おきてがみ切歌の備忘録   作:祥和

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今回は少し真面目回です


エルフナインの憂鬱

今日は切ちゃんとS.O.N.G本部に訓練に来ている

 

何でもユニゾンの効果向上の為に一番効果が安定している切ちゃんと私のユニゾンデータを取りたいとのこと

イグナイトはあの変態全裸局長との最終決戦で焼却しちゃったし

 

「エルフナインはいつもがんばってるから協力しないとね」

 

「調とならいくらでもユニゾンできるデース!!」

 

***

 

測定も終わって休憩中。

切ちゃんは「事件が私を待ってるデース!」と言ってどこかに行ってしまった。

まぁ帰る時に連絡して合流すればいいかな?

 

「はぁ…」

 

エルフナインがため息をついている。

いつもがんばり屋のエルフナインにしては珍しい。

 

「エルフナイン?どうしたの?」

 

「あ…調さん。実はユニゾンの測定結果の集計が間に合ってなくて…」

 

そうなんだ…手伝いたいけど正直ぱそこんは専門外。

こんな時に限って軌道計算と被害予測が得意な人いないし…

 

「そうなんだ…ごめん。手伝いたいけどぱそこんは良くわからない…」

 

「調さん達はデータを提供してくれているんですから後はボクの仕事です。気にしないで下さい」

 

そうは言ってもエルフナインは私達の為にがんばってくれているから気にしないのは無理。

手伝えないならせめて見守ろう。

 

***

 

あれから3時間経ったけどエルフナインは休憩もせずひたすら仕事をしている。

さすがに少しは休んだ方がいいんじゃないかな?

 

「エルフナイン?少し休憩したら?」

 

「ありがとうございます。でもまだこっちのデータの整理が出来てなくて…」

 

さらに1時間経過。エルフナインはまったく休む気配が無い。

 

「エルフナイン?そろそろ…」

 

「ごめんなさい。このデータの集計がまだで…」

 

さらに1時間経過。エルフナインは計5時間休憩もしないで働き続けている。

さすがにそろそろ止めた方がいいよね?

 

「エルフナイン。さすがにそろそろ休憩した方がいい」

 

「ごめんなさい。今ちょうどこっちの作業を着手したばかりで」

 

またこの問答。さすがに私も少し強気でいく。

 

「ダメ。少しでも休まないと体に響くよ?」

 

「ボクはホムンクルス。作られた命ですから多少の無理は大丈夫です」

 

その言葉が私の逆鱗に触れてしまった。

 

「関係無い。作られた命でも命に変わりない」

 

ダメ

 

「それにエルフナインはお父さん(イザーク)のことも兄弟(キャロル)のことも知ってる」

 

止まれない

 

「切ちゃんも私も親のことも自分自身の本当の名前もわからない!」

 

胸の想いが言葉になって溢れ出てくる。

 

「たとえ作られた命だとしても自分が何者かもわからない私達はあなたのことがすごくうらやましい!」

 

「だからもっと自分のことを大事にして!」

 

気付けば私は涙を流していた。

おかしいな。

涙なんてとっくの昔に渇れ果てたと思ってたのに。

やっぱり、ここは暖かすぎる。

 

***

 

「すみませんでした。調さんのことも考えずつまらないことを言ってしまって」

 

「気にしないで。というか忘れて?」

 

言いたいことを全部言って、泣けるだけ泣いて少し落ち着いた私にエルフナインが謝罪してくる。

 

「言葉を間違えました。作られた命とか関係無く、ボクはボクの意思で皆さんの力になりたいんです!」

 

「ボクの力不足のせいで皆さんが取り返しのつかないことになったとしたらボクはボクを許せません!」

 

「だから」

 

「少しの無理はさせてください。ボクも気をつけますので、やり過ぎだと思ったら、また、今日みたいに止めてください」

 

「うん。最初からそう言ってくれたら良かった」

 

そうすればあんな黒歴史は構築しないで済んだかもしれない。

 

「フフフ…そうですね」

 

「うん。そう」

 

そんな話をして、エルフナインも私も自然と笑みが溢れる。

 

「じゃあ、約束」

 

私が小指を差し出す。

 

「はい」

 

エルフナインも小指を出す。

 

「指切りげんまん嘘ついたら禁月輪。指切った」

 

「…これは絶対に約束は破れませんね」

 

***

 

「あ、調。こんなところにいたデスか?」

 

「うん。エルフナインのお仕事を応援してた」

 

しばらくして、ようやく切ちゃんが帰ってくる。

 

「はい。調さんの応援のおかげでボクも仕事が捗りました」

 

「そんなことない。エルフナインの日頃の努力の賜物」

 

「うーん。何か二人とも妙に仲良くなってないデスか!?」

 

!?切ちゃんが妙にするどい。

あの黒歴史はたとえ切ちゃんでも知られたくないので話を逸らそう。

 

「そんなことより切ちゃん?そろそろ帰ろ?」

 

「私からしたら大事件デスよ!?」

 

「でも、まぁ仕方ないデス。話す気になったら話してもらうデス」

 

うん。そんな日は訪れないから大丈夫。

 

「エルフナイン。じゃあ」

 

「ええ。調さん、また」

 

エルフナインに挨拶して私達は帰路につく。

 

「何かやっぱり臍下あたりがむず痒いデス!!」

 

「切ちゃん、みっともないよ?」

 

「覚悟するデス!今日は話してもらうまで寝かさないデスよ!」

 

こうして私はその日、訓練疲れで切ちゃんが寝落ちするまで尋問を受けるのだった。




次話はこのお話の裏で切ちゃんが何してたかを書きたいと思ってます。

エルフナインといえばたやマさんのイメージが強いですが割と調ちゃんとも相性いいと思ってます。
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