〜もしエス〜 もし女子剣道部のマネージャーがインフィニット・ストラトスを起動したら   作:通りすがる傭兵

12 / 56
今回は蛇足回みたいなもんです。
書き方が少々特殊なんで読みづらいでしょうし、読み飛ばしても大丈夫だと思います。


それでも良い方はどうぞ。


第10.5話 断章 取材記録 1-a

 

 

 

まず、取材を受けてくれてありがとう。

結構胡散臭かったでしょ。

 

「ぶっちゃけるならそうです、ね」

 

たはー、結構言ってくれるわね。

 

「いえ、別にけなしているわけじゃ!」

 

いつものことだからもう慣れちゃったわよ。

とりあえず、名前と年齢、クラスお願いできる?

 

「えと、みんな知ってると思うんですけど」

 

まあ儀礼的なものだけど一応って事で。

 

「わかりました......

1年1組、織斑一夏、16歳です」

 

織斑一夏、と。

よし、じゃあバンバン質問していくけど、答えたくないなら答えなくてもいいし、言いたいことがあれば言っても構わないわ。

それと、原稿ができたらちゃんと送るわね。

 

「そ、そんなに至れりつくせりで......」

 

いいのいいの。私、他人の嫌な顔ってあんまり好きじゃないから。クリーンで後腐れのない取材を心掛けるようにしてるの。

 

「じゃ、じゃあ......ありがとうございます」

 

んー、初々しいわねえ。入学した頃を思い出すわー。

じゃ、本題に入りましょうか。

この学校はどう? 楽しい?

 

「楽しいですよ。

アイツら、あ、弾と数馬って言うんですけど、そいつらと離れてしまったのは残念です。けど昔なじみと再会できましたし、気の合う奴らもいっぱい見つけられました。

あと、空を自由に飛び回れるってのは、純粋に楽しいっす」

 

たしかにそうね。

 

「それと、学食が美味しいんですよ。

料理は出来るんですけど、こうプロフェッショナル、って言うんですかね。技を盗もうにもレベルが高くて、まだ四苦八苦してます」

 

ハングリー精神旺盛ねえ。確か厨房で働いてる1人が料理部で副顧問をしていると聞いたわ、時間があれば聞きに言ったらどうかしら。

「そんな事が、行ってみます!」

 

こらこら、まだ取材中よ〜。

 

「ごめんなさい、つい」

 

何が貴方をそんなに駆り立てるのかしら。将来の夢はシェフとか、料理人?

 

「いえ、違いますよ?」

 

おや、ではどのような。

「だって、みんなが笑ってくれたら嬉しいじゃないですか。俺ができそうな方法が料理だったってだけで、違ったらその方向を勉強しますよ」

 

泣けるわねえ。

 

「このくらい当然ですってば」

 

ところでみんな、って誰の事?

もしかしてガールフレンドとか?

 

「みんなはみんなですよ。友達とか、千冬ね、織斑先生とか。

恋人は......恋愛感情はイマイチわからないんですよ」

 

あら残念。じゃあお姉さんが立候補するのもありかしら?

 

「クラス対抗戦に向けて成政や箒が張り切ってますし、練習でいっぱいいっぱいなんです。ごめんなさい」

 

あら残念。せっかく彼氏ができると思ったのに。

 

「本当にすみません」

 

いいのいいの、冗談だったから。お姉さん彼氏持ちだし。

 

「え、そうなんですか」

 

これも冗談。けど付き合いそうな男女二人組はぱっと浮かぶわねー。何か知らない?

「......俺が知っている限りであれば」

 

あの2人、初日にハグしたって本当?

 

「そりゃあもう、ガッシリと」

 

付き合ってるの?

 

「んー、本人はそうじゃ無いって言ってますし」

 

......本音は?

 

「お前らもう付き合っちまえ」

 

わかる。廊下や武道場によく2人で話しこんでるのを見かけるの。新聞部じゃもっぱらの噂よ? 創立始めての学内カップルか! なんてね。

 

「なんで付き合わないんでしょうね?」

 

実はどっちかにほかに好きな人がいるとか。

 

「まさかー、箒は俺に当たり強いし、成政に至っては男です。無いとは......無いとは......思い、ます、よ?」

 

普通に疑いだすあたり友達としてどうなのかしら。

 

「だってあいつ場慣れしすぎなんですよ!

この前なんかうっかり更衣室間違えた時なんか、開幕早々アイツの言った言葉なんだと思います。?

『みんな筋トレ頑張ってるね、感心感心』

あんなの見たら女子に興味がないとしか思えないっすよ!」

 

今サラッと重大発言しなかった。君は女子更衣室に侵入したって事よね。大丈夫なの?

 

「あ、あれは事故です! 悪気はなかったんです!」

 

......オフレコにしとくわね。

 

「助かります......叩かれるのはもう十分だ」

 

そろそろ時間ね。まとめに入りましょうか。

 

「もうこんな時間ですか?!

やべえ、練習に遅れるかも」

 

だいじょーぶ、あと一つだから。

 

「それならいいですけど」

 

ズバリ、クラス対抗戦に向けての抱負をどうぞ!

