リリカルチート物語   作:抹茶ミルク

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第5章 タスケンジャー推参、スカさんもいるよ編

 ――1――

 

 

 なのはと別れ、無人世界にある自分の家へ帰ってきた。

 家に入るなり、俺はソファーにダイブした。

 

「あ~、疲れた」

 

 肉体的にじゃなくて精神的にね。

 やっぱ俺、駆け引きとか向いてないわ。

 適当に生きていたい。

 

 ただ……あの後、一時間ほどキャロと二人でなのはを弄り倒したのだが、真っ赤になるなのはが可愛かった。

 あれは弄り甲斐がある。

 悪魔とか嘘のように可愛らしかった。

 あんななのはなら大歓迎だ。

 

「とりあえずの目的は果たしたし……これからどうするかな」

 

 正直言えば、困ってる人を助けよう計画はもうやる意味がない。

 原作まで、あと一年ぐらい。

 

「何しよう?」

 

 よく考えるとやることないぞ……。

 キャロも性格は原作とかけ離れちゃったけど力は制御できるようになったし、俺は俺で自分の能力も大体把握した。

 

 ……マジでやることがなくなった。

 

 どうしよう。

 

「キャロー、何かこれからやりたいことあるー?」

 

 もう考えるのも疲れてきたのでキャロに訊いてみる。

 キャロはソファーにうつ伏せになっている俺の横に座っていた。

 あんま気にしたことないけど、そう言えばいつもこのぐらいの距離にキャロがいることが多い気がする。

 だからなんだって話だけど。

 ちょっと気になっただけだから意味はない。

 

「暴れたいです」

 

 キャロが答える。

 戦闘狂か。

 

「却下」

「じゃあ、もうお風呂入って寝たいです」

 

 うん。そうだね。

 お腹一杯食べたもんね。

 

「あほ。今したいことじゃなくてこれからしたいことだよ」

「あほとはなんですか。お腹一杯で眠いときにいい考えなんて出来るわけないです」

 

 おお、そう言われればそんな気もする。

 でも俺はお前と違ってお腹一杯じゃないけどな。

 俺は話しててあんまり食べてないんだよ。

 てか、そもそもケーキばっかりそんなに食えるか!

 

「だから寝ると良いと思います」

 

 なんかホントに眠そうにふにゃふにゃしている。

 

「わかったよ……まぁ急いで結論付けることもないし」

「そうです。それがいいです」

「とりあえず寝る前に風呂入って歯磨けよ」

「入ります」

 

 ボーっとした様子でのろのろ動くキャロは見ていてどうにも危なっかしい。

 俺も疲れているが仕方ない。

 

「よっ……と」

 

 立ち上がる。

 

「ほら、行くぞ」

「はい」

 

 キャロの手を引いて風呂に向かった。

 

 

 ○

 

 

「さて、一晩寝て、頭はハッキリしたかね?」

「なんですか、その口調は。似合ってませんよ」

 

 キャロ絶好調。

 

「……まぁ、今の発言は聞かなかったことにしてやろう」

「そんなこと言って、今まで何を言っても怒ったりしたことないですよね」

 

 だってお前、本当に嫌なこと言わないし。

 それに幼女は愛でるものであって傷つけるとか俺には出来ない。

 幼女にひどいことなんて出来るわけないじゃないか。

 

「……なんかバカにされた気配がするんですけど」

「何をばかな……バカにするなんてとんでもない」

 

 幼女は素晴らしいものだよ。

 最近、幼女から少女にシフトチェンジしつつあるキャロだが、少女もまた素晴らしいものなので関係なかった。

 

 だが、まだ欲情はしていない。

 それだけは信じて欲しい。

 俺はまだキャロに欲情していない。

 

「何か眼つきが気持ち悪いんですけど……まぁ、とりあえずいつも通りでいいんじゃないですか?」

 

 気持ち悪いとは何事か。

 

「いつも通りって……困ってる人を助けようの会?」

「お助け戦隊、タスケンジャー」

「なにそれ、ダサい」

 

