魔法の世界で攻撃魔法が使えない主人公が最強になるらしいですよ? 作:革命
雀の鳴き声が聞こえる廊下を歩いている。目を閉じていないのにボヤけてしまうのは泣いているからだろうか。悔しかった。こんなにも自分が情けないと思った日は産まれてきて一度もなかった。
Bクラスと書かれた教室の前で止まり深呼吸をする。そもそもクラス分けは、大きく二つに方法が分けられる。魔法力の高さと魔法の質だ。治癒魔法みたいな、ネタ魔法なんてものを除けばこの二つで分けられている。
つまり、このクラスにいるのは落ちこぼれのみ。そんなことを思ってしまうのは見下していたからだろう。どこか自分は特別だと思っていたから。
外からでも分かる通り教室は静だ。落ちこぼれの烙印を押されたのだ当たり前だが。次のBクラスに来る前に入ろうと教室の扉を開けた。教室内には、8人の生徒が暗そうな顔で下を向いている。中には泣いているものもいた。当然だ。これが普通なのだ。
教室の席順は特に決まっておらず窓際の一番後ろが空いていたのでそこに座った。
それから数人の子供が入ってくる。教室の人数も10人から20人に増えていく。子供が増えても静まり返っている。涙で溢す声だけが聞こえてくる。
生徒の検査が終わったのか先生が入ってくる。入ってきた先生には見覚えがあった。俺を検査してくれた時にいた人だ。凄く言い辛そうにしていたので申し訳ない気持ちも出てくる。
「君達に言っておく。確かに君達は現在の段階ではAクラスに入れた子達の方が優秀だ。だがな先生は思う。努力はいつか報われるときが来ると」
俺らしくない。今でもそう思うさ。でもさ....聞かずにはいられなかった。俺のことを知っている先生だったからかな?
「俺もですか?」
「....」
先生は目線をズラすだけで何も言わなかった。いや言えなかったのだろう。その反応に満足した俺は窓の外を眺めた。何かを諦めるように、大切なものを捨てて。
そして6年の月日が経過した。
小学校で学ぶのは基礎知識。魔法発動には魔力が必要とか集中力が必要とか、属性別に使える魔法が異なるとかだ。正直治癒魔法である俺には関係無かった。あの日以来先生も話しかけてこないし、何故か友達も出来なかった。避けられている気さえした。でもそんなことはどうだって良かった。俺はただただなにもする気は無くなっていたのだから。
ダルいやら疲れたやら眠い。終いには帰っていい?が口癖になっていた。
一人も友達はいないが小学校の6年間で良いこともあった。俺の能力についてだ。この学園で治癒魔法使えるのは俺だけなので。教えを乞うことは出来なかった。なのでひたすら木に治癒魔法をかけまくった。するとどうなったか。木が巨大化した。そしてその後に枯れた。朽ち果てるように枯れた。
6年生になる頃には、手で触れた瞬間に木が枯れた。触れたところだけだが、この手で人に触れば、考えるまでもなかった。
俺は中学生になった。だが中学では能力を披露する気はなかった。ただ治癒魔法を使って癒しただけだ。勿論落ちこぼれのクラスに行くことになるがそれで良かった。もう変に目立って疲れることとかしたくないと思えるまで堕落していた。治癒魔法の応用の様なものを見付けたのだって自分を護るためだ。
中学で習うのは魔法の応用だった。火の魔法ならただ火球を飛ばすだけじゃなくて形を変えたり速さを変えたり曲げたり。そんな授業を聞いていると疑問が湧いてきた。俺の魔法は治癒魔法だ。それなら出来る筈だと。クラスの俺を虐めていた奴を放課後、屋上に呼び出した。
「おい何のようだ?」
「確か水魔法使えるよな?」
目の前のいじめっ子は水魔法を使える。何故水魔法にしたのかというと、まあ分かるだろう。一番安全そうだからだ。何故安全そうなのかを選んだかと言えば。
「俺を水魔法で攻撃してくれ」
攻撃してもらうからだ。
「は?」