「今日は響さんのところに行くデスよー」
「えぇ!?今日はさすがに休まない?切ちゃん」
昨日のOTONAとの組み手で筋肉痛だから今響さんの相手はつらい。
私は切ちゃんに休みを要求したんだけど…
「そうも言ってられないデスよー…私の予感が正しければそろそろヤバいデス」
?何のことだろう?
でも探偵業を始めてから一番探偵っぽいことを切ちゃんが言ってるし、付き合った方がいいのかな?
***
「あっ!調ちゃん!切歌ちゃん!どうしたの?」
響さんは至って普通だった。
切ちゃんが言うヤバいが何かはわからないけど今のところそんな感じはしない。
「実は私達、探偵業をやっているデース!!」
「響さんも何か困ったこととか無いかな?」
「私?特に無いかなー?ていうか人助けだよね!?私も手伝っちゃおっかなー?」
うん。いつもの響さん。
これは切ちゃんの予感は外れかな?
「そんなハズ無いデス!!響さんは私達に隠し事をしてるデース!!」
「うぇぇ!?私、何か隠してたかなぁ?」
あ、切ちゃんが探偵っぽい。
でも、響さんはほんとに心当たりなさそうだけど。
***
「あっ!そういえば最近未来と会って無いかも!!」
数分して響さんが思い出したように話し出す。
「切ちゃん、連行!」
「デスデスデース!!」
そこからの私達の行動は早かった。
私と切ちゃんで響さんの両腕をがっちりホールドして響さんを連れて行く。
「えぇ!?二人ともどうしたの!!?」
「これは任意じゃなくて強制」
「大人しく同行願うデース!!」
「なんでぇーー!!?」
***
まずは、響さんを事情聴取するため、私達の家に連れて行く。
巻き込まれるのだけは絶対に避けたい。
「ここ1週間の行動を教えて?」
「さっさと吐くデース!!」
「うぇぇ!?二人ともほんとどうしたの!?何か怖いよ!?」
当然。私達も命が惜しい。
響さんの返答次第で連れて行くか1人で行ってもらうかが決まる。
「えーっと…月曜日は調ちゃん、切歌ちゃんと一緒にクリスちゃんのお家に泊まりに行ったよね?」
そう。その時に未来さんがいないことにもっと危機感を持つべきだった。
「火曜日は翼さんとショッピングして、水曜日は稽古の後、師匠と映画見て、木曜日はマリアさんとカラオケ行って、金曜日はまたクリスちゃんのお家に泊まりに行って、土曜日はクリスちゃんと1日遊んで、日曜日はエルフナインちゃんと水族館に行った感じかな?」
ジゴロかな?
何?この天然タラシ。
司令以外全然擁護できる要素無いね…
この中で唯一の男性が一番の安牌なのもどうかと思うけど…
ていうかクリス先輩の家に1人で泊まりに行ってるとか私達も知らなかったんだけど。
週末泊まりに行って次の日そのまま1日デートとか完全に…
…とりあえずクリス先輩はほとぼりが冷めるまで逃げた方が良くない?
「調?コイツどうするデス?」
「…ギルティ」
「え!?何で!?私何か悪いことしてたかな!?」
この人はこういう無自覚なところが尚質が悪い。
いいところでもあるんだけど今回の場合は最悪。
というか今こうして私達が拘束してる状況もまずい。
さっさと差し出して怒りを鎮めて貰おう。
***
「どうしたの?響。今日は人助けはいいの?」
未来さんはすぐに見つかった。
まるで自分はここにいると誰かにアピールしてるみたいにすぐ情報が入った。
情報操作されてるとすると私達が響さんを連行したこともバレてるので一緒に来て正解。
というか怖い。
全部知ってそうなのに敢えて「人助け」って言葉を入れてるのもきっと罠だ。
「いやぁ私にもよくわからないんだけど調ちゃんと切歌ちゃんに連れて来られて…」
ちょ!?そこは未来さんに会いたくてとかでいいでしょ!?
「切ちゃん、その無自覚天然タラシ黙らせて」
「ガッテンデス!」
急いで響さんを黙らせる。
状況は最悪だけど私が交渉するしかない。
「調ちゃん?どうしたのかな?
怖い。超怖い。
一見すると笑顔なのに目だけが全然笑ってない。
「どうしたの?黙ってたらわからないよ?」
「じ、実は私達、探偵業をやってて響さんから最近未来さんと会えてないって相談を受けたんです」
下手な小細工は状況を悪くするだけなので正直に答える。
きっとこれしか道は無い。
「そうだったんだ?でも学校では一緒のクラスだし会えてないってことは無いんじゃないかな?」
怖いけどやっぱり響さんのことになると少しガードが弛くなる。
ここだ!ここで畳み掛ける!
勝機を溢すな!掴み取れ!
「ええ。ですから私達は響さんの依頼は未来さんとの
「だから連れて来たデース!」
「そうだったんだね?疑ってごめん!響ぃぃぃ!」
未来さんが響さんに飛び付く。
この人も響さん絡みだとクリス先輩並にチョロい。
***
「これ以上は二人の邪魔になるので私達はこれで失礼します!」
「そう。ありがとうね?二人とも。このお礼は必ず」
「あ、お気遣いなくデース」
私達は未来さんに響さんを引き渡してバレない程度の早足でその場を立ち去った。
ちなみに響さんは未来さんにがっちり腕を極められていたけど見なかったことにした。
「何とか…」
「生き残ったデース…」
帰宅した私達は気が抜けてその場に座り込んでしまう。
「これからはこうなる前に止めるのがベスト」
「悲しいことに響さんに自覚が無さすぎるデスよ…」
一緒に住んでるのにちょっとすれ違っただけでああなるのは勘弁してほしい。
「でも調は私とすれ違ったらああならないデスか?」
「…無理かも」
一瞬で納得してしまった。
こうして私は最近響さんに似てきている切ちゃんがああならないように誘導しなきゃと心に誓うのだった。
次はエルフナインか藤尭さんだと思います。
おまけ
知らなくても大丈夫な時系列
■月曜日
クリス先輩の家にお泊まりwithビッキー
切ちゃん、クリス先輩秘蔵プリンを食べる
たやマ、友里さん、NINJAと飲みに行き、記憶を無くす
■火曜日
マリアの依頼解決デース
ビッキー、防人とショッピング
■水曜日
クリス先輩の依頼、犯人は切ちゃん
ビッキー、OTONAと映画鑑賞
■木曜日
ビッキー、たやマとカラオケ
393そろそろイライラ
■金曜日
ビッキー、クリスちゃん家に単独お泊まり
393もう限界
■土曜日
ビッキー、クリスちゃんと遊びたおす
393暗黒オーラを纏い始める
■日曜日
防人乱入、OTONAと組み手
ビッキー、エルフナインと水族館
393闇堕ち