 しかも二人なのに戦隊て。

 そういえば最近、地球の戦隊物一緒に見たなぁ。

 

「う、うるさいです」

 

 顔を赤くするキャロ。

 

「でも、お前そんなに乗り気だったっけ?」

「別にどうでもいいですけど……お礼に色々貰えるじゃないですか」

 

 確かに今まで色々貰ったな。

 

「あ、そう言えば……この前、お礼にケーキ貰ったけど。お前……もしかして」

「さ、行きましょうか!」

 

 図星だったのか、話を無理やり終わらせるキャロ。

 

「いいんだけどね」

 

 キャロがやる気で他にやることなんてないんだし、断る理由がない。

 

「何してるんですか! 行きますよ!」

「はいはい」

 

 そして、いつものように、困ってる人のところへ行けるように念じながら、俺はスキマを開くのだった。

 

 

 ○

 

 

 繋がったスキマから出る為に、スキマを開き始めたとき、外からなにやら話し声が聞こえてきた。

 

「危険です! 下がってください!」

「いや、しかし、これは面白い現象じゃないか! 私はこんな魔法見たことがない」

 

 何か言い争っているんだが……何か聞き覚えのある、いや~な予感のする声なんだが。

 

「ですが、何があるか分かりませんのでお下がりを。チンク!」

「ドクター、後ろへ」

「仕方ないね。トーレ、なるべく壊さないように頼むよ」

「善処します」

 

 何か凄い嫌な単語がいくつも聞こえたんだけど。

 

「何してるんですか? 早く開けてください」

 

 スキマを開くのを躊躇っていると、後ろからキャロに急かされる。

 

 えぇーい! 男は度胸!

 

 俺はスキマを一気に開いた。

 

「なっ!? 人間!?」

 

 驚いているのは目の前、一メートルも離れてない位置で紫色の羽『インパルスブレード』を構える紫色のショートカットの女性、トーレ。

 

「ほう、面白い。あれは転移魔法だったのか……いや、見たところデバイスを持っていない……ということは、レアスキルの一種かな?」

「ドクター、ぶつぶつ言ってないで下がってください」

 

 そのトーレの後方で銀髪の小柄な女性、チンクに守られるような形でこちらを見てなにやら呟きながら考察しているのは……なのは達の敵であるスカリエッティさん、その人である。

 

 それにしても、なんかチンクの口が悪い気がしたが気のせいだろうか。

 

「え、なにこの状況」

 

 キャロが呟く。

 正直、俺にもわかりません。

 

「あ、あの紫の髪の白衣着た変態っぽいのってもしかしてスカさんですか?」

 

 実はキャロにはスカリエッティの事はある程度話している。

 今までスカさん関係の依頼もあったのだが、それを断るのは何でだと聞かれ危ないからだと、仕方なしに重要なこと意外教えてしまった。

 

 そんな俺とキャロの二人には、スカリエッティはスカさんという呼称で統一されている。

 スカリエッティって言いにくいよね。

 それにスカさんの方がなんとなく親しみやすいじゃない。

 親しんでどうするって話だが。

 

「へ、へんたい」

「ぷっ」

 

 呆然とするトーレと噴き出すチンク。

 やっぱりチンクの性格がおかしい気がする。

 

「ほう。スカさんとは初めて呼ばれるね。なかなか悪い気はしないよ」

 

 なんか気に入られました。

 

「さて、君達は一体何者で、何が目的でここまで来たのかな?」

 

 スカさんが問いかける。

 

「お助け戦隊! タスケンジャー!」

 

 ビシッとポーズを決める。

 

「…………」

 

 無言でキャロにポカポカ殴られた。

 

 

 ――2――

 

 

 さて、スカさんのアジトへとスキマを開いてしまった俺達だが、

 

「先程の転移は実に興味深い現象だったよ。出来れば詳しく調べたいものだね。あ、遠慮せずに飲むといい、別に薬なんか入っていないよ」

 

 なんか食堂っぽいところへ通されてお茶を差し出されていた。

 ちなみにお茶を入れてくれたのはウーノさんだった。

 とても美人でした。

 お茶を入れた後、ウーノさんは俺の対面に座るドクターの後ろに控えている。

 