 

「......えと、誠心誠意頑張ります」

 

面白みのかけらもないし適当に捏造しとくわね。

 

「もうそれでいいですよ! 時間ないんでこれで失礼します!」

 

はい、お疲れ様でしたー。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

こんにちわ。

 

「こんにちわ」

 

河南成政くんでいいのよね。

 

「はい、その通りです」

 

じゃあ取材始めていくわよ。

 

「お願いします、(まゆずみ)さん」

 

礼儀正しい割には織斑君とは違って固くないわね、それとも神経が太いだけなのかしら。

 

「取材なんて、10回も受ければ慣れちゃいますよ」

 

高校生で取材慣れしてるなんてどうなのよ。

 

「マネージャーなのよ」

 

おっ、成政くんはシャレを理解するタイプ?

 

「人並み程度ですって、というか早く取材始めましょうよ」

 

これは失礼。それでは始めちゃいますね。

 

織斑一夏君にも聞いた事なんだけどね、

この学校、どう? 楽しい?

 

「楽しいっすね。強い人いっぱいいるんで。

何故かIS学園てスポーツに力入れているわけでなくとも、武道系部活は強いんですよ。それが謎でして」

操縦者志望の子は何かしら学んでることが多いし、必然的にそうなるのよね。

 

「なるほど理解しました。

それでですね、一人一人おさめてる流派もそりゃバラバラじゃないですか、興奮しないわけがない! と」

 

マネージャーの面目躍如かしら?

 

「そんのとーりなんですよ! しかもISは現在注目度の高いスポーツ、観客動員数も関わる人数もぶっちぎりで世界トップ!

競技人口は少ないのが唯一の悩みですが」

 

やっぱり夢はでっかく世界制覇! かしら?

 

「そうですねえ、なって欲しいです」

 

やはり、それは織斑君の事かしら、それとも?

 

「篠ノ之の事ですけど、邪推しないでくださいよ。アイツとはただの腐れ縁なんで」

 

その割には抱きついてたりするけど?

 

「そんくらい海の向こうじゃ日常茶飯事でしょうに。いちいちガタガタ言わないでくれます? というか女子同士はよくて男女はダメなんですか」

 

お姉さんみたいな人が邪推するからだけど?

 

「そりゃダメですね」

 

でしょう?

 

「この様子じゃ話さないと帰してくれないですし、気になるのでバラしちゃいますね。

十数年ぶりの再会で、ちょいと感極まりすぎてしまって、つい出来心って奴です」

 

それなら納得できる、かも?

 

「そこは言い切ってくださいよ」

 

......

 

「なんで無言なんですか、ねえ」

 

さて、そろそろ時間も時間ですし纏めに入っちゃいましょうか。

 

「そう、ですね。あとで問い詰めに行きますけど」

 

あら怖い怖い。お姉さん怖くて朝も起きられなくなりそう。

 

「ちゃんと起きてくださいよ」

 

別にどうでもいいじゃない、赤の他人なんだし、気にする事の程でもないと思うのだけれど?

 

「武道をおさめてる時点でもうロックオンしてますけど? ()()()()さん」

 

......え?

 

「変装はできても歩き方は誤魔化せませんよ。特に古武術の体捌き足捌きは独特ですし、すぐわかっちゃいました」

 

あらー、お姉さんもまだ未熟ね、生徒会長として失格だわ。

 

「生徒会長とは一体」

 

さあ、なんでしょう?

 

「もうひとつ。一夏も昨日取材を受けたって言ってましたけど、あれも嘘ですか」

 

あれは本当、でも薫子(かおるこ)に無理言って君のもセッティングさせてもらったの。

 

「目的は一体なんです? まさか面白そうだったからとか言いませんよね」

 

面白そうだったから。

 

「......」

 

じゃ、バレちゃった事だし、お姉さんはお(いとま)させて貰うわね。

でも最後に1つ、この質問には答えて貰うわよ。

 

「どうぞ」

 

君は、この学校で何をしたいのかな?

何を成そうとしているのかな?

 

「そんな事ですか。

 

俺がやりたいことはーーーーーー」

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「いやー、バレるなんて思いもしなかったわね」

「最近の若い子は凄いわねー」

 

深夜、消灯時間をぶっちぎってなお机に向かい続ける少女が2人。

暗闇の中でPCの液晶画面だけが無機質な光を投射し、キーボードを叩く音が部屋を支配している。

 

「で、草稿(そうこう)の方は纏まりそう?」

「んー、織斑君はともかく、河南君がグレーゾーンが多すぎるわね。どこまで使っても大丈夫そう?」

「人の恋路を妨げると蹴られそうだし、当たり障りのないことだけにしてちょうだい」

「らーじゃ」

 

たたたたたん、と文字列を打ち込む音がまた漆黒を支配する。

しばらくして、キーボードを叩く少女が覗き込んでる少女にふと漏らした。

 

「ほんと、最近のは頭おかしいわね。

篠ノ之束の妹といい、

織斑一夏君といい、

イギリスの代表候補もそうで、

貴女の妹も大概だし、

厄ネタの不法投棄じゃない。

......でも、極め付けは河南君で決まりね」

 

取材メモ、最後の一文。

生徒会長、更識 楯無(さらしき たてなし)の走り書きの字で記された言葉は、

 

「そりゃ、例えば俺が死のうが何されようが、才能あるやつを頂点まで引っ張ってくる事ですよ。

俺はハッピーエンドが好きなんでね」

 




薫子「ところで、織斑くんのキャッチコピーどうしましょうか」
楯無「我が白刃の前に、万物はひれ伏し許しを請うだろう!」
薫子「深夜アニメキメすぎて頭おかしくなったの?」
楯無「だって簪ちゃんに話合わそうと思えばそうなったんだもん!」
薫子「付き合わされる私の身にもなってみなさいよこのシスコン!」


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。