レイガストを採用する隊員は少ない。
理由としてはブレードとして使えば弧月の劣化品であること。最大の特徴であるシールドモードも普通のシールドトリガーのほうが使い勝手が良いなど。一番の理由は重いことだろうが。
だが、実際に自分でランク戦で使ってみると問題はそこではないことに気づく。最大の問題は訓練トリガーの仕様なのだ。
訓練トリガーは1つしかトリガーを使えない。これが問題なのだ。この仕様では誰もが単品で強いトリガーを使用するだろう。そうなると誰もレイガストを手に取らない。レイガストは単品では弱い。たぶん、これは複数のトリガーを組み合わせることで初めて真価を発揮する武装だ。
つまりレイガストを使うならB級になってからが望ましい。
しかし隊員は誰もがC級で始まる。C級で使いづらいと感じたレイガストを果たしてB級で使おうと思うだろうか。盾が欲しいなら普通に誰もがサブにシールドを入れて終わりだと俺は思う。
結論、レイガストに需要は無い。
『対戦ステージ市街地A、C級ランク戦開始』
相手との距離はいつも通り30mほど。腰には弧月が下げられている。
俺はシールドモードでレイガストを展開。全速力で突っ込む。トリオン体でのダッシュというのは存外に有効だ。普通に速いのでC級で咄嗟に対応出来る奴は半分ぐらいだ。
レイガストで勝つには実のところ、コレしかない。突貫で引きずり倒しブレードで斬る。馬鹿みたいだが、弧月相手にまともに切り結んでもジリ貧だ。
あと5mほどか、というところで弧月を構えた男は俺を飛び越えた。
「お前のその動きは何回も見たぜ」
俺のレイガストのシールドを踏み台にして。
「くそっ」
振り向きざまに攻撃しようと試みるが―――
『戦闘体、活動限界。緊急脱出』
やっぱアタッカー連中って動きオカシイわ。
俺の体は背中からバッサリ切り裂かれていた。
「って感じだった」
弧月の奴に負けてから2戦ほどやって、どうにかランク戦を切り上げて帰宅することが出来た。
「ほーん、そうか」
ほい、と差し出されたカップを受け取ってストローで啜る。
「兄貴、なんでレイガストなんてモノ作ったんだよ」
「あー、それな」
兄貴は俺の隣の一人用ソファに座った。
「ガンナートリガーが流行り過ぎてて腹が立ったから……」
「は?」
「いやー、俺がレイガスト作ろうと思ったのは、ガンナートリガーがあまりにも流行ってて面白くなかったからなんだよ」
「まじか」
「だから、
レイガストは不人気トリガーである。なのに、俺が使っている理由はただ一つ。気づいたら俺のトリガーチップがレイガストに変えられていたからだ。
犯人の名前は寺島雷蔵、兄だ。
「いや、確かにガンナーはカモに出来てるけどアタッカーにはボコボコにされてるんだが。何か解決策無いのか」
「う~ん、そもそもレイガスト使ってくれる人が少ないから有効な戦術とかも研究が進んでないんだよ。」
最近、ぽっちゃりした兄貴は映画を見ながら溜息を吐く。
「でもまあ、何か対策は考えとくから。早くB級に上がりなよ。そうしたら他のトリガーも使えるんだしさ」
簡単に言ってくれる。今苦労してんのは兄貴のせいなのに。ほんとは俺もアステロイドのアサルトライフル使いたかったのに。
「じゃあ、兄貴は俺がB級に上がるまでにその増えた脂肪を落としとけよ」
ということで主人公は寺島雷蔵の弟。寺島照、というオリキャラです。
ちなみに弧月使いのC級の人は、そのうちスナイパーに転向する人です。
皆さんの感想クレメンス。感想が次話の燃料になるぞ。きっと
感想書いてくれた人はありがとう!!