 ウーノの他に先程のトーレとチンクがいる。

 

 さらにクアットロもいて、此方を伺うようにニヤニヤしている。

 性格……悪そうです。

 

 あ、あと、天井から顔だけ出してるセインが怖いです。

 見た目的に。 

 

 現在稼働中のナンバーズがほとんどここに居た。

 ドゥーエは既に管理局に潜り込んでいるのか見当たらない。

 

 スカさんはやけに友好的。

 トーレは敵意剥き出しで此方を睨んでいる。

 確かトーレって戦闘好きだったよな……見ないようにしよう。

 

「何睨んでるんですか。やっちゃいますよ?」

 

 喧嘩売るなや。

 

「ほう、子供の癖に中々言うな。だが貴様では相手にならん」

「かっちーんときました。私が身体だけ大きい単純そうなあなたに負けるわけないじゃないですか」

 

 お前も十分単純だが。

 亀の甲羅振り回すだけじゃねーか。

 

「ふ、ふふ……面白いことを言う子供だ。私より強いと思っているとはな」

「事実です」

「ならばトレーニングルームで一戦願おうか?」

「上等です。亀甲縛りの刑に処してやります」

 

 コイツラ、何二人で盛り上がっちゃってんの?

 

「マテや」

「止めないでください。どうやってこのオバサンを縛ってやろうか考えてるんで」

「それは非常に見たいけど、あんまり問題起こすな。シュークリームやらないぞ」

「やめましょう。無益な争いは何も生み出しません」

 

 無益な争いしようと思ってた奴が言うセリフじゃない。

 つーかトーレがオバサンって……。

 

「トーレもやめたまえ。彼らは大切な客人だよ?」

「しかし、ドクター……わかりました」

 

 反論しようとしたトーレだがスカさんに一睨みされ引き下がった。

 

 それはともかくとして。

 

「スカさんに調べたいとか言われても身の危険しか感じないんで勘弁してくださいとしか言いようがない」

「ふむ、残念だね。是非調べてみたいのだが」

「断る」

 

 人体実験しか想像できない。

 

「では、君がここへ来た目的を教えてくれないかい?」

「知らんがな」

「……どういうことかな?」

 

 どういうことと言われても。

 偶然としか言いようがない。

 

「困ってる人はいねぇがぁ。あ、スカさん。調べるのはマジ勘弁。そして、眼鏡、テメェーは駄目だ。今ここ」

「よく分からないがクアットロが駄目だというのはわかったよ」

「ドクターッ!?」

 

 俺的に分かりやすく説明したつもりなのだが。

 

「ていうか、何でそこで私が出てくるんですの!?」

「知らんがな」

 

 キャロ、真似すんな。だがグッジョブだ。

 

「このガキ……こ、殺してやりたい」

 

 プルプル震えるクアットロ。

 

「まぁ、実際のとこ、何か言わなきゃいけないような気がしただけ」

「何一つ理解できないですわ!」

「お前は理解できないんじゃない、理解したくないだけだ」

「っ!? ど、どういうことですの!?」

「お前は、性格が、悪い」

「余計なお世話です――――っ!!」

 

 クアットロは叫びながら走り去ってしまった。

 あ、物陰に隠れてこっち見てた。

 無視しとこ。

 

「面白いがあまり苛めないでやってくれないかな?」

「まぁ、もう満足したからいいけど」

 

 今はね。

 あれは苛めたくなる雰囲気を纏ってたからこれからどうなるか分からないぞ。

 

「そんな訳でここまで来たんだけど」

「そんな訳も何も、先程の説明では良く分からなかったのだが」

「スカさん、今困ってることあるんじゃない?」

 

 俺がそう言うとスカさんは目を見開いて驚いた後、おかしそうに「くっくっ」と笑いだした。

 

「そうだね。確かに私は困っている」

 

