだ眠たそうに可愛らしく目をこすっているがおじさんはシャキッとしていた。さすが社会人。でもパジャマ姿で出てくるということは今日は仕事はないらしい。

 

「我、まだ眠い」

 

「でも今日の朝食はオーフィスの大好物、ベーコンエッグだから下行って早く食べようよ?」

 

それを聞いたオーフィスは目をキラキラさせて「我、ベーコンエッグ好き、早く行く、シンジ」と僕のズボンを引っ張りながらさっき眠そうにしていたのが嘘のようにに興奮したようすで言った。

 

それでじゃあ行こっかといった時イッセーも着替えと準備が終わったのか部屋から出てくる。

 

「あぁだりぃー変な夢見ちまった」

 

そう文句か何か言いながら出てきたが心なしか少しやつれているようにも見える。

 

ちょっといつもと様子が違うなと僕は思いつつ朝食を食べ家を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり学校。

 

「お前らマジで夕麻ちゃんのこと覚えてないのか!?」

 

やはり何かがおかしかった。周りからなぜだかイッセーの彼女だった人物、天野夕麻の記憶がすっぽり抜けているのだ。僕はしっかりと覚えているが周りは覚えていない、明らかに不自然だ。

 

「シンジ!!お前は覚えてるよな?」

 

僕は「う、うん。長い黒髪の可愛い女の子でしょ?というか元浜たちは本当に覚えてないの?」とイッセーの問いに答えるが元浜たちは

 

「ああ、そんな子知らねぇって。そもそも紹介すらされてねぇしまずイッセー、お前に彼女とかありえない」

 

「シンジは覚えてんのになんで…あ、そうだ!メアドと写真!」

 

イッセーは思い出したようにそういうとポケットから携帯を取り出し言った通りメアドと写真を探すが…

 

「無い!?アドレスも写真も…全部、消えてる…」

 

「え?ほんと?ちょっと見せて」

 

イッセーから携帯を受け取ると写真の欄や電話帳を見てみるが確かに無い。ならイッセーが自分から消しただどか普通ならそういう風に考えるがイッセーに限ってそれはない、まず初めてできた彼女の写真やメアド、電話番号をすべて消すなんて度胸がないだろうし。

 

「ホントに消えてる…ん?イッセー?」

 

と携帯をイッセーに返そうとした時だった。イッセーが何やら階段の上を見ている。僕も気になってみてみるとそこには学園の三大お嬢様だと何とかで有名なリアス・グレモリー先輩がいた。

 

グレモリー先輩はなぜだかこちら、僕とイッセーをちらりと見ると紅い髪をなびかせながら下へと降りて行った。

 

「やっぱり美人だよなぁ」

 

「うむ、あの近寄りがたい気品がなんとも…」

 

そのちらりと僕とイッセーに向けられた視線が何かを知っているそんな気がした僕は

 

「僕ちょっと行ってくる」

 

「え!?ちょシンジ!?」

 

グレモリー先輩の元へと駆けて行った。がしばらく先輩を追っていたが時間になってしまったため追うのをやめ僕は教室に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして昼。

 

僕はいつも通り屋上で食べようと片手に自作の弁当をもちおくじょうへむかっていた。

 

するとこの前とは違い今日は搭城が先に来ていた。それで僕に気付いたのか搭城は「あ、先輩…」と声をかける。

 

僕も同じように「お、搭城」と声をかける。搭城は相変わらず何段もあるお弁当箱を持ってきており、すでに半分以上の弁当箱が空となっていた。

 

「先輩、夢のほうは大丈夫なんですか?」

 

「あーうんそれがさ、昨日いつもとは違う夢を見たんだ、それも二種類」

 

搭城は興味ありそうに「どんな夢を見たんですか?」

 

僕は一瞬その一つ目の夢イッセーが殺される夢がフラッシュバックし搭城から暗い表情を浮かべそらす。当然そんな僕を見た搭城は心配したような顔で「ホントに大丈夫…ですか?」

 

「いやなんでもないよ。それで夢の内容なんだけど一つ目は友達が殺される夢なんだ。変な、そう黒い天使みたいな翼の生えた女性が僕の友達の腹に槍を刺して殺すっていう夢。」

 

と内容を言った瞬間、一瞬、ホントに一瞬だけ目を見開いた搭城の顔が見えた。今朝のイッセーやグレモリー先輩といい今日は何かおかしい。

 

「それで二つ目は?」

 

そう言った搭城はどこかいつもと違ってなにかおかしかった。まぁとりあえず気にしないことにした僕はけさゆめをありのまま搭城に話した。搭城は少し考え込むと思い出したように「実は昨日先輩の夢をどうにかできないかといろいろ調べてみたんですがもしかしたらその夢はここじゃない別の世界の自分の姿だとか、あまり信憑性はないですけど」それを聞いた瞬間いつの日かイッセーの言っていた言葉を思い出した。

 

 

 

『へぇ~もしかしたらその紫色のロボットにのってんのお前かもなシンジ』

 

 

 

「先輩?」

 

「あ、あぁごめんちょっと考え事してた、おっとはやくお弁当食べないと」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、昨日の夢が気がかりな僕は「イッセー、今日一緒に帰らない?」と隣の席で帰りの準備をしているイッセーに言うが「ん?あぁーわるい今日元浜ん家寄るから無理」と言われ仕方なく一人で帰ることにした。

 

何事もなく家に着いた僕は疲れたようにベットに倒れこむと「今日はなにかとおかしな日だったなぁ」と一日の感想を述べるとそのまま妙に疲れていたからか寝てしまった。

 

そして六時を過ぎたあたりで僕は起きた。ちょうど晩御飯の前に差し掛かったいい時間、僕は誰もいない下の階に降りると小腹がすいたので財布を持ち近くのコンビニへ。ちなみに誰もいないのはおじさんは飲み会、おばさんはたぶん夕食の買い出し、イッセーは元浜の家にいるからだ。

 

それでおにぎり一つと炭酸飲料を買った僕はコンビニを出ると家へと帰る。行くときは気にしていなかったがやけに帰りになったとたん胸騒ぎがした僕は昨日夢に出てきた公園の前に立ちどまる。

 

「あれ…?イッセー?」

 

なぜかイッセーが公園内にいた、が何やらようすがおかしくイッセーは額からすごい量の汗をかいているし目の前にいるなにかに怯えているようにも見える。

 

『うぐああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーッ!!』

 

昨日の夢が脳裏によぎる。

 

嫌な予感がした。

 

()が現実になる気がした。

 

すると僕の体は考えるよりも先にイッセーの元へと駆けだしていて

 

「シンジ!?なんでここにいるんだよ!?」

 

前に立ちイッセーを守るように両手を広げ目の前にいる“黒い漆黒の翼”を広げるコート姿の男に言った。

 

予感は的中したように男は僕に向かっていった。

 

__邪魔だ“人間”、と。

 

「死にたくなければどけ、お前はただの人間だ今そこを退けば逃がしてやる」

 

「嫌だ、イッセーは、イッセーだけは…たった一人の親友だけは……助けるッ!!」

 

もういやなんだ、誰かを失うのは。

 

頭の中にいろいろなビジョンが流れ込む。

 

さまざまな怪物と戦う、巨大な紫色のロボット、エヴァンゲリオンに乗った自分の姿が。

 

「シンジ、お前その恰好…!?」

 

「ほう、神器をその身に宿していたか人間の小僧、ならば」

 

そうだ、今なら確かにわかる、いまの僕なら、“エヴァンゲリオンになった僕なら”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「助けられるッ!!!」




オーフィスについては次回たぶん書きます。
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