 困ってんじゃねーよ。

 そのせいでこんな状況になっちまったじゃねーか。

 まぁ、チンクに会えたのは嬉しいけど。

 セインも結構可愛いし、他のナンバーズも稼動したら是非会いたいね。

 

「最近思うように研究が進まなくてね。どうしたものかと考えていたのだよ」

 

 語りだすスカさん。

 話が長くなりそうだったのでチンクを見つめてみた。

 

 やっぱ可愛いわ~。

 眼帯とか厨二的オサレだよね。

 

「…………と、聞いているかい?」

「ごめん、全然聞いてない。それより俺にチンクくれない?」

「あげないよ」

 

 くれよ。

 

「チンクさん、チンクさんや」

「なにか?」

「スカさん好き?」

「嫌いだが?」

「チンク!?」

 

 お、ドクターが驚いてる。

 やっぱチンクさん何かおかしいね。

 

「く、やはりあの時の後遺症か」

 

 何かスカさんが呟いている。

 え、何かあったん?

 でも、それがなきゃ自分が嫌われるはずがないとか言ってるスカさんは引くわ。

 あ、作ったときにそういう風にしたわけね。

 

「あの時ってなに?」

 

 気になったので訊いてみる。

 

「いや、半年ほど前なのだが……ある任務中に何者かの襲撃を受けてね。外傷は修理したし、システムもなんら不具合は見つからなかったのに性格が襲撃前と比べ大きく変わってしまったのだよ」

 

 そんなことがあったのか。

 

「へぇ~、修理ねぇ」

「この子達は皆、私の作った戦闘機人。人間ではないのだよ」

 

 聞いてないが、俺が修理という言葉に疑問を持ったと思ったのかスカさんが説明してくる。

 しかも、どことなく自慢っぽい雰囲気。

 

「人間じゃないとかどうでも良いんでチンクくれない?」

「やだよ」

 

 くそぅ。

 

「その襲撃者って分かってないの?」

「ああ。そのときのメモリーも調べたのだが犯人は全く映ってなかったよ」

「ふ~ん」

「見てみるかい?」

「いいの?」

「何か分かるかもしれないからね。クアットロ、映像を」

 

 未だに物陰に隠れているクアットロに指示するスカさん。

 

「い、いやですわ!」

 

 俺とキャロを威嚇するクアットロ。

 

「はぁ……困った娘だ。ではウーノ」

「はい」

 

 ウーノがなにやら操作して、俺達の前に巨大な画面が現れる。

 

「その瞬間の映像は短いのだがね。何しろ気付いてからやられるまで一瞬だ」

「へぇ~」

 

 それは凄いな。

 チンクって結構強いんだろ?

 確か一対一でゼスト倒したんだし。

 

「では映します」

 

 ウーノがそう言うと、画面に映像が映し出された。

 

 

 ○

 

 

 映像は建物の中を走っているチンクの目線で始まった。

 

 暫く走って進んでいると、

 

「なんだ?」

 

 建物全体が大きく揺れた。

 足を止め辺りを見回すチンク。

 

 暫くして揺れが収まると再び動き出そうとする。

 が、その時、凄まじい音と共に、チンクの近くの壁が吹き飛んだ。

 

「なっ!?」

 

 驚いてそちらに振り向く。

 振り向いた先、自分に向かって物凄い勢いで迫ってくる魔法のようなもの。

 それを見たチンクは驚きで一瞬止まってしまった。

 そこには――――

 

 ○

 

 

「と、まあ、こんなことがあったのだよ」

 

 映像を止め、スカさんが話し出す。

 映像の最後、止まってしまった所為で、自分に向かってくる物体を避けられなかったチンク。

 

 映像を見終わったあと、俺はだらだらと冷や汗を流していた。

 

「……キャロ」

 

 俺は小声でキャロに話しかける。

 

「…………」

 

 キャロも引きつった顔で頷いた。

 

 チンクがおかしくなった原因。

 映像を見た瞬間に分かってしまった。

 

 だって――――

 

 映像の中で、チンク目掛けて迫ってくる攻撃。

 

 それが――――

 

 召喚されたチェーンで縛られた、亀の甲羅だったのだから。

 

 

 

 ――3――

 

 

 確実に犯人はキャロだ。

 他に亀の甲羅振り回すような奴を俺は知らない。

 

「見ての通り、あの攻撃の影響でチンクの様子がおかしくなってしまったのだよ」

 

 スカさんに関わらないようにしてたのに、変な感じに関わってしまっていた。

 キャロの攻撃には相手の精神に何らかの影響を与えてしまうような何かがあるのだろうか。

 

 スカさんはさらに語る。

 

「まぁ、おかしいと言っても私に対してだけなのだがね。他の娘達に対しては今までとなんら変わらぬ態度でいるようだ」

 

 スカさんだけに?

 

「私もたまに酷いこと言われますわっ!」

 

 クアットロも?

 

「どういうこと?」

 

 俺はチンクに問いかけた。

 

「知らん。ただ最近ドクターを見ると弄りたくてしょうがなくなるんだ。あとメガネも」

「……分かります」

 

 キャロが頷いていた。

 まぁ、俺も分かるけど。

 何か弄り甲斐がありそうだもんなぁ。

 

「お前がうつったんじゃね?」

「どういうことですか」

 

 殴るな。

 

「俺にうつすなよ、キャロ菌。はい、バリアはったー」

「バカですか?」

 

 ちょ、強い。

 力、強いから。

 

「何か……知っているのかい?」

 

 俺とキャロのやりとりを見たスカさんが何かに気付いたように言う。

 

「知っていると言えば知っている気がしなくもないし、知らないと言えば知らないような気がしなくもない」

 

 正直に自分達(キャロ)が犯人ですなんて言えるか!

 

「まぁでも……スカさんとメガネにしか被害がないならいいんでない?」

「そうですよ。それにその方が笑えます」

「だよな」

「はい」

 

 別にそこまで大きく変わってるわけじゃないし。

 スカさんとメガネ以外には前のままならそれでいいじゃない。

 

「だがね……私が嫌われるとこれからの計画に支障が」

「嫌われると言っても言われたことはやってくれるんでしょ?」

「まぁ、そうだが」

「なら、いいじゃない。お父さんの事、本当は大好きなんだけど反抗期がきちゃった娘とでも思っておきなよ」

 

 その方が萌えるから。

 

「ほう…何故だか胸が高鳴るね」

「そうだろうそうだろう」

「これが……萌えと言う奴かい?」

「そう! 口では嫌いと言っていても、実はドクター大好きと思っているんです!」

 

 想像したのかスカさんがちょっとニヤけた。

 

「心の底から嫌いなんだがな」

 

 チンクェ……。

 スカさん落ち込んじゃったじゃないか。

 

「てか、スカさん戦闘機人だのなんだの言う割にはみんなのこと好きだよね」

「当たり前じゃないか。彼女達は私の創り上げた芸術品だよ! 愛していないわけがない!」

「親心ってやつですな」

「まさにその通りだよ!」

 

 意外と話せるじゃないか、スカさんよ。

 

「だから早く彼女達の性能を魅せつけてやりたいのだがね。思うように研究が進まなくてそれも出来ない」

「あ、ここで最初の話に戻るんだ」

 

 てか、やっぱ普通じゃないわ。

 戦闘機人の性能を魅せつけるってことは戦闘だろ。

 確実に六課襲撃の前フリじゃん。

 

「研究が進まないねぇ……それはお助け戦隊の管轄外だな」

「荒事専門ですもんね」

「技術とか……無理だろ」

「ぎじゅちゅ……」

「噛んだ」

「噛んでないです」

「噛んだよ。ぎじゅちゅって」

「噛んでないです」

「噛んだってば」

「じゃあ噛んだって事でいいです」

 

 いいですも何も、噛んだだろ。

 

「お、耳まで赤いぞ。恥ずかしいんじゃん」

「恥ずかしくないです。これは身体が火照ってるだけです」

「幼女が何を火照ってんだよ」

 

 エロか?

 発情でもしたか?

 恥ずかしいんだろ? ん?

 

「視線がムカつきます」

「そりゃ悪いな」

「がぶ」

「ぐあっ!」

 

 噛むな!

 最近お前噛みつくの癖になってるんじゃないか?

 ふーふ、ペロペロ……嘘、ペロペロはしてないよ。

 ホントだよっ!

 

「そろそろ話に戻っていいかな?」

 

 スカさんが呆れたように此方を見ていた。

 

「チンクをくれるという話だったね?」

「違うよ」

 

 くそ……。

 嫌われてるんだからいいじゃないか。

 

「どうしたら研究が進むと思う?」

「俺、テレビとか叩いたら直ると思ってるんでそういうのはちょっと……」

「ふむ……君はどうかな?」

「私もデバイスが調子悪いときに叩いて直したことがあるのでちょっと」

 

 似たもの同士だね、とか呟かないで!

 

「まぁ、仕方ないか。やはり自分の力で解決するとしよう」

 

 最初からそうしてよ。

 あ、俺達の方からこっちに来たんだっけ。

 

「あ、じゃあもう、お助け出来ないんで帰りますね」

「そうかい。また来るといいよ。君達は中々面白い、良い気分転換になったよ。今なら良いアイデアが浮かびそうだ」

「ならば、次に来るときは甘いものを所望する」

 

 お前はいつでも変わらんな。

 いつまでも変わらないキミでいて……なんて言うか! 少しは変われ!

 

「生憎と私はそういった物には疎くてね。ウーノにでも調べさせておこう」

 

 スカさんも何まともに対応してんすか。

 

「なら俺はチンクさんを所望する」

「それは駄目だよ」

 

 チッ。

 

「じゃあセインでもいい」

「あ、あたしッスか!?」

 

 天井から顔だけ出して驚いている。

 

「それも駄目だよ」

「くそ! じゃあノーヴェかディエチかウェンディでいい!」

「あげないよ」

 

 スカさんのばかやろう!

 あ、あと、さっき言った三人も最初からいるぞ?

 ただ喋ってないだけで。

 何か警戒してるのか近づいて来ないし。

 

「チンクさん、ウチに来ない?」

「ドクターはどうでもいいが姉妹がいるのでな。これから生まれる妹達もいる」

「じゃあドクター以外の皆一緒でいいよ」

「ふむ、それなら」

「チンク! 何を言っているんだい!?」

「私は嫌ですわ!」

 

 折角チンクが乗り気なのにドクターとメガネに反抗される。

 

「まぁ、いいや。また会いに来るし」

「そうか。何故か私もそこの……キャロだったか? に親近感がわいてな。また来るといい」

 

 それは亀的な意味ででしょうか。

 

「あ、スカさん」

「なんだい?」

「さっきチンクさんが言ってたこれから生まれる妹って?」

「ああ、私が作った娘はまだいてね、それが数年以内に稼動するんだよ」

「ほう、娘とな。このむっつりさんめ!」

 

 綺麗な女ばっかりってスカさんも最高評議会もとんだムッツリだぜ。

 

「むっつり?」

「そうじゃないか。こんな綺麗な顔の女の子達にこんなにピッチリしたボディスーツ着せてさ」

「ふむ、これは動きやすいからなのだが」

「絶対嘘だね! 俺は正直エロい目でしか見れないね!」

 

 俺が言うとトーレとチンク以外のナンバーズが身体を隠すように抱きしめてあとずさった。

 

 く、このままじゃ嫌われるじゃないか。

 

「スカさん……こんな罠を張っていたなんて……さすがだぜ」

「私は何もしていないのだが」

「まぁいい。俺は帰る」

 

 スキマを開く。

 

「あ、妹達が動き出したらここに連絡ちょーだい」

 

 スキマに入る前に通信機の連絡先をスカさんに渡す。

 

「ふむ、分かった。必ず連絡しようじゃないか」

 

 スカさんが頷いたのを見てスキマに入る。

 

「よろしく! またな! 可愛い娘を用意しとけよ!」

「甘いもの用意しとけよ」

 

 言い残してスカさん家を後にした。

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